2015年02月14日

バレンタインには世界を呪え―― Valentine's Day に読みたい本10冊

 
今日のなぞなぞ
「バレンタインに読みたい本ベスト10は?」

P1520338done

リア充のみなさま、こんにちは。
あんど、ふぁっくゆー。


……というわけで、
「バレンタインに読みたい本10冊」をまとめました。

当ブログで紹介したことのある本を中心に、
”世界を呪ってる度”を基準にセレクト。


以前の記事(バレンタインデーにはロックを聴け!)では、
バレンタインに聴きたい音楽も特集しています。

バレンタインデーにはロックを聴け!


聖ウァレンティヌスが殉教した(とされる)今日。
世界の深淵にふれる10冊をど〜ぞ〜♪


  第10位


「いつかどこかで、あなたは誰かを嫌いになります」。人間のなかにある暗い感情をひたすら突いていく、”子供に見せたくない絵本”ナンバーワン。挿し絵も素晴らしくホラーです。バレンタインにぴったり。

記事(最近読んだ「世界観がダークな」本10冊)より。

  第9位


新製品のチョコレートを試食した夫妻。夫は助かったが、妻が死んでしまう。「犯罪研究会」のメンバーたちが難事件に挑む、ミステリへの批評性をふんだんに含んだ名作です。チョコなんか、欲しくなくなるね。

記事(【名探偵】ミステリの古典的名作30冊【名推理】)より。

  第8位


恋愛をすることで「人生の浪費」をしていませんか? あえて別れることが、ほんとうの幸せにつながるかもしれません……という本。バレンタインにこそ読みたいね。

記事(本を推薦するということについて)より。

  第7位


ハンバーガー店にいた男女。ひょんなことから心と体が入れ替わって、殺し合います。性別も年齢も、恋人同士も関係なく、チェンジ&シャッフル。読み始めたらとまらない本格ミステリです。このカオスは、バレンタインにふさわしい。

記事(【ロジック】新本格ミステリの名作100冊【プロット】)より。

  第6位


「あなたの無邪気さを破壊したい」……。お笑い芸人・鳥居みゆきさんがすさまじい文才で放つ、呪詛と妄想の物語。ほんとうは、みんなもこういう感情、持ってるよね。笑顔で隠してるだけだよね? ↓以下、引用。

子供の頃、線路に置き石をしたんです。
事故にはなりませんでしたが、
あのスリルが忘れられなくて。
でもこの歳で捕まりたくないですからね。
だから近頃は置きグミなんです。
グミはね、跡形もなくなるんですよ。でも知ってますか?
香りだけが残るんです。


  第5位


人は”合理的な経済人”であるはずなのに、かくもカンタンに感情に左右される。さっぱり売れない商品も、キャンペーンひとつで爆発的にヒットする。くだらないイベントに踊らされてるヤツらを嗤いとばすための、理論書。

記事(カモる人、カモられる人〜行動経済学(行動ファイナンス)のススメ)より。

  第4位


わかってる。ほんとはみんな、満たされてない。20代の性愛を著者がフィールドワーク(インタビュー)します。リア充なんて都市伝説であることを証明するための論拠。バレンタインにこそ向き合いたい、現代の「生きづらさ」の問題集。

記事(最近読んだ10冊V)より。


  ランキング圏外


トップ3の発表の前に、ランキング圏外から3冊紹介。


ロックでエッジな漫画家、山田玲司さんの対談マンガ。山田さんがあらゆる人に「絶望の時代を生きる処方箋」を聴いていきます。どん底から立ち直れるパワーをくれる。世界を呪うというよりは「希望の本」なので、圏外。

記事(絶望に効くクスリ……は存在するか?)より。



思うとおりにならない世界に対して、自分の心がどういう反応をしてゆけばいいのかを教えてくれる1冊。ふかい洞察と社会批評を感じさせる、メンタルヘルス本です。オススメだけど、どちらかというと「世界を呪う力を弱める」本なのでこちらも圏外。

記事(最近読んだ10冊V)より。



社会も人間関係も、すべてのイミが解体されればいい……そう願うあなたに。意味をなさない言葉とイラストがえんえんと楽しめる、絵本・詩集です。「世界に対してどこまでも中立な」本なので、ランキング圏外。

記事(最近読んだ「文字の少ない」本10冊〜右脳を活性化させるために)より。



  第3位


「かわいさ」がこの上ない価値を持つ、荒廃した郊外の町。腐った「夢の国」から抜け出した着ぐるみの少年が、狂った人間関係を築き、イタすぎる人生を謳歌します。”いやな感じ”たっぷりの、伝説の名著。バレンタインらしいメルヘンですね。

↓小説版はこっち。私は↑のノベルコミック版の方が好きです。



  第2位


71歳の吟子さんと同居することになった「わたし」。居心地のいいともわるいとも言えない、あいまいな空間で、オトナでもコドモでもない時間が流れる……。ただそれだけの話だけど、ひたひたと文章が心に沁みこんでいく。しんみりしたいときいつも、私はこの本をひもときます。

追記)
青山七恵さんの作品について語った記事をかきました↓。

最近読んだ純文学(J文学・L文学)10冊〜青山七恵さんの”ぼっち文学”について

  第1位


「私の微笑みは自然に見えますか?」。バレンタインとか関係なく、強くオススメしたい1冊。ただし、共感しすぎないように注意して。二階堂奥歯さんは編集者。2003年、ウェブに遺書を残して自殺しました。本書は、ウェブ日記を書籍化したものです。

その感受性ゆえ、世界の際の際、淵の淵までのぞきこんでしまう、そして。うずに吸いこまれるように、死のまわりをぐるぐる行ったり来たりする。文章がぞっとするほど真に迫ります。たとえどんなに幸せなときでも、すぐ隣には「銃弾の間を縫うように」生きているひとがいるかもしれない。


↓以下は引用です。

何不自由なく満ち足りたこの世界で私はなぜだか戦場にいるような気がします。
ほんの小さな失敗でもしたら私はここにいることを許されなくなってしまうような気がします。
挨拶はきっと複雑な合図で、それを間違えれば即座に虐殺されるような気がします。
私をかこむ隣人達の中に入っていくとき、砲弾の飛び交う中を進んでいく気がします。
時限爆弾を解体するかのように息をつめて仕事をします。
世間話をしながらも銃弾が耳を掠める音が聞こえます。
私の微笑みは自然に見えますか? 口の中には恐怖の味がします。


記事(最近読んだ「世界観がダークな」本10冊)より。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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2015年01月24日

【攻め受け】BL(ボーイズラブ)漫画・小説の定番9冊【リバース】

 
今日のなぞなぞ
「ボーイズラブの名作は?」



「BL(ボーイズラブ)漫画・小説の定番9冊」をまとめました。
↓リストは↑『腐女子化する世界』で紹介されていた9冊です。
(短い紹介文はこのブログのオリジナルです)

紹介されている……といっても、
各章の扉にさらっと表紙の写真が載っているだけで、
本書はあまり作品内容には言及していません。


著者の杉浦由美子さんは、雑誌「AERA」や書籍『オタク女子研究 腐女子思想大系』などで
腐女子の存在を広く一般に知らしめた立役者でもあるライターさん。

ジャーナリズムの文脈で「腐女子」がどんなふうに語られているのか。
そのへんに興味のある社会派のあなたに、オススメ♪


それでは、
執事からオヤジものまで、ボーイズラブのサブジャンルを切り拓いた
定番ちゅうの鉄板
9冊をど〜ぞ〜♪


 1.



男子校にうずまく欲望とジェラシーの渦。転入生のヒロは、寮でリカと同室になったことから、集団私刑(リンチ)を受けることに……。暴力、セックス、トラウマ。甘い恋じゃものたりない、魂がふるえるほどの愛を読みたいあなたに。


 2.



ニューヨークに住む日本人男性ノブの成長物語。NY市警刑事シドニーとへの友情と愛が、美しく繊細なタッチで描かれます。欲望だけじゃない、精神性こそがボーイズラブの本質だ。全22巻、完結。


 3.


耽美、JUNE……むかしから執事と主君の関係性に女子は萌えていたけれど、執事ものがひとつのジャンルとして定着したのは、この頃からかな。よしながふみさんの美麗な描写に酔いしれてください。歴史BLの名作。


 4.


BL作家とキュートな高校生のラブレッスン。先生と生徒、年上年下……シチュエーション萌え。アニメ化もされた名作です。「純情シリーズ」の第1作。18巻まで出ています。


 5.


やおい大好きなオタク女子に恋をしてしまった、フツーの男子高校生。彼の運命やいかに!? ボーイズラブではなくヘテロな恋愛だけど、やおい文化満載のかけあいが楽しいコメディ漫画。実写化もされました。全7巻、完結。


 6.


強い男に「処女」を捧げようと旅をする、ネコ侍。理想の男タチを狩りまくります。タイトルからすでに出オチを狙った(w)BLギャグ漫画の最高峰! もう萌えとかどうでもいいんでひたすら笑いころげてください。映画やドラマの「猫侍」とはべつの作品です(笑)。


 7.


交響楽団を舞台にした、音楽系BL。指揮者とバイオリニスト……愛と反発の上下関係がツボる。ロングセラーの「富士見二丁目交響楽団シリーズ」の第1作です。↓漫画版も人気。



 8.


「お父さんを僕にください!」。上司と部下であり、義理の親子でもある、耕造と謙二郎。中年受けの中年攻め。オヤジだらけのパラダイス。オヤジものの代表作です。攻め受けが逆転するリバーシブル(リバース)があります。


 9.


超エリート学園に入学してしまった、超平凡な少年。くすりと笑えてほろりと泣ける、学園ラブコメの定番作品。アニメ化も舞台(ミュージカル)化もされた、超人気BLゲームのコミックス版です。


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ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか



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2014年12月09日

【リスクリターン】投資をはじめる前に読みたい15冊【キャッシュフロー】

 
今日のなぞなぞ
「投資をはじめる前に読むべき本は?」



「投資をはじめる前に読みたい15冊」をまとめました。
↓リストは↑『投資戦略の発想法』で紹介されていた15冊です。
(短い紹介文はこのブログのオリジナルです)

著者の木村剛さんのオススメ本なのですが、
ほかの多くの専門家や読書家の方も推している「鉄板本」ばかり。

すでにこのブログで紹介している書籍もかなりあります。

(同書の末尾の「投資便利手帳」では、
投資情報をゲットするのに使える、114個のウェブサイトのURLを掲載しています。
こちらも超便利)


木村剛さんは言います。

残念ながら、書店で平積みになっている投資本の中には、読むに堪えない悪質のものが多く混入しています。
「第4部 戦術編 騙されない術を身に付けましょう」より


投資の勉強本こそ、評価の定まった定番から!
入門書としてもステップアップとしてもオススメな、名作15冊をど〜ぞ〜♪




 1.


アクティブな資産運用は、市場の平均パフォーマンスには勝てない。短期投資は長期に勝てない。資産運用本のロング&ベストセラー。定番中の定番です。

 2.


ランダム・ウォーク=次に現れる位置が確率的に無作為で、なんの規則もないこと。ランダムを御するより、統計的事実に乗りこなせ。投資家の心理学にもふれている名著。こちらもロング&ベストセラーです。

 3.


インデックスファンド(※)の先駆、バンガード・グループの創設者による資産運用本。最小のコストで最大のリターンを見込むなら、インデックス投資!

※ NYダウ平均株価や日経平均株価など、市場の指数に連動することを目指して運用される投資信託のこと。

 4.


株式投資は芸術行為である。クレヨンで説明できないアイディアはダメ。伝説のファンドマネジャーによる投資哲学書です。個人投資家のハートに火をつけてくれる、ロングセラー。

 5.


自分が理解できる企業を、安く買って、持ち続ける。みんなが憧れる投資家のアイドル、ウォーレン・バフェットの手法を解説する「バフェット本」の名著。新版は↓こちら。



 6.


金融の現場を知りつくしている山崎元さんが、金融&資産運用リテラシーを教えてくれる本。殖やすのではない。減らさないことがなにより重要。運用手法より先に知っておきたいことが満載。

 7.


経済評論家、勝間和代さんの金融リテラシー本。世のなかにはどんな金融商品があって、それぞれどんな特徴を持つのか。基本中の基本をもれなく押さえている、ベストセラー書です。

 8.


小説家の顔ももつ、日本経済新聞社の田村正之さんによる投資理論書。ジャーナリスティックというよりは投資家目線、生活者目線。支出コントロールは、確実なリターンが見こめるノーリスク投資なのです。

 9.

投資は世のため自分のため 長期運用の先に広がるおもしろい世界
澤上 篤人
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超長期投資を推奨する「さわかみ投信(ファンド)」の澤上篤人さんによる投資哲学本。手法ではなく、考え方・哲学です。それがいい。あなたはなぜ投資をするのか、本書と一緒に考えてみましょ。

 10.


美貌のファンナンシャルプランナー・竹川美奈子さんが警告! 多くの投資信託は販売者(金融機関)有利な商品設計になっている。買えば買うほど手数料やコストで損をする。業者に利用されないリテラシーを身につけるために。新版は↓こちら。



 11.


タイミングでも運でもない。アセットアロケーション(資産配分)こそが、すべてを決める。長期で資産をじっくり殖やしていくために、読んでおきたい1冊。

 12.


短期的に殖やすのではなく、長期で減らさないことがいちばん大切。複利の力を味方につけよ。資産運用リテラシーのすべてを教授してくれる、ロングセラーです。

 13.


タイトルが秀逸な資産運用リテラシー本。皮肉やユーモアにあふれた、辛辣な語り口が魅力的。政府や保険商品、住宅ローンがぶった斬られまくります。

 14.


資産とは君のポケットにお金をいれてくれるもの。負債は、君からお金を奪っていくもの。たくさんの人を投資に目覚めさせ、今現在ももっとも売れ続けている、ロング&スーパーベストセラー。マネーリテラシーの聖書です。読んでなきゃヤバい。

 15.



歴史、精神史を俯瞰しながらリスクリテラシーを学べます。投資だけじゃなく、ビジネスや人生に効く良書。あらゆる知識人、読書家、書評家、マネーの専門家……が諸手をあげて推薦する、名著ちゅうの名著。




ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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2014年10月15日

【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】

 
今日のなぞなぞ
「『小説の書き方』本ベスト10は?」

P1460219done

「作家志望者が読まなければいけない『小説の書き方』本10冊」をまとめました。
実作における”使いやすさ”と
たんなる文章技術にとどまらない”奥深さ”を基準にセレクト。

厳選に厳選を重ねた『小説の書き方』本の名作10冊。
執筆のお供にど〜ぞ〜♪




 第10位


コバルト作家、久美沙織さんの小説指南本。受講生の作品を添削するという形式ですが、個別的な指導をはるかに超えた普遍性があります。新作を書きはじめるまえに、毎回読み直したい1冊。↓続編も出ています。




 第9位


いかに主人公を追いつめるか、キャクターの重要性、中だるみの回避……「売れる」作品のからくりがどんどんおおっぴらになっていきます。作家志望者を甘やかさない厳しい語り口で、徹底したプロ意識を叩きこんでくれます。エンターテイメント小説作法の決定版。

 第8位


書きかけたまま未完成の作品があるあなたへ。物語の見取り図を描く技術を手とり足とり教えてくれます。とてもシステマティック。エンターテイメント作品の方法論ですが、もちろん純文学にも応用できる。「最後まで書きあげる」ことはなによりも大きな力なのだ。

 第7位


世界的なベストセラー作家、スティーヴン・キングの著作です。技術論もさることながら、じぶんの作品の解説や自伝的要素も強く「作家が、文章を書くことといかに向かいあってきたのか」を知ることができる。本書を読みながら、”なぜ自分は小説を書くのか”について考えてみましょ。新訳版は↓こちら



 第6位


43人の現役&売れっ子ミステリ作家が、みずからの創作論を赤裸々に語る。ものすごく価値のあるオムニバス本です。きっとあなたに合った方法が見つかるはず。乙一さんの「プロットの作り方」や朱川湊さん「真ん中でブン投げろっ!」は、何百回でも読み返したい。

 第5位


文芸評論家のすが(糸偏に圭)秀実さんと渡部直己さんによる、小説指南本。ブックガイド・批評の体裁を取っていますが「作家がどのように自分の”文学”を打ち立てているか」を見てゆく本です。文学が終わったとささやかれる時代に、いかに文学を生成するか……という問題意識。読書案内としても実作支援としても優秀。新版は↓こちら。



 第4位


編集者の村松恒平さんが発行しているメールマガジン。その読者との対話の記録。文章技術についての単純なQ&A……かと思いきや、質問と回答を通して「書くこと」についての本質の本質にまで迫っていく。文章を書くことが自分の心や魂を傷つけていく可能性、などにも言及しています。書くのがつらい……そう感じたことがあるあなたは、一度この本をひもといてみてはいかがでしょう。

 ランキング圏外


トップ3の発表の前に、ランキング圏外から3冊紹介。


小説を書きたがる人々をタイプ別に分類し、やりがちな行動をまとめています。あるある本。はたして自分は典型的なパターンに陥っているかいないか!? ワナビのあなたは心して読んでください(笑)。面白いですが「小説の書き方」本ではないのでランキング圏外。



とてもいい本です。実用性はあまりないかもしれないけれど、奥深い。ただし、本書を読んでたちあらわれてくるのは高橋源一郎さんの問題意識であり、高橋源一郎さんの方法です。私たちはそれこそ本書で強調されているように「自分で小説というものを掴まなければならない」。名著ですが、あえて圏外にさせていただきました。


書きあぐねている人のための小説入門 (中公文庫)
保坂 和志
中央公論新社
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高橋源一郎さんとおなじ理由でこちらも圏外。純文学系の方の本は作家の個性が色濃くあらわれているだけに、評価が難しいです。逆に、小説指南本ではなくエッセイとして、参考文献的に読めるのであればぜったいに手もとに置いておきたい1冊。言葉を扱うのなら、言葉の自明性を徹底的に疑いましょ♪



 第3位


神話や民話の構造分析をとおして「人が気持ちいいいと思う物語」とはなにかを考えていく第一部。第二部では30個の質問にひとつずつ答えていくだけで、物語がつくれる。実用性という点ではこの本の右に出るものはありません。文学・エンターテイメントを問わず、オススメです。↓『キャラクターメーカー』とセットでどうぞ。



 第2位


文豪・谷崎潤一郎が”良い文章”を鑑賞し尽くします。いろいろな作家が「文章読本」を上梓しているけれど、谷崎読本が一番オススメ。もちろん、絶対的な名文の基準があるわけではありません。おいしい文章を精読し、良い文章とは何かを考える……その繰り返しが人を作家に育てていくのだと思う。

 第1位


技術論・精神論……どれをとっても記述が奥深く、文章もおいしい。小説指南書でありながら、ユーモアあり。情熱あり。起伏あり。皮肉あり。本書じたいがベストセラーで、エンターテイメントというすごい本。この本を読まなければはじまらない。「小説の書き方」本の最高峰!




 番外編


ベスト10のあとは、「番外編」としてキラリと光る名品をご紹介。
執筆に役立ちそうな資料・ネタ本を選んでみました。




思わず全巻そろえたくなる、新紀元社の「Truth In Fantasy」シリーズです。幻獣、神話、武器防具、コスチューム、歴史、魔法、占術……。ライトノベルやファンタジーを書くときにあると便利な資料がめじろ押し。イラストが綺麗で、たとえ使わなくても読んでいるだけで楽しいですv




物語とキャラクターの”王道”を集めた本。たかが定型、と見過ごさないで。定型を崩すのは定型を自在に使えるようになってからでも遅くないのです。眺めているだけで、どんどんアイディアがあふれてくる、ネタ出し本。



デザイナー向けの本ですが、すべての人に応用できる。あたらしい企画とは、なにかとなにかを組み合わせること。新作のアイディア出しやキャラクター造形に、マトリックスの手法が参考になります。



取材のお供に。調べものをするとき、まずどんな本から当たればいいか迷うことも多いと思います。そんなときは本書が紹介するレファレンス本(参考図書)が役に立ちます。



こちらも取材のお供に。図書館に特化したレファレンス案内です。




※ 以前の記事(最近読んだ「小説の書き方」本10冊〜文章力をめきめきアップさせるために)でも「小説の書き方」本を特集しています。
良品ぞろいなので、よければあわせてご覧くださいv
(とくに『推理小説入門 』(光文社文庫)がオススメ!)

最近読んだ「小説の書き方」本10冊〜文章力をめきめきアップさせるために




ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

最近読んだ「小説の書き方」本10冊〜文章力をめきめきアップさせるために
【文学】ライトノベルを「研究」するための参考文献19冊【社会学】
『エンタテインメントの作り方』を読んでびっくりした話
【語り手】文学理論を学びたい人のための15冊【テクスト論】
わかりやすく”伝わる”表現の16のルール









 
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2014年10月03日

【語り手】文学理論を学びたい人のための15冊【テクスト論】

 
今日のなぞなぞ
「文学理論を学ぶために必読の15冊は?」




「文学理論を学びたい人のための15冊」をまとめました。
↓リストは『文学理論』の訳者あとがきで、富山太佳夫さんがオススメしている15冊。
(短い紹介文はこのブログのオリジナルです)

「理論意識の明確な、文学批評の本」としてチョイスしたそうですが、
文学研究を超えて、現代思想や哲学を学ぶうえでも役立ちそうなラインナップ。
数えきれないくらいの書籍や論文で引用・言及されている、鉄板本ともいえるリストです。

すこし専門的ですが、「言葉」を身近なものとしている読書家のあなたなら、
意外なくらいすんなり読めると思います。
(文学部の学生や文系の大学院生なら必携!)


読書の秋。
ちょっと背伸びして、専門書をひもといてみてはいかがでしょ♪

 1.ニュークリティシズム

曖昧の七つの型〈上〉 (岩波文庫)
ウイリアム・エンプソン 岩崎 宗治
岩波書店
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曖昧の七つの型〈下〉 (岩波文庫)
ウィリアム エンプソン
岩波書店
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ニュークリティシズム(※)を切り拓いた、文学理論家ウイリアム・エンプソンの代表作。シェイクスピアなどの詩の分析をとおして、”多義的”であろうとするテクストの性質と向かい合う。近代文学理論の始祖ともいうべき名著。

※ 1930〜40年代にアメリカで興った新しい文学批評の流れ。作者の意図や歴史状況などを離れ、作品(テクスト)じたいを「客観的」に分析することを志向する。

 2.現象学

人間的時間の研究 (1969年) (筑摩叢書)
井上 究一郎 ジョルジュ・プーレ
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作品内の時間や空間は、「意識の世界」で起こっていることが記述されたものである。主体と客体、意識と世界の分離を問題にする、現象学(※)的批評の代表作。ぜんぶで4巻ありますが、手にはいりにくいので古本か図書館で。

※ 20世紀初頭、おもにフランスの哲学者フッサールによって打ちたてられた学問的方法論。我々の認識の外に現実世界が存在するという”常識”をいったん判断停止(エポケー)し、純粋な意識をとおしてものごとを知覚する。

 3.比較文学


ミメーシス―ヨーロッパ文学における現実描写〈下〉 (ちくま学芸文庫)
エーリッヒ アウエルバッハ
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文学における描写は現実の模倣(ミメーシス)であるとし、新旧の文芸作品の文体分析を行う。ホメロスからプルーストまで、ヨーロッパの精神史を俯瞰。

 4.構造主義


バルザックの中編「サランジーヌ」の文学理論的分析。テクストの”意味”がいかに産出されるかについて、言語・精神・社会など読者が前提としているコード(※)に目を向けます。構造主義(※)的分析の実践。

※ 情報伝達において、その社会の人々が共有している約束ごとのようなもの。
※ 1950〜60年代におもにフランスで展開された知的態度の総称。ソシュールの言語学を起点とする。レヴィ・ストロース(文化人類学)、ロラン・バルト(文化研究)、ジャック・ラカン(精神分析学)、ミシェル・フーコー(思想哲学)など。


 5.テクストの空白


テクストはそれ自体が直接言及していないものを内部に持つ。余白こそを読みこむ、今日の文学研究の理論的礎。

 6.ポスト構造主義


芸術はそこで習得されるシーニュ(※)によって本質、真理へと接続していく。プルースト『失われた時を求めて』の分析です。知識や全体性、主体に懐疑の目を向けるポスト構造主義(※)的な文学批評の代表。

※ 記号論では、シニフィアン(意味するもの)とシニフィエ(意味されるもの)の対としての言語的記号をいう。本書ではこの概念をさらに広く芸術全般に応用している。
※ 構造主義というレッテルから距離をとりはじめた思想家たちの一連の仕事をいう。1960〜70年代、おもにフランスにおける思想運動。バルト、ラカン、フーコー、デリダ、ドゥルーズ、リオタールなど。


 7.脱構築(ディスコンストラクション)

狂気と文学的事象
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ショシャナ フェルマン
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現代思想や文学作品と対峙し、言語であらわせないものを言語であらわそうと尽力する「テクストの狂気」について論じます。イェール学派(※)の才媛による刺激的な文学理論書。

※ ジャック・デリダの脱構築(ディスコンストラクション)理論を文学理論として確立したアメリカのイェール大学の思想家グループ。ポール・ド・マンを中心とする。

 8.イェール学派

小説と反復―七つのイギリス小説
J.ヒリス・ミラー
英宝社
売り上げランキング: 1,102,452

小説における「反復」論。ヴァージニア・ウルフなどイギリス文学の分析です。↑のフェルマンとおなじくイェール学派。

 9.ポストモダン


テクストは原理的にはあらゆる解釈をゆるす「開かれた」ものである。一義的に閉じようとする態度に対し異議を申し立てる、ポストモダン(※)的文学理論。

※ 機能や合理性に重きを置く近代主義(モダニズム)を批判する運動の総称。建築の分野で興ったが、現在ではあらゆるジャンルの知的創作的態度について用いられる用語。

 10.ポリフォニー(多声楽)、カーニバル


ポリフォニーとカーニバル。現代文学理論においてとても重要なふたつの概念を提示しています。前者は真に異なる価値や人格が”多声的(ポリフォニック)”に作品内に存在していること。後者は聖と俗などの対立が反転・無化する物語空間。

 11.新歴史主義(ニューヒストリシズム)


ルネサンス(※)の分析をとおし、文化の盛り上がりに即興演技(アドリブ)をみる。既存のものを利用し、散らばる素材を都合よく自らの言説にまとめあげ、できあがったものが再帰的に既存のものすらも変容させていく。文学は社会の反映ではなく、ときには社会に敵対するエネルギーを秘める。新歴史主義(※)批評の代表作。

※ 14世紀にイタリアで興った文化復興の運動。
※ 従来の歴史主義を批判する歴史記述の態度。言説と主体、文学と歴史の階層的因果関係や対立性を否定する。フーコーの影響を強く受けている。


 12.作家性

『カフカの衣装』
マーク・アンダーソン(著)、三谷研爾(訳)、武林多寿子(訳)
高科書店

フランツ・カフカの作家論。いかにしてモチーフや文体を獲得するにいたったかを試行錯誤を含めて追いかけ、その作家性を論じます。非常に手にはいりにくいので、本書訳者の三谷研爾さん『境界としてのテクスト』も紹介します。同書の第2章「歴史/受容」で「覚え書き」として『カフカの衣装』が言及されています。



 13.ポストコロニアル理論

文化と帝国主義〈1〉
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エドワード・W. サイード
みすず書房
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文化や社会においても西洋の言説が覇権をふるうポストコロニアル(植民地主義後)の時代、文化的支配は被支配地に雑種(ハイブリッド)なアイデンティティを形成させる。支配の手段として、あるいは抵抗の武器として用いられる”言葉”の作用を浮き彫りにします。ポストコロニアル理論(※)の代表作のひとつ。

※ ヨーロッパによる植民地化とその余波が提起した問題系を理論的に捉えようとする思想の総称。

 14.ジェンダー研究、フェミニズム理論


シェイクスピアなどイギリス文学の分析をとおし、社会に存在するホモソーシャル(異性を暗黙裡に排除しようとする同性同士の”絆”)な制度とホモフォビア(ヘテロセクシャル(異性愛者)がもつ同性愛嫌悪の感情)の脅迫をあぶり出します。マイノリティ研究やクィア理論(※)に通じる、ジェンダー(社会的性別)研究のバイブル。

※ 同性愛者への蔑称である「クィア(Queer)」を自ら肯定的に引き受けることで、社会が内にかかえる差別的制度の構造を明らかにし相対化する。マイノリティ解放の理論的実践方法。

 15.都市空間


江戸〜明治の日本文学を”都市”をキーワードに精読する。明確な理論意識のもと、物語世界を都市空間のなかに捉えなおす方法論を提示した、あるいは新たな都市論を構築した、名著です。




あきか(@akika_a


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