2014年11月14日

徹夜本見つけました――新堂冬樹『カリスマ』〜あわせて読みたい「カルト宗教」本

 
今日のなぞなぞ
「”カルト宗教本”のオススメは?」


正しいものなんて、ほんとうはなにもない。
世界に満ちる不確かさと、人は向かいあって生きていかなきゃならないのだけど、
たまに、その寄る辺なさに負けそうになる。だから
繰り返される「救い」という言葉を、自分で選んだと思いながら、選ばされてしまう。



……そんな感じかな。
今日は、読み始めたらとまらない徹夜本の紹介です♪

新堂冬樹さんは、なんと闇金融業出身。
『悪の華』など、社会のダークサイドを描いたノワール(暗黒・犯罪小説)が光る作家です。
その新堂さんが「カルト宗教」の世界を濃厚な物語に仕立てあげたのが『カリスマ』。
黒い。黒新堂、です。



ある少年を襲った不幸。
それは、母親がカルト宗教団体に洗脳されたことだった。
目を覆いたくなるような惨劇の末、両親を亡くし身寄りを失った少年。

大人になった彼が選んだ職業は……


なんと、教祖!


復讐心や母への慕情をつのらせながら
彼は信者を利用して、欲望を満たしはじめる……。



☆★☆




三人称なんだけど、わりと主人公(教祖)の視点で話が進むことが多い。
そうすると、どうなるかっていうと。

教祖のでたらめぶりが
表から裏からまる見え


なのね。
どんだけやりたい放題だよ(性的な意味でも)。


私は肉は食べない。
とか言いながら、裏ではかぶりついてるの。肉に。

教祖は全知全能ってことになってるのだけど。
知らないことを聴かれたり、できないことを求められたりすると
「私はあえて助けないのだ」って豪語する。
で、信者は「ありがたや〜」って。
それで、楽屋裏では「ふぅ、危なかった……」みたいな。



もうね。
信者たちの肩を揺さぶって言いたくなる。
「騙されてるんだってば!」と。
そのもどかしさが、またページを繰る手をスピードアップさせるのですが。


あと、これは確信犯なんだけど。
描写に品がなさすぎ。
教祖のゲスの極みっぷりに、目を離せなくなります。

怖いものみたさ、的に。
どんどんページをめくってしまう。
洗脳シーンもすごいです。精神的にクル。



☆★☆




後半になるとさらにストーリーは加速する。
神の郷(主人公が主催する宗教団体の名前)に妻を奪われた男と、
洗脳を解く活動をしている民間団体が出てきます。

三者の利害や性格が対立したり、部分的に重なったり、
物語は三すくみの様相を呈してくる。

どんどん面白くなります。
どんでん返しもバッチリ決まっています。


それから、教祖の「右腕」的な人物がいるのですが、
彼の忠誠心がすごい。最後の方は
ダメダメな教祖よりも”宗教的な真実”に近づいていくのだけど、
やっぱり教祖命! なのがまたもどかしい。

執事と主人、騎士と王みたいな、
精神的ボーイズラブがみられます。萌える。


文庫で全3巻(ハードカバーだと2巻)。
鉄板のエンターテイメント作品。ノンストップの読書体験をお約束します♪
↓漫画化もされているようです。






追記)
この『カリスマ』と、おなじく新堂冬樹さんの『溝鼠(ドブネズミ)』がコラボした作品が上梓されています。教祖と復讐屋の、前代未聞の対決。

カリスマvs.溝鼠 悪の頂上対決 (文芸書)
新堂冬樹
徳間書店
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☆★☆




”カルト宗教本”は、じつは私が好きなジャンルでして。
今日は「あわせて読みたい”カルト宗教本”」も紹介します。


1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 1
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村上 春樹
新潮社
売り上げランキング: 25,591

みんな大好き村上春樹さんの”宗教本”。
ジョージ・オーウェルの『1984年』をオマージュした小説です。
1984年の並行世界「1Q84年」で、すれ違い続ける天吾と青豆。
宗教団体「さきがけ」が、ふたりの運命のキーポイントとなります。

「さきがけ」は、カルトというよりは、ちゃんとした宗教っぽいかな。
『カリスマ』の「神の郷」のようなデタラメさはないです。
宗教団体の内部や原理を細かく描いているので、興味をそそります。
全部で6巻ですが、村上春樹さんの読みやすい文体にノセられて、さくっと読んでしまう。




洗脳の専門家でもある科学者、苫米地英人先生。
数々の洗脳本を出しています。
洗脳を解く「逆洗脳」のむずかしさは、『カリスマ』でも強調されていました。
洗脳を脱する瞬間が、いちばん危険。

苫米地先生は、教育やマスメディアに対しても「洗脳」の視点からアプローチしていて、
面白い本が多いです。とまべちっ。






以前の記事(セミナーにハマる前に……)で紹介した2冊です。
宗教じゃなくて自己啓発セミナーの本ですが、共通する原理があります。
自分にとって心地よい「物語」がそこにあれば、人は
みずからそれを”選びとって”しまう。




なにが正しいかなんて、ホントは誰も言えないけれど。
世界に満ちる不確かさと向きあうとき
手助けになるのは、本、なんじゃないかな。


だから、


みんな、いっぱい
本読もうよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆




って今回もそれだ(笑)。

「ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"!」って毎回繰り返しているわけですが、
ある意味、これも洗脳だよね。
本読めばぜったいメリットがあるよ! ……という”物語”。

でも、世界の不確かさに向きあうとき
絶対的な孤独を助けてくれるのは本だと思うし、
たくさん本を読んで、ひとりひとりがまどわされないしなやかな知恵を身につけてくれれば、
それが私にとっての正義なので、言い続けると思います。



そんなわけで。今日も


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a)


追記)
宗教関連のミステリで名作をみつけたので追加♪


飛行機をハイジャックした犯行グループ。彼らの要求は教祖ならぬ「師匠」(留置中)を連れてくること。しかし、機内では不可解な殺人事件が発生する……。「師匠」が主宰するのは、不登校児を支援するキャンプです。宗教団体ではありませんが、「師匠」の思想や能力は、あきらかにグル(指導者)のそれです。ミステリとして、名作中の名作なのでぜひ♪


追記)
『カリスマ』が面白かった人にオススメ! ↓『悪の教典』のレビュー記事を書きました♪


徹夜本見つけました――貴志祐介『悪の教典』〜あわせて読みたい「倒叙ミステリ」





【関連記事】

【ミステリ】読み始めたら止まらない徹夜本10冊【SF】
セミナーにハマる前に……
最近読んだ本格ミステリ10冊〜ロジカル思考力をバキバキ鍛えるために
徹夜本見つけました――貴志祐介『悪の教典』〜あわせて読みたい「倒叙ミステリ」
【徹夜本】地下東京に広がる腐海――貴志祐介『新世界より』の社会システムと生態系がすごい







 
posted by 姉崎あきか at 21:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会学・現代思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年11月05日

『一般意志2.0』vs『「みんなの意見」は案外正しい』vsビッグデータ

 
今日のなぞなぞ
「民主主義の未来のカタチは?」

一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル
東 浩紀
講談社
売り上げランキング: 91,779

「みんなの意見」は案外正しい (角川文庫)
ジェームズ・スロウィッキー
角川書店(角川グループパブリッシング)
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今日紹介するのは↑この2冊。
続けて読んだのですが、偶然にも
『一般意志2.0』は『「みんなの意見」は案外正しい』に言及して、参考文献として挙げていました。
なので、2冊同時にレビューしてしまおうという荒技です。


☆★☆


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『一般意志2.0』の著者は、以前の記事(碇シンジは夜神月を止められない――宇野常寛『ゼロ年代の想像力』)でも紹介した、東浩紀さん。
このブログでもちょくちょく取りあげている、”今”を代表する思想家です。

『「みんなの意見」は案外正しい』は、以前の記事(読書家5氏(伊藤真・本田直之・勝間和代・土井英司・和田裕美)の厳選オススメ本)で
経済評論家の勝間和代さんが「厳選オススメ本5冊」にセレクトしていた本です。
現題は「The Wisdom Of Crowds」……群衆の知恵。
集合知ってヤツですね。


この2冊が、めっちゃ関連がふかい。
いま想いかえしてみても、「あれ? これって、どっちの本に書いてあった話だっけ?」
となってしまうくらい。
エキサイティングな”セット読書”でした。


☆★☆


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『一般意志2.0』は、政治哲学の思想家ジャン・ジャック・ルソーの『社会契約論』を
現代に照らして読みなおしてみよーよ、というエッセイです。
『社会契約論』はフランス革命やアメリカ独立におおきな影響をあたえたとされる、
歴史的な名著。18世紀の本です。




そういえば、↑のまんが版「社会契約論」も最近読んだばかりの本でした。
シンクロニシティ続きなこの頃。

ルソーのいう「一般意志」は、
ざっくりいうと「みんなの意見」のことなのだけれど、でも
世論調査! とか、アンケート結果! とはちょっと異なる概念です。
もっと抽象的な、形而上の存在。
なにせ、ルソーは「一般意志は間違わない」というようなことを言っている。
つねに正しく最適で公益的である、と。

『一般意志2.0』はこのへんのおさらいと解釈からはじまります。


一方、『「みんなの意見」は案外正しい』は
概念ではなく、「実際におこったこと」から積みあげていく。
わりとボトムアップな本です。


・テレビ番組「クイズ ミリオネア」では、スタジオ観覧者のアンケートの正答率がいちばん高い
・スペースシャトル チャレンジャー号の爆発原因を、株式市場が予測していた
・選挙やアカデミー賞の予想でも、多数派が間違うことはすくない



……など、具体的な実例をあげて
「ひとりの賢い人間の判断」より「みんなの意見」の方が正解を導きやすいことを示していきます。


☆★☆


P1500535done

ここでポイントなのは、統計的に”正しい”傾向がある「みんなの意見」とは、
べつに「みんなで話しあって合意を得た意見(熟議)」ではなくて、
それぞれが好き勝手にてんでバラバラな価値観で判断したその(差異の)総和である、ということ。

『一般意志2.0』は「熟議」と「一般意志」の違いを何度も強調しています。

ところで『「みんなの意見」は案外正しい』の最後の章のタイトルは
「第12章 民主主義──公益という夢」。
The Wisdom Of Crowds を民主主義に活用していこうよという「夢」を語って終わります。


ここで『一般意志2.0』の帯のコピーをみてみると……。


夢を語ろうと思う。
未来社会に
ついての夢だ。



私はたまたま『みんな』→『一般』の順に続けて読んだのだけど、
なんというか。このたまたまの意味を疑いたくなるくらい。
ほんとに偶然? なにか隠された真実があるんじゃないの、って(笑)。



でね。
『一般意志2.0』は、ニコニコ生放送や水道屋などにたとえながら、
「未来の民主主義の姿」をイメージしてゆきます。

もちろん、それは
国民全員がガンガン政治的に意見する超会議! では全然はなくて。
一般意志2.0を前提条件として
”代替可能な”代表者が政を運営
していくような、ドライな世界。


あ、本書がいう一般意志2.0とは、
ITテクノロジーによって”みえる化”された「一般意志」のことです。
ツイッターやグーグルを例にあげていますが……
……これは、ビッグデータ(※)のことだよね。

※ 従来では考えられなかったような、数・量のデータの集積物のこと。


『一般』でも『みんな』でもビッグデータという言葉は出てきませんが、
これはたぶん、両書が上梓された時点では
ビッグデータという言葉がバズワード(※)じゃなかったから、かな。
もしリライトされれば、ぜったいにビッグデータがでてくるはず。

※ はやり言葉のこと。内容の薄い言葉がひとり歩きして流行している状態を揶揄する意味あいをふくむこともあります。



じじつ、「日経新聞」に掲載された鈴木謙介さんの書評では、
一般意志2.0とビッグデータの関連が言明されています。
↓以下は引用。

ビジネスの分野においては既に、消費者の好みを直接訊(き)くような手法に代わって、ビッグデータを統計的に処理して得られる行動予測の方が、市場調査のトレンドになりつつある。同じ手法が政治に応用される可能性はある。



一般意志2.0 東浩紀著 情報技術の進化と政治論じる(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO37844600X00C12A1MZC001/




テクノロジーが上手に活用され、
”案外正しい””一般意志2.0”が政治のインフラとして機能すれば
自動的に、最適に、みんなの幸せ(公益)がもたらされるかもしれない。

希望の2冊です♪


☆★☆


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そんなわけで。今日は
社会の「未来」を語る本の紹介でした。

以前の記事(最近読んだ「未来を予測する」本10冊)にいれてもよかったけど、
ものすごい関連の深さにビビっときたので、単体でレビュー。
……単体? いや、2冊セットで、だ。


最後に。
ビッグデータ関連で見つけた、面白い記事を
おまけで紹介します。


ビッグデータを分析できる!可視化を利用したウェブサイトまとめ(株式会社LIG)
http://liginc.co.jp/web/service/other-service/90986


無料でみられるビッグデータまとめ。
風の流れとか、全世界のツイートとか、眺めているだけでワクワクしません?
こういう、
「すべてを把握しきれない世界」に身をゆだねているの、私は好きですv

それでは今日も。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a)


【関連記事】

碇シンジは夜神月を止められない――宇野常寛『ゼロ年代の想像力』
読書家5氏(伊藤真・本田直之・勝間和代・土井英司・和田裕美)の厳選オススメ本
最近読んだ「未来を予測する」本10冊

【関連リンク】

一般意志2.0 東浩紀著 情報技術の進化と政治論じる(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO37844600X00C12A1MZC001/
ビッグデータを分析できる!可視化を利用したウェブサイトまとめ(株式会社LIG)
http://liginc.co.jp/web/service/other-service/90986



posted by 姉崎あきか at 03:26| Comment(2) | TrackBack(0) | 社会学・現代思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年11月11日

碇シンジは夜神月を止められない――宇野常寛『ゼロ年代の想像力』

 
今日のなぞなぞ
「2000年代とは、どんな時代なのか?」

ゼロ年代の想像力 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)
宇野常寛
早川書房
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「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が11/17、いよいよ公開になりますね〜。
そんなわけで今日はエヴァンゲリオンのお話……ではなく。
社会学、とくに私の好きなカルチュラル・スタディーズ、サブカルチャー分析のお話です。


商品を売るためには、物語が必要。


そんな言葉をよく耳にすると思います。
企画や販促、広告、ブランディングの教科書なんかで、繰り返し説かれているノウハウ。


でもでも。
じゃあ、どんな"物語"が人々の心に刺さるのかといえば。
これは、時代によって移り変わっていくかもしれません。


だとえば、いま「おいしい生活」(※)というコンセプトを聴いたとして。
たぶん、あんまり刺さらない。


※ 糸井重里さん作、80年代の西武百貨店のキャッチコピー。「不思議、大好き。」も有名。


格差・デフレ時代のいまなら
「ゆるやかな生活」とかの方が、趨勢をとらえているような気がします。
……って、訳せばまんま"スローライフ"のことなのですが(笑)。


とにかく。
どんな商品、どんなストーリーが心をとらえるかを考えるには、
今がどんな時代なのかわかっていなくては
、とっかかりが見つからない。


80年代、90年代ときて
2000年〜2010年はなに年代と呼ぶんだろうとつねづね思っていましたが。

いつのまにか"ゼロ年代"という呼び方が定着しているようで。

今日は宇野常寛さんの『ゼロ年代の想像力』 (ハヤカワ文庫 JA ウ 3-1)を読みながら、
いまの時代性をいっしょに考えてみましょ、というお話です。



宇野さんは言います。


「人は物語から逃れられない」


と。


 80年代、90年代とは何だったのか


385done

80年代、90年代というと、
ばくぜんとながら、こんなイメージかなぁというものが思い浮かぶと思います。

バブルや広告文化、ジュリアナ、アイドル歌謡……とか、
失われた十年、阪神大震災、オウム、連続児童殺人事件、小室哲哉、ヴィジュアル系バンド……など。


ふりかえってみれば、時代を象徴する現象を
いろいろと思い浮かべることができると思う。


でも、ゼロ年代をイメージするのは、意外と難しい。

小泉政権、同時多発テロ、ホリエモン、失われた二十年、
格差、ニート、ワーキングプア、無縁社会、
お笑いブーム、モーニング娘、オタクの大衆化、SNS……。

断片としてははいろいろ拾いあげることができるけど、
全体として、なんとなく統一的なイメージが湧かない。


これは、ゼロ年代がいまだに続いているから、という理由もあるのだけど、
(社会学では、〜年代というのはキリのいい〜0年で終わるという見方はほとんどされません)
なにより、
ゼロ年代という時代を包括して語る本がなかったから、というのが大きいかな。個人的には。


……たたき台や礎がないとどこにも行けない、私は
他人のあたまで考えるタイプです^^;


80年代の空気は、浅田彰さんの著作が象徴していました。
『構造と力』そして『スキゾ・キッズ』です。
(スキゾ、パラノという言葉は流行語にもなったそうです)

構造と力―記号論を超えて
浅田 彰
勁草書房
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逃走論―スキゾ・キッズの冒険 (ちくま文庫)
浅田 彰
筑摩書房
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90年代は、なんといっても宮台真司さん。
私が社会学大好きっ子になったのは、宮台さんの影響です。

援助交際、オウム、神戸連続児童殺傷事件……ある点では身近だと思える現象を、
宮台さんは的確に"社会的文脈"のなかにとらえなおしました。
豊富な知識とフィールドワークを通して。勢いのある、魅力的な文章で。

↓宮台さんの初期作品は、いま読んでも名著ばかりです。

制服少女たちの選択―After 10 Years (朝日文庫)
宮台 真司
朝日新聞社
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まぼろしの郊外―成熟社会を生きる若者たちの行方 (朝日文庫)
宮台 真司
朝日新聞社
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そんな感じで、いざ
ゼロ年代は? と問われると、ちょっと即答できない。

もちろん、東浩紀さんの存在があります。
このブログでも何度も登場している『動物化するポストモダン』がある。





東さんはゼロ年代を代表する思想家なことはたしかなのですが。
『動物化〜』は、オタク文化を扱っていながらも、
社会全体へと敷衍することのできる、すぐれた批評であることもたしかなのですが。

なんとな〜く、
すべてを"包括している"という感覚は、私は持てなかったんです。
あくまで私は。

念のためにいっておくと、
『動物化〜』は名著ちゅうの名著。すっごくオススメだし、
この本を読んでいなければお話にならないというレベルの、基礎教養ともいうべき本です♪


じゃあ、私が感じた"ものたりなさ"はなんなのかというと。

80、90年代に比べて社会がさらに細分化しているせいなのかもしれないし。
東さん……というより批評家が扱う研究対象が(本人もおっしゃっているとおり)、限定せざるを得ないという事情によるのかもしれません。
それから『動物化〜』の上梓がゼロ年代のずいぶん早い段階だった(2001年)というのも、大きいかも。


そんななか、
東さんの批評を"たたき台"にする形で登場した
ゼロ年代批評――

『ゼロ年代の想像力』という本に、
私は時代を総括するものを感じたわけです。


 因縁めいたもう1冊



『ゼロ年代の想像力』の帯の推薦文は、
↑上に出てきた宮台真司さんが書いています。
いわく……


若い書き手による、単なる「好きなもの擁護」を超えた、時代を切り拓くサブ・カルチャー批評を、僕らは長いあいだ待っていた。それが本書である。政治思想の最先端とも響きあう高度な内容は、その期待に応え得るはずだ。



ところがところが。
本書は実は、これまた先に出てきた
東浩紀さんの一連の思想を礎として、東さんに反論する形で書かれている。


宮台さんに似た手つきでサブカル分析を社会へとおしひろげながら、
あくまで東さんに反駁、ある意味では東さんに議論をふっかける評論集となっているんです。


それだけでも因縁めいていて面白いのですが。
もっと面白いことがあります。


まるでこの本と対をなすように、


宮台さんの得意分野でもある社会システム論を使って、
現代を分析している評論集
がある!!
しかも、帯の推薦文は東浩紀さんが書いている!!


気になるところではありますが、
これはまた後で紹介したいと思います。


 決断・サヴァイブの時代


391done

さて。ずいぶん前置きが長くなりましたが。
本書の紹介にいきます。


『ゼロ年代の想像力』の著者、宇野常寛さんは評論家。
「PLANETS」という批評誌の編集長をされている方です。
「朝まで生テレビ」などで見たことがある人も多いかな。


本書はゼロ年代の文学、映画、TVドラマ、アニメ、漫画……などを縦横無尽に語る、サブカルチャー批評書です。
扱う"素材"はほんとうに多岐にわたります。
↓これだけの作品に言及しています(アマゾンの<内容紹介>より、コピー&ペースト)。


青山真治/池袋ウエストゲートパーク/犬夜叉/ウォーターボーイズ/ALWAYS 三丁目の夕日/仮面ライダー龍騎/仮面ライダー電王/木皿泉/木更津キャッツアイ/オトナ帝国の逆襲/蹴りたい背中/犬身/恋空/コードギアス/宮藤官九郎/小林よしのり/最終兵器彼女/桜庭一樹/佐藤友哉/戯言シリーズ/下妻物語/女王の教室/ジョゼと虎と魚たち/新世紀エヴァンゲリオン/永遠の仔/すいか/世界の中心で、愛をさけぶ/セクシーボイスアンドロボ/涼宮ハルヒの憂鬱/西洋骨董洋菓子店/DEATH NOTE/電脳コイル/時をかける少女/ドラゴン桜/NANA/野ブタ。をプロデュース/鋼の錬金術師/ハチミツとクローバー/パッチギ!/バトル・ロワイアル/ファウスト/古川日出男/フラガール/冬のソナタ/マンハッタンラブストーリー/松尾スズキ/浜崎あゆみ/メゾン・ド・ヒミコ/よしながふみ/よつばと!/ライフ/らき☆すた/ラスト・フレンズ/リンダリンダリンダ/ONE PIECE



これらの物語を分析することで、
ゼロ年代を覆う、人々の"想像力"をあぶり出してしまおうという本。


で。
ゼロ年代とは、どんな空気なのかというと。
この本では……


決断主義(サヴァイブ系)


という言葉が出てきます。




↑『DEATH NOTE』というマンガの夜神月をイメージすればばわかりやすいのですが。
未読の方もいるでしょうから、言い換えてみると。


じぶんの信じる道を歩むため、絶えず行動する
じぶんが勝つために、絶えずまわりと戦い続ける。
対立する者や、じぶんの思想になびかない大衆も動員し、じぶんの正義を貫く。



……そんな感じ。


社会は、
みずからの生存のため、他人と殺し合うゲーム(バトル・ロワイアル)である。

というイメージです。


いや、実際の社会がそうなのかは別として。
そういう"生き残り"的な世界を描いた物語=想像力が、
多くの人々の共感をえている
ことが重要。



ハッとしました。

決断主義、サヴァイブという言葉は、
言われてみればずいぶんこの時代を表現しているなぁ、と思いました。


「勝ち組・負け組」「婚活」なんて言葉はまさにサヴァイブそのものだし。
「空気を読む」という語も、集団のなかで"生き残る"ための処世術という意味あいが強い。
最近のJポップの歌にも、決断し行動する「私」を肯定するような詞が多いな〜なんて感じています(↓miwaさんとか、ね)

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 碇シンジは夜神月を止められない


350done

ある意味殺伐とした現代の"想像力"を分析したのち、
宇野さんはそこに"光"を見つけようとします。

生き残り時代のなか、
競争に勝てない人間にどんな希望があるか。


その答えは、たとえばTV版の↓「野ブタ。をプロデュース」であり、

野ブタ。をプロデュース DVD-BOX
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↓「木更津キャッツアイ」だったりするのですが。

木更津キャッツアイ 5巻BOX [DVD]
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要は、
終わりなき日常(宮台真司さんが広めた言葉です)のなかで途方に暮れることではなく、
終わりのある日常のなかで、"ちいさいけれど自分にとって大切なコミュニティと接続する"
こと。

だと私は解釈しました。


その文脈で、


碇シンジは夜神月を止められない


というフレーズが出てきます。

碇シンジは、ご存じ「新世紀エヴァンゲリオン」の主人公。
ロボットに乗って戦わなくてはならない運命を肯定できず、
父親との確執のなか、ときおり自分の内側に引きこもってしまうようなメンタリティを持った少年でした。



でも、引きこもっているだけじゃ、
サヴァイブ時代に光は差さない。



じつは「エヴァンゲリオン」という作品は「セカイ系」というジャンルの走りとも言われています。
セカイ系とは、

主人公とヒロイン(きみとぼく)の関係性(近景)が、社会(中景)をはさむことなく
世界の命運(遠景)と直結してしまうような物語


のことを言うのですが……


……って、今日のエントリ、
このへんのカルチャーに明るくない方にもちゃんと伝わっているのかどうか不安です^^;
専門用語多過ぎ(T_T)


はしょって言うと、
「碇シンジは夜神月を止められない」というフレーズは、宇野さんの"セカイ系批判"にも繋がるわけです。
東浩紀さんに反論する形での"セカイ系批判"、的確でスリリングで、とても面白いです♪


サヴァイブ時代の光をさぐっている、宇野さんの姿勢にもとても共感できます。
でも、私は
本書で挙げている"解決策"以外にも、道がありそうだなと思いました。


ちいさいけれど大切なコミュニティ。


……それを得るためにサヴァイブが行われるとしたら、
やっぱりどこにも光は差さないような気もします。

たとえちいさくても、共同体にいるためには
コミュニケーションが必要なわけで。

そうすると、「コミュニケーションスキル」という言葉が立ちあらわれてきてしまいそうで。

思えば、「コミュニケーション能力」という言葉が重要ワードになってから久しい。
「コミュ力アップ!」が、まるで"生き残るための脅迫"のように聴こえてしまうのは、私だけじゃないと思う。


じゃあどんな方法があるのかと言えば。
どんなんだろ〜と考えこんでしまうのですが。


なんとなく、西尾維新さんなどが"生き残り時代の光"というテーマにチャレンジしている気がします。

少女不十分 (講談社ノベルス)
西尾 維新
講談社
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↑『少女不十分』の主人公は言います。

でも、根底に漂うテーマはひとつだった。
 道を外れた奴らでも、間違ってしまい、社会から脱落してしまった奴らでも、ちゃんと、いや、ちゃんとではないかもしれないけれど、そこそこ楽しく、面白おかしく生きていくことはできる。
 それが、物語に込められたメッセージだった。


一連の西尾さんの作品をみずから解説しているとも取れる箇所なのですが、

生き残りゲームになんてコミットしなくても、
生きていくことはできるんだよ。



と、おっしゃっているように聴こえません?
そのための物語を、じぶんはいろんなパターンで書いているんだよ、って。


まあ、宇野さんも、もちろん西尾維新さんの作品は視野にいれてらっしゃるので、

おおきな目でみれば、宇野さんの提示した光とつながっているのかもしれませんが。


 おまけの本の紹介



なんだか、いつも以上にまとまりのない記事ですみません^^;
とにかく、

時代がすごくクリアに見える。そして、いろいろと考えたくなる。

そんな本です。


『ゼロ年代の想像力』 っていう本は
オススメだよぉ☆(*´∇`*)ミ☆



って今回もそれだけ伝わればじゅうぶんなんですけどね(笑)。


それでは、おまけの本の紹介。
↑上でお話した、まるで本書と対になるような評論です。


神話が考える ネットワーク社会の文化論
福嶋亮大
青土社
売り上げランキング: 170342


宮台真司さんの得意ジャンルである社会システム論を使いながら、
「神話」という概念をキーワードに現代文化を研究しています。
帯の推薦文はなんと、東浩紀さん。


不思議すぎる因縁。
さぁ、セットで must buy! だ!!



浅田彰さん、宮台真司さん、東浩紀さん、宇野常寛さん、そして福嶋亮大さん。
今回は5人の著作を紹介しました。

挙げた評論は9冊。
すべてをひもとけば、この30年の日本の精神文化をしっかり見通せるようになります。

貴重な読書体験となることうけあいです♪



9冊セットで must buy! だ!!



ということで。
ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか
 
posted by 姉崎あきか at 21:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会学・現代思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年12月02日

黒山もこもこ、抜けたら荒野(水無田気流)――名作発見しました♪

 
今日のなぞなぞ
「黒山もこもこ……ってなに!?」


しばらく更新サボっちゃっててすみませんでした。
ひさびさのアップ、今日はかなりの掘り出しものです♪




『黒山もこもこ、抜けたら荒野 デフレ世代の憂鬱と希望』水無田気流(光文社新書)


「求めていたのはこれだ!」

と、叫びたくなるくらい、
とってもいい本。名作です。

こういう書に出逢えるとほんとに嬉しくて。
本読みやっててよかった〜と思う瞬間。


個人的にいろいろなポイントがツボでした。
箇条書きで挙げるなら……


1.タイトルが素敵!
2.文章がとてもいい!
3.作者が詩人!
4.バブル時代に触れている!
5.個人史として、面白く読める!
6.社会学書としても、洞察に富む!
7.フェミニズム!
8.格差時代を批評する!
9.ニヤリとできるパロディ満載!
10.なぜかボーイズラブ(腐女子文化)も登場する!



なんというか。
「私のために書いてくれたんじゃね?」と思うくらいの、
俺得(自分だけが得をすると思えるような商品を指すネットスラングです)仕様でした。


 「みなしたきりう」さんと読みます


水無田気流(みなしたきりう)さんは、神奈川県相模原市出身の(←ここ、あとでポイントとして出てきます)社会学者。

詩人でもあり、
『音速平和』という作品で「中原中也賞」を受賞しています。


『黒山もこもこ、抜けたら荒野』とは、
水無田さんの社会学者としての資質と文芸家としての才能がいい感じにミックスされて名作(断言!)になっています。



1970年に生まれ、相模原という典型的な郊外都市に育った作者。
父はサラリーマン、母は専業主婦というこれまたティピカルな家族構成。

「高度成長」と「バブル」、その後の「失われた〜十年」という経済を尻目に見ながら歳を重ねていく……。

そんな「割りを食った」世代・階層にとって、
「幸福」とは何なのか、の変遷を個人的に(でもしっかりと社会分析を兼ねて)つらつらと綴ってゆく。

――という本です。


(もちろん、水無田さんと同世代の方でなくても面白く読める1冊です。
私も彼女とは違う世代ですし)




筆者自身、

これは世代論や階層論ではなく、
大河ドラマ、インナーワールドのロードムービーだ


と最初に言っているくらい(笑)
個人的な興味やエピソードが満載なのですが、

ところどころにラディカルな批評性がずいぶん目立って輝いている。
……そんな名作です。


あまりにも良書すぎて、どこからレビューしていいのかわからない。
なので、↑上に挙げた箇条書きをガイドラインにして、
今日はひたすら本書を褒めちぎります(笑)


 タイトルが素敵!


『黒山もこもこ、抜けたら荒野』

……一度聴いたら耳について離れない、気になるタイトルですよね。
以前の記事(ぐっとくる題名――エッセイ集をハウトゥー本に見せかける3つ方法)で紹介した


『ちんろろきしし』元永定正(福音館書店)

に通じるものがあるかも。語感的に。


「黒山もこもこ」は、どういう意味かというと。

水無田さんにとっての小さい頃の想い出は、みんな人混みと共にあるんです。

家族で行ったディズニーランド。
幼稚園の送迎バス。
上野動物園のパンダ。
つくば万博。

目にしたはずのパンダよりも、「もこもこ(=人混み)」自体の方を想い出として記憶している
……そんな原風景。


水無田さんは言います。
自分がその人混みの一員を構成しているということが、無性に怖かった、と。

(このへん、ちょっと小説のテーマにもなりそうな雰囲気ですよね)


で。
「もこもこ」がバブル崩壊とともに解体すると、
こんどはだだ広い「荒野」が続いていくわけです。

「荒野」は、<大衆>がいなくなった消費社会。
誰も助けてくれない勝ち負け格差社会、地方の疲弊……そんな感じのアナロジーだと思います。


 個人史として、面白く読める!


この本には水無田さんのお父さんとお母さんのことが、
ちょこちょこと出てきます。


倹約を美徳とするお父さん。
母にプレゼントひとつ贈ったことがありませんでした。

一度だけ。
水無田さんがお父さんを無理やりデパートに連れていき、
カーディガンを一枚買い、お母さんに贈らせたことがありました。

お母さんはとても驚き、
そして喜んだそうです。


その年の夏。
お母さんは亡くなりました。

お父さんはそのとき、
葬儀屋に渡されたパンフレットのいちばん高い物から順に、
お棺や仏具を無言で次々と頼んでいきました。



父が母に贈った、いちばん高価なものは、仏壇。



……そんなふうな、ちょっとキュンとする
個人的なエピーソードもところどころに出てきます。


 格差時代をフェミニズムする!


この本に通底しているテーマが、

「格差社会」と「フェミニズム」

です。



ひとつ。
まさに「格差社会」を「フェミニズム批評」している印象的な部分があったので、
紹介させてくださいな。


第一章半ばの
「企業だってパラサイトしている!?」という項目です。



---------------------

女性の場合、真面目に働いても「将来へつながらない」確率は、明らかに男性よりも高い。
これは、いまだに賃金体系が男性の稼ぎ手を中心とした「家族賃金」モデルを前提としているからである。

(中略)

「家族賃金」とは、言い換えれば
「家族のうち一家の大黒柱であるオトーサンさえ厚遇しておけば、あとは補助的収入であるから
パートのオカーサンもハケンのオネーサンもフリーターのオニーサンも給料は安くていい」
という共通了解を生み、
結果として「オトーサンの懐を当てにした」給与体系となる。

---------------------



要は、いまの日本の給料体系は、

「君達はオトーサンに生活を支えてもらってね」

という制度になってるわけですね。

でも、女性に限らず

ワーキングプアや派遣……


……もう既に
オトーサンの扶養家族じゃないひとたちも、
その体系のなかで働いてる。


なのに、
「オトーサンが稼いでるんだから小遣い程度でいいでしょ」ということになってしまっている……。





なんというか。
見事な家父長制批判だなぁ、と私は思いました。


家父長制とは、年長の男性によって支配される家族制度のことです。
法制化されているものもありますし、制度化されていなくても父権的なものって世の中にたくさんあるわけで。

基本的にフェミニズムのひとたちは、
活動家や文学者なんかも含めて、これを解体することが目的だったりします。


フェミニズムは、私にとってもじぶんのなかのテーマのひとつなのですが。
まあ、その話はまたべつの機会にいたしましょ。


 ニヤリとできるパロディ満載!



各節のタイトルが、
いちいちいろいろな作品のパロディになっていたりします。


「あらかじめ失われた世代」
「はたらけど、はたらけど」
「完璧の母」
「『普通』とは遠きにありて思ふもの」
「そして、誰も読まなくなった」
「なんとなく、格差」
「個人の私主義」



↑こんな感じに。


元ネタがわかれば、ニヤリとできる。
本好きにとって、ちょっとした楽しみです♪


 なぜかボーイズラブ(腐女子文化)も登場する!



第四章「一九八〇年代――文化系女子のサブカルチュラル・ターン」


では、ボーイズラブや腐女子文化が出てきます。

(ボーイズラブは男性同士が恋愛をする物語のこと。
腐女子、は女子の「オタク」)

作者さんは文学少女なので、
なかば当然のように(笑)腐女子文化ともシンパシーが高いのですが……。


サブカルは社会学の主要な研究分野のひとつです。
ですが、ちょっと唐突(笑)。

本書の趣旨からも若干脱線ぎみな章なのですが、
でも、第四章の完成度もとても高い。


だからやっぱり、外せない!
この章もずいぶん楽しく読ませていただきました。



ちなみに以前の記事(「魔法少女まどか☆マギカ」に学ぶ4つの人生訓)で、
栗本薫(中島梓)さんの「新・やおいゲリラ宣言」という文章を紹介しましたが。
(やおい=ボーイズラブの前身のような言葉です)

この章でもボーイズラブを語るときに中島梓さんの本が出てきます。



「やおいとは『君が君自身であること』を愛しているといってくれ、という作品群」である。



『タナトスの子供たち―過剰適応の生態学 』中島梓(ちくま文庫)


 とにかく、オススメ!


以上。
いろいろと申し述べましたが、とにかく。






『黒山もこもこ、抜けたら荒野』は、
超オススメだよぉ(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。



名作!



あきか



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【今日紹介した本】

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posted by 姉崎あきか at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会学・現代思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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