2014年10月26日

最近読んだ「未来を予測する」本10冊

 
今日のなぞなぞ
「未来を見通すための本は?」


今日は、最近私が乱読したなかから
”未来を予測する10冊”をぷちレビューしていきます。

未来予測……といっても占いのような超自然的な方法ではなく。
現在の経済や社会を見つめることで延長線上の未来を見通す、
そこからまた現代を眺めたとき
「今」が、よりクリアに見えてくる……そんな10冊です。

「今」どう動けばいいか、その指針となる
まさに ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"! な本たちです♪


あなたのお口にあう書はございますでしょうか?




 未来の日本のパノプティコン

PSYCHO-PASS サイコパス Blu-ray BOX 6枚組
東宝 (2014-10-15)
売り上げランキング: 346

本10冊と言っておきながら、1発目はアニメ。その人が「どれだけ犯罪に手を染める確率が高いか」(犯罪係数)を計測する「シビュラシステム」。これが社会インフラとなった日本を描く、近未来SFです。車は完全に自動運転になっていたり、ホログラムの技術がかなり発展していたり、ホントにありそうな未来の姿。システムに主体性を委ねてしまった人々の姿は、そのまま現代の日本にも通じます。フーコーのいうパノプティコン(※)型社会の描写でもある。

※ 中央に高い監視塔がある刑務所では、監視者の姿が見えないため、たとえ監視者がいなくても「見られているかもしれない……」と囚人が規律に従って行動する。この監獄のように、絶対的な権力者がいないなか、市民が自発的に自らを律するような仕組みが作動している社会のこと。



 どう考えれば未来がみえるか


イギリスの経済誌「エコノミスト」が未来を予測。経済だけでなく、健康や文化、環境、宗教、政治、科学、メディア……など、あらゆる分野を「予言」します。あてずっぽうではもちろんなく、人口(および高齢化)など統計的に高い精度で分析できる対象も。どれくらい的中するだろう、ではなく「どういうふうに考えれば未来がみえるか」という視点で読むのがオススメ。以下、目次。

第1部 人間とその相互関係
人口の配当を受ける成長地域はここだ/人間と病気の将来/経済成長がもたらす女性の機会/ソーシャル・ネットワークの可能性/言語と文化の未来
第2部 環境、信仰、政府
宗教はゆっくりと後退する/地球は本当に温暖化するか/弱者が強者となる戦争の未来/おぼつかない自由の足取り/高齢化社会による国家財政の悪化をどうするか
第3部 経済とビジネス
新興市場の時代/グローバリゼーションとアジアの世紀/貧富の格差は収斂していく/現実となるシュンペーターの理論/バブルと景気循環のサイクル
第4部 知識と科学(次なる科学/苦難を越え宇宙に進路を/情報技術はどこまで進歩するか/距離は死に、位置が重要になる/予言はなぜ当たらないのか


追記)
↓文庫化されました♪


 ミステリ作家が描く未来像


近未来SF小説です。コールドスリープ(冷凍睡眠)を研究する施設で迷ってしまい、目覚めたら30年後の世界にいた。そんな少女の物語。未来予測たっぷりな細部の描写が面白い。化粧ではなくマスクを着けるのが主流になっていたり、ギャルっぽい子が笑えることに対して「わかす〜」と言っていたり。ウケる、じゃなくて、わかす。ありそう。以前の記事(【ミステリ】読み始めたら止まらない徹夜本10冊【SF】)で紹介した『リピート』とセットで読みたい、時間旅行ものの傑作。

 拡張現実、アーキテクチャ


以前の記事(碇シンジは夜神月を止められない――宇野常寛『ゼロ年代の想像力』)で紹介した宇野常寛さんと、おなじく評論家の濱野智史さんの対談本。震災後の社会の「希望」をおもにネットメディアを足場にして語ります。直接未来を予測した本ではありませんが、拡張現実(※)やアーキテクチャ(※)の議論は、将来をながめるうえでかなり強力な補助線になります。

※ ネットワーク上の情報が加わることで現実が”拡張”するように作用する技術や、その仕組み。リアル/ネットという対比構造をもつ「仮想現実(バーチャルリアル)」に代わって、近年注目されている概念。強化現実。増強現実。
※ 建築物の様式をいうが、コンピュータのシステム設計を指し、現在は社会システム全般の構造についても用いられるようになった。


 もっと、アーキテクチャ


以前の記事(ネットいじめ、スクールカースト、キャラ戦争)で紹介した荻上チキさんの新書。テレビで発言するときもそうですが、チキさんはたんに主義主張を叫ぶのではなく「構造(=アーキテクチャ)をどう変えればよりよい社会になるか」という眼でものを見ています。「ダメ出し」でぼやいているだけじゃ、現実を変革するうえでなんの有効性もない。「ひとりひとりが〜を心がけるべき」という「心でっかち」な意見も意味がない。幸せな未来へ向けて、考え方のヒントがぎゅっと詰まった1冊。

関連記事:
「心でっかち」とは何か

 ウェブ社会はどこへ行く?


もう1冊、荻上チキさん。私はチキさんを「リテラシー(情報に対する読み書き能力)の専門家」として見ています。ウェブで起こった祭り・炎上事象のケーススタディをしている本書も、本質はリテラシー論です。ある立場に反対か賛成かと問うとき、その”トピック”のみが重要だと思われてしまい、他の話題はかき消えてしまう(争点のカスケード)。くりかえされた過去を正確に読み解くことで、しっかり未来がみえるはず。↓以下は引用。

私たちの歴史をひもとけば、既に数多くの騒動を経験しています。
そのような騒動が、これからも形を変えて起こっていくのです。

「四章 ウェブ社会はどこへ行く」より


 脳科学の最先端


脳科学のあらたな分野、ソーシャルブレイン=社会脳。他者とのかかわりのなかでの脳の働き研究する、心理学などもふくんだ学問越境的なジャンルです。本書は現在の社会脳研究の議論をわかりやすく整理・紹介しています。「つながり」がおおきなテーマとなっている昨今、この分野から出てくる成果が、未来の人々の「つながりかた」を左右するかも。

 ノマディズムとリゾーム


国内最大級の匿名掲示板「2ちゃんねる」の管理人ひろゆき氏は、いかにしてサイトを売却したのか! ……という本では全然ない(笑)。ひろゆきさんが本書を担当するライターさんとお喋りしてるだけです。テレビやネットの未来予測もありますが、この本をどう使うかはあなた次第。とはいえ、これからはひろゆきさん的なものがたくさんあらわれてくると個人的には思います。ぽっとゲリラ的に生まれたサービスがたくさんの人々に影響を与えていくような。ノマディズム(※)的な人が創っちゃう、リゾーム(※)的なものが。

※ ともにフランスの哲学者、ジル・ドゥルーズが提示した概念。ノマディズム(ノマドロジー)は、定住しない遊牧民のように、流動する社会や人間の”ひらかれた”在り方を志向する。リゾームは地下茎。ごちゃごちゃと張りめぐらされ、何にでもつながってみせる、流動性や自由を称揚する概念。



 電通マーケティングが未来をズバリ当てる


広告代理店・電通の「ソーシャル・プランニング局長」が2015年を大胆予測! ……って来年!? 2009年の本なので、およそ5年先の超近未来の予測です。「答えあわせ」をするように読んでみてくださいね。スマートフォンは「パソフォン」、3Dプリンタは「三次元プリンタ」など細かい言葉の違いはあれど、だいたい的中しています。現状を分析した本だよね、これ? ……という感覚。あと、ありえるかもしれない商品やサービスの企画が満載。クリエイティブなアイディアをたくさん拾えます♪ 以下、目次。

PART1 若者観測 ココロも人間関係もフラット化していく男女
コミュニケーションと若者のライフスタイル 「脱・アイデンティティ型の自分」へ動き出す“キャラ型ケータイ・ネイティブ”/仕事と結婚 トランスジェンダー化の中で、「隠れおひとりさまニーズ」が増えていく
PART2 シニア観測 細胞の代謝で延びゆく青春時代
ビューティ アクティブエイジングと「全方位キレイ」の追求でビューティ複合市場が誕生する/身体と健康 バーチャルからリアル、ケミカルからナチュラルへ 「細胞の声を聞くシステム」が病気を防ぐ
PART3 ファミリー観測 拡大する「食の絆」と「父親の家庭力」
食シーン 多用な「共食縁」が人のネットワークを再活性化する/育児 育児を取る「ポジティブ・ダディ」が生む、消費のアップ・スパイラル
PART4 情報社会観測 文化・技術の底力が市場をジャパンシフトさせる
クリエイティブ・ライフ デジタル表現力の力がコンシューマーをクリエイターに変身させる/ネット起業 「趣味は経営です」マイクロビジネス・ブームが拓く(誰でも社長時代)/携帯電話 「1人3回線3端末」へ ガラパゴスの眠りから目覚める日本ケータイの底力/ゲーム 高収入プロゲーマーも出現 ゲームは公告サービスの巨大メディアに
PART5 コミュニティ観測 新しい信頼関係が人の心と身体を活性化させる
心と健康 地域の新たな連帯が生む「ソーシャルキャピタル」が健康格差を緩和する/ スポーツ 2016年東京五輪へ スポーツの「みる」「する」「ささえる」が大融合
PART6 観光力観測 グローバル時代における、新しい日本の魅力
観光立国 日本人の「ホスピタリティ」と「ダイバーシティ」が世界の人々を引き寄せる/訪日中国人 大陸からやってくる新しい消費者の巨大なポテンシャル
PART7 環境社会観測 「サステナブル消費の時代」を創造する
エコロジー 「環境か経済か」から「環境も経済も」へ CO2本位制の徹底で創エネ社会に転換する/食料 食料の安定確保と地産地消に向けて自給率を5%アップ/生態系 個人、自治体、企業―さまざまな主体が始める「生物多様性を守る消費」


 「啓発された利益」が地球と市場を支える


ハーバードビジネススクール(HBS)のメンバーが、ビジネスを起点に未来を見通す。企業の社会的責任(CSR)が叫ばれてひさしいですが、この本が提示するのは利益を犠牲にして社会貢献する企業の姿ではありません。利潤を追求することがそのまま経済や環境の持続可能性につながる「啓発された利益」とそのビジネスモデルです。未来予測であると同時に、「次世代のリーダー達にはこうあってほしい」という啓発としても良書。ところで、かつて宮沢賢治は言いました。

世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない
「農民芸術概論綱要」より


高度成長の時代なら、しめっぽいヒューマニズムに聴こえたかもしれないこの言葉も、成長が鈍化してきた今となっては「やっぱり、その方向しかないよなぁ」という妥当性をもって響きます。ルール(資本主義)にのっとってゲーム(ビジネス)をすることが、サステナビリティ(持続可能性)に直結するモデル……ある種アーキテクチャの議論でもあります。長い目で未来を見たときに「サステナビリティ」はぐんぐん大切なトピックになっていくので、いまからしっかり考えておきたいテーマ。




追記)
池上彰さんの”未来予測本”を追加♪


これからなにが起こるか、を見通すための情報リテラシーを教えてくれます。具体的に、どんなメディアにアクセスすればいいのか。つねにチェックしていることで、”いつもと違う動き”の萌芽に敏感になれる。経済の話が多め。投資家のあなたにもオススメです♪


追記)
グーグル元CEOの”未来予測本”を追加♪


技術がこう発展するからこういう社会ができる……理詰めで見通す本書の未来像は、かなりの確からしさがあります。描かれるのは「私たち」「アイデンティティ、報道、プライバシー」「国家」「革命」「テロリズム」「紛争と戦争」「復興」の未来。万人のコネクティビティ(つながり)は、世界をここまで変容させる。




お口にあう本はございましたでしょうか?
それでは、みなさまひとりひとりの”しあわせな未来”を願いつつ……


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

【ミステリ】読み始めたら止まらない徹夜本10冊【SF】
碇シンジは夜神月を止められない――宇野常寛『ゼロ年代の想像力』
ネットいじめ、スクールカースト、キャラ戦争
2010年代を見通す7つの大胆予測
未来は予測なんてできないし、売れてる本が良い本とはかぎらない
「心でっかち」とは何か

 





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2014年08月26日

最近読んだ「世界観がダークな」本10冊

 
今日のなぞなぞ
「世界の見方を深めるための本は?」


今日は、最近私が乱読した本のなかから、
"世界観がダークな10冊"をぷちレビューしていきます。


よのなかには明るいものがあふれている。
ハッピーエンド。予定調和。ポジティブシンキング。
テレビをつければいつも、タレントさんたちが笑っている。

でももちろん、世界はそれだけじゃない。



ひとの心や社会の闇に寄りそう10冊です。
ある種の方々にとっては”常備食”となるであろう本もあるかも。


あなたのお口にあう書はございますでしょうか?


 同調しすぎないで


自殺した編集者さんのウェブ日記。本オタクでコスメマニア。ふかく同調しながら、でもシンクロしすぎないように注意して読んでください。読める本の幅がひろがります。本、人形、ファッション、コスメ、自傷好きなあなたに。以下は引用です。

何不自由なく満ち足りたこの世界で私はなぜだか戦場にいるような気がします。
ほんの小さな失敗でもしたら私はここにいることを許されなくなってしまうような気がします。
挨拶はきっと複雑な合図で、それを間違えれば即座に虐殺されるような気がします。
私をかこむ隣人達の中に入っていくとき、砲弾の飛び交う中を進んでいく気がします。
時限爆弾を解体するかのように息をつめて仕事をします。
世間話をしながらも銃弾が耳を掠める音が聞こえます。
私の微笑みは自然に見えますか? 口の中には恐怖の味がします。

追記)
本書は2016年本屋大賞の「発掘部門(※)」に選ばれています。

※ 本屋大賞にエントリしている書店員が、個人的に「時代を超えて残る本や、今読み返しても面白いと思う本」をジャンルを問わず選ぶ部門。


 畸形、サディズム、頽廃


みんな大好き澁澤龍彦のエッセイ集。古今東西の歴史、芸術、文学、哲学……のなかから、澁澤が”俺ツボ”なものを取りあげ、考察する。さまざまな変身譚をコレクションしていく「メタモルフォーシス考」の項は、資料としても◎。以前の記事(【フェテイッシュ】ジャケットがアングラすぎるトーキングヘッズ叢書10冊【マニアック】)の雰囲気が好きなひとは、例外なく澁澤ファンでしょう。

 ゴスロリ! ゴスロリ!


ファッション誌「ゴシック&ロリータバイブル」で連載されていた短編小説集。筋肉少女帯の大槻ケンヂさんの作品です。キュートでダークでゴスロリ満載の、好きなひとにとっては幸せあふれる1冊。物語としての完成度も高く、ほろりと涙したり深く考えさせられる話ばかり。面白いです。



 1冊まるごと少年の尻


1冊まるごと、少年の尻について語っています。あらゆるものごとを尻に結びつけ、尻は至上であると諭す。その過剰さに思わず笑ってしまうのだけど、そういう「笑い」ですら、尻への憧憬を抑圧している証だ、と指摘される。チュートリアルの漫才以上に突き抜けてる。これぞ文芸。すごい本。

 想い出のマーニーとセットで


魅力的なブロンド少女テリィと、いじめられっ子メリッサ。母の虐待。次々と起こる事件。少女の「悪意」は、とどまるところを知らない……。ジョン・ソールの文章も雰囲気も、私は手放しで大好きです。『想い出のマーニー』とセットで読んでみてもいいかも。世界は、一枚岩じゃないと感じられる。↓『暗い森の少女』もオススメです。少女の狂気と暴力は、加速する……。




 少年少女の異形な関係


詩人コクトーがアヘン中毒のまっただなかに書きあげた物語。でも、ドラッグ小説ではありません。文学です。母が死に、身よりがなくなるエリザベートとポール。その「いびつな」姉弟関係には、なんともいえない脆さがあります。漫画化、映画化もされている名作。




 りんご病の明けない夜明け


詞と音から、椎名林檎の音楽を論じます。”Jポップを聴くじぶん”の心の動きを、ここまでこまかく言葉にできている本は、ほかにはないかも。アルバム『加爾基 精液 栗ノ花』の全曲レビューあり。なにを隠そう『加爾基〜』は私がいちばん好きな邦楽アルバムです。JポップのCDのなかで最高峰だと断言できる。



 地図にない異郷


弟・襾鈴(あべる)の死の謎を追い、珂允(かいん)は地図にない村にもぐりこむ。襲いかかる鴉、陰陽五行のような土着信仰、人形、錬金術、指のない男……そして、連続殺人。ミステリですが、すべてが解決してもなお、昏い異郷の雰囲気が心を蝕むようです。

 世界と異界のあいだ


消えたひとりの少女。誘拐か、神隠しか、それとも……。かつて一緒にUFOを呼んだ子供達の運命が、なにかに導かれるようにふたたび絡みあう。以前の記事(【ミステリ】読み始めたら止まらない徹夜本10冊【SF】)で紹介した『コンセント』もそうですが、田口ランディさんはほんとうに、世界と異界のキワのキワまで描きこむ方です。オカルトから科学、哲学、人類学までを幅広く用いながら、世界の本質に迫っていくエンターテイメント。

 あなたにかける呪詛のことば


絵本です。語り手の「悪い本」が”本を読んでいるあなた”に呪詛の言葉を投げかけます。「いつかどこかであなたはだれかをきらいになります」……と。読み聴かせたら子供がドン引きする本ナンバー1。というか、ドン引きしたり笑える子供はきっとすでにオトナなんだろう。私とっては、ただひたすらに怖い本。




お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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【ミステリ】読み始めたら止まらない徹夜本10冊【SF】






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2014年05月10日

最近読んだ「文字の少ない」本10冊〜右脳を活性化させるために

 
今日のなぞなぞ
「右脳を活性化させるためには?」


「最近、左脳でしかものを考えてないよなぁ」と感じているみなさま、こんにちは。
私も言語脳です^^;


なので、ときおり
言葉や論理にたよらない読書をしたくなる。

忙しい毎日のなか、置いてけぼりの右脳を活性化させるために。
今日は、”文字の少ない本”10冊をど〜ぞ♪


はたして、
あなたのお口にあう書はございますでしょうか?


 極彩色の異界


世界中の”奇怪な”スポットを集めた写真集。得てして異文化はよそ者とって奇怪なはずだけれど……。「いや、たぶん地元のひともヘンだと思ってるだろこれ」というようなスポットばかりです。極彩色の異界を右脳で感じろ! ↓続編も出ています。


 詩じゃない、アートだ。


ちんろろきしし。とんいくしみと。てんじじじ。ぴぱじ! ……ふっかつのじゅもん(※)じゃなくて、この本からの引用です。意味をなす以前の文字と抽象画の連続。単語というまとまりすら崩しているので、詩集というよりアート。でも、イミフメイの音の響きが、私達の潜在意識になにかしらのイメージをたちあげる。瞑想するかのように、読んでください♪

※ ふっかつのじゅもん : ゲームソフト「ドラゴンクエスト」T・Uで、ゲームを途中から再開するためのパスワード。

 お宝……(^¬^)ジュル


古今東西の”性的な”珍品・秘宝を収蔵した、各地の「秘宝館」の写真集。すでに廃館してしまったミュージアムの記録もあり、資料としても貴重。ロウ人形、交尾ショー、性教育……。えろえろな異界を、本能で駆け抜けろ!

 直観で記銘すべき言葉たち


「僕の存在価値って何でしょ?」「ないッ!」。……ひょんなことからマグロ船に乗りこんでしまった、自己啓発オタクのサラリーマン。エッセイ漫画です。おもしろい。船員たちの言葉たちはあまりにも「正しすぎ」。いかなる解釈もしないで、そのままの言葉を記憶にとどめるべし。

 名作をとことんアレンジ♪


哲学者ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を下敷きにした、ストーリー漫画です。教会の兄弟をめぐる出自の謎、ミステリアスな女性、聖職者をもおそう社会不安……。これを読んだだけでは、ニーチェの思想はよくわからないかもしれないけど、物語が面白いので◎。マンガは脳によいのです♪

 あるある……いや、なしなし


コンビニバイト歴10年の著者による、コミックエッセイ。コンビニあるある……くすりと笑ってしまう話が多いのですが。なかには「いや、ないだろ」というような驚きの逸話まで。左脳で読んでしまいがちな本ですが、ありのままの現実を直観で味わってみて。

 頽廃と崩壊の官能学


廃墟の写真集。一枚の写真のなかに、流れ抜いた時間、ひとびとや自然のかつての営みが色濃く感じられます。廃墟ってなんでこんな美しいんだろうね。まっさらな気持ちで、鑑賞して感じたものは、すべて受けいれて。右脳の読書タイムを♪

 機能と混沌のパズル学


工場の写真集。はりめぐらされたパイプ、ひとつひとつに意味がある。廃墟とはまた違った、美しさがあります。廃墟がファンタジーなら、工場はSF。じっくり時間をかけて読むことをオススメします♪

 カタチでカンガエル。


写真の撮り方教則本。カメラの設定から、構図、アングル、演出の仕方まで、これ1冊でOK。まあ、この本でなくてもいいのですが、写真が趣味でないひとも、たまにはフォトやイラスト、デザインのハウトゥー本を読んでみることをオススメします。ふだん「言語で」ばかり考えているあなたは、とくに! 

 クソババンバ!


伝説のギャグ漫画、再臨! 勇者ニケと魔法使いククリの旅が、ふたたびはじまります♪ 打倒、大魔王。……そんな物語なのに作者は、「壮大にならないように」につねに心がけているそうな。ギャグの言語感覚が素晴らしすぎる。メガロッパ!



追記)
人工美と自然美の両方が楽しめる「トンネル本」を追加♪


世界中のトンネルを集めた写真集。人工物のほか、氷河、海中、樹木のトンネルも。奥行きを感じさせる構図ばかりで、吸いこまれそうになります。『雪国』も『千と千尋の神隠し』も、トンネルはいつでも”異界への入口”だ。


お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

【深い】大人になったあなたが読みたい絵本10冊【美しい】
最近読んだ「世界観が独特な」本10冊
最近読んだ「世界観がダークな」本10冊
幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』






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2014年03月03日

最近読んだ10冊V

 
今日のなぞなぞ
「雑食家はなにを食べるか?」


雑食家のみなさま、こんにちは。
今日も、最近私が乱読した、ジャンル不問な本のなかから、
"良かった10冊"をぷちレビューしていきます。

パートT・Uはこちら↓
最近読んだ10冊
最近読んだ10冊U



雑食といいながら、今回はちょっと偏ってるかも。
心理学、社会学、小説、文芸評論関連です。

はたして、
あなたのお口にあう書はございますでしょうか?


 発見! のめじろ押し


以前の記事(「魔法少女まどか☆マギカ」に学ぶ4つの人生訓)で紹介したアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の評論、研究。物語はもちろん、映像や音楽、演技……いろいろな人があらゆる角度から作品を論じ、この名作に隠された仕掛けをどんどん見抜いていきます。気づきの連続。発見のめじろ押し。「まどマギ」をもっともっと味わいたいひとのための、”非公式”なファンブック♪

 コミュニケーションと生きづらさの問題


20代の性愛を著者がフィールドワーク(インタビュー)します。デートが終わり、彼氏はひとりで帰ってしまい、終電後の街に放り出される20代女子……というようなじわじわくる事例がいくつか載っています。タイトルは「20代女性」ですが、男子だっておなじ状況にいると思う、たぶん。この本で浮き彫りになっているのは、性愛というより、以前の記事(ネットいじめ、スクールカースト、キャラ戦争)でふれたような、現代の「コミュニケーション」の問題です。考えさせられるテーマ。

 「痛み」をめぐるブックガイド


リストカット、セックスワーカー、美容整形、障害者の性、ホームレス、ひきこもり……。”マトモ”な社会が「無いこと」にしたがる、マイノリティの領域をつれづれに語りつくす評論エッセイ。マンガ、映画、小説、舞台など、読んでおくべき”きわきわ”な物語をたくさん紹介してくれます。ブックガイドとしても◎。

 これ1冊でOK!


時代の要請からか、「心を軽くする心理学」本がたくさん出ています。類似本をたくさん読むのも方法ですが、私はまずこの1冊を勧めます。外界に対して自分の心がどういう反応をしてゆけばいいのか……という部分を、かなり正確な言葉で刻んでいます。まるで、徹底的に自分のこころを見つめることで精神分析学を立ちあげたフロイトのよう……というのは持ちあげすぎかな^^; このテのほかの本より、一歩も二歩も踏み込んだ、深い洞察を感じました。個人の心を通して、社会批評にも漸近しています。

 ラブコメの教科書♪


女子力高すぎな高須竜児と、ツンデレと呼ぶには素直すぎる逢坂大河。ふたりは互いの恋愛を実らせるため、共同戦線を張ります。ラブコメですが、ふたりとも、想う相手はべつにいる……というちょっとヒネった設定です。いわゆるハーレムもの的な展開にも、(なりそうで)ならないヒネりがあります。かなりヒネってるのに、笑いあり涙ありの、王道ラブコメ。女性ファンも多い、名作ライトノベルです♪

 ミステリの教科書!


もし大学で「本格ミステリ」という科目があったら、この本が教科書になる。フェア/アンフェアから、トリック、探偵、叙述……ミステリという物語がどういう仕組みで成り立っているのかを、解説していきます。ミステリの要素要素を、これでもかという客観性で、透明に抽出した、完璧な鑑賞術。すごいです。ただし、ネタばらし満載。そこだけ注意!

 シュレーディンガーの猫


自殺の偽装を施され、殺された妹。容疑者はふたりに絞られる。犯人は、はたしてどちらなのか……。以前の記事(【ロジック】新本格ミステリの名作100冊【プロット】)で紹介した東野圭吾さんの名作です。最後まで読んでも犯人はあきらかにされません。ただし、テクストに布置された手がかりから推理すれば、論理的に”正解”が導ける……という趣向。でも、厳密に推理すれば「犯人はどちらでもありえる」と私は思いました。どちらでもありえる、だからこそどちらかに限定せずに物語は終わる……箱のなかの猫を観察する、その直前で幕を閉じるミステリ。

 コノヤロー!


以前の記事(【就職活動】面接で落とされないためのたった1つの裏技)で紹介した『就活のバカヤロー』の続編。ユーモアをもって、就活戦線を俯瞰してみましょ、という本。膨大な取材を通じて、壮大な”茶番”をあきらかにしていきます。石渡さんの筆はどんどん軽快に、他人事に(笑)なっていきます。ひとごと……と言いながら、誰よりも就活をめぐる状況を憂えているのが石渡さんなんだけど。すこし時代が下ったぶん、「女子学生就活事情」の項目なんかもできました。

 必殺、日本文学ブッタ斬り!


女のエッセイはセンス自慢(「枕草子」)。男のエッセイは世の中へのお叱り(「徒然草」)。「浮世風呂」はケータイ小説。短歌はメール。紀行文学は”田舎の悪口”。みんな自分にしか興味ない(近代文学の私小説)。……痛快です。「いやいや、そんな、ミもフタもない」とツッコみをいれてしまうのですが、ブッタ斬るその刀に、なんだか真実めいたものを感じてしまう。たしかに、とうなずいてしまう。面白い本です♪

 取扱い注意……


大学生同士でつきあう → 一方が就職する → 同棲はじまる → 消耗する → 壊れる。……思い当たる当事者は、絶対にこの小説を読んでください。えぐられます。まさか、どっから見られてた? と背後を振りかえりたくなる。「結婚をすれば、軌道に乗れる」「もういやだ。寝たい! とにかく寝たいんだ」。なんで人は人に依存しちゃうんだろうねとか考えて、ブルーになります。やっぱり読まない方がいいかも。この本は、取扱い注意! です。



お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか



【関連記事】

最近読んだ10冊
最近読んだ10冊U
「魔法少女まどか☆マギカ」に学ぶ4つの人生訓
ネットいじめ、スクールカースト、キャラ戦争
【ロジック】新本格ミステリの名作100冊【プロット】
【就職活動】面接で落とされないためのたった1つの裏技

 
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2013年12月14日

最近読んだ10冊U

 
今日のなぞなぞ
「雑食家はなにを食べるか?」


雑食家のみなさま、こんにちは。
ライトノベルから六星占術まで、私も雑食です。



というわけで。
今回も、最近私が乱読した、ジャンル不問な本のなかから、
"良かった10冊"をぷちレビューしていきます。

去年書いたパートTはこちらです↓
最近読んだ10冊


あなたのお口にあう書はございますでしょうか?



 人生における必読書


ユダヤ人の心理学者が、ナチスの強制収容所での体験を赤裸々につづっています。『アンネの日記』と並んで、世界中で読まれているロング&ベストセラー。「言語を絶する感動」……なんて言葉じゃ足りない。”人間”をふかく知るために、人生における必読書と断言します。

 青春の、リアル


「自由というものは、ときに、僕らをしばりつけてしまう」。恋愛や家族、夢に踏み迷う大学生たちの場面場面を、きらきらと澄みわたる文章で切り取った青春小説。透き通った文章だけど、リアルな生々しさがあります。どうにもならない、出口のない問題を前に、僕らはなにを想えばいいのだろう……。朝井リョウさんといえば『桐島、部活やめるってよ』(集英社文庫)が有名ですが、『もういちど〜』の方が名作です。

 どろどろどろ……嫌汁出まくりミステリ


読後感最悪(笑)! 人間の暗部、イヤな部分をえぐり出す”イヤミス”の傑作です。少女漫画「青い瞳のジャンヌ」をこよなく愛する中年の”少女”たちに、不穏な事件が。女の世界特有の愛情と嫉妬、見栄の張りあい、陰口……もう、どろどろどろどろどろどろ。どんでん返しもズバ! っと決まってる。オススメのイヤミスを訊かれたら、私はこの本をトップに挙げます。

 もはや大喜利


「どうしてひと言オレに相談しなかったんだ?」「遅くなるからです」。以前の記事(20代が使うべき・使ってはいけない100の言葉)でプッシュした、千田琢哉さんの「100の言葉」シリーズより1冊。上司や同僚、恋人のやれやれな言葉にどう切り返すかという想定問答集。「もはや大喜利か!?」と思えるほど。くすりと笑ってしまいます。まわりに流されず、自分を大切に生きていきましょ、という本。

 ちょっと邪道な読書術のために


年末年始に読みたくなる、細木数子さんの占い本。その年の運勢を知って、指針を立てましょ。ちなみに私は木星でなく天王星人ですが、たまたまそばにあった木星人を読みました。なぜか。「30代のための〜」という本は、20代が読んでも役に立つのと同様。運命星なんて気にせず、ぜんぶ自分のこととして読めばいい。雑誌の星占いも、私は12星座すべて読みます。占い師から見ればちょっと邪道かもしれないけど、本はどんなふうに読もうが自由です♪

 ”新本格”に絞った評論集


ミステリ評論は数あれど、”新本格ミステリ”(※)に特化した論集はあまりない。各有名作品の解説を読むほどに、ミステリへの愛が育まれます。「新本格を識るための100冊」を挙げてくれているのがうれしい。ぜんぶ読みたくなります。

※ 新本格ミステリ : 1980年代に日本でおこった新しいミステリの流れ。綾辻行人さんの『十角館の殺人』を嚆矢とするのが定説。

 闇の炎に抱かれて消えろ!


ダークフレイムを操る少年が、邪王心眼の使い手の少女と契約し、追試をクリアすべく数学を教えます。なんじゃそりゃ。アニメ化されているので有名な作品です。ファンタジーじゃない、いたって普通の高校のラブコメですが、かわされる会話はなにやら魔術めいています。なぜって、ヒロインが中二病(※)だから! キャラが魅力的すぎます。物語なんてどうでもいい、キャラクター小説の理想像。六花がかわいいですv

※ 中二病 : 洋楽にかぶれる……など、背伸びしがちな思春期の言動をいう。近年は意味を変え、「邪気眼」など自分が異能力者であるかのようにふるまう症状を指すようになった。厨二病とも。

 みずからをピンチにさらせ!


ピンチや逆境をどれほど乗り越えたか……それが、その人の価値を決める、と思います。攻めが必要なのに、守りに徹してしまいがちなこの時代。ピンチを快く迎えられる自分になるために。来年は攻めの年にしたいなぁ……なんて個人的に思いました。

 たらふく、本を食え!


読書好きなあなたに、もっともオススメなライトノベル。物語を食べる妖怪と元覆面作家の学園ミステリ&コメディ。ライトノベルらしくキャラクターがすごく魅力的なのですが、本書は読み進めるほどに謎が謎を呼び、目を離せなくなっていきます。一級のサスペンスとしても◎。日常の謎系。太宰治好きもチェック。遠子先輩がかわいいですv

 女子のための、合コン必勝法


美貌? 性格? いえいえ、モテる女子に必要なのは、”キャラ”です。魅力を活かすために、自分をどう演出するか。(職業、タイプなど)こういう男に愛されるためには、どのキャラで攻めるべきか……など、かなりテクニカルな合コン攻略本です。参加者のメンツに応じて、変幻自在に自分のキャラをあやつれれば上級者。チームプレイの指南もアリ。あなたはどんな自分にもなれる……自分の可能性を制限しないために、合コン行かないひとも読んでみて。




あなたのお口にあう書はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか





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最近読んだ10冊
20代が使うべき・使ってはいけない100の言葉

 
posted by akika at 13:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・最近読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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