2021年01月31日

ショートショート(掌編小説)の傑作オススメ本9冊




「ショートショート(掌編小説)のオススメ本9冊」をまとめました。

↓リストは、以前の記事(【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】)でとりあげた『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座』で「オススメ本」として紹介されている9冊です。
(短いレビューはこのブログのオリジナルです)

ショートショート・掌編とは……
短い小説のこと。
文字数に決まりがあるわけではありませんが、短編よりさらに短い物語をいうことが多いです。

強烈なオチ。
プロットよりも空気感で魅せるもの。
技巧をこらした実験作。

ひとくちに「ショートショート」といっても、雰囲気はじつにさまざま。
本書でも、バリエーションに富んだ名著がピックアップされています。

短い物語の魅力をたっぷりと味わえる、
ショートショートの傑作選9冊をど〜ぞ♪



 1.


ショートショートの神・星新一さんの一番にして唯一の弟子、江坂遊さんの傑作集。
どの掌編も幻想的でノスタジック。話し言葉に寄ったやわらかい語り口がステキです。
25作品を収録。

近世の戯作を感じさせる雰囲気だったり、落語やまるで漫才のような一篇もあります。
本を読んでいるというより、演芸を観ている感覚。

個人的に「浮き人形」が好きです。
文体に強いリズム感があって、ほとんど講談を聴いているよう。神田伯山さんの熱弁をイメージしながら読んでくださいv

 2.


太田忠司さんと田丸雅智さんが、名画をモチーフにしたショーショートを競作。
10点の絵画を題材にした20作品と、本書の刊行を記念して開催されたショートショートコンテストにまつわる4作を収録しています。
10点の名画とは……

ゴッホ「夜のカフェテラス」/フランティシェク・クプカ「静寂の道」/ムンク「吸血鬼」/俵屋宗達「風神雷神図屏風」/クロード・モネ「雪の中の蒸気機関車」/シャガール「サーカス」/月岡芳年「猫鼠合戦」/エッシャー「写像球体を持つ手」/ルネ・マグリット「光の帝国U」/平山郁夫「月明の砂漠」

すべてのモチーフについて、ふたりの個性が光る掌編が読めます。
白黒印刷ですが絵画の写真も掲載。小説とアートを一緒に味わえる贅沢な1冊です。

 3.


ほぼ100文字の掌編を130編収録。
何かが起こっているらしいけれど、それがなんだかわからない……といった、妙に気になるお話たちが続々。
読み進めるほどに、どんどん不思議の国に迷いこんでしまいます。

旭ハジメさんのイラストも素敵で、体裁は絵本やアートブックのよう。
真四角な本。CDのジャケットくらいのサイズです。
部屋に飾ってあったらオシャレな1冊。

妙に気になって仕方がなくなる、ナンセンスワールドへようこそv

 4.


ショートショートから長めの短編、中編まで26作品。
仕掛けがすごかったり、世界観がつくりこまれていたり、収録されているすべての作品がそれぞれ光っている豪華な1冊。
井上雅彦さんの”厳選ベスト版”といった趣です。

田丸雅智さんは「パラソル」の情緒や余韻が好みだそうです。
私は島の伝奇ホラー「潮招く祭」や、「碧い花屋敷」のレトロ感が好き。あと、「残されていた文字」のラストには度胆を抜かれました。

井上雅彦さんといえば「異形コレクション」というアンソロジーシリーズの主催者でもあります。
異形なモノへの尽きない憧れは本書でも健在。

不思議の国のアリスみたいな幻想。江戸川乱歩的な見世物趣味。クトゥルフ神話に出てくるような怪物への憧憬。駄菓子屋や銀幕等のレトロ嗜好。ホラー&都市伝説風味……。
↓以下のような記事に惹かれるあなたにおすすめの作家さんです。もちろん私も好きv

関連記事:
【フェテイッシュ】ジャケットがアングラすぎるトーキングヘッズ叢書10冊【マニアック】
幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』
【jazz】ジャジーで昭和歌謡風なレトロ系ポップス10枚【rock】
【深い】大人になったあなたが読みたい絵本10冊【美しい】
最近読んだ「世界観がダークな」本10冊
最近読んだ「怪談・都市伝説」本5冊
【禁忌】読んではいけない本10冊【超刺激】


 5.


瓶がもつ記憶をのぞける博物館。キレた人間を電球のように取り替える世界。殺人に使われた食材を料理する美食倶楽部……。
24の奇妙な掌編を収録しています。

人物相関や設定がこまかく、時間経過を描く作品も多い。
ショートショートというより、短編……いえ、なんだか長編を味わっているような読み応えがあります。
とくに表題の「抱卵」は、ほんの数ページのなかに壮大さがあってステキ。

田丸雅智さんが審査委員長をつとめる「ショートショート大賞」の第1回受賞者さんです。
短いなかに濃厚な小説の世界が立ちあがってくる、奇跡の掌編集。

 6.


永遠に喪中の村。水でなく糠(ぬか)のなかで泳ぐアスリート。義足の要領で”製作”される義母……。
不思議でどこかシニカルな設定のショートショート21作品を収録。

とんでもない、ありえない世界。だけど、語り口はいたって読みやすい。
真顔で冗談をいっているようなおかしさがあります。
独特な、ちょっと”飛距離”のある比喩も面白いです。

冒頭で紹介した『超ショートショート講座』の方法論をまさに体現したような小説たち。
田丸雅智さんが審査委員長をつとめる「ショートショート大賞」の第2回受賞者さんです。
あふれ出る、発想の乱反射をどうぞ♪

 7.


youtuberでもある作家、小狐裕介さんのショートショート集。
ほっこりしたり、ほろりと泣ける21作品を収録しています。

家事を実況するオウム。喋るドクロ。服の相性診断からはじまる婚活……。
ショートショートらしく、ちょっと不思議な設定のお話が多い。
↑の『ずっと喪』が奇妙な世界をとことん掘り下げ描写しつくす方向だとしたら、本書は逆かな。
おかしな世界を遠景として、人間の”ドラマ”を描くほうに重点が置かれています。

みずすさんの挿絵も素敵。ふりがなの多い、児童書の体裁です。
お子さんにも薦められる1冊♪

 8.


星新一さんの小説は、ビートルズの音楽に似ている。
定番ちゅうの定番で良質。だけど、”古典として素晴らしい”というわけでは全然なくて、古さを差し引かなくても普通に楽しめる。

……というわけで、ショートショートの神様、みんな大好き星新一さんの傑作集。ものすごく有名な本です。
あらためて読んでみると、”なにかが台無しになってしまう話”がけっこう多い。
宇宙人が出てきたりSFの印象が強い作家さんですが、古典落語的な志向が垣間みえます。

あと、ちょくちょく金庫が出てくるのは、フェティシズムかな。金庫萌え?
物語も文章表現も上質。すべての読書家が絶対に読んでいる1冊。そう言えるくらいの鉄板本です。

 9.


ラストは翻訳もの。みんな大好きブラッドベリの傑作短編集です。
レイ・ブラッドベリといえば『火星年代記』などのSF作家さんですが、本書はわりとホラー風味な作品も多い。
死の香りがただよい、”棺桶”のモチーフが頻出します。ブラッドベリは、棺フェチ?

田丸雅智さんは幻想的でリリカルな「詩」をオススメしていました。
私は「バーン! おまえは死んだ!」が好き。「戦争ごっこ」という一篇とセットになっている掌編です。戦地にいるのに、自分は戦争ごっこをやっていると思っている男の話。
彼の”少年の心”を守ろうとする親友の想いに打たれます。
見世物の世界を描いた「刺青の男」も好みでしたv



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

あきか(@akika_a


【関連記事】

【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】
最近読んだ「小説の書き方」本10冊〜文章力をめきめきアップさせるために
【フェテイッシュ】ジャケットがアングラすぎるトーキングヘッズ叢書10冊【マニアック】
幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』
【jazz】ジャジーで昭和歌謡風なレトロ系ポップス10枚【rock】
【深い】大人になったあなたが読みたい絵本10冊【美しい】
最近読んだ「世界観がダークな」本10冊
最近読んだ「怪談・都市伝説」本5冊
【禁忌】読んではいけない本10冊【超刺激】







posted by 姉崎あきか at 00:03| 10冊シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。

ブログパーツ アクセスランキング