
「現代詩」が読めるようになる5冊をまとめました。
けっして読者が多いとはいえない現代詩。
ときには「わからない」「意味不明」「難しい」と言われ敬遠されがちなジャンルです。
でも”自分にも理解できるなら読めるようになりたい!”と思っている人は多いはず。
そこで今日は、むずかしい(実はむずかしくない)現代詩を味わう助けになりそうな本を集めてみました。
ほんとうのことを言うと、詩はどう読んだっていい。
それなら好きな詩集をどんどん読んでいけばいいのだけれど。
どう読んでもいいということに確信をもってたどりつくために、この記事で取り上げる本が役に立つ――そんなラインナップになっています。
詩がわかれば、読める本の幅はぐんと広がる。
あなたの読書力を強力にパワーアップさせる5冊をど〜ぞ〜♪
今を生きるための現代詩
かつては親しんでいたときもあったはずなのに、いつのまにか詩と「はぐれて」しまった人のために。
具体的な現代詩の作品を著者と一緒に味わっていく構成です。
図像として読む
音読を拒む詩
かかりうけがひとつに定まらない詩
行分けが醸しだすもの
「わからない状態に身をおくことの大切さ」を説き、”解釈”しなければならないという暗黙の、教科書的な圧をていねいに解体してゆく。
渡邊十絲子さんは言います。
詩とは、ただ純粋な「ことば」である。
日常の秩序にゆさぶりをかけ、わたしたちの意識に未体験の局面をもたらす、ただそのような作用をすればじゅうぶんなものだ。ともに「第1章 教科書のなかの詩 谷川俊太郎のことば」より
生きる(谷川俊太郎)、毒虫飼育(黒田喜夫)、みぞれ(安東次男)、山犬記(井坂洋子)など、取り上げている作品はバラエティに富んでいて楽しいv
本書もまた、どんなふうに味わうのも自由。お気に入りの詩や詩人を見つけるためのガイドブックとして読むのもいいかもしれません。
詩とことば
こちらも、詩を前にしたときになぜ私たちが抵抗を感じるのかをひもといていくことからはじめています。
詩には詩人の、どこまでも個人的な”呼吸の仕方”があらわれてしまう。詩の読みにくさとは”その人そのもの”に対して感じるとまどいだ。
行分け、くりかえし、リズム、飛躍
近代詩、戦後詩、「荒地」派……
名詩を味わいながら、技法や文学史にも親しんでいける良書です。
取り上げている詩や詩人は数が多い。三好達治、高村光太郎、北原白秋といった大御所から、知る人ぞ知る名手までもりだくさん。
(渋沢孝輔の「水晶狂い」が好みでしたv)
本書もまた読書案内として使うのも一興かもしれません。
あとね。
詩について大真面目に語っているのにどこか独特のユーモアがただよっています。
たとえば……以下のくだりにはクスリと笑ってしまう。
詩は、基本的に、次のようなかたちをしている。
こんなことがある A
そして、こんなこともある B
あんなこともある! C
そんな ことなのか D「�V 詩をいきる」より
そんな ことなのか!
萌える現代詩入門
難解でもいいじゃないか、カッコよければ。
世にあるカッコいい言葉について、書評家と詩人がとことん語りつくす対談本。
雑誌「現代詩手帖」の連載を1冊にまとめたものです。
言及される作品は詩にかぎらない。ラップ、歌詞、キャッチコピー、漫画、……格好いい言葉のつらなりなら何でも大歓迎!
そんな突き抜けたスタンスと切れ味のよい語り口が心地よい。
豊崎由美さんと広瀬大志さん。ふたりのたしかな教養に裏付けされたトークに耳をかたむけているうちに、文学史的知識から”詩業界”の現在までが自然と把握できてしまう。
末尾には「カッコいい詩集100選」もあり、読書案内としても優秀。
”今”の現代詩シーンを見渡すなら本書からひもとくのがオススメ!
詩の話をしよう
詩人・辻征夫をまるまる一冊とおして味わい尽くす1冊。
3部構成です。�Tはインタビュー、�Uは実際の作品を収めた詩集、�Vは年譜。
「�U」が素晴らしいのはもちろんですが、今日の記事的には「�T」が読みどころ。
詩人が詩をかくことに向き合うときの心のうごきを、ひとつも隠さずに差し出してくれています。
散文との違い、言葉を厳密に使うこと、長く詩にかかわることによって「心が砕けて」しまうこと……。
聞き書きの質がとても高く、まるで耳元で語りかけられているかのような文章が展開されていきます。
ここにしかない”生の声”によって、詩人の内面に迫っていけるスリリングな本。
じゃっかん手にはいりにくいかもしれませんが良書です。
詩とはなにか
評論家・吉本隆明の詩にまつわる論考をまとめて収録しています。
これまで紹介してきた本以上に詩論の先行文献にていねいに目くばせをしているので、立体的な理解をふかめていける。
ハイデガーやリチャーズ、中村光夫、鮎川信夫……文学理論を芋づる式にひもといていくためのブックガイドとしても使える本。
もちろん案内書にとどまりません。吉本自身の論も、新書1冊とは思えないほど高密度です。
詩の発生
現代詩のむずかしさ
韻
喩法
概念喩というあらたな概念の提示……
吉本隆明節というか、対象の奥の奥まで筆がはいっていく書きっぷりに思わずこちらも身を乗り出してページをめくってしまう。
とくに、”生活者”であることと”表現者”であることのはざまで葛藤する「なぜ書くか」は必読。
詩をかくときに心の内側に起こる微細な感覚を問題にしている部分も多いので、実作者さんならさらに前のめりで読んでしまうかもしれません。超、超オススメ!
ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪
あきか(@akika_a)
(冒頭の写真は白川郷で撮ったさるぼぼです)
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