2018年08月17日

日本の財政破綻やハイパーインフレに備える3ステップ

 
今日のなぞなぞ
「もし国家が破産してインフレや円安が起こったらどうすればいい?」



今日紹介するのは、以前の記事(最近読んだ「金融を学べる」本10冊)でも取りあげた橘玲さんの著作。マネーリテラシーの本です。


もし日本の財政赤字がふくらみすぎて、国債(国の借金)の暴落あるいはデフォルト(債務不履行)が起こったとしたら。
私たちはいかに資産を守ればいいのだろうか?



本書はこれに対する答えを、とことん具体的に教えてくれます。

追記)
改訂をくわえた文庫版もリリースされています。→『国家破産はこわくない』 (講談社+α文庫)




……いや。
国家破綻とかハイパーインフレ(※)とか。さすがにないと私は思いますが。

※ 通貨の価値がさがり、物の値段が極端にあがっていくこと。

じっさい橘玲さんも、国債デフォルトまではさすがにありえないだろうというニュアンスです。
逆に、「国家破綻のシナリオ」を”営業ツール”にして、無知な高齢者などにリスクの高すぎる海外投資商品を売りつける金融マンをなじっています。日本の破綻リスクよりもおおきな信用リスクを負わせているじゃないか! と。
(トルコリラ建てでハイイールド債(ジャンク債)(※)を詰めあわせた商品(ファンド)とかがあるんですって……ひどいね)

※ 高利回りをうたったリスクの高い債権。ジャンクボンド。2007〜9年の金融危機をひきおこすきっかけとなったサブプライムローン債が有名。


とはいえ。
以前の記事(未来は予測なんてできないし、売れてる本が良い本とはかぎらない)でお話したとおり、ブラックスワン(※)は、誰もみたことがないからこそブラックスワンなのであり。ひとたび黒鳥が見つかれば、世界はひっくり返る。

※ 黒い白鳥のこと。金融市場などで、統計や経験則から予測できないものが突然に起こってしまうリスクのたとえとして使われる用語。


金融リテラシーはあってありすぎることはないので、
今日は橘玲さん流の「資産防衛術」を私的メモとしてシェアします♪







 3つのシナリオと「破滅」の3つのステージ



まず。
橘玲さんは、アベノミクスやそれにともなう日銀の大規模緩和がもたらす未来として、以下の3つの道を可能性としてあげています。



楽観シナリオ アベノミクスで日本経済は大復活する
悲観シナリオ 現在と同じデフレ不況がこれからも続く
破滅シナリオ 財政が破綻して経済的な大混乱が起こる

「第3章 普通預金は最強の金融商品」より



現在(2018年)がまだ「デフレ不況」なのかは、ひとによって意見が異なると思いますが、
(本書は2013年の本なので、円高デフレがまだ記憶に新しかったころです)
要はあの「失われた20年(※)」はまだ終わらないというのが「悲観シナリオ」だと読みかえてかまいません。

※ 1991年から長く続いた(続いている)日本経済の低迷期間のこと。


橘玲さんは、「破滅シナリオ」が起こったとき、
そこには3つのステージがあるだろうといいます。


第1ステージ 国債価格が下落して金利が上昇する
第2ステージ 円安とインフレが進行し、深刻な金融危機が起き、国家債務の膨張が止まらなくなる
最終ステージ(国家破産) 日本政府が国債のデフォルトを宣言し、IMFの管理下に入る
 
「第3章 普通預金は最強の金融商品」より



IMFは国際通貨基金(International Monetary Fund)のことです。
世界の金融の安定をめざす、国際的なビッグファンドね。マネー版の国連みたいなものかな(ざっくり)。



 第1ステージまでは普通預金でOK



橘玲さんはたとえ「破滅シナリオ」が起こっても、初期段階までは普通預金を持っているだけで資産防衛になる、と説きます。


「楽観シナリオ」の場合は、好況が続くのでそもそも防衛する必要がない。
「悲観シナリオ」なら、デフレ(物の値段が下がっていく)が進むので「円」はもっているだけで価値をあげていく。

「破滅シナリオ」でも、第1ステージでは、金利上昇と一時的に起こるであろう円高によって、「円での普通預金」にメリットがある。



いざ備えなくてはならないのは
「第2ステージ」に移ったときの円安やインフレ
に対してです。


 第2ステージで有効な3つの金融商品



財政破綻がもたらす経済現象として、橘玲さんは以下の3つをあげています。

国債価格の下落(金利の上昇)
円安
インフレ

「第4章 たった3つの金融商品で「国家破産」はこわくない」より



で。
「第2ステージ」で購入すべき3つの金融商品をズバリ断言しています。
その3つとは……。



【国債ベアファンド】
【外貨預金】
【物価連動国債ファンド】




順番に説明すると。

「国債ベアファンド」は国債(国の借金)が信頼を失うほど、逆に価格(基準価額)を上昇させる仕組みの投資信託です。証券会社とかでふつーに売ってます。

「外貨預金」は、ドルなど海外の通貨による預金です。銀行でも行なえますし、たとえばレバレッジをおさえたFX(外国為替証拠金取引)なんかでもおなじ意味を持つ投資行動ができます。

「物価連動国債ファンド」は、インフレ率に連動して価額が推移する仕組みの投資信託です。こちらはあまり流通していない、ちょっと手にはいりにくい金融商品です。



国債下落、円安、インフレに備える、まさにストレートな商品群ですね。
橘玲さんは金などのコモディティ(商品)への投資は、この文脈ではオススメしていません。
コモディティの値動きはこれら3つのリスクに対するヘッジ(備え)にはならないからです。




そしてさらに、「最終ステージ」まで進んだ場合。
日本という「国」が財政的に崩壊するとき、あなたにはなにができるのか?


 最終ステージでは「預金封鎖」も視野にいれる



最終ステージ(国家破産) 日本政府が国債のデフォルトを宣言し、IMFの管理下に入る


ここまで事態が進行したとき。
もはや日本の銀行や証券会社に置いてある資産はすべてなくなってしまうかもしれない。


「破滅シナリオ」が最終ステージに入ると、これまでの資産防衛戦略はほとんど無効になってしまいます。

「第4章 たった3つの金融商品で「国家破産」はこわくない」より




国債が債務不履行になってしまったら、たとえば「物価連動国債ファンド」の価値はゼロになってしまうし、
かりに「預金封鎖」が起これば銀行に預けている円や外貨もすべて差しおさえられてしまうかもしれない。


とんでもない未来だよね。
ないとは思うよ。ないとは思うけれど、そんな事態になっても資産を守れる2つの「究極の国家破産対策商品」があると橘玲さんはいいます。
その2つとは……。


【海外銀行の外貨預金】
【日本国債ベアETF】




もう、お金を海外に逃がせということですね。
順番に説明すると……。


「海外銀行の外貨預金」は、外国の信頼できる銀行(HSBCなど)で外貨を持っておけ、ということです。

「日本国債ベアETF」は、海外市場(ニューヨーク市場など)に上場されている、日本国債の価格とは反対の値動きをするETF(上場投資信託)です。もちろん円建てじゃないやつね。これをたとえばアメリカの証券会社で買っておけ、ということです。



 信じる/信じない、じゃない



なんというか、すごい未来だよね。
預金封鎖とか、現代の日本からみればいかにも前時代的な言葉だけど。

もしかしたら、ブラックスワンはあらわれるかもしれない。


信じるか信じないかは、アナタ次第です


……。


…………という話ではない
んだよね、べつに。
信じる/信じないじゃない。ひとによってはもっともらしく国家破綻シナリオを語る論者もいるけれど、本書はべつに「日本が崩壊するぞ〜」とあおっているわけではありません。

「そうなったときにどうするか」をしっかりと実践的に教えてくれる良書です。


かりに兆候があったとしても、第1ステージまでは普通預金が最強なんだから。
準備する時間はじゅうぶんにある。



財政破綻とかハイパーインフレとか関係なしに、
シンプルにマネーリテラシーの本として読んでかまわない。
為替やファンドについての注意点など、こまかいけれど役に立つ知識も満載です。

金融リテラシーは、あってありすぎることはないので
いくらでも読むのがいいと私は思っています。


橘玲さんは金融リテラシーについて実際的に語ってくれる、ほんとにいい作家さんだよね。
だけど、なんだか最近は、以前の記事(【新しい脳】進化心理学を学びたい人のための11冊【究極要因】)で紹介した『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』のような不安をあおるアジテーションな語りが多くて(↓『言ってはいけない』とかも)。

なんだか、好きなバンドがメジャーデビューして音楽性が変わってしまったときのようなさみしさを感じていたりもします(笑)。
あおらないとみんなちゃんと勉強してくれないから、みたいな意図があるのかな。進化論や進化心理学に強くコミットしているのはなにか理由があったりするんだろうか。

でも、アジテーション系の本も刺激的で面白いといえば面白いので
けっきょく好きな作家さんであることに変わりはないんだけどねv






そんなこんなで。
今日は



橘玲さんの『資産防衛マニュアル』っていう本が
オススメだよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。





ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪



あきか(@akika_a


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最近読んだ「金融を学べる」本10冊
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DMM.com証券






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2015年03月17日

最近読んだ「金融を学べる」本10冊

 
今日のなぞなぞ
「金融を学ぶための本は?」


今日は、最近私が乱読したなかから
”金融を学べる10冊”をぷちレビューしていきます。

金融関係の本を書かせていただいたこともある私ですが、
あらためていろいろ読んでみると……知らないことばかり(>_<)。

以前の記事(解禁! SeesaaブログでJASRAC(ジャスラック)管理楽曲の歌詞掲載が可能に♪)でお話したとおり、


「わからないことって減らないもんなんだな」


という感じです。扉を開けたら、また次の扉。


金融のリテラシーを高めることは、
複雑化した現代を生き抜く知恵につながる。

まさに「ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"!」

最近ハマっている橘玲さんの本が多めですが、
あなたのお口にあう書はございますでしょうか?





 差別と偏見。被迫害者としての「金融」


金融ほど「誤解」されている仕事はほかにない。銀行員は何も生まない高給取りだとうとまれ、ファンドは金の亡者だとさげすまれる。でも、ほんとは違うよね? という本です。S&Pケース・シラー住宅価格指数(※)を生み出したことでも知られる、ノーベル賞受賞経済学者ロバート・シラー氏の名著。

※ アメリカの一戸建て住宅の再販価格の変化を測る指数。個人消費と関連がふかい米の住宅市場を見るうえで重要な指標。

 サラリーマンはここまで節税できる


サラリーマンがマイクロカンパニーをつくって、節税する方法。サザエさん一家を題材に、どこまでも具体的に指導してくれます。天引きされる税金・社会保険料の負担が重くのしかかる「サラリーマン増税」の時代、”知識”がここまで手どり収入を左右する。

 和同開珎から先物市場まで


和同開珎から先物市場まで、金融の歴史と仕組みを学べます。中央銀行、政府、外為内為、株、コール市場、オプション、デリバティブ……。ほぼすべて網羅されていて、隙がないです♪ とりあえず持っておいて間違いがない、「わかる本」の決定版!

 経済や金融を学ぶ1冊目に


再読。経済や金融を学ぶなら、まずマクロ経済を知るのがオススメです。教科書的だけど、「教科書どおりにはいかないこと」まで解説。以前の記事(未来は予測なんてできないし、売れてる本が良い本とはかぎらない)でもお話しましたが、1冊目に教科書的な新書をひもといたら、2冊目はもう『ブラックスワン』を読んでいい。



 はじめの1歩は「信用創造」


再読。電子化してひさしい、現代の金融。もはやバーチャルといえるお金の流れは、どのような枠組みのなかにあるのか。金融を学ぶすべての方に、必読の1冊です。信用創造(※)を理解するのは、ファイナンシャルリテラシーを高めるための、はじめの一歩♪

※ 金融機関の貸出によって、実際に存在する以上のお金が流通するようになること。

 でりば!


デリバティブとは、金融派生商品のこと。金融工学を縦横無尽に駆使し、あらゆるリスク(天候も!)を変形し移転させる。それがデリバティブ。数学的で、ちょっと難しく、ときには頭がこんがらがる。それが、デリバティブ。わかりやすく解説してくれます♪ でりば!

 どの「株勉強本」を読めばいいのか


「株の勉強」をうたった本がたくさんありすぎて、どれを読んだらいいかわからない。そう感じている方も多いと思います。かたっぱしから読み漁るのもアリだけど、評判の高い本から手をつけるのも◎。とりあえず、本書には私がお墨付きを与えておきますv トレンドを最重視する、株の実践勉強本。

 アベノミクスって、なに?


安倍晋三首相の経済政策アベノミクスは、いったいなにを目指し、どんな手を打っているのか。いま、日本はどういった社会に向かおうとしているのか……その大局観をとらえておくことは、自身の身の振り方を考えるうえでも大切かも。

 殿堂入りのマネーリテラシー本


マネーリテラシー本として、もっともオススメ。資産運用から節税、低金利のファイナンス(借金)方法など、出し惜しみなく知恵を授けてくれます。日本で給料を得ているなら、資産は100%外国株じゃないと分散投資にならない。家を買ったひとは、ポートフォリオが不動産に偏りすぎ……など、本質をずばずば突きまくります。

 この美しき残酷なセカイ


ラストはもう1冊、橘玲さんを。金融という枠を超えた、社会批評です。本書は、世界をサツバツとしたものすごくドライなものにとらえていて、すこし肌寒いくらいなのだけど、その残酷なセカイのなかで模索する”幸福”を考えるとき、ものすごくヒントに満ちあふれた本。壊れかけた「伽藍を捨ててバザールに向かえ」。

「日本論」ブームのなか、創られていく”日本人”のイメージとは距離を置きながら<日本>を語る『(日本人) 』もオススメです♪

(日本人)
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お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

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未来は予測なんてできないし、売れてる本が良い本とはかぎらない
最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために
マネーのスペシャリスト3氏(竹中平蔵・竹川美奈子・勝間和代)のオススメ本7冊
【リスクリターン】投資をはじめる前に読みたい15冊【キャッシュフロー】
カテゴリ:金融リテラシー・投資








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2014年11月23日

マネーのスペシャリスト3氏(竹中平蔵・竹川美奈子・勝間和代)のオススメ本7冊

 
今日のなぞなぞ
「竹中平蔵さん、竹川美奈子さん、勝間和代さんのオススメ本は?」




ひとつ前の記事(最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために)で紹介した、『お金の学校』

経済評論家の勝間和代さんとマネーのスペシャリストたちの対談本です。
対談相手の4氏は……


かつて政府のブレーンもつとめた、経済のスペシャリスト。
慶應大学教授の 竹中平蔵さん

難しいお金の世界をわかりやすく解説してくれる、金融版池上彰。
美貌のファイナンシャルプランナー 竹川美奈子さん

アナリストランキングのトップを爆走し続けた、投資家のカリスマ。
太田忠投資評価研究所代表 太田忠さん

ビジネスや金融が最大限社会に貢献することを夢見てやまない。
大和総研調査本部主席研究員 河口真理子さん



竹川さんは、以前の記事(NISA(ニーサ)口座をひらく前にやっておきたいたった1つのこと〜「検索」時代の情報リテラシー論)でも紹介しましたね。


本書は対談のなかで、なんと
「マネーリテラシーを高めるためのオススメ本」について、ちょこちょこ言及しています。


そんなわけで、
以前の記事(読書家5氏(伊藤真・本田直之・勝間和代・土井英司・和田裕美)の厳選オススメ本)と同様、
今日も↓下の「付録」がメインの記事です。
(※ 太田さんと河口さんはとくにオススメ本を挙げてはいませんでした。両氏との対談ででてきた本は、どれも勝間さんが推しているものです)



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか






【関連記事】

最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために
NISA(ニーサ)口座をひらく前にやっておきたいたった1つのこと〜「検索」時代の情報リテラシー論
読書家5氏(伊藤真・本田直之・勝間和代・土井英司・和田裕美)の厳選オススメ本
【リスクリターン】投資をはじめる前に読みたい15冊【キャッシュフロー】

【付録】


竹中平蔵さんのオススメ本




竹川美奈子さんのオススメ本






勝間和代さんのオススメ本




 
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2014年11月22日

最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために

 
今日のなぞなぞ
「投資力を鍛える本は?」


今日は、最近私が乱読したなかから
”投資力を鍛える10冊”をぷちレビューしていきます。

雑誌「日経マネー」によれば、
投資リターンの高い人の共通点は……


勉強好きであること


だそうです。

マネーの知識の向上は、そのまま
あなたの投資の成績アップにつながる。

まさに「ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"!」です♪


あなたのお口にあう書はございますでしょうか?




 バフェット手法の実践


みんなが憧れる投資家、ウォーレン・バフェット。持続的に成長する会社を安く買って、持ち続ける。それが彼の投資スタイルです。バフェット流投資の基準〜成長力や企業価値、適正株価を計算する方法が学べます。実在の企業の分析もあるので、確実に身につく。投資力を鍛えるなら、まずはこの本から。

 でりば!


金融の勉強をすれば、いずれはデリバティブにたどりつく。デリバティブとは、金融派生商品のこと。株や為替のみならず、天候や災害なども、金融工学によってリスク分散・転移できる。売る権利を買う? え、なにっ!? ってなるけど、頭の体操をしながら、デリバティブに親しんでみてくださいね。でりば!

 正しいジャッジを


株式投資入門書です。個性の強すぎる先生たちに、株の知識を教わりましょ。セリフのみで進むので、マンガのように読める。ラストには、ソニーやシャープ、資生堂、花王、トヨタ、日産の決算や株価をみながら投資判断を下すディスカッションも。読みながら一緒にジャッジしてみて。はたしてあなたは”正しい”判断を下せるか? 新版は↓こちら。



 面白がるチカラ


ライブドア元代表、堀江貴文さん(ホリエモン)の仮出所(※)後第1作。「刑務所で治験ビジネス」「地方都市をブランド化するエージェント」など、獄中で考えたビジネスアイディアが山のように載っています。堀江さんがメルマガ読者の質問に答えるQ&Aコーナーも。お金のためじゃない。自分が面白いと思えることをやり続けろ。投資力とは、ビジネスや金融の世界を面白がれるチカラのことだ、と私は思います。

※ 堀江貴文さんは2006年、ライブドアに関わる証券取引法違反で逮捕されています。裁判で2年6か月の懲役が確定し、2011年、長野刑務所へ移送されました。

 バフェット本よりオススメ


株式投資の超実践。本書の指導どおりに売買すればまず損はしないんじゃないかな。株式投資実践の授業があるなら、まっさきにこの本を教科書に推したい。国債利回りと株のリスクプレミアムをもとに、企業の成長率を加味して理論PER(※)を出す。そこから3割引きのディスカウント価格で買い、理論株価になったら売る。損切りは徹底する。それだけ。日本株に投資するなら、個人的には↑のバフェット本よりオススメです。

※ Price Earnings Ratio。株価を1株当たり純利益で割る、株価収益率のこと。割安度やその株の人気度をはかる指標。

 金融リテラシーの学校


幅広く金融リテラシーを身につけたいなら、コレ。マネーのスペシャリスト4氏と勝間和代さんが対談します。竹中平蔵さんとは「金融とリスク」について。竹川美奈子さんとは「投資信託」。太田忠さんは「株式投資」。河口真理子さんは「社会的責任投資」。それぞれの方がオススメする「マネーリテラシー本」も紹介されています♪

追記)
↓本書で言及されていた「オススメのマネーリテラシー本」をまとめました。

マネーのスペシャリスト3氏(竹中平蔵・竹川美奈子・勝間和代)のオススメ本7冊

 ”常識”を突破せよ


ウォーレン・バフェットとジョージ・ソロス。生い立ちも投資手法もまるで異なる、偉大な投資家ふたりを徹底的に分析し、共通項を探る。そして成功するための要素を抽出していく。すると、いわゆる”常識”とはかなりズレた方法や考え方が飛び出してきます。分散投資全否定……とか。投資対象を問わず、すべての投資家が読んでおきたい1冊。

 すべては「まぐれ」である


成功した投資……そのすべては「まぐれ」。巨額の利益を生み出すヘッジファンドがドカンと吹き飛ぶのはざらだし、未来を予測できたエコノミストの陰には大勢の「予想を外した」エコノミスト達がいる。確率論。統計。マネーリテラシー。皮肉。ユーモア。褒めはじめたらキリがない殿堂入りの良書です。面白すぎる徹夜本。

 未来予測のプロになるために


サブプライムバブルの崩壊を予測したエコノミスト、中原圭介さん。↑『まぐれ』を 読んだ後だとなおさら、この手の本には眉につばをつけて向きあわなければならないけれど、それでも推したい1冊です。経済学だけではなく、むしろ哲学や心理学など他のジャンルの勉強をしろ、と説いています。

 最後のバブル


こちらも未来予測本。眉につばをつけながら読めば、得るものはおおきい。世界経済の大局観が養われます。為替の話が多め。「資本主義最後のバブル」の真っ只中、これからどんな対象に投資をしていけばいいのか……という指針も巻末に載っています。ぱくっと鵜呑みにはせず、金融リテラシーを高めるという目的で読めばかなりの良書。




お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

NISA(ニーサ)口座をひらく前にやっておきたいたった1つのこと〜「検索」時代の情報リテラシー論
持ち株を塩漬けにしないための7つの心構え〜損切り(ロスカット)のススメ
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1行でわかる。なぜ円安になるのか〜円安だとどうなる?
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2014年11月11日

1行でわかる。なぜ円安になるのか〜円安だとどうなる?

 
今日のなぞなぞ
「なぜ円安になるのか?」

P1500713done

「円安」とは、
ほかの通貨に比べて、円の価値が低い(低くなっていく)こと。

ニュースでよくみる「円安」は、
アメリカの通貨、ドルと比べたときの、日本円の値段を指しています。
(ドルでない場合は「ユーロ円」などと言っているはずです)


2012年 およそ 80円=1ドル
2014年 およそ 110円=1ドル



上が円高。
下が円安。
1ドルを買おうとすると、30円も多く円を払わなければいけなくなったので、
円の価値が下がった=円安
 ……というイメージです。



ではなぜ、円安になるのか。
今日はそれをわかりやすく1行で説明します。


本日のなぞなぞの答え


円がいっぱい増えたから。




以上。


……と、これだけじゃあまりにあんまりなので^^;
ちょっとだけ、補足していきますね。


あ、その前に。


お金というのは、じつは、かなり相対的なもの。


このことを念頭に置いておくと、
スムーズに読みすすめられると思います。


100円はずっと100円のまま、と考えてしまいがちだけど、
ほんとうは、100円の価値は「毎日」変動しています。


物の値段があがっていけば(インフレ)、100円の価値は(物に対して)下がる。
ドルの価値があがっていけば(円安)、100円の価値は(ドルに対して)下がる。

将来の100円の価値は、今の100円の価値よりも低い(割引現在価値)。
(預金や投資など運用をしていれば、増えているはずなので)

『リスクを取らないリスク』(堀古英司)ってヤツですね。


世界のお金は、「居場所」を探して
日々、世界中をさまよっている。



この考え方がポイント。


(もくじ)
・なぜ円安になるのか?
・円安だとどうなる?
・なぜ1ドル=10,000円にはならない?
・なぜ円高になるのか?
・なにが正しいかはわからない





 なぜ円安になるのか?


P1500748done

教科書的に言うと、
その国の通貨が安くなる原因には、↓以下のようなものがあります。


(ほかの国と比べて……)
1.金利が安い
2.その国の将来が不安(政府の財政や経済成長など)
3.貨幣の供給量が増え、今後も増えそう(インフレになりそう)
4.トレンドが続いている
5.ほかの国の通貨の方が魅力的



順番に説明すると、


1.金利
金利が高い国でお金を預けておけば、低い国よりも増え方がおおきい。
たとえば、
日本の金利が0.5%、アメリカが2%だった場合、
1年後には1000円が1005円に 1000ドルは1020ドルになる。

もし為替相場がずっとおなじだったなら、
円をドルに替えて運用して、1年後に円にもどせば1.5%もお得です。

……あれ?
だとすると、金利の高い国の通貨はえんえんと高くなりそう。
反対に、超低金利の円は、一瞬で極限まで安くなりそう……ですよね。
でも、1ドル=10,000円まで円安にはなってない。この話は後ほど出てきます。


2.将来性
たとえば、円が将来的に「無価値な紙切れ」になってしまいそうだとすれば。
みんな「円なんてほしくない」と思うから、円の価値はどんどん安くなります。

あー確かに、
財政赤字だし、高齢化だし、景気回復のスピードも遅いよなぁ……

と頷いてしまいそうになるけど、
待った。


じつは、円は国際的には「安全な通貨」とみなされています。
世界からみれば、「紙切れにならなそうな通貨」ナンバーワン。
え、じゃあ、なんで円安になるの?
……この話も後で出てきます。


3.供給量(インフレ)
現在(2014年)の円安は、この影響がいちばん大きいと思います。


追記)
2015年5月末の急激な円安ドル高は、
FRB(アメリカの中央銀行)が年内の金利引き上げを示唆したことと、
日銀への追加緩和期待が依然として根強いことが影響しています。
また、数か月間にわたりドル/円がレンジ相場(あまり動かない)だったこともあり、
強いエネルギーをともなって上放れするカタチとなりました。


景気対策として、
日本銀行(日銀。日本の中央銀行。お札を刷るところ)が金融緩和(お金をたくさん市中に流す)をしたので、
円があふれかえった。
いっぱい増えたので、1円あたりの価値が下がった。
なので、反対にドル高(=円安)になった。

(じつをいうと、アメリカも緩和を実施していたのですが、
景気の強さを背景に、緩和を縮小・終了しました。その結果、
ドルより円がたくさんあふれたので、急速な円安が進みました)


え、1円は1円でしょ。
1円の価値がさがるの?
 ……と思ったあなたは、
最初のポイントを想い出してみてくださいね。

お金の価値は、相対的。
100円の価値は、毎日変動している。


『リスクを取らないリスク』ってヤツです。


4.トレンド
資産の価値は、
動きはじめるとその方向にずっと動きやすい……という性質があります(傾向、トレンド)。


円安が進行すること、それ自体が円安を進ませる


「頭痛が痛い」みたいな話だけど、
これも理由のひとつです。
バブルが起こるのと、まったく同じ理屈。
「トレンドがずっと続く」ことに賭ける人達がどんどん増えていくと、
”実際に”トレンドが長く続いてしまう(たとえ矛盾をはらんでいたとしても)。


5.ほかの国の魅力
「2.将来性」とおなじです。
その国の将来性がまあまあだとしても、
ほかの国の方がずっと魅力的なら、相対的に通貨安になります。


教科書的には、
こんな感じ。


 円安だとどうなる?


P1500770done

つぎに。
円安だとどうなるのか?

教科書的に言うと、
↓以下のような効果があげられます。


(日本では……)

→輸出産業がもうかる

→海外でつくって海外で売る会社も、円に換算すれば利益が増える
(ドルベースで考えるとそうでもないことに注意!)

→輸入する企業はしんどい(高く仕入れないといけなくなるから)

→材料を輸入に頼っている商品は、値段があがりやすい(円高還元セール! の逆)

→外国人旅行者が増えやすい(安く日本に行ける)

→日本人は海外旅行に行きにくい(高くつく)


こんな感じ。

ちなみに、通貨安と株高は、教科書的には無関係です。
日本では、海外需要が増えれば売上があがる企業がかなりあるので、
結果として、円安→株高
になりやすい、というだけです。


 なぜ1ドル=10,000円にはならない?


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ここですこし話を戻して。
なぜ、一瞬で超円安にならないのか? という問題をいっしょに考えてみましょ。

ドルの方が金利が高いなら、一瞬で超ドル高になってもおかしくないよね。
ドルのが有利なんだし。


ではでは。
ありえないけど、極端なケースを想定してみます。


10,000円=1ドル。


ここまで円安が進行したとします。一瞬で。
で、ハンバーガーの値段が
日本では100円、アメリカでは1ドルだったとします。

でね。
一瞬で円安になったんだから、
物価の水準は、まだおなじままだよね。
ハンバーガーベースで両方の通貨をはかってみると、

1ハンバーガー=100円
1ハンバーガー=1ドル
為替レート:10,000円=1ドル



……!
ハンバーガーを媒介にすれば、
100円があっというまに100倍になる!!


1万円をお財布から取り出して(10,000円)
ハンバーガーを100個買い、(-10,000円)
そのハンバーガーをドルで売り、(+100ドル)
そのドルを円に戻せば100倍(+100ドル=+1,000,000円)


日本でハンバーガーを仕入れ、アメリカで売りまくればとんでもない利益がでることになります。
もし日本中のハンバーガーがなくなったら、
もっと増産だ!

そう考えた世界中のひとたちが日本に押し寄せ、
ハンバーガーをつくりまくる。
借金をしてでも、工場をつくって、
つくる。つくる。つくる。

もう、日本にいるかぎりは職にあぶれることもないし、
ハンバーガーをつくり続ける限り、とんでもない速度で大富豪。

もうね。円をいっぱい手に入れて、ハンバーガーがたくさんほしい。
お金を借りたい人も増えまくり、金利はあがる。
需要も金利もあがり、円をほしいひとはもっと増える。

世界じゅうのみんな。みんな、円を買う。
……そんな国の通貨が安いままであるはずがありません。



ちょっと極端な思考実験だけど、
一瞬で円安が起こらないのは、こういう理由です。

円が下げれば下げるほど、
円の”割安感”は増し、逆に円がほしいと思う人は増えてゆく。
トレンドはいずれ、どこかで反転します。


 なぜ円高になるのか?



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今度は
「円高になる理由」を考えてみましょ。


教科書的には↑の「なぜ円安になるのか?」の逆をみればいいのだけど。


(ほかの国と比べて……)
1.金利が高い
2.将来性がある
3.通貨供給量が減り、今後も減りそう
4.トレンドが続いている
5.ほかの国の通貨の魅力が薄い



んー、なにかが違う。
今日の記事では「教科書的に」という言い方を連発していますが、
これはわざとです。


ほんとうは、
現実は教科書どおりにはならない。



ちょっと前まで日本は「円高不況」の状態にありました。


円高なのに、
1.金利はゼロに近く、
2.財政赤字だし、景気は回復のきざしをなかなかみせない、高齢化問題も深刻、しかも貿易赤字
3.金融緩和をしているので、供給量は増えている

(4.トレンドは円高でした)
5.ほかの国の通貨も、けっこう魅力的だった

でも、円高。

ほとんど教科書と逆! でした。



じつは、日本円は、世界的には「安全通貨」だとされています。
経済はグローバルにつながっているので、
景気がよくないときは、だいたいどの国もそう。

世界同時不況のもと、
居場所を求めてさまよっていたお金は、

「せちがれぇ時代だぜ。とりあえず安全な場所にいるとするか」

と、円に安住
していたわけです。


円が「安全」である理由はいろいろありますが、

・日本が対外資産(外国のお金や株、債権など)をたくさんもっていたり、
・日本国債(国の借金)がドメスティック(ほとんどが日本人に対しての借金なので見放されにくい)だったり

するのが主な要因かな。


輸出企業が多いのに
「世界から円高を押しつけられて」いた日本は、
景気回復で一歩遅れる格好になっていました。


 なにが正しいかはわからない


イルミの奥に屋台done345

なかなか教科書どおりにはいかないものですね。
それから、

これまで正しかったことが、
これからも正しいとも言えません。


これからもずっと、円が安全通貨であるとは限らないし、
あらゆるトレンドは、いつかは反転する。
でも、「必ず」反転することも、「絶対」とは言い切れない。



いろいろなものが不確かな時代。

みんな、いっぱい本読んで
しなやかな知恵を身につけようよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というのが、このブログのコンセプトです。


そんなこんなで。
今日はめっちゃひさしぶりに
金融リテラシーのお話でした。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a
 

追記)
「リスク回避の円高」について学べる良書をみつけたので追加♪


日銀とモルガン・チェース銀行で為替の現場と向かい合ってきた著者が、
”教科書どおりにはいかない”マーケットの性質を解説しています。
円高時代にひろく読まれた本。
佐々木さんは言います。

「為替相場は国力の違いを反映する」「経済力の弱い国の通貨は売られる」「人口減少がその国の通貨の下落に繋がる」といった間違った先入観を捨てて欲しいのである。


「通貨の価値は国力を反映する」などという考え方は、「国力の強い国のワインは美味しい」と言っているのとおなじくらい荒唐無稽である。


すこし専門的ですが、リスクオン/オフといった世界のお金の流れや、
物価上昇率(インフレ率)と為替の関係について、よくわかる一冊。
金融政策や為替介入が市場をどう動かしてきたのか、その事例も豊富です。



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