2016年11月05日

『下町ロケット』は少年ジャンプで漫画化されると思う

 
今日のなぞなぞ
「なぜ『下町ロケット』は『週刊少年ジャンプ』で漫画化されるべきなのか?」



『下町ロケット』はいずれ「週刊少年ジャンプ」で漫画化されるはずだ。
なぜか。
それは、この小説がジャンプの”様式美”にのっとっているからだ。

……今日はそんなお話だっ。


☆★☆


本日紹介する本のは、以前の記事(【徹夜本】半沢直樹・下町ロケットの進化形――池井戸潤『七つの会議』のサスペンス効果がすごい)で取りあげた池井戸潤さんの作品。

……と、あらためて説明する必要もないかもしれません。
第145回直木賞を受賞し、↓テレビドラマも高い視聴率を記録した、あの『下町ロケット』です。

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☆★☆


舞台は町のちいさな精密機械工場、佃製作所。
ここの経営者・佃さんは、かつては宇宙開発プロジェクトの研究員でした。

ところが、ロケットの打ち上げに失敗した責任を負い、
いまは家業を継いで二代目社長をやっています。


中小企業の”弱さ”を体現するように。
ある日、佃製作所はおおきな取引先を失ってしまう。
資金繰りが悪化するなか、銀行からの融資も断られた泣きっ面に、
特許侵害で他社から訴えられる」という蜂が飛んでくる。

……踏んだり蹴ったりの状況で物語は幕をあけます。
今のままじゃもう倒産するしかない。


以前の記事(【ワナビ】作家志望者が読まなければいけない「小説の書き方」本10冊【公募】)で紹介した↓『売れる作家の全技術』で、大沢在昌さんは
エンターテイメント小説の条件として↓こんなふうなことをおっしゃっています。


主人公に苦難を与えいじめ抜け。
常に死にかけているくらいじゃないと、読者は目を向けてくれない。






『下町ロケット』はほんとうに、
大沢在昌さんの主張を地で行くような小説で。

佃製作所は何度も”死にかけ”ます。

内憂外患。
ひとつのトラブルが解決したと思ったら、今度は別の大問題。
1ページも目が離せない徹夜本です。



☆★☆



ドラマで観た方も多いかもしれないので、あらすじ説明はこれくらいにして。
(ちなみに今日の記事のあらすじ・引用などはすべて、ドラマ版でなく小説に依拠しています。阿部寛さんファンの方ごめんなさい(笑))

「少年ジャンプ」の話にうつりますね。


ここで問題。


Q.漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」の物語が扱う3つのテーマ。
いわゆる”ジャンプ三原則”とは何か?



……。

…………。

……………………。


A.答えは「エロス」「バイオレンス」「マネー」
……のはずはなくて(笑)

「友情」「努力」「勝利」です。


「ドラゴンボール」も「ONE PIECE」も、みんなこの3つの要素でできている♪
そして。
『下町ロケット』もおなじなのだ。




☆★☆


「努力」や「勝利」は説明せずとも伝わりそうなので
とにくスポットを当てたいのは「友情」の要素。


ジャンプ漫画でとても熱い展開として


凶悪な敵だったはずのアイツが、
仲間になって戦ってくれる



というものがあります。
ピッコロ(※)が、ベジータ(※)が、まさかの戦友に。

(※)ともに「ドラゴンボール」のキャラクター。


『下町ロケット』は、この展開が「ドラゴンボール」に負けないくらい熱い!


ではでは。
『下町ロケット』に出てくるベジータたち
ひとりずつ見ていきましょ。


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まずひとりめは、銀行から佃の会社に出向してきた、殿村・経理部長だ。
こいつが、はじめはいけすかないキャラなんだわ。

中小企業を下に見てるのかなんだか知らないが
それじゃ融資はおりませんよとかクールに正論をぶつける。
そんなんわかってんだよ。
あんたにとってはよその会社の台所事情なんだろーよ、あぁふざけるな……

と感じるんだけれど。
いずれ出身銀行を跳ねのけてまで佃製作所を救おうと奔走するようになる。
よそ者だったのに、誰よりも愛社精神のある人物になっていく。


熱い!!


内向的な殿村きゅんが大企業の査定者を相手に啖呵を切るシーン↓は、
かっこいいですv

「なにか勘違いされていませんか(中略)
こんな評価しかできない相手に、我々の特許を使っていただくわけにはいきません。
そんな契約などしなくても、我々は一向に困ることはありません。
どうぞ、お引き取りください」


「第五章 佃プライド」より


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ふたりめは、帝国重工という大会社の財前・開発担当部長だ。
佃製作所が”起死回生の取引”をできるかどうかは、この財前にかかっている。

こいつが、いけすかないヤツなんだわ。
財前は、佃製作所が持つ特許を買い叩いて自社で使いたい。

もうね。ハナから下町の工場をナメていて、お前が特許を持っていても宝の持ち腐れだとでも言いたげな態度なのね。
佃の資金難も知っていて、足元をまじまじと見てくる、もうふざけるな……


って感じなんだけど。
財前が佃の工場と作業員の姿を見学するや、一変。
その技術力の高さに惚れこんでしまい、
自社の方針を曲げてでも「佃に部品を作ってもらいたい!」と声をあげるようになる。


熱い!!


財前たそが帝国重工の社長に”佃品質”を説くセリフが↓これだ。

「佃製作所のバルブシステムは、当社製品の品質を上回る成績をおさめています。
(中略)
このシステムの性能であれば、少なくとも向こう三年間は、国際競争力を維持することができるはずです」


「第七章 リフト・オフ」より


☆★☆




さんにんめは、佃製作所の若手営業マン、江原だ。
こいつが(……以下略)。

社長の方針に反対している”アンチ佃派”の代表みたいなヤツで。
おおきなリスクを取ろうとする佃を裏で、ときには面と向かって批判する。
ったく、文句だけは一人前だな、何様だ、ふざけるな……

と感じるのだけど。
佃製作所に帝国重工の審査がはいったとたん、彼は様変わりする。
大企業の、見下すような態度に腹がたち、「これはプライドの問題だ!」
誰よりも佃社長の方針に賛同するようになる。


熱い!!


同僚たちを鼓舞するため、江原様が社内ポスターに描いたキャッチフレーズ↓は……

――佃品質。佃プライド。

「第五章 佃プライド」より


熱い!!!


☆★☆




そんなこんなで。
名作経済小説を”キャラ読み”してしまいましたが。
ジャンプらしさ、伝わったかな。

あ、ちなみに本書のもっと異端な読み方としては
”腐読み””乙女読み”ができるかと思います。


佃×殿村
なら顔を真っ赤にして悶える殿村きゅんが萌えるだろうし

江原×佃
なら江原の俺様プレイが火を噴きそうですね。


……ああもう何の話だか(笑)。



今日は


『下町ロケット』っていう本が
熱い展開だよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



という記事でした。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか


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