2014年11月12日

仕事ができない人ほど自己評価が高い、はウソ!

 
今日のなぞなぞ
「仕事ができない人ほど自己評価が高い……ってホント?」



世の中でまことしやかにささやかれている都市伝説。
それは……


仕事ができない人ほど自己評価が高い。


今日はこれがホントなのかどうか
一緒に考えてみましょ♪




 平均以上(人並み以上)効果とは?



自己評価の話をするときによく引かれるのが
「平均以上(人並み以上)効果」(above average effect)という心理学用語です。
自分が「平均以上」だと思っている人けっこう多い、という概念。


・アメリカの高校生の70%が「自分には”平均以上”のリーダーシップがある」と回答した。
・大部分のドライバーが「自分は他人より運転がうまい」と思っている。
・大学教授の94%が「私は”平均以上”の仕事をしている!」と考えている。


みんながホントに自分の実力をわかっているなら、

”他人より能力が上”と豪語する人は50%くらいになるはずだろう。

世の中、うぬぼれ屋がたくさんいるよね

……ということなんだけど。


ちょっと待った。
このロジックは、なにかがおかしい。
(※ 「above average effect」についての論文がおかしいのではなく、
いま私が↑で述べたロジックがどこか変という意味です)



みんなの能力にたとえば点数をつけたとして、
必ず半分の人が平均以上になる?

ほんとに、なる?


じつは、半数以上のひとが「平均以上」になるケースは存在します。
それどころか、
90%のひとが「平均以上」のこともある。



 90%が平均以上、はありえる



たとえば、
10人しかひとがいない国があったとします。

なんでもいいのだけど、たとえば運転能力を点数化してみたとして……


a さん 80点
b さん 80点
c さん 80点
d さん 80点
e さん 80点
f さん 80点
g さん 80点
h さん 80点
i さん 80点
j さん 10点



こんな感じの分布になってたとする。
この場合、運転能力の合計は 80×9+10=730 点なので、
10で割ると、平均は……

73点!


あれ?
90%の人が平均以上じゃん!


このとき、もし
「俺は平均以上だぜ!」って言ったひとが7割ぐらいだとしたら、
みんな謙虚すぎ、ってことになります。
もっと自信持って。って。



「平均値」と「平均以上/以下のひとの数」は、
ぜんぜん違う
んですね。


以前の記事(「だまされやすいタイプ」について語るとき私が語ること)でもちょっと触れたけど、
数字はほんとうに、人をまどわせやすい。

直観的に正しそうなことが、
じつはぜんぜん間違ってることも多い。




半分の人が平均以上であると言うためには、たとえば

全ドライバーの運転能力が正規分布(ほとんどの人が平均値に近く、平均を境に対照的になだらかに散らばっている)である

という前提が必要なのです。



 だけど「平均以上効果」はありそう



んでだ。
じゃあ、「平均以上(人並み以上)効果」ってまるっきりデタラメなのかというと、
ぜんぜんそんなことない。

実は「平均以上効果」の論文には、↓こんな調査結果も載っているそうです。



・「自分の社会性レベルが上位10%以内」と答えた人が全体の60%いた。
・さらに、「上位1%以内」答えた人が25%もいた。



「平均」でなく「順位」なら、話はべつです。
その人の社会性が点数化されて、上から1位,2位,3位……と順番が与えられていくなら、

「上位1%以内」は1%。「上位10%以内」は10%にしかならない。

(おなじ順位の人はいないように点数をつける、という前提で。
さっきの10人の国みたいに
同率1位が9人いれば、またややこしくなる^^;)


どうやら、「平均以上効果」は
ほんとうにありそうです。



 仕事ができない人ほど自己評価が高い、とは言えない



「ほら、やっぱり。
仕事ができない人ほど自己評価が高そうじゃん」

……そう結論づけたくなるけど、
やっぱりまだ、ロジックが通っていません。

これを言うためには、
「仕事ができない人ほど、平均以上効果がおおきく出やすい」ことを証明しなきゃならない。


たとえば、デキビジ度(デキるビジネスパーソン度)に点数をつけたとして……

それぞれの点数ゾーンで、自己評価がどれくらい上方乖離しているか(うぬぼれ率)
をはかってみて

「デキビジ度がさがるにつれ、うぬぼれ率はあがってゆく」という相関関係が観測されれば

「仕事ができない人ほど自己評価が高い」と言える。



たぶん、誰もそこまでやってないよね。

そんなこんなで今日は


ぜんぜん裏づけれらていないことを、
鵜呑みにしないようにしよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。



……まあ、私は”面白ければなんでもいい”というスタンスなので、
主観全開! な本も大好きだし、
私も主観全開でいろいろ書いてるわけだけど。

いろいろな情報を、ぱくっと鵜呑みにしても、
鵜のように。いつでも吐き出せるようにしておきましょ♪
ビバ、リテラシー。です。


 今日の本の紹介



さてさて。
ここまできてやっと、↑冒頭にあげた本の紹介です。



学問の世界をやさしく、わかりやすく案内してくれる
ナツメ社「図解雑学」シリーズより1冊。

パラドクスとは、
正しそうにみえるけど、とんでもない結論が導かれてしまう論理のことです。


アキレスと亀、クレタ人、砂山。
張り紙禁止の張り紙。
インターネット利用率が100%になるアンケート。
自動車事故は「自宅周辺」がいちばん多い!?


などなど、数学や論理学で有名なものから、ちょっとした面白パラドクス、
数字や統計のワナ……まで、パラドクスたっぷり。

ジャンルを問わないリテラシーが身につく1冊です。



それから↓これも。



この本はすごい。
ざくっというと


あなたが実力だと思っていること、
そのほとんどは「まぐれ」だよ?



っていう本。

確率論。統計。マネーリテラシー。皮肉とユーモア……。

褒めはじめたらキリがない殿堂入りの良書なので、
後日あらためてレビューするかもしれません。
厚いけど、面白くて一気に読んでしまう。オススメです♪

追記)
あらためてレビューしました。

最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために



そんなこんなで。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


【関連記事】

「だまされやすいタイプ」について語るとき私が語ること
最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために


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posted by akika at 21:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ネット・情報リテラシー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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