2017年02月22日

最近読んだサブカルチャー寄りの本10冊〜聖地巡礼からロバート秋山まで

 
今日のなぞなぞ
「サブカルっぽい本10冊は?」

P1610708done.jpg

本の雑食家のみなさま、こんばんは。
私も雑食ですv

今日は、最近乱読したなかから
”サブカルチャー寄りの10冊”をぷちレビューしていきます。



……とはいえ、何をサブカルとみなすのかはたぶん、人によって違う。
デヴィッド・リンチを観て、ゴダールについて語ることができて、宮藤官九郎に対して一家言あればサブカリスト?

そういう”ちょっと高尚っぽいマイナー志向”は、いずれ
「意識高い系」とおなじように「サブカルチャー(笑)」みたいなニュアンスが付与されていくかもしれない。


逆に、意識高い系のアイコンである自己啓発書やビジネス書は、
もはやゴダールなんかよりもずっとサブカル的なアイテムになっている印象です。

じっさいヴィレッジヴァンガードのようなサブカルに強い本屋では、自己啓発系のビジネス書がものすごくたくさん並んでいます。
セミナーや講演はライブで、書籍はファングッズだ。

関連記事:
常見陽平『「意識高い系」という病』を読んで”つながりの社会性”について考える。




社会なんてどう変わるかわからない。
もしかしたら、そのうち


「アニメとか観るの? すげー意識たけー」

とか

「ビジネス書が好き? 俺も俺も。パンクだよな〜」


みたいな会話が違和感なく交わされる日もくるかもしれない。


ヒットチャートをアイドルやアニソンが占める今、
本来「ハイカルチャー」であるはずのクラシック音楽やオペラを聴くことは、一転して、ものすごくサブカルスピリットにあふれる行為のようにも思える。



……。


…………。


……………………。


……って、何を喋っているんだろうね私は(笑)。
今日はいつにもまして、ちゃんと伝わっているか心配です^^;

あ。ちなみに、デイヴィッド・リンチもゴダールも宮藤官九郎も、「サブカルっぽい」といわれている映画を撮っている監督・クリエイターね。


要は、何がサブカルチャーかなんて定義できないんだから、
今日紹介するのは、


あくまで私個人が
サブカルっぽいと感じた本だよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



と言いたかった。



それでは、10冊を。


お口にあう書はございますでしょうか?


好きな仕事に「ジョブチェンジ」!



世のなかの仕事と給料を、イラストつきで紹介する職業案内……といってしまうとフツーなんだけど、このイラストがまるでゲームのキャラクターのよう。きれー。「どんな魔法を使うんだ?」と思わせる薬剤師や「すごい必殺技を持ってそう」なウェブディレクターなどがわらわらと出てきます。ジョブチェンジする感覚で、就きたい職業を見つけてみてv




お前のクリエイティブはそれでいいのか?



短いメッセージと図案が続く、絵本のようなつくりです。デザイナーのための啓発書。”刺さる”文章と、斬新で実験的なデザインが「お前のクリエイティブはそれでいいのか?」と問いかけてくる。自身の作家性と顧客の満足との間で悩む、すべてのデザイナーさんへ。

聖地巡礼の成功&失敗事例集



アニメの舞台となった土地を旅する、聖地巡礼・コンテンツツーリズムの本。「らき☆すた」から「花咲くいろは」まで、事例がとにかく豊富。考察というよりも、がんがん事例を紹介している本です。成功したケースもあれば、失敗している例も。参考文献・コンテンツもかなり大量に載っています♪ アニメへの熱が薄れても、お客さんは「その土地自体のファン」になっていく。

ちなみに、聖地巡礼を描いた小説では↓辻村深月さんの『ハケンアニメ』がオススメですv 「アニメを地域振興に役立てたい公務員」が出てくるのですが、彼がアニメにまるで理解がないリア充でやきもきする(笑)。でも実は……。キャラクターがみんな魅力的で、私も大好きな作品♪ あ、「ハケン」は派遣じゃなくて覇権です。天下をとる名作アニメのこと。


都市空間、東京の精神史



ゴジラから岡崎京子、踊る大捜査線まで、物語のなかの東京と、実在の都市としての東京をクロスさせて、「東京」という空間の変遷を論じています。フィクションのなかの東京にも<歴史>は流れている。地史というよりは精神史といった趣きです。

ぱんだのひみつ



えっ、それ取れるの? え、そこ、ほんとは白かったの? パンダが集う銭湯で、衝撃の新事実があきらかになる!! ……しょーもないんだけどね。いえ、ほんとにしょーもないんだけど、目が離せなくなります。まさにサブカル絵本。

トップクリエイター(達)に訊く



映像クリエイター、ダンサー、スローライフ推進家……現代のトップクリエイターたちへのインタビュー集。そうそうたるクリエイター達の正体はぜんぶ、お笑いグループ・ロバートの秋山竜次さんです(笑)。カルチャー誌のような体裁で、全力でボケるネタ本。DVDもついています。

映像だとアドリブも多いからか、ちょっと間延びしてる感もあるのだけれど。本の方は、意識して読むスピードを速めることで、とても密度が高い読書時間をもたらしてくれます。キラリと光る言葉もたくさんあるので、ネタとしてでなくベタに読んでも◎。

ビジネス書もサブカル



↑冒頭で「ビジネス書ももはやサブカル」とお話ししたので、最近読んだなかから良かった1冊をピックアップ。グリコのお菓子マーケティングを成功に導いた小林正典さんが語る、ヒットの秘訣。実現が難しそうな企画も”みんなの力”があれば世に問うことができる。チョコレート業界の戦略戦術が具体的にのぞける……のだけど、マーケというよりはリーダーシップの本として◎。

幻想と異形の獣人写真集



以前の記事(幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』)で紹介した、写真集です。おそろしくも美しい、異形で畸形な民族衣装たち。Perfume のかしゆかさんも最近シャルル・フレジェの写真を購入したそうです。ちょうど当ブログで取りあげたばかりだったので、びっくりしました。すごい偶然。


インターネットの歴史



電話回線からネットに繋いでいた「黎明期」から、SNSが興隆する現代まで、つねにウェブの現場にいた中川淳一郎さん。半生を振り返るような自伝的エッセイです。個人史なのですが、個人というピンホールカメラをとおして「インターネット全体の歴史」がみえる。

↓『ウェブはバカと暇人のもの』の出版と前後して”ネットの可能性”に失望していく様もリアル。「ネット黎明期における生の声」としていずれ資料的価値を持つようになる。そんなふうに思えるくらい、”強い”本です。



菌類の「スター性」



冬虫夏草。花に擬態。半分死にながら身体を操られる「ゾンビアリ」。東京ドームの206倍の大きさをもつ「オニナラタケ」……。ミクロの世界のとんでもない生態系は、もはや異世界。ファンタジーのよう。著者の白水貴さんは、菌類が「バイキン」とイメージされてしまう”偏見”を嘆き、言います。

本書では、スター性のある菌類を紹介することで、世間一般に抱かれているイメージを払拭したい。


スター性! 銃を撃ったり、菌に菌が寄生したり……たしかに、この本に登場する生命体から感じるのは、ものすごいタレント性にほかならない。ブレイク前の売り出し中の菌たち。青田買いするなら今♪




お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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2017年02月03日

幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』

 
今日のなぞなぞ
「ページをひらいた瞬間に鳥肌が立ってしまう写真集は?」



今日紹介するのは写真集です。
なんというか……出逢えてよかったと心から思える、ものすごい掘り出しもの。
本をひらいた途端、肌が粟立ちました。私の好みのど真中ですv


『WILDER MANN』は、シャルル・フレジェ(Charles Fréger)というフランスの写真家のフォトブック。
世界じゅうの民族衣装――祭りの仮装、装束など――を
芸術的視点かつ民俗学のフィールドワーク的観点から写真に収めているアーティストの作品です。

サブカルやアートが好きなひとにはもちろんおすすめなのですが、
海外をよく旅する方や、文化人類学・民俗学に惹かれるあなたにも推したい1冊。
「どの国のどんな儀式の衣装なのか」も解説されています。


あやしげに美しく、そして
どこかもの悲しい写真の数々……。

本当に。「この1枚もいいよね〜」と中身をお見せしたくてたまらないのですが、
著作権的に……ね。

↑表紙だけでも伝わるものがあると思いますが、
もしよかったら、2016年に銀座のエルメスのお店でひらかれた展覧会のサイト↓もみてみて。


「YOKAINOSHIMA」 シャルル・フレジェ展(HERMES - エルメス公式サイト)
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-forum/archives/14259/




「YOKAINOSHIMA」は、「WILDER MANN」のシリーズ作品のタイトルです。
”日本の獣人”たちを収めています。

ナマハゲや鬼など和風ファンタジーなのだけど、
個人的には『WILDER MANN』のほうが異国情緒を感じて好きかな。
逆に外国人にとっては『YOKAINOSHIMA』のほうがエスニックに思えるのかもしれない。




☆★☆


シャルル・フレジェの写真を、なんと表現すればいいのか。
↓『かいじゅうたちのいるところ』のケモノたちがそのまま現れてしまった世界というか。





獣人っぽい写真だけじゃなくて、
よくわからない原色の衣装や毛皮や麻布を、意味不明にまとった人物が写っていたりとか。
ただの植物にしかみえない人間……とか。

幻想というよりもはや狂気を感じるような異形さというか。
私は、こういうものにどうしようもなく惹かれてしまう。


おなじようなテイストを感じる映画を挙げてみると、たとえば
TORICO監督の「イケルシニバナ」とか。


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ヤン・シュヴァンクマイエルのチェコアニメ(クレイアニメ)とか。

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ライトなところでは、スタジオジブリの「千と千尋の神隠し」とかね。

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千と千尋はある意味”異形のオンパレード”な映画なのだけど、
絵や音楽も綺麗なアニメだし、行って帰ってくるという「物語の構造」もきっちりあるからかな。
不思議と万人受けしていますよね。




あとね。
映画でも本でもないんだけれど、伊豆に「怪しい少年少女博物館」と「まぼろし博覧会」という美術館があって。
こういうのも好きv


怪しい少年少女博物館 | 静岡県伊東市にある可笑しな博物館
http://ayashii.pandora.nu/
まぼろし博覧会 | 静岡県伊東市にある愉快なテーマパーク
http://maboroshi.pandora.nu/




☆★☆



なんだかだんだんアングラな方向に進んじゃってますが。
シャルル・フレジェの『WILDER MANN (ワイルドマン)』はそこまで無秩序な世界ではありません。

……いえ、けっこうカオスっぽい衣装も満載なのだけど、
基本的には、美しさを感じる写真集です。



ほんとにいい本。
こういう出逢いがあるから読書はやめられないv



ではでは。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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2016年12月31日

おおみそかに読みたい本〜よいお年をお迎えください。

 
今日のなぞなぞ
「おおみそかに読みたい本は?」

368done


みそぼっちなう。


というわけで^^;
みなさま今年もお世話になりました。
よいお年をお迎えください。


今年最後の本の紹介は、おおみそかに読みたい1冊です。




ど〜ん。
樋口一葉・大つごもり!



そのまんまだな。
ひねりなさい……というか、このネタ毎年やっている気がします^^;
おおみそかは、一葉を推す絶好の機会だ。



正直をわが身のたよりとしていた、
弟想いのお峰。

でも、どうしても必要で
職場からお金を盗んでしまいます。


いずれバレるに決まってる。
でも、盗むよりほかはなかった。



お峰はどうなってしまうのか!?



そんなお話。
オチがズバっと決まっている、明治時代の文豪の掌編です。

原典は擬古文体なので、↓現代語訳を推奨。






☆★☆



そんなこんなで。
今年も当ブログをご愛読いただき、ほんとうにありがとうございました。

ちかごろは”金融ブログ”の要素はかけらもなくなってしまっていますが(^^;)
「ノーリスク・ハイリータンの投資は読書」のスローガンはずっと、変わりません。


1冊でも、このブログをきっかけに
あなたが新しい本に出逢えていたとしたら。

それは、私にとってもこの上ない喜びです。



これからも”良い本に出逢える場所”であり続けられますよう。
本日もいつものことばで締めさせていただきます。



せ〜のっ。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪



よいお年をお迎えください。
紅白歌合戦、はじまるよ〜!


あきか(@akika_a


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おおみそかに読みたい1冊〜今年もお世話になりました♪
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posted by akika at 18:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記・最近読んだ本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月27日

『エンタテインメントの作り方』を読んでびっくりした話

 
今日のなぞなぞ
「”びっくりする”小説の書き方本は?」


こんばんは。
今日紹介するのは、以前の記事(徹夜本見つけました――貴志祐介『悪の教典』〜あわせて読みたい「倒叙ミステリ」【徹夜本】地下東京に広がる腐海――貴志祐介『新世界より』の社会システムと生態系がすごい)で取りあげた貴志祐介さんの本。

エンターテイメントに特化した「小説の書き方」本です。


本日は、この本のレビューというよりは、
「これを読んで驚いた、私の読書体験」について語る、日記
です。



☆★☆






えっと。
なにが驚いたかっていうと。


以前の記事(徹夜本見つけました――貴志祐介『悪の教典』〜あわせて読みたい「倒叙ミステリ」)で、↑『悪の教典』

”読みはじめたらとまらない徹夜本だよ〜”

って紹介した
じゃんね。


本書『エンタテインメントの作り方』には、
貴志祐介さんがじぶんの著作を解説している部分がいくつかあります。
そのなかのひとつに、↓こんな項目がある。

”一気読み”を狙った『悪の教典』

「第四章 文章作法」より


まさに狙いどおりの一気読みをさせていただいて、
イッキ読み必至だよ〜とレビューしてしまった
わけだけど。
驚きはそれだけじゃない。


おなじ記事のなかで、
主人公への印象がぐるっと変わって、そこからが面白い
……みたいな話をしましたが。


この反応も、じつは、作者の計算どおりだった。


第一章とその後の章で、主人公(蓮実)に対するとらえ方を変えてもらう手法である。

「第四章 文章作法」より



ほかにも、細かい例を挙げるときりがないのですが、もうね。
なんというか。


本書の『悪の教典』の解説を読めば読むほどに、
いかに自分が”狙い”どおりの反応をさせられていたか、わかる。


自分なりのレビューを書いたつもりだった。
でも、それは
掌のなかで踊っているだけだった。



書き手というのはここまで精度高く読み手をコントロールできるのか、
とびっくりした次第です。





☆★☆



ところで。
本書の「まえがき」では、頼山陽の有名な歌がでてきます。


京都三條の糸屋の娘
姉は十六妹は十四
諸国大名は弓矢で殺す
糸屋の娘は目で殺す



↑これね。
起承転結の例として、いろいろな本で引用されている和歌です。
以前の記事(【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】)で紹介した久美沙織さんの本↓でも引かれていました。






頼山陽のこの歌を、
貴志祐介さんは、これじゃいかん、と改変します。

京都三條の糸屋の娘、姉は十六妹は十四
 諸国大名は弓矢で殺す、糸屋の娘は吹き矢を使う


「まえがき」より


歌として劣化してるけどね、みたいなみたいな照れ笑いをしつつ、
貴志祐介さんは、力強く言います。

これから小説を書こうという方には、どうか「目で殺す」というような想像力のかけらも感じられない文章には怖気をふるっていただきたい。

「まえがき」より

きれいに落としたでしょうと言わんばかりの、したり顔(今でいうドヤ顔)は、あらゆる分野のクリエイターにとって敵であると承知してほしいのだ。

「まえがき」より


↑前半で述べた「作者の計算どおりだった話」よりも、
”驚き度”は高かったかもしれない。私のなかでは。


小説にかぎらず、あらゆるジャンルのクリエイターにとって、
「目で殺す」をしっかり導くだけでもなかなか大変なことだと思う。
でも、そんなレベルで終わるな。
むしろ、目で殺すことに怖気をふるうくらいの感性を持て。


……座右の書とします。



そんなこんなで今日は



『エンタテインメントの作り方』っていう本が
オススメだよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆




というお話でした。



☆★☆




……。


…………。


…………………………。


…………………………………………。




いや。
これで記事を終えてしまったら目ですら殺していない。

目で殺すどころか、もっとその先へ行け。
貴志祐介さんはそう言ってるんだから。
この記事は、吹き矢を飛ばして締めなくてはいけない。

そうだ。
読書ブログらしく、ラストも本の紹介でいこう。











……。


…………。


…………………………。



いや、そういうことじゃないから!
的な?



……ううん。
この程度のオチなんて、たぶん目で殺しているレベルなんだよね。
ちゃんと吹き矢を飛ばせるよう精進します

吹き矢どころか、大砲、いや……

糸屋の娘は生物兵器を開発する

くらいの勢いで。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】
最近読んだ「小説の書き方」本10冊〜文章力をめきめきアップさせるために



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2016年11月12日

最近読んだ「世界観が独特な」本10冊

 
今日のなぞなぞ
「世界観がユニークな10冊は?」

P1610598done.jpg

雑食家のみなさま、こんばんは。
私も雑食ですv


今日は最近私が乱読したなかから
”世界観が独特な10冊”をぷちレビューしていきます。

以前の記事(【徹夜本】地下東京に広がる腐海――貴志祐介『新世界より』の社会システムと生態系がすごい)で紹介した『新世界より』がとてもよかったので、
ユニークそうな本に食指が引き寄せられてしまうこの頃(笑)。


お口にあう書はございますでしょうか?


 澁澤龍彦の再来


芥川賞作家による”偏愛”に満ちた読書案内。純文学から漫画、奇書、珍書……「文学の魔導書」とのキャッチコピーどおりレアグルーブ(※)たっぷりのセレクトで、本書じたいがあるイミ奇書。澁澤龍彦さんの一連の仕事を思わせるアングラ&フェティッシュ本。

※ 埋もれて忘れ去られてしまった昔の作品の発掘、再評価。音楽の用語です。

 戦後カオスの素描


「闇市」を描く文学作品を集めたアンソロジー。外貨、盗品、転売品。男色あり女装あり、近親相姦、刺青、精神病院……戦後の日本はここまでカオスだった。全集にも収められていない作品が載っていたり「解説」も優れていて、資料的価値も高い1冊。収録作品は↓以下。

〈経済流通システム〉
「貨幣」 太宰治
「軍事法廷」 耕治人
「裸の捕虜」 鄭承博

〈新時代の象徴〉
「桜の下にて」 平林たい子
「にぎり飯」 永井荷風
「日月様」 坂口安吾
「浣腸とマリア」 野坂昭如

〈解放区〉
「訪問客」 織田作之助
「蜆」 梅崎春生
「野ざらし」 石川淳
「蝶々」 中里恒子


「裸の捕虜」は『夜と霧』のような収容所文学かつ『破獄』 を思わせる脱獄もの。「日月様」は女装と日常のミステリ。「浣腸とマリア」は男娼と近親相姦。「蜆(しじみ)」は闇屋を”開業”するまでの心の動きを丁寧に描いた傑作短編。

 女王と奴隷の輪舞


テーブルを囲み。プレイされるは命を賭けたババ抜き。知力を尽くして”イカサマ”を繰り出す頭脳戦が読みどころ……ですが、それ以上にババ抜きシーンの異形さに目を奪われる。反発しつつ”女王様”に服従する悦びを知る主人公……SM好きさんにオススメだよ☆

 渋谷の異能少女


オカルトぶくみの本格ミステリ。卒業制作で映像を撮る主人公が、謎の少女と出逢う。彼女は”悪意”を感知して犯罪を未然にふせぐ能力を持っていた……。以前の記事(最近読んだミステリ10冊〜本格から社会派まで〜)で紹介した↓『消失グラデーション』と同様、緻密で巧みな構成力がきらきら光っています。どんでん返しも鮮やか。


 メルヘン世界の論理系


「不思議の国のアリス」の世界でおこる連続殺人。原作をオマージュしたナンセンスな展開やセリフまわしがめっちゃ楽しいですv 荒唐無稽な話かと思いきや、じつはこの世界観ならではのロジック体系が存在していて、理詰めで考えれば犯人を指摘できる本格ミステリ。

 異形と異形のファブリック


再読。再再読。いえ、再々再々再々……読。大好きな本です♪ 時計中毒の主人公。顔面が文字盤の少女。サカナ男。舞台は横浜〜元町〜山手〜大船〜鎌倉のあのへんなのですが、幻想が入り混じっていて、根岸線沿線は完全に異世界と化している。異形なキャラクターと異形な風景の果てに、強烈などんでん返しがある。すごい本です。

 姥捨て山のコミュニティ


その村にはひとつの掟がある。70歳を過ぎた人間は「山に捨てなければならない」。一方、捨てられた老人たちは、過酷な自然のなかで「デンデラ」という共同体を築いていた。
とぼしい資源から生み出された”文明”がとてもユニーク。サバイバルエンターテイメントです。

 異形文化の風景


いくつもの町を訪ねては去る旅人の物語。それぞれの町が独自の栄え方(衰え方)をしていて、景色もユニーク。たとえば、風ノ町では大量のかざぐるまが洞窟に堆積していたりする。異文化の国々を旅をした気持ちになる一冊です。↓「キノの旅」が好きな人にオススメ。あ、でも文章はライトノベルっぽいわけではなくて。むしろ濃密。ミステリ要素も強い。


 「愛」の誘引力


『ザ・シークレット』と対をなす、引き寄せの法則本の名作です。本書のテーマは「愛」。起こることのすべてに、愛の力が働いている。引き寄せはとっても複雑な概念であると同時に、めちゃくちゃシンプルな原則だとも思います。”掴んで”しまえば、あっけないくらいの。引き寄せ本大好きな私が、とくに推したい一冊。


追記)
ロンダ・バーン氏のこのシリーズから一冊追加♪
『ヒーロー』のテーマは「夢」です。本書は引き寄せというよりも、夢に向かって一歩一歩進んでいくことの大切さを説いています。踏み出すこと、心構え、成功者の体験談……夢を追うすべてのひとが共感し、参考にできる自己啓発本。


 この世界の真実


手術という科学的方法はもちろんのこと、呪術的な能力でも人を治癒することができる医師の物語。ヒーラーやシャーマンがでてくる……というとスピリチュアルなファンタジーかと思われそうですが、田口ランディさんの小説は文化人類学や超心理学的アプローチの裏づけがある。未熟児のアイちゃんと対峙するシーンは圧巻。目に見えない世界の真実が、あなたに心身に流れこんできます。




お口にあう本はございましたでしょうか?


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか


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