2020年04月30日

真実とは何か。(フェイク)ドキュメンタリー映画と関連本10コから考える


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時事ネタからは距離を置いている(つもりの)ブログなので、だいぶ遠まわりな方法で一石を。
(いつもぜんぜんタイムリーじゃない記事ですみません><)


今日はドキュメンタリー映画フェイクドキュメンタリー作品関連本を紹介していきます。


フェイクドキュメンタリー(疑似ドキュメンタリー)とは……

”虚構のドキュメンタリー”のこと。
「記録映像っぽくフィクションを撮る」手法、作品です。
モック(mock・まがいもの)との造語で「モキュメンタリー」とも呼ばれます。
もきゅ。

いかにも本物のような体裁で、架空の物語が展開していく形式。
大好きなジャンルですv


日々、いろんな情報が更新されて、
社会がすごい速度で変わっていく気配があるけれど。

「事実と虚構の間で揺らぐ作品」たちをみていくことで、あふれる情報に対するみずからのスタンスを洗練させていくことができる。
かもしれない。

あなたの「世界に対するリテラシー」をアップさせる
スリリングな10作品
をど〜ぞ〜♪



 A、A2



まずはフェイクでない方のドキュメンタリー映画を。
オウム真理教の広報担当者さんに密着し、教団の内部を記録した作品です。
地下鉄サリン事件の後のお話。

教団の実情をあばき非難する……という内容ではまったくありません。
むしろ逆です。知れば知るほど、単純に「悪」のレッテルを貼ることはできなくなる。

「A」に登場する警察の”転び公妨”(不当逮捕)のシーンは必見。
権力を行使することのひどさが、これ以上ないほど鮮明に映し出されている衝撃映像です。

「A2」では地域住民と信者との対立が描かれています。
これもひと筋縄ではいかない。
対立しているはずの住民と信者が、しだいに仲良くなっていきます。本の貸し借りとかしたり。

個別の事情をこえて、”差別”や”偏見”といった普遍的な問題におおきく斬りこんでいる傑作映画です。

 FAKE


おなじく森達也監督のドキュメンタリー映画をもうひとつ。
ゴーストライター問題で一時メディアを賑わせた作曲家、佐村河内守さんに密着取材した記録です。
(タイトルは「FAKE」ですが、ジャンルとしてはフェイクドキュメンタリーではありません。ややこし)

佐村河内守さんに寄りそって、彼の葛藤と再生を描く物語……かと思いきや。
エンドロールも終わったラストで、ものすごい展開が待っています。

ネタバレしないように濁していうと、「これまで観てきた(はずの)ものが本当なのかどうかわからなくなる」シーンで終わる。

実際の映像をつなぎあわせても、編集しだいでいくらでも意味は変わってしまう。
記録映像でさえ、いくつでも”真実”が偽造できることを構造的にあきらかにした問題作。

 ドキュメンタリーは嘘をつく


その森達也監督のエッセイ本です。

しつように監督本人が登場したり。
”言わせたいセリフ”をわざとらしく引きだすプロセスまで、あえてカットせずに残していたり。
「A」「A2」でも「FAKE」でも、”作り手の存在”を強く感じさせるドキュメンタリーをつくってきた森達也さん。

本書では、広く映画論を語りながらも、自身の問題意識を明確に提示しています。
ドキュメンタリーはあくまで”主観”で”一人称”である。そして、”嘘をつく”。

<映像>にはありのままの事実が映っていると思ってしまうけれど、提示の仕方しだいで、いくらでも意味は歪む。
世界に対するリテラシーを高めてくれる1冊です♪

 放送禁止歌


もう1冊、森達也さんの本を。

「自衛隊に入ろう」(高田渡)
「網走番外地」(高倉健)
「竹田の子守唄」(赤い鳥)等々……。

テレビ業界には、”放送できない歌”が存在している。
ところが、それらの曲がなぜ放送禁止なのか、明確に答えられるひとは誰もいない……。

……なんだか、まるで小説の紹介みたいですが、本書はノンフィクション。ルポタージュ風の取材記録です。
放送禁止歌が放送禁止になった理由に迫っていくと、ものすごい事実が浮かびあがってきます。

じつは、誰が禁止しているわけでもなかった……。

サスペンス小説のようなスリリングさで、「メディアの自主規制」の問題があぶりだされていきます。
誰も真実を見ようとしない場所が、ある。


☆★☆



ここからは「フェイクドキュメンタリー」作品をピックアップしていきます。

ありのままを映したドキュメンタリーでさえ、”嘘つき”であることを避けられない。
一方で、はじめから「ウソだよ」と宣言しているのがフェイクドキュメンタリー。

名作ぞろいで、私も大好きなジャンルです♪
フィクションだとわかっていても、衝撃的なシーンでは驚いてしまいます。

虚構の世界は、こんなにも本物っぽく構築できる……。

 放送禁止



「あなたには真実が見えましたか?」

以前の記事(最近読んだ「怪談・都市伝説」本5冊【禁忌】読んではいけない本10冊【超刺激】)でも紹介した、フェイクドキュメンタリードラマ。
「隣人トラブル」や「大家族」など、リアルな題材を扱っていて、ぱっと見るとホンモノのドキュメンタリーと誤解してしまうつくりになっています。

映像のなかにはいろんな仕掛けがあって、意味がわかったときに壮大などんでん返しが起こる。
ミステリファンも大満足の作品です。

このシリーズ、実在するデータや専門家へのインタビューなど、”虚構ではないもの”が随所にまぎれこんでいます。
この演出が”ホンモノ”っぽさに拍車をかける。

このドラマが問いかけるテーマは……

事実を積み重ねる事が
必ずしも真実に結びつくとは限らない


表層にまどわされない眼を養うことができる、傑作モキュメンタリー♪

 出版禁止


その長江俊和さんの小説です。
ある映像作家の心中事件の謎に迫った、ジャーナリストの物語。
フェイクドキュメンタリーならぬ”フェイクルポタージュ”のような形式です。

↑「放送禁止」シリーズの面白さをそのまま小説に移植したといえる読後感。
一般的な推理小説以上に”ミステリ”してます♪
緻密な仕掛けとどんでん返しがすごい。
真実はいつも、書かれていない見えない場所にある。

↓第2弾。



 世界残酷物語


今日の記事は邦画が中心ですが、いっこだけ洋画を。
1962年の作品。「モンド映画」と呼ばれるジャンルです。見世物趣味的なフェイクドキュメンタリー。

ゲテモノメニューを出すレストラン。
無理やりビールを飲まされ育てられる牛。
未開の地で、ときおり空に見える飛行機を信仰する部族……。

世界の各国の”衝撃的な”映像をあつめた映画。
デタラメすぎる東京の風呂屋も登場します。

もちろん捏造やヤラセだらけのフェイクなのですが、古い映像とあいまって、なんだか虚実の境を見失ってしまう。
日本の映像こそデタラメだとわかるけど、自分がぜんぜん知らない国の映像の場合、どこまでがウソなのか判断できない……みたいな。
真偽が不明な情報への耐性を養うために、ど〜ぞ♪

↓続編。



ちなみに。
洋画のモキュメンタリーといえば、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」「Rec」「パラノーマル・アクティビティ」などが有名です♪
海外のフェイクドキュメンタリー作品の一覧は、↓後述の『フェイクドキュメンタリーの教科書』に掲載されている「年表」がとても詳しくてオススメ。

 戦慄怪奇ファイル コワすぎ!


フェイクドキュメンタリーを得意とする白石晃士監督のホラー。オリジナルビデオ作品です。
心霊ドキュメンタリーを制作するスタッフたちを襲う怪異の数々を、劇中のカメラによるPOV(主観映像)で描きます。

テレビでよくみる心霊ドキュメントは、不思議な現象が起こったとしてもあくまで「事実」として放送されるけれど。
この作品は「フェイク」なので、記録映像を装いながらも、ありえないことがどんどん起こっていきます。
カメラははっきりと妖怪をとらえ、ときには時空をこえる。

いかにも本物っぽい映像が、”絶対に本物ではありえない出来事”をうつしている。
なんともいえない感覚をおぼえる傑作シリーズですv

「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-02 震える幽霊」
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-03 人喰い河童伝説」
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! FILE-04 真相!トイレの花子さん」
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 劇場版・序章 真説・四谷怪談 お岩の呪い」
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 史上最恐の劇場版」
「戦慄怪奇ファイル コワすぎ! 最終章」


 オカルト


もうひとつ白石晃士監督の映画を。
ある通り魔事件の生き残りの男性に密着取材するフェイクドキュメンタリー。
通り魔に刺された後に、彼が受けた天啓とは……。

あちらの世界とつながってしまった人間は、こちらの世界では「狂人」や「変人」に見えてしまう。
映画ですが、以前の記事(【超心理学】真冬に読みたいオカルト本10冊【ノンフィクション】)で紹介した本たちにつけ加えたい1本です。

でね。
殺人や事故もふくめ、この映画には”衝撃的な映像”がたくさんあるのね。
そのなかのひとつに、

渋谷の上空をカラスの大群が飛ぶシーン

があって。
ものすごいブキミなの。

すごい数のカラス。
フィクション映画だし、「どうせCGで加工された映像でしょ」って思うじゃん。
ところがこれ、本物のカラスたちらしいのです。

↓次に紹介する本で知って、びっくりしました。
呼び寄せる方法があるらしい。

ぜったいにウソだと想っていたことが真実だったりもする。
世界を正確に見るのは、ものすごく難しい……。

 フェイクドキュメンタリーの教科書


その白石晃士さんがフェイクドキュメンタリーの撮り方を解説した1冊。
演出や撮影テクニックがメイン。映像クリエイターのためのハウトゥー本です。
もちろん、白石監督の作品のファンもどっぷりと楽しめる内容。

序章に掲載されている、岡本淳史さん監修の「フェイクドキュメンタリーの歴史」がよくまとまっていて、年表もとても参考になる。

監督は何を意図してどう表現しているのか。
映画づくりの裏側がわかる良書です♪

どう見ても本物にしか見えないUFO映像を作ってフィクションですよと明かして見せた場合、「本物みたい」と喜ぶ人もいれば、「私は本物のUFOが見たかった」と思う人もいる。
「第1章 フェイクドキュメンタリー頂上作戦!」より


あなたは前者? 後者?
それとも、「フィクションですよ」と明かされたその言葉さえ、いったん疑ってみるタイプ?



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a

(冒頭の写真は昭和記念公園で撮ったうちの愛犬です)

【関連記事】

「フェイクニュース」にだまされないための小説3冊と新書2冊
あなたの盲点をあばく「叙述トリックミステリ」10冊
最近読んだ「怪談・都市伝説」本5冊
【禁忌】読んではいけない本10冊【超刺激】
【超心理学】真冬に読みたいオカルト本10冊【ノンフィクション】
最近読んだ「未来の社会・経済を予測する」本10冊
ぜんぶAIが決めてくれる世界ってどう思う?〜人工知能社会での「選択」と「自由」を考える本10冊







posted by akika at 00:41| ネット・情報リテラシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月07日

「フェイクニュース」にだまされないための小説3冊と新書2冊

 
今日のなぞなぞ
「”フェイクニュース”にまどわされないために読みたい本は?」


フェイクニュースとは、真実ではないニュース情報のこと。
偽の情報がSNSなどネット上で”拡散”され、事実がどんどん歪んで伝播していってしまう……現代社会の特性を象徴するキーワードです。


☆★☆



情報は、伝わるたびに劣化してしまう。
話には尾ひれも背びれもつく。
それは伝言ゲームを例に出すまでもなく、ある意味仕方がないことでもあるのだけれど。

ネットによって、間違った情報がものすごいスピードで”拡散”されるようになってしまった。
(自然と歪んでしまうものだけではなく、はじめからデマを流すことを意図しているケースもあるのが問題を根深くしていると感じました)

必死に真実を訴えても、ニセ情報を信じてしまった人までなかなか届かない。
「訂正」というのはそんなに魅力的なネタではないので、当然、広がりにくいんですよね。



ニセのニュースにまどわされない情報リテラシー(※)を身につけるために。
今日は「フェイクニュースにだまされないための本」を紹介します。

※ 読み書き能力。情報を参照する能力のこと。


☆★☆


まず小説を3冊。


『白ゆき姫殺人事件』は湊かなえさんのミステリ小説です。

『告白』『夜行観覧車』などのひと。
人間の、”目をそらしたいような、嫌な部分”を描きだす、いわゆるイヤミス系の作品が多い作家さんです。

↓映画化もされています。

白ゆき姫殺人事件 [DVD]
松竹 (2014-09-03)
売り上げランキング: 7,185



ある化粧品会社につとめていた女性社員。
彼女が謎の死をとげる。
そして、
この事件をめぐるさまざまな言説が、あらゆるメディアで飛び交う。


マンマローというSNS、週刊誌の記事、関係者の証言……。


物語が進むうちに、同僚の城野美姫という人物が「怪しい」と目されていきます。

ところが、いろんな人が語る城野美姫の人物像がまるでバラバラなのね。
なにがホントなのか、ぜんぜんわからない。


「記者が関係者に取材をするシーン」があって、
「その取材をもとにして書かれた記事」が出てくるんだけど、これもひどい。

取材のシーンで描写されていた情景とはまるで異なる
「悪意のある記事」がねつ造されています。



最終章は当の城野美姫の視点です。
彼女は、メディアに飛び交う<城野美姫像>をみて愕然とする。


これがわたしなのか……?


と。



現代社会の<情報>について、強い問題提起をはらんだ良い本です。


☆★☆




続いて、もう1冊小説を。
以前の記事(【恋愛】10代のうちに読んでおきたい小説10冊【青春】)で第1位に推した、私の大好きな本。短編連作の青春小説です。

今日ピックアップするのは、このなかの「〇をつけよ」という作品。
「〇をつけよ」は美少年高校生の時田秀美くんが学校でコンドームを落としちゃう話なのですが(どんな話だ(笑))、

ものごとに簡単に〇×をつけることの身勝手さ・無責任さをテーマにしています。
秀美くんは「子供を殺す親」のニュースをみて、こう考えます。

子供を殺すなんて鬼だ、とある出演者は言った。でも、そう言い切れるのか。
(中略)
明らかになっているのは、子供を殺したということだけで、そこに付随するあらゆるものは、何ひとつ明白ではないのだ。

「〇をつけよ」より


フェイクニュースにかぎらず、
ちゃんとした報道であっても、ニュースが伝えるのはその事象の「一側面」にすぎない。
思い込みでものごとを語ったり裁いたりすることには、慎重でありたいよね。


☆★☆




3冊目は、われらが樋口一葉の「にごりえ」という作品。

関連記事:
【泣ける】女性作家が描く切ない恋愛小説10冊【沁みる】


「にごりえ」の主人公のお力は娼婦です。
お力は美人で芸事や教養にも通じているので、
お客や同僚など街中のひとたちから好奇のまなざしを向けられている。
このお力が元カレと心中してしまう……という物語です。

いろいろな人がお力について語っているんだけど、
『白ゆき姫殺人事件』とおなじように、みんな言っていることがバラバラ。

お力は、いわば「野次馬的な目」をつねに向けられている女の子なわけです。
でも、誰ひとりとしてお力の「悩み」を理解してはいない……。



<語られる言葉>というのは、
基本的に真実とはかけ離れている
……くらいに考えておいていいんじゃないかな、と思います。

ニセのニュースを盲信してしまうくらいなら、
はじめから疑ってかかるくらいがちょうどいいのかもしれない。


↑原文は擬古文スタイルで非常に読みにくいので、
↓現代語訳がオススメですv




☆★☆



新書では、やっぱり荻上チキさんの本をピックアップさせてください。
荻上チキさんは何について書いても「情報リテラシー」について語ってしまう……そんな書き手だと思いますv

どの本を選んでも主旨に沿うのですが、
たとえば……


以前の記事(ネットいじめ、スクールカースト、キャラ戦争)で紹介した本書。「ネットいじめ」や「学校裏サイト」について、ちょっと前の状況を論じている本ですが、”メディア論”の本として普遍的

学校裏サイト=悪というわかりやすい構図に短絡されてしまう「有害メディア論」に警鐘を鳴らしています。



それから、おなじく荻上チキさんの『ウェブ炎上』も。


以前の記事(最近読んだ「未来を予測する」本10冊)で紹介しました。挙がっている事例は昔のものですが、「カスケード」や「フィルタリング」など”ネットメディア論”として押さえておきたいお話がいっぱい載っています。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

【恋愛】10代のうちに読んでおきたい小説10冊【青春】
【泣ける】女性作家が描く切ない恋愛小説10冊【沁みる】
ネットいじめ、スクールカースト、キャラ戦争
最近読んだ「未来を予測する」本10冊
オリジナルのない世界――ネット上の拡散文化と”シミュラークル”
【電子書籍】アマゾンkindleで樋口一葉論(大つごもり、にごりえ、わかれ道)をリリースしました
カテゴリ:ネット・情報リテラシー






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2016年10月13日

【私的メモ】未来予測はむずかしいという実例「世界10大失敗ハイテク予言」

 
今日のなぞなぞ
「今となっては笑ってしまう、著名人たちの”未来予測”発言ベスト10は?」



さまざまなビジネス書で引用されている「世界10大失敗ハイテク予言」
ビル・ゲイツなど世界の著名人が、
”ぜんぜん当たらない未来予測をしていた!”という衝撃ベスト10。


イギリスのハイテク専門誌「T3」が2008年に発表したものです。
(↑のリンクは該当号ではありません)

今日はこの10予言をシェアします。
面白ネタとして。主に自分用メモ。


↓引用はエキサイトなど各社ニュースサイトより。
該当号の入手が難しく、孫引きです。すみません。
若干編集しています。敬称は略。〜年は発言した年。

1位 アラン・シュガー(英電機メーカー会長・2005年)
「i-pod はまもなく市場から淘汰される」

2位 ケン・オルセン(DEC(米電機メーカー)創始者・1977年)
「家庭でコンピューターを使用する必要はない」

3位 アレックスLewyt(Corp vacuum company(米家電メーカー)総裁)
「核燃料で動く掃除機が今後10年で市場に出てくるだろう」

4位 ダリル・F・ザナック(米映画プロデューサー・1946年)
「人々はテレビを必要としないだろう。毎晩箱を見ているだけではうんざりするだろうから」

5位 世界初のフライトを終えたボーイング247号の技術者(1933年)
「これより大きな飛行機は作れないだろう(当時の定員は10名)」

6位 サマーフィールド(元米郵政長官・1959年)
「ロケットで郵便を届けることもいずれ現実になるだろう」

7位 ビル・ゲイツ(米マイクロソフト創業者・1981年)
「パソコンのメモリーは640キロバイトを超えない」

8位 ウィリアム・プリース(英郵政総局主任技術者・1878年)
「米国人には電話が必要だが、我々英国人には必要ない。郵便配達員がたくさんいるのだから」

9位 ビル・ゲイツ(米マイクロソフト創業者・2004年)
「ジャンク・メール(迷惑メール)問題は、2006年までに完全に解決する」

10位 ケルヴィン・ウィリアム・トムソン(英物理学者・1833年)
「X線は人々を愚弄するものに過ぎない」(1833年)


……こんな感じ。
2度も登場してしまうビル・ゲイツさんって(笑)。
当時の、しかも最先端の人の感覚でも「メモリーは永遠に640キロバイト以下」なんですね。

未来予測のむずかしさは、以前の記事(未来は予測なんてできないし、売れてる本が良い本とはかぎらない)でもお話ししたテーマです。

黒い白鳥のように。
社会は誰も予想しない突然変異から移行していく。



あ、でも。
当たらないのを承知で好き勝手にする未来予測……私はけっこう好きですv
SFだって、そういう想像力でできているんだ。


それでは。

ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか

【関連記事】

最近読んだ「未来の社会・経済を予測する」本10冊
未来は予測なんてできないし、売れてる本が良い本とはかぎらない
最近読んだ「未来を予測する」本10冊
Siri・Vivの未来の姿――瀬名秀明『デカルトの密室』の人工知能描写がすごい
小説版『PSYCHO-PASS<0>(サイコパスゼロ)』の心理描写がスゴくてほとんどBL(ボーイズラブ)
タグ:未来予測
タグ:私的メモ






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2014年12月02日

今年もっとも売れた本〜年間ベストセラーの調べ方


今日のなぞなぞ
「年間ベストセラー書籍を調べる方法は?」




12月1日、「今年日本でもっとも売れた本」が発表されました。
ニュースで見たひとも多いかな。
今年(2014年)いちばん売れた本はミリオンセラーになった『長生きしたけりゃふくらはぎをもみなさい』でした。

みりおん。すごい!
じゃあ、ほかにはどんな本が売れたのか、見ていきましょ

……とやってもいいのだけど。
せっかくなので、今日は「情報リテラシー」を切り口にします。
(トーハン調べの2014年年間ベストセラー(総合・ビジネス書)は末尾の「付録」にまとめました)




☆★☆




ニュースや新聞で見る「年間ベストセラー」の情報ソースは、
出版取次会社の日本出版販売(日販)やトーハンのニュースリリース
です。

ニュースリリース(プレスリリース・報道発表)とは……
企業や団体などが報道機関に対して「こんなニュースがあるよ!」と告知すること。
FAXや郵送という昔ながらの方法がありますが、
インターネットの普及により、すでにデジタルなリリースが主流になっています。

ほとんどの企業がウェブサイトをもっていて、
たいてい「ニュースリリース」のコーナーを設けています。
いつでも、誰でもみられる。

「年間ベストセラー」も、
日販やトーハンのサイトにアクセスすれば、カンタンに知ることができます。
ジャンル別のランキングがあったりするので、テレビのニュースより詳しくて面白いv
日販とトーハンでけっこうな違いがあったりもします。


日本出版販売株式会社
http://www.nippan.co.jp/
TOHAN website
http://www.tohan.jp/




ニュースを知るには、新聞を読んだり、報道番組やネットニュースを見なきゃいけない。
……そう思いがちだけど。
ホントはぜんぜんそんなことなくて。

知りたいことは、自分で取りに行けばいい。
一次情報にアクセスせよ!
 ってヤツです。


たとえば……

自動車のリコールに関する情報は、国土交通省のウェブサイトで確認できる。
http://www.mlit.go.jp/

景気の判断や先行きを知りたいなら、日本銀行 Bank of Japan
http://www.boj.or.jp/

政府要人の発言を知りたい場合は、内閣府ホームページ
http://www.cao.go.jp/

各種統計資料は、総務省統計局へ。
http://www.stat.go.jp/

金融マーケットの”今”は、東京証券取引所のサイトで。
http://www.tse.or.jp/



企業の新商品なんかは絶対その会社のウェブサイトに載っていますし、
政府系のサイトが自在に使えるようになれば
いっぱしの新聞記者やライターよりも情報強者! です♪

テレビや新聞、yahoo!ニュースの情報が
「遅い!」と感じられるようになればしめたもの。


そんなこんなで今日は


一次情報をゲットして
もっと、情報強者だよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか


【関連リンク】

日本出版販売株式会社
http://www.nippan.co.jp/
TOHAN website
http://www.tohan.jp/
国土交通省
http://www.mlit.go.jp/
日本銀行 Bank of Japan
http://www.boj.or.jp/
内閣府ホームページ
http://www.cao.go.jp/
統計局ホームページ
http://www.stat.go.jp/
東京証券取引所 トップページ
http://www.tse.or.jp/

【付録】


2014年の年間ベストセラー
(トーハン調べ。集計期間=2013年12月1日〜2014年11月26日)

1位

2位

3位

4位


5位

6位

7位

8位


9位

10位

11位

12位

13位

14位

15位

16位

17位

18位

19位



20位
アナと雪の女王 角川アニメ絵本
小西 樹里
KADOKAWA/角川書店
売り上げランキング: 3,604


2014年 年間ベストセラー 単行本−ビジネス書(トーハン調べ)

1位
『まんがでわかる 7つの習慣』
『まんがでわかる7つの習慣2 パラダイムと原則/第1の習慣/第2の習慣』
2位
『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』
3位

4位

5位

6位

7位

8位

9位
世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?
戸塚隆将
朝日新聞出版 (2013-08-07)
売り上げランキング: 3,484

10位

 
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2014年11月12日

仕事ができない人ほど自己評価が高い、はウソ!

 
今日のなぞなぞ
「仕事ができない人ほど自己評価が高い……ってホント?」



世の中でまことしやかにささやかれている都市伝説。
それは……


仕事ができない人ほど自己評価が高い。


今日はこれがホントなのかどうか
一緒に考えてみましょ♪




 平均以上(人並み以上)効果とは?



自己評価の話をするときによく引かれるのが
「平均以上(人並み以上)効果」(above average effect)という心理学用語です。
自分が「平均以上」だと思っている人けっこう多い、という概念。


・アメリカの高校生の70%が「自分には”平均以上”のリーダーシップがある」と回答した。
・大部分のドライバーが「自分は他人より運転がうまい」と思っている。
・大学教授の94%が「私は”平均以上”の仕事をしている!」と考えている。


みんながホントに自分の実力をわかっているなら、

”他人より能力が上”と豪語する人は50%くらいになるはずだろう。

世の中、うぬぼれ屋がたくさんいるよね

……ということなんだけど。


ちょっと待った。
このロジックは、なにかがおかしい。
(※ 「above average effect」についての論文がおかしいのではなく、
いま私が↑で述べたロジックがどこか変という意味です)



みんなの能力にたとえば点数をつけたとして、
必ず半分の人が平均以上になる?

ほんとに、なる?


じつは、半数以上のひとが「平均以上」になるケースは存在します。
それどころか、
90%のひとが「平均以上」のこともある。



 90%が平均以上、はありえる



たとえば、
10人しかひとがいない国があったとします。

なんでもいいのだけど、たとえば運転能力を点数化してみたとして……


a さん 80点
b さん 80点
c さん 80点
d さん 80点
e さん 80点
f さん 80点
g さん 80点
h さん 80点
i さん 80点
j さん 10点



こんな感じの分布になってたとする。
この場合、運転能力の合計は 80×9+10=730 点なので、
10で割ると、平均は……

73点!


あれ?
90%の人が平均以上じゃん!


このとき、もし
「俺は平均以上だぜ!」って言ったひとが7割ぐらいだとしたら、
みんな謙虚すぎ、ってことになります。
もっと自信持って。って。



「平均値」と「平均以上/以下のひとの数」は、
ぜんぜん違う
んですね。


以前の記事(「だまされやすいタイプ」について語るとき私が語ること)でもちょっと触れたけど、
数字はほんとうに、人をまどわせやすい。

直観的に正しそうなことが、
じつはぜんぜん間違ってることも多い。




半分の人が平均以上であると言うためには、たとえば

全ドライバーの運転能力が正規分布(ほとんどの人が平均値に近く、平均を境に対照的になだらかに散らばっている)である

という前提が必要なのです。



 だけど「平均以上効果」はありそう



んでだ。
じゃあ、「平均以上(人並み以上)効果」ってまるっきりデタラメなのかというと、
ぜんぜんそんなことない。

実は「平均以上効果」の論文には、↓こんな調査結果も載っているそうです。



・「自分の社会性レベルが上位10%以内」と答えた人が全体の60%いた。
・さらに、「上位1%以内」答えた人が25%もいた。



「平均」でなく「順位」なら、話はべつです。
その人の社会性が点数化されて、上から1位,2位,3位……と順番が与えられていくなら、

「上位1%以内」は1%。「上位10%以内」は10%にしかならない。

(おなじ順位の人はいないように点数をつける、という前提で。
さっきの10人の国みたいに
同率1位が9人いれば、またややこしくなる^^;)


どうやら、「平均以上効果」は
ほんとうにありそうです。



 仕事ができない人ほど自己評価が高い、とは言えない



「ほら、やっぱり。
仕事ができない人ほど自己評価が高そうじゃん」

……そう結論づけたくなるけど、
やっぱりまだ、ロジックが通っていません。

これを言うためには、
「仕事ができない人ほど、平均以上効果がおおきく出やすい」ことを証明しなきゃならない。


たとえば、デキビジ度(デキるビジネスパーソン度)に点数をつけたとして……

それぞれの点数ゾーンで、自己評価がどれくらい上方乖離しているか(うぬぼれ率)
をはかってみて

「デキビジ度がさがるにつれ、うぬぼれ率はあがってゆく」という相関関係が観測されれば

「仕事ができない人ほど自己評価が高い」と言える。



たぶん、誰もそこまでやってないよね。

そんなこんなで今日は


ぜんぜん裏づけれらていないことを、
鵜呑みにしないようにしよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。



……まあ、私は”面白ければなんでもいい”というスタンスなので、
主観全開! な本も大好きだし、
私も主観全開でいろいろ書いてるわけだけど。

いろいろな情報を、ぱくっと鵜呑みにしても、
鵜のように。いつでも吐き出せるようにしておきましょ♪
ビバ、リテラシー。です。


 今日の本の紹介



さてさて。
ここまできてやっと、↑冒頭にあげた本の紹介です。



学問の世界をやさしく、わかりやすく案内してくれる
ナツメ社「図解雑学」シリーズより1冊。

パラドクスとは、
正しそうにみえるけど、とんでもない結論が導かれてしまう論理のことです。


アキレスと亀、クレタ人、砂山。
張り紙禁止の張り紙。
インターネット利用率が100%になるアンケート。
自動車事故は「自宅周辺」がいちばん多い!?


などなど、数学や論理学で有名なものから、ちょっとした面白パラドクス、
数字や統計のワナ……まで、パラドクスたっぷり。

ジャンルを問わないリテラシーが身につく1冊です。



それから↓これも。



この本はすごい。
ざくっというと


あなたが実力だと思っていること、
そのほとんどは「まぐれ」だよ?



っていう本。

確率論。統計。マネーリテラシー。皮肉とユーモア……。

褒めはじめたらキリがない殿堂入りの良書なので、
後日あらためてレビューするかもしれません。
厚いけど、面白くて一気に読んでしまう。オススメです♪

追記)
あらためてレビューしました。

最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために



そんなこんなで。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために


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