2017年03月24日

最近読んだ「好きを仕事に」する本10冊

 
今日のなぞなぞ
「”好き”を仕事にするための本は?」


P1610738done.jpg

本の雑食家さん、こんばんは。
私も雑食ですv

今日は、最近乱読したなかから
”好きを仕事にする10冊”をぷちレビューしていきます。


紹介するのは、「好きな職業に就く」というよりも
「好きを活かす仕事を”生み出す”」方向性
の本です。



ひとりひとりが
働き方について考えざるを得ない時代。

”好き”を”仕事”に変換する技術は、
未来の「必修科目」ともいえる。


どんなに取るにたりないと思える好みや習慣でも、
”好き”はかならず強みとして輝く。


お口にあう書はございますでしょうか?




極めるまで自分を「洗脳」



ゆるキャラ、仏像、親孝行プレイ……「一人電通」の手法で「なかったジャンル」を大ブームに仕立てあげていくみうらじゅんさん。たとえ気分がのらない分野でも「好きになる!」と自分を洗脳して、極めていくといいます。”好き”がまだ見つからない、どの”好き”を突きつめていくべきか決まらない……そんなあなたへ。

思いこみから自由に!



以前の記事(就職力を養うための40冊――就活生と、こじらせ学生のための読書術)で紹介した1冊です。JK課、NEET株式会社、アウトロー採用……これまにない「働き方」や「社会との関わり方」の萌芽がみられる良書。もっと力を抜いて、”働く”ことに対する思いこみから自由になりましょ。

好きを仕事に、の「教科書」



「好き」で稼いだお金をまた「好き」に投資する。それがさらに収入を生む、そしてまた「好き」にお金を使う。”好き”の無限ループを生め! という本です。まさに王道。心理学にもとづいたノウハウも満載で、好きを仕事にするための「教科書」というべき1冊。

ちなみに。DaiGoさんがテレビから、コンサルや講演、執筆などの仕事へシフトしていったのは、ざっくりといえば「本が読みたいから」なんですって。知識を吸収することが自分にとっていちばん幸せだから、時間とお金の使い方を変えていった。個人的にとても共感します。

本にお金を使うことが「ノーリスクハイリターンの最高の投資」など、このブログのスローガンとまったくおなじメッセージも出てきますv

「独立」を目指すデザイナーさんへ



独立を目指すデザイナーさん向けの本です。事務所の構え方、営業、経理、人事まで、つまずきそうなポイントを、先まわりして実務的に教えてくれる。先輩デザイナーたちの、カッコいいオフィスの写真もあります♪ 本書に触発されて、私は書斎をリニューアルしました。クールな模様替え……のはずが、足もとには愛犬のトイレ! どうしてこうなった!!

「仕事」より「想い」が先



「ひとり出版社」夏葉社の島田潤一郎さん。会社の立ちあげから本づくり、販路開拓まで、”ひとり仕事”の活動を記録したエッセイです。資金繰りで崖っぷちに立たされたりなどヒヤヒヤさせられる展開も。

とことん惚れこんだ作品を、とことんこだわってプロデュースしていく姿勢に「好きを仕事に」の本質がみえる。ビジネスじゃなくて、実現したい「想い」が先。お笑いグループ・ピースの又吉直樹さんが夏葉社の本を応援してくれたというエピソードも出てきます。想いの強さは<奇跡>さえも連れてくる。

好きに支えられた「業界」



以前の記事(最近読んだサブカルチャー寄りの本10冊〜聖地巡礼からロバート秋山まで)で紹介した1冊。アニメ業界を描いた小説です。覇権をとるような名作アニメは、多数のクリエイターたちの「好き」に支えられている。”好き”の積み重ねこそが良いものを生む。ほんとに、それしかないよね。

ない仕事、「聞き屋」と「話し屋」



とにかく話を聴いてほしい人がお客さんの「聞き屋」。なんでもいいから話を聴きたい人が顧客の「話し屋」。そんな、「ない仕事」を描いた小説です。手に入りにくい古書ですが、↓電子書籍(kindle)で復刻されています。



名言、金言の嵐



以前の記事(買ったら「読まない」読書術!?(積ん読の話じゃないよ))で紹介した1冊。タレントのビビる大木さんが、好きを仕事に活かしている6人に話を聴きにいきます。ビビる大木さんのインタビュアーとしての才能がすごい。どんどん引き出される名言、金言たち。阿川佐和子さんの『聞く力』とセットでどうぞv

とまべちっ!



このブログでもちょくちょく登場している苫米地(とまべち)英人先生の自己啓発書。「コンフォートゾーン」とは、快適と感じる状態のことです。心地よい「現状」にとどまろうとする脳のメカニズムがあるから人は変われない! 成長したいならコンフォートゾーンをずらせ! とまべちっ!

好きに「集中」する技術



「ゾーン」とは極端な集中力を発揮している状態。フロー、忘我、マインドフルネス、リミッター解除……いろいろな呼び方がありますが、好きなことをしているときはこの状態になりやすい。本書は、意図的にゾーンを利用して、パフォーマンスの高い状態をたもつ方法を解説しています。

↑で紹介したDaiGoさんの『「好き」を「お金」に変える心理学』でも、「フロー」と「好き」の密接な関係が語られています。フローは好きにつながる……たとえば、忘我状態で読書をするとさらに本を好きになる。”好き”を”もっと好き”に変えるために。知っておきたい概念。




お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

就職力を養うための40冊――就活生と、こじらせ学生のための読書術
最近読んだサブカルチャー寄りの本10冊〜聖地巡礼からロバート秋山まで
買ったら「読まない」読書術!?(積ん読の話じゃないよ)






 
posted by akika at 19:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・最近読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年03月19日

香水はあなたがキスしてほしいところに――『ココ・シャネル 女を磨く言葉』より

 
今日のなぞなぞ
「シャネルを語るとき、人はなぜ熱を帯びてしまうのか?」



人はみな、いつかどこかでシャネルと出逢う。
避けようとしても避けられない「接点」が必ずもたらされる。

それは、ブランド名としてのCHANEL(シャネル)ではなく、
<ココ・シャネル>という思想、人間との出逢い
だ。


……そんなふうに思います。
不思議だよね。誰の人生にもかならず<シャネル>が姿をあらわす。



☆★☆



今日紹介するのは、↑『ココ・シャネル 女を磨く言葉』
シャネルの名言集です。
映画プロデューサー・エディトリアル(編集)プロデューサーの高野てるみさん編・著。

ファッション・恋愛・仕事・美意識にまつわる60個の金言と、
高野てるみさんの解説コラムが交互に読める構成です。


このコラムが熱っぽくて、とても素敵。


伝記的に、シャネルの人生を解説している文章もありつつ、
高野てるみさんが熱く”シャネル観”を論じている項目もあり、

そうかと思うと、
シャネルの言葉が、まるで高野てるみさん自身の仕事や人生を語っているようにみえる箇所もある。



今日の記事のタイトル「香水はあなたがキスしてほしいところに」は、本書からの引用です。


message24 残り香

香水はあなたがキスしてほしいところにつけなさい。


「第2章 恋――仕事の原動力」より


この項目ではココ・シャネル自身の「香水のつけ方」が解説されています。
それから、例によってマリリン・モンローのあの言葉も引かれています。



シャネルの5番を5滴ほどつけて寝るのよ。



マリリンの、もっとも有名な言葉のひとつ。
寝るときに着るのは”香水”。カッコいいよねv


「シャネルの5番(Chanel N°5)」は1910〜20年代(ココ・シャネルの現役時代)に開発され、
いまでもシャネルブランドの看板商品となっている代表作。





本書には香水についての格言もいくつか出てきます。


香水は贈られるだけでなく、自分のために買え!


とか


異性を引きつけるための香りじゃダメ!


など。


あとね。
香水についてではないのですが、私の気に入った金言をひとつ紹介。


message12 引き算

出かける前に、何かひとつ外したら、
あなたの美しさは完璧になる。


「第1章 ファッション――エレガントな発明」より



☆★☆



ちなみに。
シャネルの香水といえば、私にとっては「5番」じゃなくて「エゴイスト」なんだよね。


子供のころ。ふと香水に興味をいだいて
洗面所に並べられていた瓶をいろいろと手にとってみた。
親のいないときに。

どれが香水のビンなのかもよくわからないまま、
コロンもヘアトニックもうがい薬も(笑)、いろいろ匂いをかいで、身体につけてみた。


で。
いちばん気に入ったのがエゴイストだった。
時間がたつほどに甘く、おいしそうな香りに変化していく……。

ほかのコロンとはぜんぜん違うと感じました。
あと、うがい薬ともぜんぜん違う(笑)。


ビンには「CHANEL」の文字。
これって、シャネルって読むのかな? あの、高級ブランドのシャネル?
それとも、あのシャネルとは違うのかな……。

これが私と<シャネル>との最初の出逢いでした。
(二度目の出逢いは舞台の「ガブリエル・シャネル」だった)


……こんなことを想いだしながら読んでいたら、なんと!
高野てるみさんも、エゴイスト派だというお話が出てきました。
すごい偶然。

私はシャネルの「エゴイスト」が合っているようで、疲れ知らずで、ものすごくやる気が出ます。

「第4章 美意識――ゆずれない生き方」より


5番とエゴイスト、
あなたはどっち派?



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☆★☆



高野てるみさんの本が良かったので、
関連して”シャネル本”を読んでいるこの頃。
最後に、いくつか紹介しますね。




ココ・ガブリエル・シャネルの評伝です。
評伝ですが、それぞれの章で”主役”が入れ替わる、ちょっと変わった構成。

コレットやポワレ、ミシア、ピカソ、コクトー、ポール・イリブなど……、
シャネルと関わりのあった「同時代人」とシャネルの人生を並行して描いていく。
たとえるならば、関川夏央さん・谷口ジローさんの名作マンガ↓『「坊ちゃん」の時代』のような雰囲気です。

著名な作家・芸術家がうじゃうじゃ登場する。
シャネルの時代のフランスは、ほんとに豊饒。





↓これも。まさに今読んでるなう。



伝記です。
……いや、「大河」だ。

 そこはフランス南部の、一度も征服されたことのない大地。よそ者がかすめて通っただけの土地。
 かすめ通った者の中には古代カルタゴの名将ハンニバルもいただろう。

「プロローグ」より


こんなカッコいい書き出しではじまります。
……というか、古代カルタゴ!

 やがて古代ローマの時代がやってくる。


ココ・シャネルはもちろん、古代人じゃないのだけれど、
<シャネル>が誕生する背景として、歴史にも目を配っている濃厚な1冊。
ココの祖父や親の物語にも多くの筆がさかれています。

映画の↓「ココ・アヴァン・シャネル」の原作となった本。


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☆★☆



<シャネル>を語るとき、人はみな熱を帯びる。


今日紹介した本はどれも、まるで
「私がいちばんシャネルのことをわかっているのさ!」とでも言いたげ
シャネルの”内面”までをも断言していきます。

客観描写だけでなく、心理や思想まで描きこんでいく。小説みたいに。



ちなみに、ココ・シャネルはけっこう虚言癖のあるひとなのね。
とくに自分について語るときは、毎回言うことが違う。
隠し事も多かったといいます。

作家のルイーズ・ド・ヴィルモラン(Louise de Vilmorin)も、
シャネルの「回想録」の執筆を断念したほど。
口をひらくたびに話が食い違う。




だからかもしれません。
正確な<シャネル>像を誰も把握していないからこそ、
書き手の価値観や人生を投影して語りたくなる。



ちなみに、虚言癖に関連して。
以前の記事(パーソナリティ(障害)の10のカタチ)で紹介した↓『パーソナリティ障害』という本では、
ココ・シャネルは「自己愛性パーソナリティ障害」「演技性パーソナリティ障害」と診断されています。

なるほど、たしかに……と思う反面、
この診断もまた、七変化する<シャネル>像のひとつに過ぎないのかもしれない。






そんなこんなで今日は。

『ココ・シャネル 女を磨く言葉』っていう本が
オススメだよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

【ココ】シャネルの生き方や性格がわかる本16冊【ガブリエル】
パーソナリティ(障害)の10のカタチ
何度でも聴きたいミュージカル(舞台・映画)のサントラ10枚







 
posted by akika at 19:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・最近読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月22日

最近読んだサブカルチャー寄りの本10冊〜聖地巡礼からロバート秋山まで

 
今日のなぞなぞ
「サブカルっぽい本10冊は?」

P1610708done.jpg

本の雑食家さま、こんばんは。
私も雑食ですv

今日は、最近乱読したなかから
”サブカルチャー寄りの10冊”をぷちレビューしていきます。



……とはいえ、何をサブカルとみなすのかはたぶん、人によって違う。
デヴィッド・リンチを観て、ゴダールについて語ることができて、宮藤官九郎に対して一家言あればサブカリスト?

そういう”ちょっと高尚っぽいマイナー志向”は、いずれ
「意識高い系」とおなじように「サブカルチャー(笑)」みたいなニュアンスが付与されていくかもしれない。


逆に、意識高い系のアイコンである自己啓発書やビジネス書は、
もはやゴダールなんかよりもずっとサブカル的なアイテムになっている印象です。

じっさいヴィレッジヴァンガードのようなサブカルに強い本屋では、自己啓発系のビジネス書がものすごくたくさん並んでいます。
セミナーや講演はライブで、書籍はファングッズだ。

関連記事:
常見陽平『「意識高い系」という病』を読んで”つながりの社会性”について考える。




社会なんてどう変わるかわからない。
もしかしたら、そのうち


「アニメとか観るの? すげー意識たけー」

とか

「ビジネス書が好き? 俺も俺も。パンクだよな〜」


みたいな会話が違和感なくかわされる日もくるかもしれない。


ヒットチャートをアイドルやアニソンが占める今、
本来「ハイカルチャー」であるはずのクラシック音楽やオペラを聴くことは、一転して、ものすごくサブカルスピリットにあふれる行為のようにも思える。



……。


…………。


……………………。


……って、何を喋っているんだろうね私は(笑)。
今日はいつにもまして、ちゃんと伝わっているか心配です^^;

あ。ちなみに、デイヴィッド・リンチもゴダールも宮藤官九郎も、「サブカルっぽい」といわれている映画を撮っている監督・クリエイターね。


要は、何がサブカルチャーかなんて定義できないんだから、
今日紹介するのは、


あくまで私個人が
サブカルっぽいと感じた本だよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



と言いたかった。



それでは、10冊を。


お口にあう書はございますでしょうか?


好きな仕事に「ジョブチェンジ」!



世のなかの仕事と給料を、イラストつきで紹介する職業案内……といってしまうとフツーなんだけど、このイラストがまるでゲームのキャラクターのよう。きれー。「どんな魔法を使うんだ?」と思わせる薬剤師や「すごい必殺技を持ってそう」なウェブディレクターなどがわらわらと出てきます。ジョブチェンジする感覚で、就きたい職業を見つけてみてv




お前のクリエイティブはそれでいいのか?



短いメッセージと図案が続く、絵本のようなつくりです。デザイナーのための啓発書。”刺さる”文章と、斬新で実験的なデザインが「お前のクリエイティブはそれでいいのか?」と問いかけてくる。自身の作家性と顧客の満足との間で悩む、すべてのデザイナーさんへ。

聖地巡礼の成功&失敗事例集



アニメの舞台となった土地を旅する、聖地巡礼・コンテンツツーリズムの本。「らき☆すた」から「花咲くいろは」まで、事例がとにかく豊富。考察というよりも、がんがん事例を紹介している本です。成功したケースもあれば、失敗している例も。参考文献・コンテンツもかなり大量に載っています♪ アニメへの熱が薄れても、お客さんは「その土地自体のファン」になっていく。

ちなみに、聖地巡礼を描いた小説では↓辻村深月さんの『ハケンアニメ』がオススメですv 「アニメを地域振興に役立てたい公務員」が出てくるのですが、彼がアニメにまるで理解がないリア充でやきもきする(笑)。でも実は……。キャラクターがみんな魅力的で、私も大好きな作品♪ あ、「ハケン」は派遣じゃなくて覇権です。天下をとる名作アニメのこと。


都市空間、東京の精神史



ゴジラから岡崎京子、踊る大捜査線まで、物語のなかの東京と、実在の都市としての東京をクロスさせて、「東京」という空間の変遷を論じています。フィクションのなかの東京にも<歴史>は流れている。地史というよりは精神史といった趣きです。

ぱんだのひみつ



えっ、それ取れるの? え、そこ、ほんとは白かったの? パンダが集う銭湯で、衝撃の新事実があきらかになる!! ……しょーもないんだけどね。いえ、ほんとにしょーもないんだけど、目が離せなくなります。まさにサブカル絵本。

トップクリエイター(達)に訊く



映像クリエイター、ダンサー、スローライフ推進家……現代のトップクリエイターたちへのインタビュー集。そうそうたるクリエイター達の正体はぜんぶ、お笑いグループ・ロバートの秋山竜次さんです(笑)。カルチャー誌のような体裁で、全力でボケるネタ本。DVDもついています。

映像だとアドリブも多いからか、ちょっと間延びしてる感もあるのだけれど。本の方は、意識して読むスピードを速めることで、とても密度が高い読書時間をもたらしてくれます。キラリと光る言葉もたくさんあるので、ネタとしてでなくベタに読んでも◎。

ビジネス書もサブカル



↑冒頭で「ビジネス書ももはやサブカル」とお話ししたので、最近読んだなかから良かった1冊をピックアップ。グリコのお菓子マーケティングを成功に導いた小林正典さんが語る、ヒットの秘訣。実現が難しそうな企画も”みんなの力”があれば世に問うことができる。チョコレート業界の戦略戦術が具体的にのぞける……のだけど、マーケというよりはリーダーシップの本として◎。

幻想と異形の獣人写真集



以前の記事(幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』)で紹介した、写真集です。おそろしくも美しい、異形で畸形な民族衣装たち。Perfume のかしゆかさんも最近シャルル・フレジェの写真を購入したそうです。ちょうど当ブログで取りあげたばかりだったので、びっくりしました。すごい偶然。


インターネットの歴史



電話回線からネットに繋いでいた「黎明期」から、SNSが興隆する現代まで、つねにウェブの現場にいた中川淳一郎さん。半生を振り返るような自伝的エッセイです。個人史なのですが、個人というピンホールカメラをとおして「インターネット全体の歴史」がみえる。

↓『ウェブはバカと暇人のもの』の出版と前後して”ネットの可能性”に失望していく様もリアル。「ネット黎明期における生の声」としていずれ資料的価値を持つようになる。そんなふうに思えるくらい、”強い”本です。



菌類の「スター性」



冬虫夏草。花に擬態。半分死にながら身体を操られる「ゾンビアリ」。東京ドームの206倍の大きさをもつ「オニナラタケ」……。ミクロの世界のとんでもない生態系は、もはや異世界。ファンタジーのよう。著者の白水貴さんは、菌類が「バイキン」とイメージされてしまう”偏見”を嘆き、言います。

本書では、スター性のある菌類を紹介することで、世間一般に抱かれているイメージを払拭したい。


スター性! 銃を撃ったり、菌に菌が寄生したり……たしかに、この本に登場する生命体から感じるのは、ものすごいタレント性にほかならない。ブレイク前の売り出し中の菌たち。青田買いするなら今♪



追記)
サブカル系ど真ん中の『サブカル・スーパースター鬱伝』を続けて読んだので追加。

サブカルは「権威」を嫌う



サブカリストは40歳でうつ病になるという仮説を検証すべく、プロインタビュアーの吉田豪さんが11人のサブカルスターに話を聴きにいく。サブカルチャー雑誌『Quick Japan』(クイック・ジャパン)で連載されていた企画の書籍化です。
登場するのは以下の人たち。


(敬称略)
リリー・フランキー、大槻ケンヂ、川勝正幸、杉作J太郎、菊地成孔、みうらじゅん、ECD、松尾スズキ、枡野浩一、唐沢俊一、香山リカ


香山リカさんは、病んでいるからというよりも、サブカリスト兼精神科医として登場しています。ほかの男子諸君は、程度の差はあれ、たしかにヤンデル。みんなそれぞれオリジナルな「病み方」をしているのだけど、唐沢俊一さんが総括的なことを語っています。

サブカルチャーという分野自体がある程度権威との対立というか、既成の価値観への反逆という性質を含んでいる。それがある程度年齢を積むにつれて、どうしても先にいるっていうだけで権威になっちゃうんですよね。ふと気づくと自分が反抗される立場になっている。(中略)非常に居心地が悪くなる。


この記事の↑冒頭で提示した「サブカルとは何か」にも通じるお話かも。何か(誰か)が特権化されていくことに、いちばん敏感なのがサブカルだよね。どこまでもマイノリティのためのカルチャーなのだから。


カラい食べものにハマりはじめたら注意、アニメの「ガンダムSEED」がうつを救ってくれる……など、本書ならではのうつ病論(?)もあり面白い。インタビュアーの吉田豪さんは、単純に運動不足の影響も大きいのではと感じているようです。

多くの作品(映画、漫画、舞台、文学、イベント……)が出てきて、注釈の数がすごいことになっているページも。鬱とか関係なく、ひたすらサブカルまみれの対談を読みたいあなたにもオススメv



お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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常見陽平『「意識高い系」という病』を読んで”つながりの社会性”について考える。
幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』
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最近読んだ「好きを仕事に」する本10冊




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2017年02月03日

幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』

 
今日のなぞなぞ
「ページをひらいた瞬間に鳥肌が立ってしまう写真集は?」



今日紹介するのは写真集です。
なんというか……出逢えてよかったと心から思える、ものすごい掘り出しもの。
本をひらいた途端、肌が粟立ちました。私の好みのど真中ですv


『WILDER MANN』は、シャルル・フレジェ(Charles Fréger)というフランスの写真家のフォトブック。
世界じゅうの民族衣装――祭りの仮装、装束など――を
芸術的視点かつ民俗学のフィールドワーク的観点から写真に収めているアーティストの作品です。

サブカルやアートが好きなひとにはもちろんおすすめなのですが、
海外をよく旅する方や、文化人類学・民俗学に惹かれるあなたにも推したい1冊。
「どの国のどんな儀式の衣装なのか」も解説されています。


あやしげに美しく、そして
どこかもの悲しい写真の数々……。

本当に。「この1枚もいいよね〜」と中身をお見せしたくてたまらないのですが、
著作権的に……ね。

↑表紙だけでも伝わるものがあると思いますが、
もしよかったら、2016年に銀座のエルメスのお店でひらかれた展覧会のサイト↓もみてみて。


「YOKAINOSHIMA」 シャルル・フレジェ展(HERMES - エルメス公式サイト)
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-forum/archives/14259/




「YOKAINOSHIMA」は、「WILDER MANN」のシリーズ作品のタイトルです。
”日本の獣人”たちを収めています。

ナマハゲや鬼など和風ファンタジーなのだけど、
個人的には『WILDER MANN』のほうが異国情緒を感じて好きかな。
逆に外国人にとっては『YOKAINOSHIMA』のほうがエスニックに思えるのかもしれない。




☆★☆


シャルル・フレジェの写真を、なんと表現すればいいのか。
↓『かいじゅうたちのいるところ』のケモノたちがそのまま現れてしまった世界というか。





獣人っぽい写真だけじゃなくて、
よくわからない原色の衣装や毛皮や麻布を、意味不明にまとった人物が写っていたりとか。
ただの植物にしかみえない人間……とか。

幻想というよりもはや狂気を感じるような異形さというか。
私は、こういうものにどうしようもなく惹かれてしまう。


おなじようなテイストを感じる映画を挙げてみると、たとえば
TORICO監督の「イケルシニバナ」とか。


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ヤン・シュヴァンクマイエルのチェコアニメ(クレイアニメ)とか。

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ライトなところでは、スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」とかね。

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千と千尋はある意味”異形のオンパレード”な映画なのだけど、
絵や音楽も綺麗なアニメだし、行って帰ってくるという「物語の構造」もきっちりあるからかな。
不思議と万人受けしていますよね。




あとね。
映画でも本でもないんだけれど、伊豆に「怪しい少年少女博物館」と「まぼろし博覧会」という美術館があって。
こういうのも好きv


怪しい少年少女博物館 | 静岡県伊東市にある可笑しな博物館
http://ayashii.pandora.nu/
まぼろし博覧会 | 静岡県伊東市にある愉快なテーマパーク
http://maboroshi.pandora.nu/




☆★☆



なんだかだんだんアングラな方向に進んじゃってますが。
シャルル・フレジェの『WILDER MANN (ワイルドマン)』はそこまで無秩序な世界ではありません。

……いえ、けっこうカオスっぽい衣装も満載なのだけど、
基本的には、美しさを感じる写真集です。



ほんとにいい本。
こういう出逢いがあるから読書はやめられないv



ではでは。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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2016年12月31日

おおみそかに読みたい本〜よいお年をお迎えください。

 
今日のなぞなぞ
「おおみそかに読みたい本は?」

368done


みそぼっちなう。


というわけで^^;
みなさま今年もお世話になりました。
よいお年をお迎えください。


今年最後の本の紹介は、おおみそかに読みたい1冊です。




ど〜ん。
樋口一葉・大つごもり!



そのまんまだな。
ひねりなさい……というか、このネタ毎年やっている気がします^^;
おおみそかは、一葉を推す絶好の機会だ。



正直をわが身のたよりとしていた、
弟想いのお峰。

でも、どうしても必要で
職場からお金を盗んでしまいます。


いずれバレるに決まってる。
でも、盗むよりほかはなかった。



お峰はどうなってしまうのか!?



そんなお話。
オチがズバっと決まっている、明治時代の文豪の掌編です。

原典は擬古文体なので、↓現代語訳を推奨。






☆★☆



そんなこんなで。
今年も当ブログをご愛読いただき、ほんとうにありがとうございました。

ちかごろは”金融ブログ”の要素はかけらもなくなってしまっていますが(^^;)
「ノーリスク・ハイリータンの投資は読書」のスローガンはずっと、変わりません。


1冊でも、このブログをきっかけに
あなたが新しい本に出逢えていたとしたら。

それは、私にとってもこの上ない喜びです。



これからも”良い本に出逢える場所”であり続けられますよう。
本日もいつものことばで締めさせていただきます。



せ〜のっ。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪



よいお年をお迎えください。
紅白歌合戦、はじまるよ〜!


あきか(@akika_a


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【泣ける】女性作家が描く切ない恋愛小説10冊【沁みる】
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