
「キャラクターの作り方」を学ぶ本5冊をまとめました。
漫画のネーム(プロット)、映画やドラマのシナリオ、小説などで物語に登場するキャラクターをつくるための書籍たちです。
以前の記事(「マンガのストーリー・ネーム」の作り方を学ぶ本5冊(作画以外!))と同様、ビジュアル面のデザインというよりは、ストーリーや世界観のなかで動かすための人物造形の指南書です。
あなたの物語をいっそう輝くものにする。
魅力的なキャラクターを創造するための5冊をど〜ぞ♪
キャラクター 登場人物の本質と創作の技法
数多くの脚本家や作家を養成してきた講師による秘伝の書。
じっさいの戯曲や映画、ドラマの分析と独自の理論を通して、多くの対立軸(葛藤)をもつ「複雑なキャラクター」を生み出す秘訣を教授します。
・ストーリーの最後には主人公の人間性のすべてがあきらかになる。
・個性とは具体性。
・キャラクターが”重圧”にさらされるとき、意外だが納得のいく形で本質があらわれる。
・意外でありながら真実味のある言動が読者や観客の好奇心を刺激する。
……などなど、人物のさまざまな要素が物語のなかでどう機能するのかをシステマティックに解説してくれます。
とくに、キャラが視聴者の心をつかんでいく過程を説明した「16 キャラクターのパフォーマンス」(「第3部 キャラクターの世界」)は必読。
あなたのつくるキャラが物語上で”いったい何をしなければならないのか”がよくわかるようになります。
漠然と人物を動かしているだけかも……そんなふうに感じている創作者さんにすごくオススメ♪
ちなみに本書はロバート・マッキー氏による作劇論シリーズの3作目にあたります。
1作目は物語やプロットの作成術『ストーリー』。
2作目はセリフ・会話の書き方『ダイアローグ』です。
どれから読んでも大丈夫なのであわせてどうぞ♪
マンガストーリー&キャラ創作入門
次はコミックの指南本。マンガ教室を主催し、たくさんの教え子をデビューさせてきた田中裕久さんによる渾身の1冊です。
田中さんは言います。
「マンガは8割か9割は誰でも再現できる技術で作れます」と。
ストーリー・キャラクター両方の作り方を教えてくれる本書ですが、とくにキャラクター造形の教え方がユニーク。
”コミュニティ”のなかで動かすことを考え、複数の人物を同時に作っていく方法が提案されています。
心地のよいコミュニティをデザインし、異なる類型のキャラを発案し、オーディションのように選んで配置していく。
実際の原稿でがんがん動いてくれるキャラが生みだせるようになります。
漫画は、2010年代あたりから”このグループに入りたい!”と思えるコミュニティを描くことが重要になってきている、とのこと。
ほかにも……
・企画に「売れる匂いをつける」方法
・バランスよりも1点に特化した「濃い」作品を
・圧勝のカタルシス
など、実作に使える技が満載です。
シナリオや小説を書いている方にもオススメ。
他のどのジャンルよりもキャラクターが重視されるのがコミックです。キャラクターを作るなら漫画に学べ♪
語彙力図鑑 性格・人物編
「勇ましい」「のん気」「傲慢」「口うるさい」……などなど。
キャラクターの”らしさ”をあわらす言葉が54個、辞典のように編まれた楽しい一冊v
それぞれの項目では意味や例文のほか、その特徴をもつ人物がかかえていそうな背景や、思考・行動の傾向も例示されています。
たんなる辞典ではなく、本質的な創作指南も豊富。
冒頭ではキャラクター設計の基本的な考えかたを教えてくれますし、54項目のすべて(!)に付記されている「CREATOR'S FILE」では、それぞれの性格を描く際の注意点が説かれています。
たとえば……
・「辛抱強い」はすこし古く、いまは頑張らない主人公もよしとされる
・「意気地なし」は現代ではネガティブ属性というより美点としてとらえられることもある
と、時代の感覚をしっかりとらえることの大切さが強調されています。
”図鑑”のタイトルどおりイラストも豊富なにぎやかな本。
著者がライトノベル作家さんということで、ラノベの書き手にとくにオススメですv
描写の語彙力をアップさせてくれる↓『クリエイターのための語彙力図鑑』の続編にあたりますが、前作を読んでいなくても大丈夫!
キャラクターメーカー
当ブログで何度も紹介している鉄板の1冊。
これまではおなじ大塚英志さんの『ストーリーメーカー』がメインのレビューでしたが、今回は本書が主役。
マンガ、文学、映画の垣根をこえて、キャラクターとは何かを論じる。
学術書のような議論に読みごたえがありますが、実際のノウハウも具体的で有用です。
たとえば……
・サイコロを投げ、運にまかせて外見を決めていく。
・ライナスの毛布(未熟な主人公を一時的に守る役割)としてのキャラをつくる。
・アトムの命題(外見と内面のありかたにギャップをかかえる)をもつキャラをデザインする。
などなど、いますぐに使える方法がたっぷり。
著者が実際におこなったワークショップの様子も掲載。”馬のマスクをかぶった殺人鬼”や”フリーターの女性とサンタクロースの少女”など、これら方法を使ってつくられた魅力的なキャラもイラストつきで載っています。
『ストーリーメーカー』と同様、インスピレーションを待たずにどんどん発想していけるので、とてもよき♪
『ストーリーメーカー』とセットでどうぞv
描きたいを信じる!!
ラストは少年ジャンプの編集部が贈る、熱のこもった一冊。
ジャンルの枠を超え、創作にとって何より大切なことを伝えてくれる本です。
1ページも描いたことがない初心者からセミプロまでを対象にした漫画の描き方指南書。
お話づくりから作画、デジタルとアナログ両方の道具の使い方まで、幅広い内容です。
中盤には、尾田栄一郎先生(「ONE PIECE」)や吾峠呼世晴先生(鬼滅の刃)など、名だたる作家さん16名のインタビューが掲載されて、一番の読みどころ。
とりわけ「魅力あるキャラにするために〜」の一連の質問と回答は、そこだけを取り出して1冊の本にしたいくらい重要なヒントが散りばめられています。ここは読んどけ!
プロの先生がたがつくるネームの制作過程なども学べて、役立つ教則本ではあるのですが……、ジャンプ編集部は断言します。
技術よりも大事なものがある、と。
好きなものを描く。描けることを描く。結局それが早い。
『好きなものを』『たくさんの枚数描く』ことで漫画づくりの力は一番伸びる。
『これが好き!』『これが描きたい!』に勝る武器はないです。ともに「第1章 技術論の前に『描きたいもの』を育てる」より
あれだけ大ヒット作品を連発しているジャンプのノウハウの真髄が、たったひとことで収まってしまう。……なんだか不思議です。秘伝の教えなんてなかった!
本書は最初の編集方針をねじまげてまで「”好き”が大切」とくりかえし伝えることにしたそうです。
テクニックにとらわれすぎて迷宮にハマりこんでしまわないために。
創作の原点にもどるために。
漫画家志望でなくても、ときおり読み返したい1冊です。
ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪
あきか(@akika_a)
| 【関連記事】 |
「マンガのストーリー・ネーム」の作り方を学ぶ本5冊(作画以外!)
【映画/ドラマ】「脚本・シナリオの書き方」の本10冊【漫画/ゲーム】
ゲームのシナリオライター志望者が読むべき10冊
【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】
最近読んだ「小説の書き方」本10冊〜文章力をめきめきアップさせるために
【私的メモ】アイディアを”強制的”に生み出す「オズボーンの73質問」
【関連する記事】
- 「デビュー直前&直後」の漫画家・作家が読んでおきたい5冊
- 「マンガのストーリー・ネーム」の作り方を学ぶ本5冊(作画以外!)
- 後宮が舞台のライト文芸とライトノベル10冊
- 紫禁城の歴史がわかる本5冊
- 【神仙】中国の土着・民間信仰を知る本10冊【道教】
- ゲームのシナリオライター志望者が読むべき10冊
- 【映画/ドラマ】「脚本・シナリオの書き方」の本10冊【漫画/ゲーム】
- 後宮が舞台の小説10冊
- 日本の見世物・興行・芸能がわかる本10冊
- ショートショート(掌編小説)の傑作オススメ本9冊
- 食わず嫌いのあなたに贈る「プログラミング入門書」10冊
- 高校の知識・教養(文系&理系)を学び直すための12冊
- 「生物学」が本格的で面白いSF小説と映画10コ
- 【遺伝と環境】行動遺伝学を学びたい人のための19冊【生まれか育ちか】
- 【禁煙】タバコをやめられる本5冊【卒煙】
- 【大自然】地方・田舎が舞台の小説とマンガ10冊【因習】
- 精神世界の名著4冊
- じつは読書案内? 『神様』に出てくる民俗学の本と用語16コ
- あなたの盲点をあばく「叙述トリックミステリ」10冊
- 【禁忌】読んではいけない本10冊【超刺激】




