2026年06月30日

「現代詩」が読めるようになる5冊――難解な詩を味わう方法は?


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「現代詩」が読めるようになる5冊をまとめました。

けっして読者が多いとはいえない現代詩。
ときには「わからない」「意味不明」「難しい」と言われ敬遠されがちなジャンルです。
でも”自分にも理解できるなら読めるようになりたい!”と思っている人は多いはず。

そこで今日は、むずかしい(実はむずかしくない)現代詩を味わう助けになりそうな本を集めてみました。

ほんとうのことを言うと、詩はどう読んだっていい。
それなら好きな詩集をどんどん読んでいけばいいのだけれど。
どう読んでもいいということに確信をもってたどりつくために、この記事で取り上げる本が役に立つ――そんなラインナップになっています。


詩がわかれば、読める本の幅はぐんと広がる。
あなたの読書力を強力にパワーアップさせる5冊をど〜ぞ〜♪




今を生きるための現代詩



かつては親しんでいたときもあったはずなのに、いつのまにか詩と「はぐれて」しまった人のために。
具体的な現代詩の作品を著者と一緒に味わっていく構成です。

図像として読む
音読を拒む詩
かかりうけがひとつに定まらない詩
行分けが醸しだすもの

「わからない状態に身をおくことの大切さ」を説き、”解釈”しなければならないという暗黙の、教科書的な圧をていねいに解体してゆく。
渡邊十絲子さんは言います。

詩とは、ただ純粋な「ことば」である。

日常の秩序にゆさぶりをかけ、わたしたちの意識に未体験の局面をもたらす、ただそのような作用をすればじゅうぶんなものだ。
ともに「第1章 教科書のなかの詩 谷川俊太郎のことば」より


生きる(谷川俊太郎)、毒虫飼育(黒田喜夫)、みぞれ(安東次男)、山犬記(井坂洋子)など、取り上げている作品はバラエティに富んでいて楽しいv
本書もまた、どんなふうに味わうのも自由。お気に入りの詩や詩人を見つけるためのガイドブックとして読むのもいいかもしれません。

詩とことば



こちらも、詩を前にしたときになぜ私たちが抵抗を感じるのかをひもといていくことからはじめています。
詩には詩人の、どこまでも個人的な”呼吸の仕方”があらわれてしまう。詩の読みにくさとは”その人そのもの”に対して感じるとまどいだ。

行分け、くりかえし、リズム、飛躍
近代詩、戦後詩、「荒地」派……

名詩を味わいながら、技法や文学史にも親しんでいける良書です。
取り上げている詩や詩人は数が多い。三好達治、高村光太郎、北原白秋といった大御所から、知る人ぞ知る名手までもりだくさん。
(渋沢孝輔の「水晶狂い」が好みでしたv)
本書もまた読書案内として使うのも一興かもしれません。

あとね。
詩について大真面目に語っているのにどこか独特のユーモアがただよっています。
たとえば……以下のくだりにはクスリと笑ってしまう。

詩は、基本的に、次のようなかたちをしている。

 こんなことがある         A
 そして、こんなこともある     B
 あんなこともある!        C
 そんな ことなのか        D
「�V 詩をいきる」より

そんな ことなのか!

萌える現代詩入門



難解でもいいじゃないか、カッコよければ。

世にあるカッコいい言葉について、書評家と詩人がとことん語りつくす対談本。
雑誌「現代詩手帖」の連載を1冊にまとめたものです。

言及される作品は詩にかぎらない。ラップ、歌詞、キャッチコピー、漫画、……格好いい言葉のつらなりなら何でも大歓迎!
そんな突き抜けたスタンスと切れ味のよい語り口が心地よい。

豊崎由美さんと広瀬大志さん。ふたりのたしかな教養に裏付けされたトークに耳をかたむけているうちに、文学史的知識から”詩業界”の現在までが自然と把握できてしまう。
末尾には「カッコいい詩集100選」もあり、読書案内としても優秀。
”今”の現代詩シーンを見渡すなら本書からひもとくのがオススメ!

詩の話をしよう



詩人・辻征夫をまるまる一冊とおして味わい尽くす1冊。
3部構成です。�Tはインタビュー、�Uは実際の作品を収めた詩集、�Vは年譜。

「�U」が素晴らしいのはもちろんですが、今日の記事的には「�T」が読みどころ。
詩人が詩をかくことに向き合うときの心のうごきを、ひとつも隠さずに差し出してくれています。
散文との違い、言葉を厳密に使うこと、長く詩にかかわることによって「心が砕けて」しまうこと……。

聞き書きの質がとても高く、まるで耳元で語りかけられているかのような文章が展開されていきます。
ここにしかない”生の声”によって、詩人の内面に迫っていけるスリリングな本。
じゃっかん手にはいりにくいかもしれませんが良書です。

詩とはなにか



評論家・吉本隆明の詩にまつわる論考をまとめて収録しています。
これまで紹介してきた本以上に詩論の先行文献にていねいに目くばせをしているので、立体的な理解をふかめていける。
ハイデガーやリチャーズ、中村光夫、鮎川信夫……文学理論を芋づる式にひもといていくためのブックガイドとしても使える本。
もちろん案内書にとどまりません。吉本自身の論も、新書1冊とは思えないほど高密度です。

詩の発生
現代詩のむずかしさ
韻
喩法
概念喩というあらたな概念の提示……

吉本隆明節というか、対象の奥の奥まで筆がはいっていく書きっぷりに思わずこちらも身を乗り出してページをめくってしまう。
とくに、”生活者”であることと”表現者”であることのはざまで葛藤する「なぜ書くか」は必読。
詩をかくときに心の内側に起こる微細な感覚を問題にしている部分も多いので、実作者さんならさらに前のめりで読んでしまうかもしれません。超、超オススメ!


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

あきか(@akika_a)

(冒頭の写真は白川郷で撮ったさるぼぼです)

【関連記事】

【語り手】文学理論を学びたい人のための15冊【テクスト論】







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2025年12月01日

(2025)今年もっとも売れた本〜2025年の年間ベストセラー書籍20冊



出版取次会社の日本出版販売(日販)およびトーハンは12月1日(2025年)、「今年日本でもっとも売れた本」を発表しました。
(日販調べの年間ベストセラー(総合)のトップ20を記事末尾↓にまとめます)




 年間1位は『大ピンチずかん3』


年間ベストセラー、第1位は日販調べでは……

『大ピンチずかん3』

鈴木のりたけさんによる絵本です。日常にひそむ”大ピンチ”を紹介しその”ピンチ度”を測ってゆく。お笑いのあるあるネタに通じるユーモアがたっぷり。
シリーズ第3作目にしてついに年間ベストセラーに輝きました。

ちなみにトーハン調べでは、『大ピンチずかん』と『大ピンチずかん2』をまとめて1位としています。



 2位は『カフネ』


2位は、日販調べトーハン調べともに『カフネ』。
2025年本屋大賞を受賞した作品です。
ぶっきらぼうだが料理上手な家事代行サービスの女性と交流していくうちに、救われていく主人公。
私も読みましたが、出てくる料理がほんとうに美味しそうで。さらっとレシピが書かれているので、思わず同じものを作ってしまいました。豆乳ツナの煮麺、おいしかったv


 3位は『本当の自由を手に入れるお金の大学』


3位は、日販調べでは『改訂版 本当の自由を手に入れるお金の大学』。
トーハン調べでは、『ポケモン生態図鑑』でした。



 4位以降と全体の傾向


4位以降も話題になった本が続々。
『変な家』の雨穴さんの新作『変な地図』が日販・トーハンともに6位。
第23回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞した『謎の香りはパン屋から』は日販で8位、トーハンで7位でした。

全体の結果を受けて、日販は……

身体や心の癒しにつながる作品や、共感をもたらす作品、すでに定評のある作品がランキング上位を占める結果となった。


とコメントしています。


より詳細のランキングは、以前の記事(今年もっとも売れた本〜年間ベストセラーの調べ方)でお話ししたとおり、日販やトーハンのサイトで確認できます。
ジャンル別のランキングなどもあるので、ぜひ”一次情報”にもふれてみてくださいね♪

日本出版販売株式会社
http://www.nippan.co.jp/
TOHAN website
http://www.tohan.jp/


それでは2025年の「年間ベストセラー」20冊をど〜ぞ♪

 2025年の年間ベストセラー


(日販調べ。「全集」「文庫」「ゲーム攻略本」「雑誌扱いコミック」を除く総合ランキング。集計期間=2024年11月20日〜2025年11月18日)

1位

2位

3位

4位

5位

6位

7位

8位

9位

10位

11位

12位

13位

14位

15位

16位

17位

18位

19位

20位


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あきか(@akika_a)

【関連記事】

真実とは何か。(フェイク)ドキュメンタリー映画と関連本10コから考える
(2024)今年もっとも売れた本〜2024年の年間ベストセラー書籍20冊
(2023)今年もっとも売れた本〜2023年の年間ベストセラー書籍20冊
(2022)今年の年間ベストセラー本20冊(1位は80歳の壁、2位は人は話し方が9割)
(2021)今年の年間ベストセラー本20冊(1位は人は話し方が9割、2位はスマホ脳)
(2020)今年の年間ベストセラー本20冊(1、2位は鬼滅、3位はどうぶつの森)
(2019)今年の年間ベストセラー本20冊(1位は希林、2位はおしり)
(2018)今年の年間ベストセラー本20冊
(2017)今年もっとも売れた本〜2017年の年間ベストセラー(ニッパン調べ)
(2016)今年もっとも売れた本〜2016年の年間ベストセラー(ニッパン調べ)
今年もっとも売れた本〜年間ベストセラーの調べ方

【関連リンク】

日本出版販売株式会社
http://www.nippan.co.jp/
TOHAN website
http://www.tohan.jp/
芥川龍之介賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/akutagawa/
直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/naoki/
本屋大賞
http://www.hontai.or.jp/





posted by 姉崎あきか at 13:06 | TrackBack(0) | ベストセラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年07月17日

『明けの空のカフカ』が発売しました(第31回電撃小説大賞受賞組)



以前の記事(小説の新人賞を受賞しました〜電撃文庫・メディアワークス文庫・電撃の新文芸とは?)でお伝えした、水品知弦さんの『明けの空のカフカ』が本日(2025年7月17日)、電撃の新文芸より発売されました!

ISBNコード(図書番号)はこちら。
978-4-04-916263-9

☆★☆


第31回電撃小説大賞《電撃の新文芸賞》受賞作です。
イラストは森沢晴行さん。

あらすじは……

君の人生の全てが尊い冒険だ――少女はいざ、空の広さを知る旅へ!

★第31回電撃小説大賞《電撃の新文芸賞》受賞作★
カフカは空が見えない浮遊洞窟内にある老人ばかりの村で暮らす唯一の子ども。外の世界に憧れを抱きながらも、村に縛られる日々を過ごしていた。
ある日、地上からの来訪者・ハヤテが現れる。なんと彼は、ヒトとは違う犬の特徴を持つ獣人だったのだ。ハヤテの語る刺激的な地上の話に感化されたカフカは、ついに村人たちの反対を振り切り――亡き祖父が遺した飛行機〈コチ三〇六〉を駆り夜明けの空へと飛び出していく!
温かく見守ってくれる大人たちや同世代の友達と出会い成長するカフカは、やがてこの世界のヒトたちの間に起こった悲しい過去を知ることになる。だけどカフカは飛ぶことをやめない、知ることを諦めたりしない。だって――私たちの人生の全てが冒険なのだから!
国内最大規模の公募型小説賞「電撃小説大賞」が贈る、全ての世代に伝えたい感動のジュブナイルアドベンチャー!

明けの空のカフカ | カドスト | KADOKAWA公式オンラインショップ
https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322410001329
明けの空のカフカ | 書籍情報 | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト
https://dengekibunko.jp/product/kafkasjourney/322410001329.html


特設サイトもオープンしています♪
著者コメントやキャラクター紹介、ギャラリー、応援メッセージなどが楽しめます。世界観がとっても魅力的な特設サイトなので、ぜひ足をはこんでみてくださいね。

明けの空のカフカ | 特設ページ | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト
https://dengekibunko.jp/special/kafkasjourney/



☆★☆


『明けの空のカフカ』は、私とおなじ第31回電撃小説大賞受賞組の本です。
これで第31回の受賞作すべてが刊行されました。
せっかくの大トリですので、今回は読書ブログらしくレビューしようと思います。まだ途中なので(いまはアリーさんとマフィンを食べてるあたりですv)、読み終わったら追記する予定。


追記)読み終わりました♪ いざレビュー!


空に浮かぶ洞窟に、老人たちと住んでいる少女・カフカ。
ある日、カフカは意を決し、冒険家のおじいちゃんが遺した飛行機で旅立ちます。大人たちには内緒で。
外の世界に憧れを抱く少女の、ささやかで壮大な”家出”の物語。

ハイファンタジーの世界観、語りかけるような文体、獣人たちのにぎやかなコミュニティ……推したいポイントがたくさんある小説ですが、私がいちばん好きなのは”世界への手ざわりに満ちた描写”かもしれません。

操縦席で感じる風。
草と土の地面のやわらかさ。
ひさしぶりに乗ったブランコの座面の低さ。
とくに旅立ちのシーン、2ページほどを使って描かれる朝焼けの空は圧巻です。

カフカは洞窟で暮らしていたので、外の世界は未知のものばかり。
その発見や驚き、感動が読み手にダイレクトに伝わってくるのがすごい。
本書をひもときながら、私はずっと感じてました。本を読むというのは、たんなる情報摂取じゃなくて”ひとつの世界を経験すること”なんだなぁって。

映画でも漫画でもなく小説が好きな人にこそ読んでほしい。
カフカと一緒にこの世界の豊饒さを味わえる、至福の読書タイムをもたらしてくれる1冊です。


☆★☆


第31回電撃小説大賞受賞作は以下の6作品。

(敬称略)
水品知弦『明けの空のカフカ』
電磁幽体『妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom―』
神宮寺文鷹『孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い』
東堂杏子『古典確率では説明できない双子の相関やそれに関わる現象』
姉崎あきか『夏空と永遠の先で、君と恋の続きを』
助六稲荷『サンバカ!!!』


同時受賞組のみなさま、ひとまずここまでお疲れ様でした!
(私信。いつも話に乗り遅れててすみません><)

作家なんてひとりひとりが別々の山をのぼるようなものだから(新人のくせにわかったようなことを言ってみる(笑))、ここから先はそれぞれ違う道を開拓していくことになるのかもしれませんが。

それでも。
同じ年に同じ場所からこの6人でスタートを切れたこと、嬉しく想います。
大賞の電磁幽体さんもそろっていた受賞式が懐かしいv
というわけで式の控室の席とおなじ配置で6冊を並べてみました。

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傑作ぞろいの第31回電撃小説大賞受賞作たちです。
ぜひぜひ……

6冊セットでど〜ぞ〜♪


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あきか(@akika_a)


【関連記事】

小説の新人賞を受賞しました〜電撃文庫・メディアワークス文庫・電撃の新文芸とは?
『妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom―』『サンバカ!!!』が発売されました(第31回電撃小説大賞受賞組)
『孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い』が発売しました(第31回電撃小説大賞受賞組)
私、姉崎あきかの作家デビュー作『夏空と永遠の先で、君と恋の続きを』が発売しました。PV動画、特設サイトも公開中です

【関連リンク】

第31回電撃小説大賞 受賞作特設サイト
https://promo.kadokawa.co.jp/dengekitaisho/31/
明けの空のカフカ | 特設ページ | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト
https://dengekibunko.jp/special/kafkasjourney/







posted by 姉崎あきか at 18:03 | TrackBack(0) | お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2025年06月30日

「デビュー直前&直後」の漫画家・作家が読んでおきたい5冊


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「デビュー直前&直後」の漫画家・作家が読んでおきたい5冊をまとめました。

以前の記事……

「マンガのストーリー・ネーム」の作り方を学ぶ本5冊(作画以外!)
マンガ・シナリオ・小説の「キャラクターの作り方」を学ぶ本5冊


では技術的な指南がメインでしたが、今回は”原稿の外”でのお話です。
マンガ家以外にも小説家、脚本家などのクリエーターさんにも参考になる本を集めました。

継続力。”描けないor描かない”を脱するメンタル。出版契約。担当の編集者さんとのつきあいかた……など。デビュー目前、あるいはデビューしたばかりの時期に知っておきたいことがたっぷり書かれた貴重な本たち。


以前の記事(小説の新人賞を受賞しました〜電撃文庫・メディアワークス文庫・電撃の新文芸とは?、私、姉崎あきかの作家デビュー作『夏空と永遠の先で、君と恋の続きを』が発売しました。PV動画、特設サイトも公開中です)でお伝えしたように、私もデビュー直後の小説家のひとり。
おなじくらいのステージにいる作家さん、作家志望者さん、一緒にがんばりましょうv


”創作技術以外”のところでつまずいていてはもったいない。
あなたの総合的な漫画家力・作家力を引き上げてくれる5冊をど〜ぞ♪



マンガで食えない人の壁



漫画家支援団体のトキワ荘プロジェクトが13人のプロ漫画家や原作者、講師等にインタビューし、”マンガ雑誌の「連載作家」になる”ための秘訣をさぐっていきます。

・量をこなすことの重要性
・ダメ出しされた部分は、原因がそこにないことも多い
・あなたのやりたいことはちゃんと伝わっているか
・ネームの作成期間でも完成原稿を作る意識を

……などなど、とことん実践的。
マンガを描きはじめたばかりの初心者でも楽しく読める内容ですが、本書はもうすこし”先”の読者を想定しています。
賞を受賞した。あるいは持ち込みをして担当編集者さんがついた。読み切りが掲載されたことはあるけれど、なかなか連載を取れずに足踏みしている……そんな方々。

幅広い志望者を対象とした入門書はたくさんありますが、このレベルの描き手をメインターゲットにした本はあまりない。とても貴重な内容です。
とにかく情報量が多く、一度読んだだけでは消化しきれないほど。
何度でも、つまずきそうになるたびに読み返したい1冊ですv

読者ハ読ムナ(笑)



こちらも漫画家さん向け。
新人アシスタントになってプロに弟子入りする……という体裁で、漫画家に必要なものをどんどん学んでいけるすごい本。

・会話(ネームではなく、実際の人と人とのコミュニケーションです)が大事
・自分と自分の作品を切り離す
・あらゆることに「なんで?」と問え
・連載の決まり方
・漫画は言語化である

など、大切なことを現場感覚たっぷりに伝授。
個人的にものすごくありがたかったのが↓以下の教えです。

新人の唯一の武器は、質問することなんだよ。
「一、漫画家になりたいなら会話できんとさ!」より


ダメ出しされた内容の掘り下げ、提案されたことの意図について、そのほか世間話でもなんでも。怖がらず、いくらでも編集者さんに訊いてしまえ! 
どうしても遠慮がちになってしまう新人時代の作家にとって、これほど勇気をいただける言葉はありません><

「うしおととら」や「からくりサーカス」の藤田和日郎さんの著作ですが、コミックではなく文字の本です。ひたすら内容の濃い1冊。オススメ。

作家 超サバイバル術!



うって変わって、こちらは小説家さん向け。
3人の作家さんが赤裸々に思うところを語りつくします。

1 作家と新人賞/2 作家とおカネ/3 作家と映像化/4 作家と執筆スタイル/5 作家と編集者/6 作家とインプット/7 作家とSNS/8 作家と戦略/9 作家と文学賞/10 作家と営業/特別鼎談

こうして章のタイトルを並べただけで、もう読みたくてたまらなくなっているあなたがいるはず。
以前の記事↓で紹介してきたように、世にある指南本は9割以上が”デビュー前”の作家志望者をターゲットにしています。

【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】
最近読んだ「小説の書き方」本10冊〜文章力をめきめきアップさせるために


本書のような”デビュー後”の話ばかりをしている本はとっても貴重。
どのテーマに対しても3人それぞれ違うスタンスがあって面白い。
”書店営業は勝手にするな””エゴサーチして闇落ちするな”……など、デビュー後にこそ役に立つアドバイスがたっぷりでオススメです。

小説家になって億を稼ごう



こちらも小説家向け。
タイトルだけみると書きはじめたばかりの初心者に夢を与えてくれるような本にも思えます。が、中身は意外と”デビュー直前・直後”の書き手に向けた内容です。もちろんお金の話だけではありません。

ゲラ校閲作業のコツ、出版契約、開業届や確定申告。
編集者との付き合い方、映像化、テレビ出演……。

いわゆる「小説の書き方」の指導もあるのですが、前半のごく一部のみ。
あとはひたすら原稿の外、”創作技術以外”を指南してくれて、この時期の作家さんにとってはとても頼りになる1冊。
小説家さん向けですが、契約や映像化のお話など、漫画家さんが読んでも得るものは多いはず。

↑の『作家 超サバイバル術!』では厳しい現実を突きつけてくる文章も多いのですが、こちらは甘々! 優しく、手とり足とり、希望の未来へと導いてくれる良書ですv

読まれる覚悟



ラストはすこし肩の力を抜いて。桜庭一樹さんのエッセイです。
デビュー前よりも、すでにデビューされている作家さんに深く刺さる内容かもしれません。
小説の書き方でも読み方でもなく「読まれ方」の入門書。

誤読の可能性。ファンや書評家の存在。
ライトノベルと一般文芸、両方の世界を知っている桜庭一樹さんだからこそ書ける、両者の”風景”の違い。

読まれることによって本が輪郭をあらわにしていく……など、すでに出版を経験したことがある方こそ強くうなずける言葉が多々あります。

「はじめに」で宣言されているとおり、ときには話が脱線します。脇道にも読ませる文章や問いかけがたっぷり。
作家とは何なのだろう、と深く問いながらゆったりと味わいたい1冊です。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

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2025年06月10日

『孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い』が発売しました(第31回電撃小説大賞受賞組)



以前の記事(小説の新人賞を受賞しました〜電撃文庫・メディアワークス文庫・電撃の新文芸とは?)でお伝えした『孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い』が本日(2025年5月10日)、電撃文庫より発売されました!

ISBNコード(図書番号)は↓こちら。
978-4-04-916231-8

☆★☆


神宮寺文鷹さんの『孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い』は第31回電撃小説大賞《金賞》受賞作。
イラストはMAIROさんです。

あらすじを紹介すると……

彼女の"おもい"を受信できるのは、俺ひとり。

「私、世界を救わないといけないから」 そんな妄言を言う彼女に、楠木将臣は告白をした。もちろん、罰ゲームに決まっていた。なのに、その嘘は受け入れられてしまったんだ。 “精神界”の“救世者”と電波な妄想を垂れ流し、周囲から孤立していた美少女、貴家雲雀。そんな彼女と付き合うことになったわけだけど、噂と違って普通に会話できるし、なんなら素直に甘えて来るし……。あれ、普通に可愛くない? 気づいたら本気になっていた将臣だったが、彼女のことを知るたびに、その妄想は「現実」だと分かって――。 「――ねえ、将臣くんは私の“世界”、信じてくれる?」 嘘から始まった想いが本当に変わっていく、ちょっぴり電波な恋物語。

孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い | カドスト | KADOKAWA公式オンラインショップ
https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g322410000815
孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い | 書籍情報 | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト
https://dengekibunko.jp/product/gigaomo/322410000815.html


特設サイトもオープン中!
キャラクター紹介や用語解説、ミニ漫画など、じっくり楽しめるコンテンツが満載です。
足をはこんでみてくださいねv

孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い | 特設ページ | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト
https://dengekibunko.jp/special/gigaomo/



☆★☆


PV、CMはこちら↓です。





☆★☆


私とおなじ第31回電撃小説大賞受賞組の本です♪
以前の記事(『妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom―』『サンバカ!!!』が発売されました(第31回電撃小説大賞受賞組))で、作家仲間の本をどんなふうに紹介したらいいか迷うというお話をしましたが。
一周回って”好きにやったらいいのでは”との考えにいたりつつあるこの頃。

〜しなければならない、〜してはいけない……”そんなものは、みずからが生み出した幻の制限だ”(『夏空と永遠の先で、君と恋の続きを』第二章より)。


……というわけで、今読んでいるページのヒロインのせりふを引用して紹介にかえてみたいと思います。
嘘の告白をきっかけにつきあうことになった高校生カップル、将臣(まさおみ)と雲雀(ひばり)。
海辺にて、ほのぼのデートのワンシーンです。

この辺りの乱世者(セルフィ)の親玉……のような中心的ダイバーと一騎打ちに近い状況まで持ち込めたのに、為すすべもなく逃げられたわ。『ウィンド』――風の名は伊達じゃなくて、逃げ足は本当風そのものよ。

……。
いったい何が起きてるの!?
(詳細は『孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い』「第四章 海と水着と電波カップル」をご覧くださいv)


☆★☆


電撃小説大賞、31期。受賞者たちの本が続々と刊行中。

『妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom―』。
『孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い』。
『古典確率では説明できない双子の相関やそれに関わる現象』。
『サンバカ!!!』。
そして私のデビュー作『夏空と永遠の先で、君と恋の続きを』。


6冊中5冊がリリース済みとなりました。
最後の1冊は、7月17日(2025年)発売予定の『明けの空のカフカ』です。


第31回電撃小説大賞《電撃の新文芸賞》受賞作。
こちらも楽しみにしていてくださいねv
すでに予約注文がはじまっています。ぜひ6冊セットでど〜ぞ♪

……いえ。
せっかくなので、前回(第30回)の受賞作たち↓

(敬称略)
夢見夕利『魔女に首輪は付けられない』
fudaraku『竜胆の乙女 わたしの中で永久に光る』
那西崇那『蒼剣の歪み絶ち』
羽洞はる彦『心獣の守護人 ―秦國博宝局宮廷物語―』
長山久竜『星が果てても君は鳴れ』
柳之助『バケモノのきみに告ぐ、』
畑リンタロウ『汝、わが騎士として』
芝宮青十『美少女フィギュアのお医者さんは青春を治せるか』
にのまえあきら『無貌の君へ、白紙の僕より』


と合わせて、
15冊セットでど〜ぞ〜♪


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

あきか(@akika_a)


【関連記事】

小説の新人賞を受賞しました〜電撃文庫・メディアワークス文庫・電撃の新文芸とは?
『妖精の物理学 ―PHysics PHenomenon PHantom―』『サンバカ!!!』が発売されました(第31回電撃小説大賞受賞組)
私、姉崎あきかの作家デビュー作『夏空と永遠の先で、君と恋の続きを』が発売しました。PV動画、特設サイトも公開中です

【関連リンク】

第31回電撃小説大賞 受賞作特設サイト
https://promo.kadokawa.co.jp/dengekitaisho/31/
孤高の電波美少女と恋で繋がったらギガ重い | 特設ページ | 電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト
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