2016年10月14日

「ベルセルク」に学ぶ3つの人生哲学〜3つの名場面から〜

 
今日のなぞなぞ
「漫画『ベルセルク(BERSERK)』から何を学ぶべきか?」



お前の死に場所は俺が決めてやる。

……というわけで。狂戦士ファンのあなたへ。
こんばんは。


このブログで紹介するのは初めてですが、実は私も
前から大好きでしたv


ご存じでない方のためにいちおう紹介しておくと。
「ベルセルク」は雑誌「ヤングアニマル」連載のダークファンタジー漫画です。

1989年から続く超大作で、”隠れファン”も多かったのですが、
2002年に第6回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞したこと、
さらに何度もアニメ化されていることなどから、ファンの裾野が広がりました。
いまでは、万人が認める名作です。

今日はこの名作漫画の名場面・名言をとおして、
「哲学」について一緒に考えてみましょ、というエントリです。



 3つの名シーン


3人の登場人物にスポットを当てます。
その3人とは……


グリフィス
四肢を失ってもなお夢を追う白鷹の美青年。




ガッツ
戦い続けることを宿命づけられた黒い狂戦士。




そして……
ニーナ


いや、それニーナじゃない。ベヘリットじゃん!
というファンからのツッコミが聴こえた気がします(笑)。

すみません。ニーナのフィギアは見つかりませんでした。
ニーナは主役格ではなく、脇役です。

聖地のたもとの難民街に、娼婦のコミュニティがあるんだけど、
そこを仕切っているのがルカっていう人物で。
サバサバしているくせに情に熱くて、同性でも惚れてしまうくらいのキャラクターです。

この魅力的なルカ姉の妹分がニーナ。
脇役だ。



俎上にのせる名ゼリフは以下の3つ。
(アニメの脚本ではなく漫画からの引用です)

天空の城めざし
頂きに屍を積み続ける
それがお前だ

それでも なお
お前の目に
あの城が何よりも眩しいのなら
積み上げるがよい


”蝕”の儀式で仲間を贄にすることをためらうグリフィスに対する”悪魔の囁き”(「決別」より)

このまま
あいつの夢に埋もれるわけにはいかねぇんだ

……もうごめんなのさ
あいつの夢の中で
あいつを見上げているのは


グリフィス率いる鷹の団を抜ける覚悟をしたときのガッツの言葉(「炎の墓標2」より)

人は強いってだけで
誰かを傷つけてしまい
弱いってだけで誰かを憎んでしまう

縋(すが)る誰かより
誰かを赦せる自分が欲しい


ルカ姉のもとを離れ恋人と生きていくことを選んだニーナの言葉(「暁(あかつき)」より)


 天空の城


順番にみていきますね。

天空の城めざし
頂きに屍を積み続ける
それがお前だ

それでも なお
お前の目に
あの城が何よりも眩しいのなら
積み上げるがよい


”蝕”の儀式で仲間を贄にすることをためらうグリフィスに対する”悪魔の囁き”


自分の国を手にいれるため、なにも持たないところから傭兵団を組織し
一国の騎士団長にまで昇りつめたグリフィス。
しかし、ガッツが団を離脱したことでいつもの冷静さを失い、焦り
「反逆者」の烙印を押されてしまう失敗をおかす。


夢へと向かう道は途絶えた。


でもそれは、あらかじめ定められていた”運命”で。
グリフィスには、仲間を生贄にすることで新たな”覇者”となれる道がひらかれている。

グリフィスは気づきます。
今までも、同じだったじゃないか。戦争によって地位を築きあげてきた。
敵の、そして命を落とした仲間の、幾千の死骸でつくられた道の先に俺の城はある。
あきらめたら、今度は自分がその屍になってしまう。


夢を追うことの構造的な残酷さ
おぞましくも美しい屍の山で描写した、名シーンです。


なにかを得るためには、
なにかを失わなければならない。

……などという安易な教訓をひきだしてまとめるようなことはしません。


哲学は”答え”ではなく”問い”である。

と私は思う。

この名場面があなたにどんな”問い”を投げかけるのか。
それこそが今日の記事のキモです。


ほんとうに尊い犠牲が必要なのか。ほかに道はないのか?
そのとき自分は屍を積み上げるだろうか?
逆に、あえて”屍になる”のが自分の美意識にかなった生き方か?

……あなたはこの名シーンに
どんな”問い”を感じたでしょうか。




 他人の夢の中


このまま
あいつの夢に埋もれるわけにはいかねぇんだ

……もうごめんなのさ
あいつの夢の中で
あいつを見上げているのは


グリフィス率いる鷹の団を抜ける覚悟をしたときのガッツの言葉


一対一の勝負でグリフィスに破れ、鷹の団に所属した孤高の剣士ガッツ。
魅力的なリーダーと気さくな団員。あたたかい雰囲気のなか、次第に居場所を得ていく。

しかし、あるときグリフィスの”友情観”を知ってしまう。
ガッツが盗み聴きしてしまったのは↓こんなセリフです。


「私にとって友とは……
決して人の夢にすがったりはしない

(中略)
自分の生きる理由(わけ)は自らが定め
進んでいく者……

そして その夢を
踏みにじる者があれば
全身全霊をかけて立むかう…
たとえそれが
この私自身であったとしても…

(中略)
そんな…”対等の者”だと思っています」


ある意味、ガッツに向けて言っているとも取れるセリフなのですが
この言葉を聴いてガッツは、自分がぜんぜん”対等”でなかったことを想い知らされる。
グリフィスの右腕……友ではなく”優秀な部下”だったことを。


俺は俺の生き方をする。
ガッツは、鷹の団を抜けることを決めました。


↑ひとつめの「屍の山」とも対応する名場面です。
狂戦士は、白鷹が踏みしだいていく「屍」のひとつになることに耐えられなかった。
”真の友”となるために別れねばならない。深いシーン。



他人の夢のなかで生きる


……ビジネスパーソンのあなたなら、身につまされる話かもしれません。
もちろん会社員も、鷹の団のメンバーも脅されて強制されて働いているわけでありません。


キャスカもジュドーもコルカスも(団員メンバーの名前です)、
みずからの意志で選択し、鷹の団を居場所にしている。
みなそれぞれ、身の丈にあった自分の”夢”を描いている。

でも、だれもグリフィスと”対等”になろうなんて思ってもいません。


↓以下はコルカスのセリフ。

「あいつは特別なんだよ!!
オレ達とは違うんだ!!」

「勝利者になれるのは
ほんの一握りの人間だけだ!!

大抵の人間は自分の力量や器と自分の置かれた現実に
折り合いをつけて 何とかやっていくもんなんだ!!」

「夢さえあれば か…
そんなもんは現実に目を向けられない弱っちい人間の逃げ口上だよ!」




あ。ところで。
ちょっと話がずれるけど、よく
「私達凡人は……」みたいなことを言ったり書いたりするひと、いるじゃんね。

あれを聴いたり読んだりすると、私はちょっと違和感をおぼえる。
べつに他意はないレトリック(修辞)だとわかっていても、
なんていうのかな。

そんなカンタンに自分の平凡さを認めちゃっていいのかな、とか
いや私達って、むりやり巻き込むなよ、とか。

う〜ん、うまく言えない(笑)。


あ、あとね。
「噴飯もの」「唾棄すべき」「口を酸っぱくして」みたいな表現も、ちょっとあれだな。
いや汚いから! とか思っちゃう。

「垂涎もの」くらいならありかな。
「虫唾が走る」はOKかも。外に飛ばしてないから。


……何の話だ(笑)。
とにかくっ。


あいつの夢に埋もれるわけにはいかねぇんだ

この名ゼリフは、
あなたにどんな”問い”を投げかけましたか?




 弱き者の縁(よすが)


人は強いってだけで
誰かを傷つけてしまい
弱いってだけで誰かを憎んでしまう

縋(すが)る誰かより
誰かを赦せる自分が欲しい


ルカ姉のもとを離れ恋人と生きていくことを選んだニーナの言葉


「ベルセルク」のなかで、個人的に一番好きな言葉です。
グリフィス、ガッツ……”強い者たちの戦い”をメインに据えている物語ですが
ニーナやその恋人のヨアヒムは”弱い者”に寄り添った視点でつくられている良いキャラクターだと思う。


病を患ってしまったニーナは、娼婦として働くこともできず
ルカ姉に頼りっきりの生活をしている。

心の弱さから邪教徒になってしまい、
ヨアヒムをも悪の道に引きずりこむ。

妹分を必死に心配し助けようとするルカ姉に、
ニーナは石を投げつける。



↓以下はルカを罵るニーナのセリフ。

「知ってた!?
私 前からあんたのこと許せなかった!!」

「私を哀れんでるの!! 軽蔑してるの!?
そうやっていい気分になって自分に浸ってるんでしょ!!」

「あんただって私と同じただの淫売じゃないのさ!!
それがどうしてそんな目で
他人を見下せるのよォ!!」



ルカ姉に叱られても救われても、
やっぱりダメダメで弱いまんまのニーナ。
それでも生への執着は強く。
聖地を襲った大災厄から、生き残ってしまう。


強い者は存在じたいが弱い者を傷つけ
弱い者はその強さを憎まずにはいられない。


ふたたびルカ姉を憎んでしまう前に、
ニーナはルカの庇護から離れることを決める……。



あなたが強い者だとしたら。
あなたは無意識に、誰かを傷つけてないだろうか?

あなたにもし弱いという自覚があるのなら。
弱さゆえ誰かを憎んでいることに、気づいているだろうか?


……この名場面は、
あなたにどんな”問い”をもたらしましたか。


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 やっぱり……


以上。
「ベルセルク」に学ぶ3つの人生哲学 でした。
お楽しみいただけましたでしょうか?


以前の記事(「魔法少女まどか☆マギカ」に学ぶ4つの人生訓)がちょっとクサかったので、
今日はすこしひかえたつもりだったけれど。

……やっぱり恥ずかしいね(笑)。
照れる。


ほんとうは……


『ベルセルク』は
名作中の名作だよぉ☆(*´∇`*)ミ☆



と、それだけ伝わればじゅうぶんなのです。
いつもどおり。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか


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カテゴリ:漫画・アニメ・ゲーム・ライトノベル





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