2019年02月27日

最近読んだライトノベル10冊〜恋愛・ミステリ・異世界〜

 
今日のなぞなぞ
「おすすめライトノベル10冊は?」

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今日は、最近乱読したなかから、
ライトノベル10冊をぷちレビューしていきます。


えっと。
「ラノベを月1冊以上読む」……これが私の毎年の目標でした。
いつも達成できていなかった目標です。

やば、読むの忘れてた、っていう月がどうしても発生してしまっていて。


なので、今年は目標を変えました。


ライトノベルを年間12冊以上読む!


私にとっては、こっちの方がやりやすい。
達成のために、目標自体を変更してしまう力技(笑)。

でも、おかげで達成できました。
(シリーズ全巻読んだりしていたので、けっきょく12冊をゆうに超えてしまいました)
私信。目標変更のきっかけをくださってありがとうございます♪
私信2。オススメの作品を教えてくださってありがとうv 面白かったです♪



好きなひとはいくらでも大量に読むジャンルですが、
もしかしたらラノベにあまり縁がない読書家さんもいるかもしれません。

”ラノベ特有のノリ”が薄く、一般文芸がメインの読書家さんにとっても読みやすいものを多くセレクトしました。


ライトノベル好きも、そうでないひとも、
読みやすくて心にぐっと残る10冊をど〜ぞ〜♪



 源氏物語×学園


ヤンキー風の見た目で怖れられている少年にとり憑いたのは……早すぎる死をとげた学園の王子様、ヒカルだった。キャラクターや設定は源氏物語を下敷きにしています。書き出しも「いつのときだっただろう」と、まさに源氏そのまま。もちろん、源氏をまったく知らなくても楽しめます。友情も恋愛も、心の動きが丁寧に描かれていて◎。

以前の記事(最近読んだ「読書術」10冊)で紹介した“文学少女”シリーズの野村美月さんの作品です。

 夕顔、紫、朧月夜……


『葵』の続編。この巻のヒロインは引きこもりの少女、夕雨です。散りばめられた伏線と二転三転する物語。”怨霊”をめぐる謎など、ミステリ&サスペンス仕立てでイッキ読みしてしまいます。主人公とヒカルの友情にもほっこり。↓シリーズ続編にも源氏のヒロインたちがひとりずつ登場しますv


『“朧月夜” ヒカルが地球にいたころ……(4)』
『“末摘花" ヒカルが地球にいたころ……(5)』
『“朝顔" ヒカルが地球にいたころ……(6)』
『“空蝉" ヒカルが地球にいたころ……(7) 』
『“花散里" ヒカルが地球にいたころ……(8)』
『“六条" ヒカルが地球にいたころ……(9)』
『“藤壺" ヒカルが地球にいたころ……(10)』


 泣いちゃうけどオススメ


これ、すごく良かったです。4人の高校生の、恋愛もふくめた青春小説。元カレ・元カノという関係もあるのですが、ドロドロな話ではまったくありません。うつりゆく関係性の変化を美しく描きだしていて、とにかく切ない;;

喋るような語り口はしっかりライトノベル文体なのですが、一般の文学作品に負けないほどの観察眼や、こまかいところまで拾うていねいな心理描写。キャラも魅力的。以前の記事(最近読んだ純文学(J文学・L文学)10冊〜青山七恵さんの”ぼっち文学”について)で紹介したような、”ライトな純文学”が好きなひとはきっとお口にあうと思います。泣いちゃうけど、めちゃオススメ。


 子育てちゅうのお母さんへ


ライトノベルレーベルではないけれど。名作映画「おおかみこどもの雨と雪」の、監督の手による原作小説です。狼と人の間にうまれた子供たちを育てる母のお話。私も母子家庭で育ったので、この、なにかが欠けている感じの家庭の空気感が懐かしい。わが子の成長を願いつつ拒む……みたいなシーンもあるので、子育てちゅうのお母さんにオススメです。おみやげみっつたこみっつ。


 逢えばきっとわかる


名作「君の名は。」の映画制作と並行してかかれた原作小説(ノベライズ)です。不思議な力で入れ替わってしまったふたりが出逢うまでの物語。映像的で音楽的な文章が沁みる。↓以下、私の好きな一節v

こんなのは間違ってると、私は強くつよく思う。私たちが見知らぬ人同士だなんて、ぜったいに間違っている。宇宙の仕組みとか、命の法則みたいなものに反している。
「第八章 君の名は。」より


 チートってレベルじゃない


異世界のスライムに転生してしまった主人公。はじめはものを見ることすらできないのだけど、すさまじいスピードでできることが増えていく。”捕食者”という対象の能力を得られるスキルがすごすぎて、すぐに魔王レベルに。さすがにこれ以上はないだろ……そう思っても、まだまだ、さらに強くなります。

魔物たちの街をつくるところからはじまって、国家樹立、内政・外交、戦争も……。読み進めるほどに物語は壮大になり、加速度的に面白くなっていきます♪ もはやチート(※)ってレベルじゃない。次々にとんでもないスキルを獲得していくのが快感v

※ バグを利用するなどのズルをして、ゲームを有利にすすめようとする行為のこと。



 ゲーム好き歓喜


プレイ中のゲームの世界にはいってしまったふたりの高校生。序盤の村に超高レベルでたどつき、無双状態に……。でね。このふたり、かなりのゲーマーなので、知識量がすごい。地の文もセリフも、実在するゲームのネタのオンパレードです。

ドラクエ・FF・ウィザードリィ・メガテン・ゼルダ・オブリビオン・アトリエ・ときメモ・メタルギア・ルナティックドーン・グランドセフトオート・テイルズ・サモンナイト・イース・サイレントヒル・零……などなど。知るハズもないネタを振られて異世界の住人(NPC)たちが「???」みたいな(笑)。ゲーム好き大歓喜のポップな物語です♪


 ボーイ・ミーツ・天使


ボーイ・ミーツ・天使。その天使は、打たれた者の時間を巻きもどす注射器を持っていた……。ポップで読みやすいライトミステリ。巻きもどされた時間はべつのアイテムを使うことで逆に進めることもできる。タイムトラベルものというよりは、不思議な注射器の争奪をめぐるサスペンスがメインです。


 巨編、完結。


以前の記事(最近読んだ西尾維新5冊――メタフィクショナルな西尾試論)で紹介した西尾維新さんの「伝説シリーズ」。ミステリではなくファンタジーです。<地球>と戦う運命を背負わされてしまった、感情を持たない少年の活劇。

どの巻も分厚くて壮大な巨編。だけどあっという間に読み終えてしまう面白さ。キャラも「ルール」も展開も面白い”四国編”がオススメですが、できれば1冊目の「悲鳴伝」から順番に読むのが◎。

『悲鳴伝』
『悲痛伝』
『悲惨伝』
『悲報伝』
『悲業伝』
『悲録伝』
『悲亡伝』
『悲衛伝』
『悲球伝』
『悲終伝』


……どれが何巻だかわかりにくい?
それぞれのタイトルをよくみてみて。ツー、さん、フォー、ごー……。


 旅をする理由


再読です。喋る二輪車と旅人キノがさまざまな国を訪れる、短編連作。それぞれの国に独自の規律があり個性的。ときにはその”ルール”ゆえに滅びてしまった国も……。星新一さんのショートショートが好きな方にもオススメですv まだ見ぬ美しさと出逢うために、人は旅をする。





お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a

(↑冒頭の写真はうちの愛犬モモが産んだ5匹の男の子のなかの、3男です。名前は”ライト”)

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2019年01月23日

面白いお話、買いました。――新潮社編「Story Seller」シリーズ

 
今日のなぞなぞ
「"面白いお話"が詰まった文庫アンソロジーは?」




文庫アンソロジーには傑作しか収録してはならない。
……そんな暗黙の掟でもあるのか、
文庫の選集というジャンルには良い本がたくさんあります。


今日紹介するのは、なかでも
「面白い物語」に特化したアンソロジー。

新潮社ストーリーセラー編集部の「Story Seller」シリーズです。

これまで3冊出ています。

「面白いお話、売ります。」
「読み応えは長編並、読みやすさは短篇並」

そのキャッチコピーにいつわりなく
、ほんとに全作品が面白かった。
順番に、ぷちレビューします♪


 Story Seller



冒頭を飾るのは、『アヒルと鴨のコインロッカー』を想い出させる、伊坂幸太郎さんらしいミステリ。近藤史恵さんが描く、自転車ロードレースの世界もひきこまれます。ロードレースについては、私はまったく詳しくないのですが、ぜんぜん知らない競技の物語にここまで夢中になれるなんて思いませんでした。

東京タワーへ行ったことがあるひとならニヤリとする描写が満載の佐藤友哉さん「333のテッペン」。有川浩さんの「ストーリ・セラー」は、書下ろしの「Side:B」を加えて単行本化されています(『ストーリー・セラー』)。有川さんらしいベタアマな恋からはじまる、感動作。




イチオシは米澤穂信さんの「玉野五十鈴の誉れ」と道尾秀介さん「光の箱」。

「玉野五十鈴〜」は『氷菓』の千反田えるのような、旧家の娘と侍女のミステリ。この「玉野五十鈴〜」をふくめ、名家のお嬢様ばかりがでてくる短編が集まって単行本化されています(『儚い羊たちの祝宴』)。



「光の箱」は、傑作ちゅうの傑作です。傑作短編とはこのことだ! と叫びたい。クリスマスの同窓会のお話なのですが、2重3重の謎と仕掛けがはりめぐらされ、ラストにすべてが回収されたときには、驚きとともにカタルシスとしか言いようのない読後感がある。名品です。

本多孝好さんの「ここじゃない場所」は、高校生の日常にサイキッカー(超能力者)という”非日常”がからんでくる物語。面白いけど、本多孝好さんに限っていえば、「Story Seller 2」に収録されている作品のほうが素晴らしすぎます。


【Story Seller 収録作品一覧】(敬称略)
伊坂幸太郎「首折り男の周辺」/近藤史恵「プロトンの中の孤独」/有川浩「ストーリ・セラー」/米澤穂信「玉野五十鈴の誉れ」/佐藤友哉「333のテッペン」/道尾秀介「光の箱」/本多孝好「ここじゃない場所」



 Story Seller2




冒頭に沢木耕太郎さんのエッセイを収録。沢木さんを迎えたことで、このアンソロジー・シリーズのファン層がさらに広がったかもしれません。カクテルのブラッディ・メアリーのお話です。

伊坂幸太郎さんの「合コンの話」は、はじめに「この物語のあらすじ」を語ってしまうという異色作。肉付けをしたあらすじ、メールの文面、辞書からの引用……など、視点、というよりは語りのトーンじたいがめまぐるしく変わっていきます。そのなかから、だんだんと濃厚な物語が立ちあがってくる。実験的だけど、ちゃんと”面白いお話”してます。

近藤史恵さんは今回も自転車ロードレースの物語。ハマる。米澤穂信さんの作品は、伝奇ものの舞台でありそうな地方都市(こじんまりとした商店街があって、神社があって、児童・生徒のすくない学校があって……というあの感じです)にたちあがる、不思議な物語。

佐藤友哉「444のイッペン」は今度は東京ビックサイトで、犬たちがイッペンに消えるという難事件が発生です。


イチオシは有川浩さん「ヒトモドキ」と本多孝好さん「日曜日のヤドカリ」。

「ヒトモドキ」はすごいです。いわゆるゴミ屋敷をつくってしまう伯母さんのお話なのですが、そのキャラクター造形たるや。ものすごいリアルで、不気味さや悲しさがひとつひとつの言動からひしひしと伝わってきます。こういう、”一般的には理解されがたいようなひと”にしっかりと寄りそうことができるのが小説というジャンルだと思うし、それこそが小説の使命のひとつだと私は思っています。傑作!

「日曜日のヤドカリ」は本多孝好さんらしい、情感のあるミステリで、「家族」というテーマを真正面から描いています。ラストのなにげない会話シーンの素晴らしさと言ったら! 以前の記事(【恋愛】10代のうちに読んでおきたい小説10冊【青春】)では『MISSING』を紹介しましたが、『MISSING』のような本多さんのリリカルなミステリが好きなら「日曜日のヤドカリ」はハズせません。せつないけど、あったかい。



【Story Seller 2 収録作品一覧】(敬称略)
沢木耕太郎「マリーとメアリー ポーカー・フェース」/伊坂幸太郎「合コンの話」/近藤史恵「レミング」/有川浩「ヒトモドキ」/米澤穂信「リカーシブル――リブート」/佐藤友哉「444のイッペン」/本多孝好「日曜日のヤドカリ」



 Story Seller3




前回に引き続き沢木耕太郎さん、さらにさだまさしさんを執筆陣に加え、またまた読者層が広がったかも。沢木さんはエッセイ。『深夜特急』の沢木さんだよな〜という感じの、旅のお話から、「いままでの人生で、大事なことは男と女のどちらに教えてもらったか」というテーマに移ります。さだまさしさんについては、じっくり語りたいので後述。

近藤史恵さんは今回もロードレース。ちなみに「Story Seller」(1〜3)に収録された作品も含め、サクリファイスシリーズとして単行本になっています(『サクリファイス』『エデン』『サヴァイヴ』)。





湊かなえさん「楽園」はトンガ王国を舞台にした、南国のかおりのする物語。米澤穂信さんの「満願」は、居候学生……昔ふうに言えば書生が主人公。題材からか、どこか夏目漱石とかあの時代の雰囲気がありますが、現代小説です。ミステリ。

有川浩さんの「作家的一週間」は、ウソともホントともつかない、作家生活の素描。作中でまるきり別のショートショート作品が読めるというオマケつきです(笑)。佐藤友哉さん「555のコッペン」、今度は東京駅です。この東京名所シリーズも、単行本化されています(『333のテッペン』)。




イチオシはさだまさしさんの「片恋」。

音楽はもちろん知っているけど、さだまさしさんの小説にふれるのは私は初めてでした。「片恋」は中編と言ってもいいくらいの長さなのだけど、読みやすく……というか、ユーモアたっぷりで軽い文体は、とてもライトノベルっぽいです。収録作品のなかで一番ラノベっぽい文章がさだまさしさんでした。意外なことに。

テレビ番組の制作会社で働く女性、南が主人公。ひき逃げされて死んだ見ず知らずの男性が、南の連絡先を握っていて……。という不可解きわまるサスペンスです。驚きの真相とともに男性のある”想い”があきらかになる。

なにより物語として面白いのですが、報道という行為に葛藤する南の描きこみが素晴らしかったです。 作中で、秋葉原通り魔事件をモデルにしているであろう場面が出てきます。凄惨な現場に、職業的な使命からカメラを向ける南。「そんな場合じゃねえだろう! 邪魔だ!! どけバカ」と怒鳴る救助隊員。振りむけば、通行人たちが好奇心にみちた眼で携帯のカメラをこちらに向けていた……。


たった今あなたの目の前に瀕死の人がいます。
何か他にしたいことはないのですか?
”記念撮影” (431ページより)


……すごいシーンですよね。

私も報道やマスコミに多少は関わっている身として、その無遠慮さや暴力性には無関心ではいられないのですが。今回、さだまさしさんの作品にざくりとやられた気がします。


【Story Seller 3 収録作品一覧】(敬称略)
沢木耕太郎「男派と女派 ポーカー・フェース」/近藤史恵「ゴールよりももっと遠く」/湊かなえ「楽園」/有川浩「作家的一週間」/米澤穂信「満願」/佐藤友哉「555のコッペン」/さだまさし「片恋」



 Fantasy Seller・Mystery Seller


……以上。


「Story Seller」っていうシリーズは
オススメだよぉ☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。ちなみに、

ファンタジーに特化した『Fantasy Seller』
ミステリに絞った『Mystery Seller』


というのも出ています。
キャッチコピーは

「もうひとつの世界、売ります。」
「とっておきの謎、売ります。」







今後の展開がかなり楽しみなアンソロジー。
至福の読書タイムを約束するシリーズです。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか
 


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【恋愛】10代のうちに読んでおきたい小説10冊【青春】



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2019年01月19日

【徹夜本】地下東京に広がる腐海――貴志祐介『新世界より』の社会システムと生態系がすごい

 
今日のなぞなぞ
「生態系と社会システムがユニークすぎるジャンル分け不能の徹夜本は?」



不毛の大地・東京の地下。
古代の遺物であるメトロ網を食い散らかすように、無尽の洞窟が伸びている。


動物の生き血を求めるナメクジ。
細長い身体を光らせ、獲物の吸着を待ちわびるヒル。
うごめく影の正体は、集団で壁を這うダニの行進。

……そこは、独自の進化をとげた生物たちが織りなす「地獄」だ。


本書のクライマックスは、こんな地下東京を舞台にしています。



☆★☆





今日紹介するのは、『新世界より』

以前の記事(徹夜本見つけました――貴志祐介『悪の教典』〜あわせて読みたい「倒叙ミステリ」)にひき続き、貴志祐介さんの徹夜本です。


『悪の教典』は文句なしのノンストップ・サスペンスでしたが、『新世界より』は一筋縄ではいかない。
なんというジャンルに分類したらいいのかわからない作品です。

たいていの本は、ちょっと手に取れば
本読みの勘で「こんな内容なんだろうな〜」というのがだいたいわかるものだけど。

本書は、さらっとページをめくってみても、
帯のコピーを見てみても、どんなジャンルなのか予想がつきませんでした。
それどころか、実際読みはじめてもどんな展開になっていくのかが見通せないのが凄いです。



舞台は、未来の日本。
人類は科学を手放し、”村”単位の原始的な生活を送っている。
でも、人間はみな「呪力」をあやつる術を身につけている。

主人公は魔法学校ならぬ呪力学校みたいなところに通ってるのね。
人は攻撃的な感情が持てないよう遺伝子操作されているから、
とても平和で。ストレスフリーな社会なんだけど。
ひとつの掟があって。


八丁標(はっちょうじめ)の外に出てはならない……。


少年少女は未開の地を冒険するうちに、
「大人達が隠しているもの」の正体に気づいていく……。



☆★☆





伝奇っぽいといえば伝奇っぽい。
冒険・青春小説でもあり、ファンタジーといえばファンタジーなんだけど。
ミノシロモドキという異形の生物が「古代の図書館のデータ端末」になっていたり、
いろいろな生態系や進化の具合が細かく説明されていたり、SFらしさもある。
独自の社会システムもよくわかるように描かれていて、


ほんと、
なんて言ったら言いんだろうね。

「名づけようのないエンターテイメント小説」

としか言えません。


主人公たちは、おおげさではなくどのページでも危険にさらされています。
深呼吸する暇もない。息を切らしながらページをめくってしまう、
極上のエンターテイメント
であるのは確かです。



でも
本書の魅力は、ユニークすぎる社会システムと生態系
これでもかというくらい濃厚に作られています。


攻撃性を芽生えさせぬよう、厳重に管理された教育システム。
ストレスを感じると、人は
ボノボ(ピグミーチンパンジー)のように互いに性的接触をして興奮を抑える。

アリのようにコロニーを作り、なわばり争いを繰り返すバケネズミ。
危険因子を排除するため、品種改良されたフジョウネコ……。


↑冒頭の地下東京の世界は、たとえるなら
「風の谷のナウシカ」の「腐海」みたいな感じかな。

さまざまに進化した異様な生物たちが
おそましくも美しい。


コウモリの糞を起点とする
ユニークな食物連鎖が成り立っていて面白いです。


あ、『蟲師』の世界とかが好きなひとにもオススメかも。

風の谷のナウシカ [DVD]
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 (2014-07-16)
売り上げランキング: 368




↓アニメ化。漫画化もされているようです♪





☆★☆



……なんだかこれだけ書いても
本書の魅力の一割も伝えられてないような気が今日はします^^;


とにかく、

この濃厚な世界観にどっぷりひたってくださいね(笑)。




『新世界より』っていう本が
オススメだよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか


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posted by akika at 15:47 | TrackBack(0) | 日記・最近読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月23日

最近読んだ「電子書籍をつくる」ための本10冊


今日のなぞなぞ
「電子書籍(E-book)を制作するときに読んでおきたい本は?」

Tokinosumika

本の雑食家さん、こんばんは。
私も雑食ですv

今日は、最近乱読したなかから
”電子書籍をつくる”ための本10冊をぷちレビューしていきます。

紹介するのは、ソフトの使い方の本をのぞけば、
電書にかぎらない、”編集全般”の役にたつものばかり。

本や雑誌をつくっている個人出版者さんや編集者さん、
ミニコミ誌やフリーペーパーの発行者、ウェブサイトのオーナーまで。

新時代の”出版人”必読の10冊をど〜ぞ〜♪



 編集のすべて


今日いちばんのオススメが本書。電子書籍だけでなく本づくり全般の「編集」について語る良書です。語り口が魅力的なので読み物としても◎。もちろん実践的な内容も豊富。この本自体にさまざまな工夫をこらした”編集”がほどこされていて、わざと誤植だらけのページもあります。関連本もたくさん紹介されていて、ぜひ手元に置いておきたい1冊。

 全体の流れ


企画から執筆、編集、画像や書籍のファイルのつくり方、販売経路まで、全般的な流れを解説した入門書。「Sigil」という電子書籍制作ツールの使い方も載っています。

 歴史とソフトの使い方


「日本で最初の電子書籍用端末は、1994年に発売されたNECのデジタルブックである」。冒頭の”電子書籍の歴史”が面白い。このデジタルブックは囲碁ソフトを走らせる端末として、細々と売れ続けたそうな。後半は「Sigil」の使い方に多くのページを割いています。すこし古い本ですが、「第6章 読みやすい本を作るためのコツ」は普遍的。必読です。

 装丁


装丁デザイナー南伸坊さんのゆる〜いエッセイ集。とことん力の抜けた文章が魅力的です。文章→手がけた本の装丁の写真というくり返しで展開していく構成。「なるほど、こんなふうに考えてデザインが生まれているのか」と興味ぶかく読み進めていくことができます。シンプルな図案にも深い(そしてゆるい)意味がある!

 数理で読み解くランキング


アルゴリズムが非公開のため、謎が謎を呼ぶアマゾンの「売上ランキング」。本書は数理科学的にその構造を推測していきます。数式やグラフ、多数。提示された数理モデルを読んでいると「あれ、これ何の本だっけ?」と思ってしまうほどマニアック。全力で謎の解明を目指す、ユニークすぎる良書です。

 本づくりの基礎知識


電子書籍ではなく、紙の本一般の「本づくり」の基礎知識集。編集、印刷、DTP(デスクトップパブリッシング)から著作権まで。”トル”や”イキ”など、校正記号の一覧表もあるので手もとにあるとなにかと便利な1冊。

 編集の基礎知識


原稿の扱い、構成、表記、データの整理……。編集という仕事で発生するあらゆる実務を、憶えるべき用語もふくめて学べる教科書のような本。電子書籍に特化した本ではありませんが、末尾の「一般的な表記の基準」は一読を推奨。もちろん、すべて一般的なルールに従う必要はまったくありませんが、崩すのは基本を知ってからでも遅くない♪

 類似本の分析と企画書


ビジネス書の著者としてデビューするためにすべきことを手取り足取り教えてくれます。本書はあくまで紙の本の出版を目指せと説いています。なので電子書籍関連本ではまったくありませんが、出版経験がないことや自分では弱点だと思っていることさえ”著者としての強み”になると語る論調は励みになる。類似本の分析方法や企画書の書き方も掲載しているので、ビジネスジャンル以外でも役にたちます。

 マーケティング


電子書籍でミリオンセラーを達成した”無名の作家”ジョン・ロック氏が、本を売る方法をつつみ隠さずに大披露。大切なのは、読者のことをよく知り、信頼関係を築いていくこと。展開も、文体も、読者が求めるものを♪

 大量の関連本


電子書籍黎明期のさまざまな動きを解説。市場、プラットフォーム、規格の統一、契約……。特筆すべきは、小説から実用書まで大量の関連本を紹介する書評のコーナー。このリストを入手するためだけに買っていい……そんな本です。このブログで紹介した本もまじっています。『新世紀メディア論』など。

関連記事:
新時代に対応したビジネスモデルを、とか言われても困る。





お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】
最近読んだ「小説の書き方」本10冊〜文章力をめきめきアップさせるために





posted by akika at 20:37| 日記・最近読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月21日

最近読んだ「シニア犬(老犬)とのつきあいかた」の本10冊

 
今日のなぞなぞ
「高齢にさしかかってきたワンコとつきあう方法は?」



今日は、最近乱読したなかから
”シニア犬(老犬)とのつきあいかた”についての10冊をぷちレビューしていきます。
(猫さんを対象とした本もあります)


このブログにもちょくちょく登場しているうちの愛犬たちも、そろそろシニアにさしかかる年齢。お迎えしたばかりの頃は”飼い方”の本をたくさん読んでいたけれど、最近はさっぱりでした。なので、あらためていろいろとひもといてみました。


病気のリスクも高まってくる頃だし。
食べ物にも気をつかうべきかな。
お散歩や遊び、接し方は、子犬のときと変えたほうがいいのかな……。

そんな、ちょっとした気がかりを解決する本がたくさん。
愛犬・愛猫家のあなたの参考になるものがあればうれしいですv




 シニア犬生活の完全ガイドブック


日々のケアから、食事、老化や病気のサイン、介護まで。シニア犬ライフを網羅した”完全版”のガイドブックです。愛犬は「気持ち」で若返る。介護で大事なのは「飼い主ががんばりすぎないこと」。写真や図の解説がわかりやすく、情報量も多い。老犬生活はこの1冊から♪

 猫さんも


食事編・病気編・環境編・事故編と別章「診察室」の5つから、ペットに長生きしてもらうコツを学べます。犬だけでなく猫さんも対象。全83個の項目それぞれに犬/猫/犬猫両法、のアイコンがついているのでどちらについての話なのかひと目でわかります。コラムも充実!

 あらたな家族をお迎えしたひとにも


こちらも猫さんも対象にしている1冊です。食事、運動、ストレス、しつけ、病気、老後について。とくに高齢のペットに限定して話している本ではないので、あたらしく家族をお迎えしたばかりの飼い主さんにもオススメです♪ わんこもにゃんこも、歳をとるのが人間より全然早いから、一緒の時間を大切にv

 アロマテラピーとツボ療法


運動、環境、スキンシップ、そしてトラブルごとに解説されるアロマテラピーとツボ療法。わんこの全身のツボを図解で説明したり、香り別に「何に効くのか」が挙げられていたり、オイルやスプレーのつくりかたも。タイトルに冠していないのがもったいないほど、アロマとツボの話が盛りだくさん。良書。

 手作りごはんのススメ


トッピングから主食まで、手作りごはんのノウハウを教えてくれます。栄養が偏ってしまったり……難しい手作りだからこそ、しっかり学んでから実践を。必要な栄養素、カロリー、注意点。オリジナルレシピもたくさん載っていて、体重にあわせて分量を調整できる「倍率表」つき。

 介護とケア


食生活、住まい、運動、日々のケア。シニア犬にやさしい環境づくりを、獣医さんの視点から教えてくれる良書です。人間の介護での「あたりまえ」をシニアのわんこにも取りいれて!

 早く気づくのが大事


呼吸、食欲、皮膚の状態、排泄物……わんこ達が発する「サイン」から異常を読み取るための医学本。シニア向けの項目が多いですが、子犬のかかりやすい病気についてもまるまる1章を割いています。

 重要な病気を知っておく


犬がかかるすべての病気を網羅している。そう思えるほど情報量が多い1冊です。イラストもついているので読みやすい。とくに早期の発見や治療が必要な病気についての解説が細やかです。犬種別にかかりやすい病気をまとめた表も。すべての飼い主さんが知っておくべき愛犬の医学。

 「うちの子」とちゃんと向きあって


以前の記事(最近読んだ10冊)で紹介した、”定説に疑問を投げかける”本。しつけでもケアでも、様々な人や本がいろいろなことを言っています。ときには対立するように思える言い分もある。でも「うちの子」のことを一番よく知っているのは飼い主さん以外にいない。「うちのわんこ」にとって良いと思えるものをしっかり選択していけるのが良いと私は思います。

 この瞬間を大切にするために


「放置車両内にて――男性のものと思われる遺体を発見――死後一年以上経過しているものと思われます」
「足元にももう一体……子ども――いや犬だな」
「変だね……こっちは比較的――かなり新しいぞ………」

かなしい結末からはじまるマンガです。職も家庭も健康も、すべてを失ったおとうさんが愛犬と旅に出る物語。人も犬も限りある命だからこそ、一緒の時間がとても輝かしく想える。わんこの一生は人の何倍もの速度で流れていきます。今この瞬間の時間を大切にするために、手にとってみてください。ぜったい電車のなかで読まないで。泣いちゃうから。


追記)
続編も読みました♪


「双子星」「一等星」「星守る犬」(とエピローグ)の3編。前作とつながりのある物語です。前作がとてもかなしいお話だったので覚悟してひもといたのですが、希望を感じさせるエピソードたちでした。でも、飼い主(拾い主)が自分を捨てるかもなんて考えもしないわんこたちの姿に、やっぱり泣いちゃう;; 愛犬が一途に信頼してくれるの、ほんとにいいですよねv



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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