2020年03月31日

【大自然】地方・田舎が舞台の小説とマンガ10冊【因習】


今日のなぞなぞ
「田舎を描いた物語は?」

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ゆたかな自然。
里山のスローライフ。
耳にやさしい方言。

そして。
よそものにはけっして知られてはいけない、おぞましい因習……!?


今日は最近読んだなかから「地方・田舎が舞台の本10冊」を紹介していきます。
前半は小説。後半はコミックです。

オシゴト小説からホラーまで、
日本の田舎を味わいつくす10冊をど〜ぞ♪



 大自然


高校を卒業したとたん、何も知らずに林業の現場に放りこまれてしまった主人公。
ひと癖あるキャラクター達と織りなす、東海地方の”神去村”の一年が描かれていきます。

林業のオシゴト、山のゆたかな自然や不思議な”神域”の世界が、臨場感たっぷりと描写されていて、一行一行がおいしい。
耳慣れない言葉もけっこう出てくるけれど、主人公の勇気も知らないことだらけなので、一緒になってこの世界を味わえますv

森はもっと静かなものだと思ってたけど、全然ちがった。いつもどこかで、葉が落ち茂みの揺れる音がする。梢は風でざわめき、「日暮れまで間がない」と鳥がせわしく鳴きかわす。鹿かなにかが、樹皮をかじる音まで聞こえる。遠くに小さな沢があるのがわかる。
 枯れ葉が積もった地面はふかふかだ。水と養分をたっぷり含んでいることが地下足袋ごしに伝わってくる。
 夢みたいな場所だった。
「二章 神去の神さま」より


こんな感じで、自然の描写がほんとにすごい。
地方の山村に行きたくなる……むしろ移住したくなる素敵な小説。オススメですv

↓映画化されています♪ WOOD JOB!

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 山村


その続編です。
”夜話”というわけで、今回は林業のオシゴトではなく余暇のお話が中心。過疎の村の恋愛事情も描かれていきます♪

勇気は直紀さんを射とめることができるのか!
みきさんとヨキの夫婦仲はどうなる!?
村に伝わる、蛇神と人間の娘の恋とは……?

もちろん今作でも素敵な自然描写が味わえますv WOOD JOB!

 別荘地・山村


前半は貸別荘が並ぶリゾート地。後半は因習に満ちた村が舞台です。
「のぞきめ」と呼ばれる怪異の正体を追っていく、ミステリ的な味つけのホラー小説。
最初に、とんでもない”脅し”がはいります。

本書を読んでいる最中に――、
 普段は感じないような視線を、頻繁に覚えるようになった。
 誰かに見られている気がして辺りを見回すが、周りには誰もいない。
 有り得ない場所から何かに覗かれている、そんな気がして仕方がない。
 こういう感覚に囚われた場合は、一旦そこで本書を閉じることをお勧めしたい。
「序章」より


そう言われると、なんだかほんとうに視線を感じてきてしまう。
民俗学的な意匠たっぷりの、濃厚な本格怪談。
かなり怖いです……。

 限界集落


少年・淳は、ある渓流で白痴の少女を目にする。青年・裕は、謎めいたウワサを耳にし、ある地方の調査をはじめる。
ふたりは、閉鎖的な集落に残るおぞましい因習にたどりつく……。

こちらも民俗学的な意匠満載のミステリ。
フィールドワークと史料をもちいた「調査」がとても細かく描かれていてユニークです。

主人公の裕きゅんは大学院への進学を目指している学部生。
地誌や神社の由緒をさぐるために、図書館や地方の資料館で古文書を参照したり、漢文を翻刻したりするシーンが多々あります。
どんな資料をどのような手続きで参照していくのかが詳しく描写されていて、”リファレンス小説”と呼びたくなるほど。

タイトルの「まほり」の意味がわかったときにはぞっとします。
民俗学、歴史学、言語学……。文系の学生や院生にオススメしたい、学術的なエンターテイメント。

 漁師町


閲覧注意! 人間の”本能的な恐怖”に訴えかけてくる描写があります。
家出をした母を連れもどすため、主人公は北海道の漁師町へ足を踏みいれる。そこは、この世のものとは思えない不気味な場所だった……。

袋詰めの猫を大量に載せ、怪物を機動力に走るバス。
大量の脚をはやし、鳥や人間をおそう腸。
肉塊でできた船……。

魚やサビに満ちた田舎町の雰囲気もすごいし、匂いの描写なども醜悪。
全編グロテスク! な異形の小説です。

もしこの本が映画化されたら、とんでもないことになる。
「SAW」などのスプラッターや「ムカデ人間」みたいな悪趣味系が大丈夫なひとだけ読んでくださいね。
覚悟ができたら、どんなシーンがあっても読む手をとめるな……。

関連記事:
【禁忌】読んではいけない本10冊【超刺激】



☆★☆



ここからはコミック作品を。
小説とはまた違った魅力のある”田舎漫画”のセカイ♪
(リンクは1巻のみですが、レビューはシリーズ全体に対してのものです)

 離島


悩める書道家・半田清舟が暮らすことになったのは……九州の孤島。
島の子供たちにふりまわされながら自分と向いかいあっていく。
あったかくて笑顔になれる名作コミックです。五島列島の自然やスローライフ、方言が魅力的v

この壁を越えなきゃ
何も見えないぞ
「ACT.1 ばらかこどん」より


題材は書道ですが、半田の懊悩はあらゆるジャンルのクリエイターに通じるものがあります。
なにかをつくっている方にとてもオススメ。
(私信。アニメも良かったです♪)

半田の学生時代を描いたスピンオフ作品↓「はんだくん」もほっこりv


 過疎村


葬儀のため帰省した村ではじまった”怪異”。
太陽はふたつ昇り、あたりは霧につつまれ、蝿の頭には人の顔が。
はたして主人公たちは村から抜け出すことができるのか……。

土地の伝承などもからんだ怪異なのですが、謎解きというよりはホラーやスリラー寄り。ぞっとするシーンがたくさんあります。
亡くなったばあちゃんが動き出すシーン……怖すぎました><;

「ひぐらしのなく頃に」の竜騎士07さんが原作です。
「ひぐらし〜」のキャラクターの鷹野も重要な役割をもって登場しています。

 田舎町


鐘の音が鳴ったら外に出てはならない。
十年ぶりに帰ってきた故郷の夜は、冥奴様(メイドサマ)とよばれる化け物たちが跋扈するセカイだった……。

アクションシーンが多めなホラー&サスペンス。
夜に外へ出ちゃダメ……は定番といえば定番の設定だけど、やっぱり怖いです><;

 因習


山村、島、鉱山跡、廃村、寺院……。
本草学を専門とする学者・三神が、奇妙な習俗や信仰の残る土地を旅していきます。
青年誌の連載だからか、妙に色っぽいシーンが多かったりするのですが、歴史や民俗学等の考証が本格的でおもしろい。
地方の因習や土着信仰系のホラー・ミステリが好きなひとにはとてもオススメです♪

描かれる土地はそれぞれ個性的で、田舎ならではの美しさがあります。日本のどこかに本当に存在していそう。
話によってはファンタジー的な要素も。「蟲師」が好きな方もどうぞv

 目にみえない世界


ラストはその「蟲師」を。
主人公のギンコは世界にただよう”蟲”に対処することができる”蟲師”。
蟲がもたらす様々な事件を解決したりしなかったりする物語です。

蟲、はいわゆる虫とはちょっと異なる。みんなに見えるわけではなく、感じられるひともまったく気づかないひともいて……、精霊というかなんというか「気の流れ」みたいな存在として描かれています。

人は自然のなかで生きている。
絵にも物語にも静謐な時間が流れていて、おだやかな気持ちになれる不思議な作品。
名作ですv



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

あきか(@akika_a

(冒頭の写真は八ヶ岳パーキングエリアです)

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