2017年02月28日

【定点観測】今月もっとも売れた本〜2017年2月の月間ベストセラーは『蜜蜂と遠雷』

 
今日のなぞなぞ
「2017年2月の月間ベストセラーは?」



2月28日、「今月日本でもっとも売れた本」が発表されました。
(日販調べの月間ベストセラー(総合・ビジネス・フィクション)を↓「付録」のコーナーにまとめます


昨年(2016年)の年間ベストセラーは↓こちら。

関連記事:
(2016)今年もっとも売れた本〜2016年の年間ベストセラー(ニッパン調べ)



※ この記事は毎月末に更新している、ベストセラー本の「定点観測」です。ある分野を定期的に観測することで、ちいさな変化にいち早く気づくことができる。これはジャーナリストの池上彰さんも推奨している、未来予測の方法です(『見通す力』)。

もちろん売れている本がすべて良書とは限らない。ベストセラーリストをまじまじと眺めながら、今の(今後の)”時代の空気”を一緒に感じてみましょ。というのが、このエントリの意図です。よかったら、何らかの「発見」を持ち帰っていってくださいねv




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トップは直木賞を受賞した『蜜蜂と遠雷』


出版取次会社の日本出版販売(日販)によると、
2月のベストセラーは、恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』
音楽(ピアノ)の世界を舞台にした青春エンターテイメント。
直木賞受賞作です。

村上春樹さんの新作『騎士団長殺し』は、発売してまだ間もないのでランキング圏外でした。
来月には確実にトップに君臨していると思います。

追記)
『蜜蜂と遠雷』は2017年の本屋大賞にも選ばれました(2017年4月11日発表)
↓今年の本屋大賞の結果は以下。

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2017年本屋大賞

大賞 『蜜蜂と遠雷』恩田陸
2位 『みかづき』森絵都
3位 『罪の声』塩田武士
4位 『ツバキ文具店』小川糸
5位 『桜風堂ものがたり』村山早紀
6位 『暗幕のゲルニカ』原田 マハ
7位 『i(アイ)』西加奈子
8位 『夜行』森見登美彦
9位 『コンビニ人間』村田沙耶香
10位 『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和

翻訳小説部門

『ハリネズミの願い』トーン・テレヘン著、長山さき訳
『すべての見えない光』アンソニー・ドーア著、藤井光訳
『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』ピ−タ−・トライアス著、中原尚哉訳
『熊と踊れ』アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ著、ヘレンハルメ美穂 羽根由訳

発掘部門(過去の良作を「発掘本」として選定する部門)

『錯覚の科学』クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ著、木村 博江訳

本屋大賞
http://www.hontai.or.jp/

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第156回直木三十五賞候補作品

冲方丁『十二人の死にたい子どもたち』
(受賞!)恩田陸『蜜蜂と遠雷』
垣根涼介『室町無頼』
須賀しのぶ『また、桜の国で』
森見登美彦『夜行』


直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/naoki/

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ビジネス書では「業界地図」が8位



ビジネス書部門では、『「会社四季報」業界地図 2017年版』が8位にランクイン。
全国の会社の情報を知り尽くす「四季報」が放つ、業界分析。
毎年就職活動の時期にベストセラーリストに顔を出す、ロングセラーシリーズです。
就活生、がんばれ!


池上彰さんと佐藤優さんの『僕らが毎日やっている最強の読み方』は9位でした。

関連記事:
カテゴリ:就活
最近読んだ「読書術」10冊



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フィクションでは本屋大賞ノミネート作品がエントリ




フィクションでは、川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』が2位。
村田沙耶香さんの『コンビニ人間』が4位。
いずれも本屋大賞のノミネート作品です。

今月のベストセラー『蜜蜂と遠雷』も同賞にノミネートしています。


先日芥川賞を受賞した、山下澄人さんの『しんせかい』は10位以内には入っていませんでした。意外。

意外というか……。うちの近所の書店では「しんせかい」の掲載誌(「新潮 2016年7月号」)は置いてあったけど、単行本は入荷していなかったんだよね。
あくまで私の行きつけの本屋の話だけど、ちょっと流通的に遅れてしまっている場所もあるのかもしれません。もったいない。


アニメも人気な『幼女戦記』は、今月は5位です。

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第156回芥川龍之介賞候補作品

加藤秀行「キャピタル」「文學界2016年12月号」に掲載)
岸政彦「ビニール傘」「新潮2016年9月号」に掲載)
古川真人「縫わんばならん」新潮2016年11月号に掲載)
宮内悠介「カブールの園」「文學界2016年10月号」に掲載)
(受賞!)山下 澄人「しんせかい」「新潮 2016年7月号」に掲載)


芥川龍之介賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/akutagawa/

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2017年本屋大賞 ノミネート作品

『i(アイ)』西加奈子
『暗幕のゲルニカ』原田 マハ
『桜風堂ものがたり』村山早紀
『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和
『コンビニ人間』村田沙耶香
『ツバキ文具店』小川糸
『罪の声』塩田武士
『みかづき』森絵都
『蜜蜂と遠雷』恩田陸
『夜行』森見登美彦


本屋大賞
http://www.hontai.or.jp/

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日販のサイト(http://www.nippan.co.jp/)で各ジャンルのトップ10が確認できます。この記事では取りあげていない「ノンフィクション部門」などのランキングもあります。


当ブログの記事(今年もっとも売れた本〜年間ベストセラーの調べ方)もあわせてご覧ください♪


それでは、


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


※ ↓付録の「〜位」の横の記号は、先月からの順位の変動をあらわします。
△ …… ランクアップ、= ……変わらず、▼ …… ランクダウン

【関連記事】

(2016)今年もっとも売れた本〜2016年の年間ベストセラー(ニッパン調べ)
今年もっとも売れた本〜年間ベストセラーの調べ方
カテゴリ:就活
最近読んだ「読書術」10冊

【関連リンク】

日本出版販売株式会社
http://www.nippan.co.jp/
芥川龍之介賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/akutagawa/
直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/naoki/
本屋大賞
http://www.hontai.or.jp/

【付録】


2017年2月の月間ベストセラー 総合


(日販調べ。「全集」「文庫」「ゲーム攻略本」を除く総合ランキング。2月28日時点)

1位 △

2位 △

3位 △

4位 △

5位 ▼

6位 △

7位 △

8位 △

9位 △

10位 △


2017年2月の月間ベストセラー 単行本ビジネス

(日販調べ)

1位 =
『はじめての人のための3000円投資生活』
2位 =
『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』
3位 △

4位 ▼

5位 △

6位 △

7位 △

8位 △

9位 ▼

10位 ▼


2017年2月の月間ベストセラー 単行本フィクション

(日販調べ)

1位 △
『蜜蜂と遠雷』
2位 △
『コーヒーが冷めないうちに』
3位 △
『君の膵臓をたべたい』
4位 ▼

5位 △

6位 ▼

7位 △

8位 ▼

9位 ▼

10位 △

 
【関連する記事】
posted by akika at 21:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ベストセラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月27日

就職力を養うための40冊――就活生と、こじらせ学生のための読書術

 
今日のなぞなぞ
「就職活動の”突破力”を鍛えるための40冊は?」



「就職力を養うための40冊」を↓「付録」にまとめました。リストは齋藤孝さんの『就職力』の巻末で「就職力を養うためのブックリスト」として紹介されている40冊です。

※ 今日の記事は「前置き」が長くなっています。
すぐさま「40冊」を知りたいあなたは、さくっとブックリストへ飛んじゃってくださいね↓。

就職力を養うための40冊



齋藤孝さんは明治大学教授。テレビでもおなじみですね。『声に出して読みたい日本語』のひと。

本書は「就職できる力をつけるためにはどうすればいいか」を幅広く語るエッセイです。多視点でものを見る、段取り力をつける、時間を無駄なく使う、”ディープ”に学び物事の”本質”をつかむ……。なかでも多くのページを割いて強調しているのは「本を読め!」ということ。

本書は言います。

正直なところ、僕の実感では、年間読書量が一〇〇冊以下の人は、学生として、これから社会に出ていこうする人間として、問題外だ。

「第一章 こんな大学生活なら就活も恐くない!」より

毎日の読書量が二〇〇ページ以下の学生は、就職は諦めた方がいい。社会人になるための絶対的なカロリーの蓄積量が足りなすぎる。

「第四章 就職活動の時期になったら」より


☆★☆



ここでちょっと個人的なお話をさせていただくと。
以前の記事(【就職活動】面接で落とされないためのたった1つの裏技)では”面接を受ける側”の立場で攻略法を書いた私ですが、じつは「学生(や社会人)を面接をする側」に立ったことも何度かあるのね。

そのとき、私は必ず、ある質問をしていた。
その質問とは……


「本、読む?」


半分雑談として。……とはいっても面接の場なので、まったくの雑談とも言い切れない。
「この人はどんな本を読むひとなんだろ〜」「なにか面白い本を教えてもらえたらうれしいな」という興味本位が半分。
もう半分は、本を読む習慣があるひとなのかどうか知りたかった。


もっといえば、”みずから学んで”ゆけるひとかどうか知りたかった。


難しい仕事であればあるほど、そこにマニュアルなんて存在しない。
正解がどこにもない課題にぶちあたったとき、選択肢として「本からヒントを得る」ことができる人材であってほしい……。
採用する側としてはそんな意味の質問だったかな。


あ。もちろん、私とはぜんぜん違う意図で、読書習慣や最近読んだ本について訊く面接官もいると思いますので、参考程度にしてくださいね(笑)。
でも。
質問の意図がなんであれ「まったく読んでません」では答えにならない。



↓のリストは、まさに就活力を高める速攻性ある本から、思考力をきたえるビジネス書、教養系まで、とってもバランスの良い40冊です。
『日本の論点』や『現代用語の基礎知識』など、時事にも目配せがきいている。
このブログで紹介したことのある本もけっこう混じっていますねv


就職活動の”突破力”を養うために。
読んでおくべき40冊をど〜ぞ〜♪




あ、あとね。つけ加えると。
志望している分野があるなら「その業界についての本」を読むのを私としてはオススメしたい。

たとえば。
お菓子メーカーに行きたいのなら、以前の記事(最近読んだサブカルチャー寄りの本10冊〜聖地巡礼からロバート秋山まで)で紹介した『結果を出すのに必要なまわりを巻き込む技術』を読んだり。

ゲーム業界志望なら、記事(「もしドラ」の企画書をかいてみた〜就活学生のための企画書の書き方講座)で取りあげた『企画屋稼業』とかね。


もちろん「業界地図」も良いのだけれど。業界地図はみんな読んでるから。
もっと、就職活動コーナーに並んでいないような本がオススメですv






ではでは。

就職力を養うための40冊をど〜ぞ〜♪


☆★☆



……。

…………。

………………。


……と、ブックリストに行くかと思いきや。
今日の「前置き」はまだ続きます。


就職活動に「勝つ」ために努力するとか。
そういうの、なんかノレない。
そんなにキラキラできない。



みたいなひともいると思う。
というか、私がそうだ。

えっとね。
私は新卒での就職活動を二回経験しているのね。
一度目は学部時代。二度目は大学院時代。



ある時期を境に、みんながスーツを着始めて。
エントリーシートを書いて、説明会に出かけて、自己分析がどうだとか業界研究がどうだとか言ってる。

何のマスゲームだこれは

みたいに感じてた。
こんなんにコミットできないよ……と、学部時代は就活に失敗しました。

で、逃げるように大学院への進学を選んだ。


二度目の就活は早くからスタートを切って、わりとうまい具合に内定をいくつもいただきました(正直、大学院はすごく良い所で、ずっとここに居たいとも感じたのだけど……このへんの心の動きについては、個人的な物語だし語ればとても長くなってしまいそうなので、今日はバッサリと省略します)。


↓石渡嶺司さんが明らかにしてしまったとおり、そもそも就職活動は「壮大な茶番劇」だ。





就活という茶番の舞台で。
踊らされてんのわかってて、あえて踊ってみるよ。


……私の二度目の就活はこんな感じだったかな。
それでも、踊ってるうちに踊ること自体の楽しさを見つけたりもしましたが。


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☆★☆



就活にかぎらず、この社会はどこか狂っている。
適応できる方がおかしい……というお話は↓以前の記事でもさせていただきました。

関連記事:
この世界は狂っているんだから。適応できるのは頭のおかしい人なんです――佐藤優『インテリジェンス人生相談』より



就職市場だって、狂っている。
ほんらい「それぞれが得意なことを持ちよって」発展していくのが経済の姿なのだから


シューカツをうまくこなせるひとだけが内定する


という就活市場は、どうしようもないくらいおおきな矛盾をはらんでいる。

もっと、いろいろな生き方や働き方があっていいよね。


というわけで。
「前置き」のラストに紹介するのは、この1冊です。



女子高生が主導する「JK課」を役所につくってしまったり、取締役全員がニートの「NEET株式会社」を発足させたり、シュウカツにノレない人たちのための「アウトロー採用」を実施したり……。

この狂った世界に風穴をあけようと奔走している若新雄純さんの活動記録です。
キーワードは「脱力」。ひたすらゆる〜く世界とかかわっていく方向性。


これからの社会の姿について、本書がかっちりと<結論>を示しているわけではありません。
JK課も、NEET株式会社も、アウトロー採用も、いわば実験体。
でもなにか、従来どおりではない「社会との関わり方」の萌芽がみえてくる良書です。オススメv


☆★☆



以前の記事(企業の求人は、ほとんどが奴隷の募集です。――苫米地英人『ゲシュタルトメーカー』より)では、働き方や生き方は無数にある、というお話をさせていただきました。


就職活動に対するスタンスだって、無限にあっていい。
それこそ


ほら、踊ってやるから音楽かけろよ?


みたいな気構えでもいいし


就活? アホくさいけど、冷やかしにいってやるか。


くらいのゆるさでも全然構わない。


たかがシュウカツなんだから。
全人的にフルコミットしなくたって、なんとでもなる。



齋藤孝さんの『就職力』でも、けっきょく就職はいずれ落ち着くところに落ち着いてゆく……みたいな話がでてきます。


☆★☆


就職活動中は、脳が「あらゆる情報を就活に役立てよう」というモードになっている。
ものすごく吸収率のよい読書ができる最高の時期なのです。経験上。
効率良すぎ、コスパ高すぎな読書タイムを自然と実践できる。


もうね。
本末転倒して、「本を深く読みたいがために就職活動をする」のが動機でもいいと思うくらい。
こんだけ吸収率よく読書できるなら、本を読むために面接をサボってもいいくらい(笑)。



シュウカツしながら
いっぱい本読もうよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆




……これが、今日の記事で伝えたかった
「就職活動のための読書術」です。


いや、逆でいいんだ。
「読書のための就職活動」で、ぜんぜん構わない。


本を読むことは、なににも勝る財産です。
いろいろな本に出逢うことに比べたら、就職活動なんてオマケみたいなもの。

それくらい斜に構えたシュウカツもアリなんじゃないかな。
こじらせ系としては、キラキラするよりもこっちのスタンスの方がしっくりくるよね。


就活をしているように見せかけつつも、「本当の目的」は全然違うの。
ふつーに面接を受けながらも、「この面接の合否なんて大したことじゃない」とあなたは思ってるの。


「魔法少女まどか☆マギカ」ふうに言うならば……


私の戦場はここじゃない



ってヤツです。






そんなこんなで、「前置き」が長くなってしまいましたが。



齋藤孝先生オススメの40冊をど〜ぞ〜♪



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪



あきか(@akika_a


【関連記事】

【就職活動】面接で落とされないためのたった1つの裏技
最近読んだサブカルチャー寄りの本10冊〜聖地巡礼からロバート秋山まで
「もしドラ」の企画書をかいてみた〜就活学生のための企画書の書き方講座
この世界は狂っているんだから。適応できるのは頭のおかしい人なんです――佐藤優『インテリジェンス人生相談』より
企業の求人は、ほとんどが奴隷の募集です。――苫米地英人『ゲシュタルトメーカー』より
「魔法少女まどか☆マギカ」に学ぶ4つの人生訓
最近読んだ「好きを仕事に」する本10冊
カテゴリ:就活
カテゴリ:読書術

【付録】

就職力を養うための40冊


1.


 2.



 3.



 4.



 5.



 6.


(※ 新版はこっち↓)



 7.



 8.


(※ 続編はこっち↓)



 9.



 10.



 11.





 12.



 13.



 14.



 15.


(※ 続編はこちら↓)



 16.



 17.



 18.



 19.



 20.



 21.



 22.



 23.



 24.



 25.



 26.



 27.



 28.



 29.



 30.



 31.



 32.



 33.


(※ より読みやすい新書版も出ています↓)



 34.




 35.




 36.



 37.



 38.



 39.


(※ 『就職力』ではとくに「〜年」版と指定されているわけではありません。状況に応じて、最新のものあるいは近年のものをまとめて読め、という意図だと思います)

 40.


(※ 同上)
 
posted by akika at 22:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 10冊シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

最近読んだサブカルチャー寄りの本10冊〜聖地巡礼からロバート秋山まで

 
今日のなぞなぞ
「サブカルっぽい本10冊は?」

P1610708done.jpg

本の雑食家さま、こんばんは。
私も雑食ですv

今日は、最近乱読したなかから
”サブカルチャー寄りの10冊”をぷちレビューしていきます。



……とはいえ、何をサブカルとみなすのかはたぶん、人によって違う。
デヴィッド・リンチを観て、ゴダールについて語ることができて、宮藤官九郎に対して一家言あればサブカリスト?

そういう”ちょっと高尚っぽいマイナー志向”は、いずれ
「意識高い系」とおなじように「サブカルチャー(笑)」みたいなニュアンスが付与されていくかもしれない。


逆に、意識高い系のアイコンである自己啓発書やビジネス書は、
もはやゴダールなんかよりもずっとサブカル的なアイテムになっている印象です。

じっさいヴィレッジヴァンガードのようなサブカルに強い本屋では、自己啓発系のビジネス書がものすごくたくさん並んでいます。
セミナーや講演はライブで、書籍はファングッズだ。

関連記事:
常見陽平『「意識高い系」という病』を読んで”つながりの社会性”について考える。




社会なんてどう変わるかわからない。
もしかしたら、そのうち


「アニメとか観るの? すげー意識たけー」

とか

「ビジネス書が好き? 俺も俺も。パンクだよな〜」


みたいな会話が違和感なくかわされる日もくるかもしれない。


ヒットチャートをアイドルやアニソンが占める今、
本来「ハイカルチャー」であるはずのクラシック音楽やオペラを聴くことは、一転して、ものすごくサブカルスピリットにあふれる行為のようにも思える。



……。


…………。


……………………。


……って、何を喋っているんだろうね私は(笑)。
今日はいつにもまして、ちゃんと伝わっているか心配です^^;

あ。ちなみに、デイヴィッド・リンチもゴダールも宮藤官九郎も、「サブカルっぽい」といわれている映画を撮っている監督・クリエイターね。


要は、何がサブカルチャーかなんて定義できないんだから、
今日紹介するのは、


あくまで私個人が
サブカルっぽいと感じた本だよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



と言いたかった。



それでは、10冊を。


お口にあう書はございますでしょうか?


好きな仕事に「ジョブチェンジ」!



世のなかの仕事と給料を、イラストつきで紹介する職業案内……といってしまうとフツーなんだけど、このイラストがまるでゲームのキャラクターのよう。きれー。「どんな魔法を使うんだ?」と思わせる薬剤師や「すごい必殺技を持ってそう」なウェブディレクターなどがわらわらと出てきます。ジョブチェンジする感覚で、就きたい職業を見つけてみてv




お前のクリエイティブはそれでいいのか?



短いメッセージと図案が続く、絵本のようなつくりです。デザイナーのための啓発書。”刺さる”文章と、斬新で実験的なデザインが「お前のクリエイティブはそれでいいのか?」と問いかけてくる。自身の作家性と顧客の満足との間で悩む、すべてのデザイナーさんへ。

聖地巡礼の成功&失敗事例集



アニメの舞台となった土地を旅する、聖地巡礼・コンテンツツーリズムの本。「らき☆すた」から「花咲くいろは」まで、事例がとにかく豊富。考察というよりも、がんがん事例を紹介している本です。成功したケースもあれば、失敗している例も。参考文献・コンテンツもかなり大量に載っています♪ アニメへの熱が薄れても、お客さんは「その土地自体のファン」になっていく。

ちなみに、聖地巡礼を描いた小説では↓辻村深月さんの『ハケンアニメ』がオススメですv 「アニメを地域振興に役立てたい公務員」が出てくるのですが、彼がアニメにまるで理解がないリア充でやきもきする(笑)。でも実は……。キャラクターがみんな魅力的で、私も大好きな作品♪ あ、「ハケン」は派遣じゃなくて覇権です。天下をとる名作アニメのこと。


都市空間、東京の精神史



ゴジラから岡崎京子、踊る大捜査線まで、物語のなかの東京と、実在の都市としての東京をクロスさせて、「東京」という空間の変遷を論じています。フィクションのなかの東京にも<歴史>は流れている。地史というよりは精神史といった趣きです。

ぱんだのひみつ



えっ、それ取れるの? え、そこ、ほんとは白かったの? パンダが集う銭湯で、衝撃の新事実があきらかになる!! ……しょーもないんだけどね。いえ、ほんとにしょーもないんだけど、目が離せなくなります。まさにサブカル絵本。

トップクリエイター(達)に訊く



映像クリエイター、ダンサー、スローライフ推進家……現代のトップクリエイターたちへのインタビュー集。そうそうたるクリエイター達の正体はぜんぶ、お笑いグループ・ロバートの秋山竜次さんです(笑)。カルチャー誌のような体裁で、全力でボケるネタ本。DVDもついています。

映像だとアドリブも多いからか、ちょっと間延びしてる感もあるのだけれど。本の方は、意識して読むスピードを速めることで、とても密度が高い読書時間をもたらしてくれます。キラリと光る言葉もたくさんあるので、ネタとしてでなくベタに読んでも◎。

ビジネス書もサブカル



↑冒頭で「ビジネス書ももはやサブカル」とお話ししたので、最近読んだなかから良かった1冊をピックアップ。グリコのお菓子マーケティングを成功に導いた小林正典さんが語る、ヒットの秘訣。実現が難しそうな企画も”みんなの力”があれば世に問うことができる。チョコレート業界の戦略戦術が具体的にのぞける……のだけど、マーケというよりはリーダーシップの本として◎。

幻想と異形の獣人写真集



以前の記事(幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』)で紹介した、写真集です。おそろしくも美しい、異形で畸形な民族衣装たち。Perfume のかしゆかさんも最近シャルル・フレジェの写真を購入したそうです。ちょうど当ブログで取りあげたばかりだったので、びっくりしました。すごい偶然。


インターネットの歴史



電話回線からネットに繋いでいた「黎明期」から、SNSが興隆する現代まで、つねにウェブの現場にいた中川淳一郎さん。半生を振り返るような自伝的エッセイです。個人史なのですが、個人というピンホールカメラをとおして「インターネット全体の歴史」がみえる。

↓『ウェブはバカと暇人のもの』の出版と前後して”ネットの可能性”に失望していく様もリアル。「ネット黎明期における生の声」としていずれ資料的価値を持つようになる。そんなふうに思えるくらい、”強い”本です。



菌類の「スター性」



冬虫夏草。花に擬態。半分死にながら身体を操られる「ゾンビアリ」。東京ドームの206倍の大きさをもつ「オニナラタケ」……。ミクロの世界のとんでもない生態系は、もはや異世界。ファンタジーのよう。著者の白水貴さんは、菌類が「バイキン」とイメージされてしまう”偏見”を嘆き、言います。

本書では、スター性のある菌類を紹介することで、世間一般に抱かれているイメージを払拭したい。


スター性! 銃を撃ったり、菌に菌が寄生したり……たしかに、この本に登場する生命体から感じるのは、ものすごいタレント性にほかならない。ブレイク前の売り出し中の菌たち。青田買いするなら今♪



追記)
サブカル系ど真ん中の『サブカル・スーパースター鬱伝』を続けて読んだので追加。

サブカルは「権威」を嫌う



サブカリストは40歳でうつ病になるという仮説を検証すべく、プロインタビュアーの吉田豪さんが11人のサブカルスターに話を聴きにいく。サブカルチャー雑誌『Quick Japan』(クイック・ジャパン)で連載されていた企画の書籍化です。
登場するのは以下の人たち。


(敬称略)
リリー・フランキー、大槻ケンヂ、川勝正幸、杉作J太郎、菊地成孔、みうらじゅん、ECD、松尾スズキ、枡野浩一、唐沢俊一、香山リカ


香山リカさんは、病んでいるからというよりも、サブカリスト兼精神科医として登場しています。ほかの男子諸君は、程度の差はあれ、たしかにヤンデル。みんなそれぞれオリジナルな「病み方」をしているのだけど、唐沢俊一さんが総括的なことを語っています。

サブカルチャーという分野自体がある程度権威との対立というか、既成の価値観への反逆という性質を含んでいる。それがある程度年齢を積むにつれて、どうしても先にいるっていうだけで権威になっちゃうんですよね。ふと気づくと自分が反抗される立場になっている。(中略)非常に居心地が悪くなる。


この記事の↑冒頭で提示した「サブカルとは何か」にも通じるお話かも。何か(誰か)が特権化されていくことに、いちばん敏感なのがサブカルだよね。どこまでもマイノリティのためのカルチャーなのだから。


カラい食べものにハマりはじめたら注意、アニメの「ガンダムSEED」がうつを救ってくれる……など、本書ならではのうつ病論(?)もあり面白い。インタビュアーの吉田豪さんは、単純に運動不足の影響も大きいのではと感じているようです。

多くの作品(映画、漫画、舞台、文学、イベント……)が出てきて、注釈の数がすごいことになっているページも。鬱とか関係なく、ひたすらサブカルまみれの対談を読みたいあなたにもオススメv



お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

常見陽平『「意識高い系」という病』を読んで”つながりの社会性”について考える。
幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』
宮沢章夫『ニッポン戦後サブカルチャー史』の巻末リストを使ってサブカル博士をめざせ
碇シンジは夜神月を止められない――宇野常寛『ゼロ年代の想像力』
【深い】大人になったあなたが読みたい絵本10冊【美しい】
【手塚赤塚】マンガ史に残る古典的名作コミック36冊【24年組】
【徹夜本】地下東京に広がる腐海――貴志祐介『新世界より』の社会システムと生態系がすごい
最近読んだ「好きを仕事に」する本10冊





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2017年02月19日

この世界は狂っているんだから。適応できるのは頭のおかしい人なんです――佐藤優『インテリジェンス人生相談』より

 
今日のなぞなぞ
「人生相談……という名の”読書案内”本は?」




世界は「まともであれ」というメッセージに満ちている。
でも、きっと。
誰もがみんなどこかしら”まともじゃない”ところを抱えていて。
ごまかしながら生きている。
おかしいのは自分じゃなくて、世界のほうなのかもしれない。


というわけで。
今日紹介するのは「人生相談」本
以前の記事(最近読んだ「読書術」10冊高校レベルの基礎教養(文系)を身につけるための28冊)で紹介した佐藤優さんの著作です。


現代の”知の巨人”佐藤優さんが読者のお悩みに答える。
週刊誌の連載が書籍化したものです。


「あぁ、そのテの本ね」と思った方もいるかもしれません。
たしかに、”雑誌の悩み相談コーナーの書籍化”という企画はよくある。

ほんとはね。私も、「この本は読んだら読みっぱなしにして、とくにブログで取りあげなくてもいいかな〜」と思っていた。
ページをひらくまでは。



☆★☆


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どういうことかというと。
本書は、じつは「人生相談」の仮面をかぶった「読書案内」なのです。

もちろん相談にはちゃんと答えているのですが、
回答には必ず1冊以上の「推薦図書」がふくまれている。



でね。誤解をおそれずに言い切ってしまうと……。



本書は、すべての相談者に対して、
”本を読むこと”をススメている。





おおぉぉ。
なんというか、僭越ながら……いえほんとに僭越ながら
「仲間発見!」という気分になった、ハッピーな読書タイムでしたv

人生相談をとおして、良質な本を推薦しているブックガイド。
これを”読みっぱなし”にしておくわけにはいかない! という感じ。


このブログもいろいろな切り口の記事を書いているけれど、
けっきょく。伝えたいメッセージはたったひとつだったりします。


みんないっぱい
本読もうよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



と、これだけ。



佐藤優さんの本は、どんなテーマでも
さまざまな文献を引っ張ってきてお話ししてくれるし、
ちょいちょい読書を薦めている
ようなところがあるので、最近お気に入りの作家さんです。



☆★☆


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『インテリジェンス人生相談』で取りあげられている「悩み」は多岐にわたります。
社会や経済、キャリアからアイデンティティや恋愛、家族、宗教にまつわるものまで。

どんな悩みでも「相談者の味方になって」回答しているのがこの本。
拒食症など病理的な葛藤や法務関係の話などは、きちんと専門家に相談することを推奨しているのも誠実です。


↑この記事のタイトル「この世界は狂っているんだから。適応できるのは頭のおかしい人なんです」『インテリジェンス人生相談 復興編』からの引用です。

「生きていく能力が人よりも極端に低い」と悩む相談者に対して
文学を読むことやノートをつけることを提案し、場合によっては心療内科に頼るのもアリだと説く。

その流れで件の言葉がでてきます。


そもそも、この世界は狂っているんだから。こんなところに適応できるのは頭のおかしい人なんです。普通の人間はみんな適応できない。それを見ないようにするか、騙すか、無理をするか。みんなそういうふうにして生きている。真面目に素直にやったら、みんな潰れちゃう。

「第5章 自己」より


ほんとに。
この社会はどこか狂っている。

私たちはいろいろなことごとに、あれこれ想い悩んでしまうけれど、
「自分が悪い」と思いこむ必要なんてひとカケラもないのかもしれないよね。


なんだか<世界>になじめないでいるなぁ……と感じているあなたに。
本書は「希望の本」です。



☆★☆



ちなみに。この相談者に対して佐藤優さんがススメているのは、
五味川純平さんの『戦争と人間』や夏目漱石の『それから』『門』
文学ですね♪


以前の記事(なぜお金を稼ぐのか?)でお話したとおり、抽象的な&答えがひとつじゃない問題を考えるとき、小説はとても相性がいいのですv








そんなこんなで。今日は
人生相談本でありブックガイドでもある『インテリジェンス人生相談』の紹介でした。


本が好きなひとには、面白い読書体験をもたらしてくれます
本書に登場する「推薦図書」は多岐にわたっていて、

もちろん直球なものもあるのですが(ギャンブラーに対して『依存症のすべてがわかる本』をススメていたり)、なかには


ここでこの本が出てくるのか!


みたいな変化球
もあってびっくりする(住職さんに対して村上春樹さんの『1Q84』をススメていたり)。
小説も多くピックアップされているのも嬉しいです。



ではでは。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

あきか(@akika_a


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カテゴリ:読書術







 
posted by akika at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書術 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月13日

「心でっかち」とは何か

 
今日のなぞなぞ
「”心でっかち”って何? ”帰属の基本的エラー”って?」



頭でっかちは知っているけど……心でっかちって何よ?


というわけで。
今日紹介するのは「心でっかち」という概念を提示している社会心理学(※)の本。

※ 個人の心理や行動が社会のなかでどのような影響を受けるのかを研究する分野。社会学と心理学が合体したようなジャンルです。


この本、じつは以前の記事(最近読んだ「未来を予測する」本10冊)で紹介した、荻上チキさんの『僕らはいつまで「ダメ出し社会」を続けるのか』で取りあげられていて、気になってずっと積んでいたのですが。
やっと読了。


☆★☆



著者の山岸俊男さんは社会心理学専攻の教授なので、
この本もどちらかといえば専門書・学術書の部類にはいると思う。


ところが、意外と読みやすい。
語り口がすごく親切
な本です。


はんぶん学術書なので、↑冒頭にあげた「心でっかち」とか「帰属の基本的エラー」など聴き慣れない言葉や、「ナッシュ均衡」や「囚人のジレンマ」等、専門用語がけっこうでてくる。

でも、専門用語はきちんと説明してくれるし
読む人によって意味があいまいにゆらぐ言葉(集団主義など)や造語は、きちんと定義しながら進めてくれる。


順々に、ゆっくりひもといていけば
社会心理学になじみがなくても、しっかり吸収できる本です。


☆★☆


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でね。
本書のいう「心でっかち」とは何なのかというと。
強引にまとめると……


ほんとうの原因がほかにあるのに
個人の「心」に問題があると考えてしまう態度
のこと。


いじめがなくならないのはひとりひとりが優しくなれないからだ〜みたいな考え方ね。
「心」が問題だと説明されればなんとなく納得して、わかったような気になってしまう。
でも、そんなのぜんぜん科学的じゃないよね、と本書は警告しています。


世のなかを見渡してみれば、
いたるところに「心でっかち」な意見がある。



「心」のせいにして思考停止しないで、
その先を考えてみようよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



☆★☆



……と、そんなふうにリテラシー(※)の本として読んでも実りが大きいのですが、
展開されている議論がとても刺激的なので、知的エンターテイメントとしても面白い。

※ 情報に対する読み書き能力。


たとえばね。
「心でっかち」を説明するときに「帰属の基本的エラー」っていう概念が出てくるんだけど。

これは、他人の行動をみて、その人が”みずから進んで”そうしているのだと考えてしまうこと。


本書では掃除当番の例があがっていました。


当番だから、掃除をしなきゃいけないんだけど、俺はほんとは掃除なんてしたくない。
でも、みんなきちんと掃除やってるよな、すげー。
俺以外の人たちは「集団の利益のために行動する性質」をもっているようだ。
俺はちがう。でもサボると怒られるから、掃除はするけどね?


……みたいな。
ほかの人からみれば、けっきょく「俺」も掃除をしていることに変わりはないわけで。
「俺」も他人からは、「みずから進んで掃除に取り組む意識高いヤツ()」と思われているかもしれない(笑)。



こんなハッとさせられる、刺激的な概念やモデルがうじゃうじゃ登場します。
(ちなみに「帰属の基本的エラー」は山岸教授が生み出した言葉ではなくて、社会学・心理学でよく出てくる一般的な概念です)


☆★☆


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もういっこ。
「頻度依存行動」も面白かった。


これは、個人個人の挙動が外部の環境に左右されること。


本書では、とある教室でいじめが起こるケースと起きないケース、がモデルとして載っています。


「俺」以外の〜人以上がいじめに加勢しているなら、「俺」もいじめる。
逆に「俺」以外の〜人以上がいじめに反対なら、「俺」もいじめない。


個人の「心」ではなく「環境」が「俺」の行動を決定する例です。


〜人が”すでにいじめている”という「初期値」によっても、
そのクラスでいじめが起こる/起こらないが変わってしまう。



「ナッシュ均衡」を援用した、完全に”形而上的なモデル”なんだけど
ほんとうに。このモデルをみせられてしまうと個人の「心」が問題だ、なんてとても言えなくなる。


ちなみに、「ナッシュ均衡」は、経済学のゲーム理論の用語です。
多数のプレイヤーがとる”戦略”によって、状況が決定される。
場合によってはみんなが損するカタチで「均衡」する。

「囚人のジレンマ」という言葉なら聴いたことがあるひとも多いかな。
要は、「囚人のジレンマ」のアレです。


囚人のジレンマについては、このブログでも解説しています↓ので、よかったら参照してみてくださいねv

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☆★☆



社会学や心理学、経済学に詳しければ、速読レベルですんなり読めると思います。
でも。繰り返しますが、本書は語り口がとても丁寧で親切なので
じっくりとひとつひとつ進めていけば、予備知識ナシでもしっかり理解できる。


あるいは本書をきっかけに、専門的な分野へ、読書の幅をひろげていくのもいいかもしれません。
教科書的な『教科書 社会心理学』『ミクロ経済学』などへ(私が読んだ参考書はこの2冊だけど、ほかのでも”教科書”をうたっているものならなんでもOKです)。


ナツメ社 の↓「図解雑学」シリーズから入るのもぜんぜんアリだと思います。
あまり明るくない分野にわけ入っていくときは、私も「図解」など入門書をよく使います。







そんなこんなで。今日は


『心でっかちな日本人』っていう本が
オススメだよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆




というお話でした。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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posted by akika at 21:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 社会学・現代思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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