2019年07月30日

【禁忌】読んではいけない本10冊【超刺激】

 
今日のなぞなぞ
「けっして読んではいけない本は?」

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※ この記事では、あまり健康的ではないテーマやモチーフも扱っています。不穏な表現、グロテスクな描写などがニガテな方はご注意くださいね。
また、おもに引用部分に関して、現代の人権意識に照らして不適当と感じられる表現がありますが、原文の単語を改変することなく記述しています。 ※



だいぶ暑くなってまいりました。
今日は夏の熱気を吹き飛ばす、ゾッっとする本を紹介していきます。


おおっぴらには語れないタブー。
読んだら気がふれる禁書。
なぜ出版されているのか不思議な奇書。
知るひとぞ知る珍書……。


「読んではいけない本」10冊です。


あまり手にとる機会のないシロモノも多いかもですが。
「ふだん読まないような本を読んでみる」のは、ビジネス書などでも推奨されている、れっきとした読書術のひとつだったりします。

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カテゴリ:読書術



運命の出逢いかも。そう想える本は、いつもは手を出さないジャンルだったり、ひとから勧めていただいたもののなかにこそ多いと、個人的にも感じています。

というわけで。

ヘンな本、いっぱい
読もうよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



目をそむけたいものから目をそらさなかったとき、
みえてくるものがある。


世界の深淵をのぞきこむ、
禁断の書10冊を
……(この先は文字がかすれて読めない)。



 タブーへの入口はこの本から


怪談、実話、都市伝説、ブラウザクラッシャー、グロ系など”検索してはいけない言葉”のまとめからはじまり、世界と日本の禁忌の物語を、実際にあった出来事とからめて紹介。
地方の凄惨な風習や、謎めいたフェイクニュース、後味の悪い事件など、さらに「検索」して調べたくなるトピックが満載です。

以前の記事(最近読んだ「怪談・都市伝説」本5冊)で紹介した、伝説のフェイクドキュメンタリー↓「放送禁止」を制作した長江俊和さんの新書です。「放送禁止」シリーズの裏話もアリ。
参考文献が豊富で、次々と関連本を読んでいく”芋づる式読書”の起点ともなる1冊です。

くねくね、コトリバコ、トミノの地獄、ソニー・ビーン事件、エド・ゲイン、御船千鶴子、高橋貞子……などなど、押さえておくべき有名なお話がたっぷり。
タブーに興味がある方は、まず本書から♪

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 読めば精神に異常をきたす



見知らぬ部屋で目をさました記憶喪失の青年。彼はある事件と大きな関わりがあるらしいが……。
読めば精神に異常をきたす、とまことしやかにウワサされているミステリです。
いえ、「ミステリであろうとしている何か得体のしれないモノ」というのが正確かも。

”精神に異常をきたす”は、べつに根も葉もない話ではなくてね。
本書のなかに、まさに「ドグラ・マグラ」という架空の原稿が登場して、

これを読んだものは最小限、二、三回は読み直させられているようです。そうして、やっと全体の機構がわかると同時に、自分の脳髄が発狂しそうになっていることに気が付いたと言っております。
『ドグラ・マグラ(上)』より


と説明されます。
この「ドグラ・マグラ」だけでなく、大量の作中作が入れ子構造になっていて、そのどれもが主人公の青年や事件について書かれている(と思われる)つくりになっています。

「空前絶後の遺言書」はとくに長くて、途中で映画がはじまったり、”作品内作品内作品”という迷宮の様相へ。
一体なんの話だったっけ……と思った頃に、

 ハッハッハッハッ……。
 ……どうです諸君。面喰いましたかね。
 これが吾輩の遺言書の中の最重要なる一部分なぞいうことは、もういい加減忘れて読んでいたでしょう。
『ドグラ・マグラ(下)』より


と(笑)。

チャカポコいいながら七五調で精神病を語る「キチガイ地獄外道祭文」
唯物論的な科学を終焉にみちびく論文「胎児の夢」

など、とにかくぶっとんでいますが、しっかり伏線を回収する”解決編”にあたる部分があります。あるといえばある。でも……。
ひそかに本書を愛読しているアーティストも、ジャンルを問わずとても多い印象。
日本三大奇書(※)のトップを飾る、魅惑のラビリンス。

※ 日本探偵小説三大奇書。『ドグラマグラ』、小栗虫太郎『黒死館殺人事件』、中井英夫『虚無への供物』の3作品。竹本健治の『匣の中の失楽』をくわえて四大奇書とする場合も。

 愛か狂気か


恋人の遺体と7年間暮らした医師のノンフィクション。実話です。
『検索禁止』でも紹介されていました。

両親に反対されながらも熱い求愛をやめないフォン・コーゼル。徐々に信頼をよせていくエレナ。
主人公が飛行機を製作していたり、恋人が結核におかされていたり、前半はまるでジブリ映画の「風立ちぬ」を連想させるラブストーリーなのですが。

エレナが命を落としてから、トーンが一変。
ホルマリン、義眼、オーデコロン……”花嫁”に「処理」をほどこす”花婿”の様子がこまかく描写されていきます。
凄惨ではあるのですが、彼の「愛」もとても強く感じられて、なんだか純愛物語のようにも読めてしまう。

実際の裁判でもフォン・コーゼルに同情的な意見がたくさんあったようです。
正直にいうと、私もこの物語に、おぞましさよりロマンティックさを強く感じました。

 ロミ

悪食大全
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ロミ
作品社
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”突飛なるものの歴史家”ロミ氏の奇書です。

上は古代から現代にいたるまでの美食、淫食、大食いのエピソードを集めた1冊。
ひたすら牡蠣を食べ続ける皇帝、客を罵倒するレストラン、サソリやヘビを食す猛獣使いたちの饗宴……。
おもにフランスの、豊かなグルメの世界を味わえるお腹いっぱいの珍書。

下は「おなら」にまつわる逸話を蒐集した、奇書ちゅうの奇書。ジャン・フェクサス氏との共著です。

わたしたちの本の主題が「おなら」であることがお判りいただけたと思う。だが、それだけでなく、「透かし屁」にも紙数を費やしている。
「前書きにかえて」より


……。
どうでもいい!

カルダーノは、研究対象をおならにまで拡げ、それを四種に分けられると考えた。すなわち、「鋭き屁」「重々しき屁」「熟慮せる屁」「自由なる屁」。
「14……悪魔をおならで追い払ったマルチン・ルター」より


……激しくどうでもいい!(笑)

訳者の「後書きにかえて」でも真剣に日本のおなら事情が語られます。
どこを読んでも面白く、イラスト資料が盛りだくさんの楽しい1冊。
パリの事例が多く、ちょっとオシャレな雰囲気もありますv
(私信。ついに読みました。すごい本を教えてくださってありがとうございます><)

ちなみに、このロミさん、↓ほかの本も奇書・珍書だらけです。

『突飛なるものの歴史』
『乳房の神話学』
『娼館の黄金時代』
『でぶ大全』
『自殺の歴史』


 マルタン・モネスティエ


カニバリズム(食人)にまつわる記録や考察を集め、人間を食べるという行為の本質に迫っていく。
ひと口に食人といっても、歴史や文化をみていくと様々な「意味」があって。

たとえば、食糧難から起こるものもあれば、グルメの対象だったり、薬としてだとか、儀式や呪術にまつわる食人も。
供養や復讐、裁き、愛としての食人もあるし、腹におさめて消滅させてしまわなければ”敵を倒した”ことにならない……など戦争や政治にかかわる人食いもあったそうです。

ラカン(※)を援用して、食人の意味を「想像の領域」「象徴体系」「現実」の3つの分野から考える……など、とてもアカデミックな手つきですすんでいく。とはいえ、題材が題材だけにやっぱり異形の書。

※ ポスト構造主義に多大な影響を与えたフランスの哲学者、精神分析家。

絵画や閲覧注意な写真もたくさん掲載されていて、読むのにちょっと勇気の要る本です。
(私信。こちらも、すごい書き手を教えてくださってありがとうございます(゚Д゚;))

このマルタン・モネスティエさんの本↓も奇書・珍書だらけです。

『図説 奇形全書』
『図説 死刑全書』
『図説 児童虐待全書』
『図説 自殺全書』
『図説 乳房全書』
『図説 毛全書』
『図説 ハエ全書』
『図説 動物兵士全書』
『図説 決闘全書』
『幼き殺人者全書』
『図説 世界三面記事全書』
『図説 排泄全書』


 都市伝説の生まれかた


あるブティックの試着室にはいった女性が、こつぜんと消えてしまう。
神隠しか。いや、どうやら誘拐され、その身や臓器を売り飛ばされてしまっているらしい……。

そんな話を耳にしたことがあるかもしれません。
各地でいろいろなバリエーションが広まっている、いわゆる”都市伝説”なのですが、いちばん有名なのがフランスの「オルレアン」の事例。

本書は綿密な調査をとおして、うわさが”神話化”していく力学をあばく、社会学の本です。
ほんとうは何も起こっていないのに、さまざまな層を惹きつけて爆発的に広まっていくのはなぜか。
学問的な手つきだけでなく、ときには”調査者の主観”さえ用いて、このうわさの「根源的な魅力」にアプローチしています。これぞフィールドワーク。

綾辻行人さんの『人間じゃない』という短編集でも援用されている、うわさ研究・都市伝説分析の名著。

 フリークス

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本10冊とはべつに、いっこだけ映像作品を。
見世物小屋の舞台裏を描いた、白黒映画です。

シャム双生児や、小人、小頭症、下半身欠損などの俳優たちが出演しています。
はじめて見たときは「CGかな?」と思ってしまったくらい。ストーリーもちょっと悪辣で、こういう映画が存在していることが驚きでした。
1932年の作品です。当時でもかなり物議をかもしたそうです。

観てはいけない映画の代表。
ただ、マイノリティに対してひたすらフタをしていく方向っていうのもなんだか違うと私は感じていて。
目をそらすよりは、目を向けていきたいな、と想っています。

 戦後SF最大の奇書


無念の死をとげた男がある日、墓場からよみがえる!
その復讐心はとどまるところを知らず、東京じゅうを殺戮の恐怖におとしいれる!
彼は、アルコール類を採ると身体が巨大にふくれあがる醗酵人間――別名、ヨーグルト・マンなのだ!

……こんな感じで、トンデモなストーリーがノンストップで展開していくのが、「戦後SF最大の奇書」の異名をもつ『醗酵人間』
銀幕やキャバレーなど、レトロ感たっぷり。古き良きモノクロの特撮映画を観ているみたいです。
怪人の出自や被害者の背景などもこまかく設定されていて、濃厚なエンターテイメント。

発表は1958年。原本はとても希少でほとんど幻の書なのですが、↑「ミステリ珍本全集」に収録されたことで誰もが読めるようになりました。
「醗酵人間」のほか、「改造人間」「台風圏の男」と「短編傑作選」も収録しています。

俺か? 俺は醗酵人間だ。
(中略)
醗酵性の液体とか植物、鉱物の類を口中に投ずれば、たちまち悪の芽が醗酵を起こし、身体中が悪事をしたい、人をなぶり殺しにしたい衝動でふくれ上がるのだ! 判ったか!
「九里魔五郎氏の誕生」より


どうだ、判ったかっ!

 読んじゃダメ、ゼッタイ。


あまりの衝撃に「絶対読んじゃダメ!」と言いたくなるくらい。
フィクションですが、いわゆる小説とはちょっと違う形式です。
手記などで進んでいく、映画でいう”フェイク・ドキュメンタリー”風味。

事前の知識なく読むのが理想ですが、ちょっとだけレビューをしてしまうと。
主人公は、デイケアの現場で老人医療にたずさわる医師です。
彼が、介護者の負担軽減と、なにより患者本人のQOL(人生の質)向上のために開発したのは……「Aケア」。
動かなくなった腕や足を切断してしまう療法です。

というと、ひどい、って感じるかもですが、麻痺して重たいだけの身体をとりのぞかれた患者は笑顔で感謝したりもしているのね。
なかには、江戸川乱歩の『芋虫』のように、両手両足を「ケア」された患者さんもいて。彼の”人生”もちゃんと良くなっているようにみえたり……なんだか、考えさせられるシーンが多い。

語り手を編集者に変えて展開する後半は、それまでの世界がひっくりかえります。
読んじゃダメ、ゼッタイ。
(私信。まさに衝撃の1冊でした>< 徹夜本!)

 変態ホラーワールド



かわいい表紙にダマされてはいけない。
この娘々(ニャンニャン)以外は、ジジイとババアと妖怪と変態しか出てこないのだから……。

漫☆画太郎先生の伝説のギャグマンガです。
妖怪に襲われた村を助けるため……いえ、あらすじを紹介してもイミがないかもこれは(笑)。

流血をともなうツッコミの迫力!
伝奇から秘密結社ものへの超展開!
脈絡カンケーなく出てくるバアさんの群れ!
はうあ! ぶべら! ズコー!

そんな感じ。
”満月の夜にハエ殺し機に変身する赤飯”を大家さんが差しいれてくれる物語「ばばあのちえぶくろ」(どんな話だw)は必読。なにか、常ならざる世界への扉がひらきます。
漫☆画太郎大先生の「変態ホラーワールド」へようこそ♪
(私信。読みました! はうあっ!)

 取扱い注意


ラストは岡本太郎さんの本を。
世界と、そして己と戦いつづけたアーティストが、真に生きるとはどういうことかを問う。

生きる――それは本来、無目的で、非合理だ。

ほとんどの現代人は己の存在のなかの芸術家を圧殺している。

芸術は呪術である。
ともに「第4章 あなたは常識人間を捨てられるか」より


迷ったら危険な道をとれ。挑め。みずからを殺せ……。
ひとたび本書に”感染”してしまったら、もう、読む前の自分には戻れなくなってしまう。

あなたのなかにある”芸術家”を目覚めさせる、魂の書。
取扱い注意! です。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a

(冒頭の写真は調布市深大寺の鬼太郎茶屋です)

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posted by akika at 23:02| 10冊シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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