2014年10月22日

「だまされやすいタイプ」について語るとき私が語ること

 
今日のなぞなぞ
「あなたは、だまされやすいタイプ? それとも?」

kinuta
鬼怒太「ど〜ん!!」

↑鬼怒川温泉のご当地キャラクターです。
こないだ行ったときに撮ってきました。
鬼怒子もいたよ。

さて、今日は鬼怒川とはなんの関係もない
確率論のお話です。




☆★☆



必要があって先日、株式投資の本を読んだのですが。
そこに掲載されていたコラムで、ちょっとひっかかる記述がありました。
まんま引用ではなく、要約します。

あ、↓の損切りとは、買った株が意に反して値下がりしてしまった場合に
いったん売却して損失を限定することです。
以前の記事(持ち株を塩漬けにしないための7つの心構え〜損切り(ロスカット)のススメ)で詳しく解説しています。

では、要約。


「損切り・乗り換え」の成功率は25%

A株を損切りをして戻ってきた資金をすぐにB株に投資(乗り換え)した場合、
結果は以下4つのいずれかになる。

1 売ったA株が下がり、買ったB株が上がる
2 Aが上がり、Bが下がる
3 AもBも下がる
4 AもBも上がる


狙いどおり大成功となるのは「1」のみ。
「2」は大失敗。
「3」になるなら、A株を損切りするだけでよかったはず。
「4」なら、Aを売らず追加でBも買えばよかったはず。

「損切り・乗り換え」が成功したといえるのは「1」だけ。
株価が上がる/下がる確率がともに50%だとすると、
「損切り・乗り換え」の成功率は4回に1回。つまり25%。
よって、乗り換え売買はするべきではない。
「売り」は「売り」だけで完結させよ。



なるほど、確かに。
よし、乗り換え売買はやめておこう!

……そう思ったあなた。
あなたは、「だまされやすいタイプ」かもしれません。


このロジックは、なにかがおかしい。
なにが間違っているのか。



☆★☆


megami

では、答えあわせ。


まず、50%の確率で当たるクジのことを想像してみてください。
100円で買えるクジ。アタリは200円もらえて、ハズレは0円になる。
これを、2本連続で引く。


「クジがふたつともアタリである確率は
1/2 × 1/2 = 1/4 で25%。

もしクジをひとつしか引かなかったら、
50%の確率で当たっていたはず。

よって、クジは1本だけ引くのがよろしい


……これだと、
「えっ!?」って感じます
よね。
実は↑の乗り換え売買の要約は、これとまったくおなじ構造です。

ホントは、
何十本クジを引こうとも、当たる確率はずっと50%のはず。
9本連続で当たっていても、10本目がアタリかハズレかは五分五分。


「確率論的独立性」ってヤツです。


ひとつめのクジの結果は、
ふたつめのクジのアタリハズレにはなんの影響も与えない。

ちなみに期待値も、ずっと一緒で100円のまま。
なので、クジは1本だけがいい……とは言えません。


おなじように、A株を損切りしたあとに買ったB株。
これが上がる確率は、50%であるはず。
「損切り・乗り換え」の成功率は25%でなく50%です。

「損切りしたのち」に「乗り換えるべきか否か」という問いなので、
売っちゃった後のA株は、上げようが下げようが関係ない。


☆★☆



その本の著者はもと証券会社勤務のライター・ジャーナリストでした。
株の基礎知識から、ファンダメンタル・テクニカル分析まで
わかりやすく解説してくれていて、良い本だと思ったのだけど……。


これがたとえば、


「株は相場の地合い(強さ弱さ)に連動しやすい。
なので、手持ちの銘柄が下げているなら、ほかの株も下げていく可能性が高い。
よって、損切りしたあとは様子を見るべきだ」

あるいは

「損失をこうむった投資家は、
損を取り返そうとしてムチャな売買をしやすい心理状態にある。
よって、すぐさま乗り換えるのはやめた方が無難だ」


というロジックだったら、頷けます。
でも成功率25%だから……は違う。

なのでそのジャーナリストさんには悪いけど、
今日はその本は紹介してあげません(>_<)。



ところでじつは、私も最初読んだときに引っかかりを感じたことは感じたのですが、
「この引っかかりはなんだろ〜」と小一時間考えこんでしまいました^^;

そして、
ライアーゲーム風にいうならば、



「この子、確率論の根本がわかってないわっ!」



と、そう思ったのです(小一時間考えた後に)。



☆★☆



というわけで。


数字とは、

使い方によっては
間違っているものさえ正しいと思わせてしまう「悪魔の道具」


なのですね。


まどわされないように、しっかり
曇りなき眼で見定め、真実を判断していきましょ。


そのためには……読書だ!


みんな、いっぱい
本読もうよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆


って今日もそこに辿り着く。


本日紹介するのは、「数字にまどわされないようになる本」です。


☆★☆



数学者・芳沢光雄さんの新書。数式ばかりの本ではないのでご安心を。タイトルどおり、数学的に考えることの大切さを説いています。解き方を「丸暗記」させがちな受験教育にも警鐘を鳴らす。教育論の本としても読めます。


以前の記事(【ミステリ】読み始めたら止まらない徹夜本10冊【SF】)でも紹介したミステリ作家、森博嗣さんのエッセイです。「俺は文系!」と自己規定してしまっている方は、読んでみてもいいかも。いつのまにか科学的思考から逃げてしまっている自分に気づきます。



森博嗣さんといえば、
テレビドラマ「すべてがFになる」がはじまっていますね♪

森さんのデビュー作『すべてがFになる』の映像化ですが、
第1話の原作が『冷たい密室と博士たち』だったり、
S&Mシリーズ(西之園萌絵と犀川創平が登場する一連の作品)の連作という感じになるのかな。
今後の放送も楽しみですv







それから、このブログの記事では

最近読んだ「考える力を鍛える」本10冊
創造性はつくれる!!――多湖輝教授の『頭の体操』



あたりが参考になるかもしれません。
ではでは……。



kinuta
鬼怒太「ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"!」



あきか



【関連記事】

持ち株を塩漬けにしないための7つの心構え〜損切り(ロスカット)のススメ
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最近読んだ「考える力を鍛える」本10冊
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posted by akika at 20:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 金融リテラシー・投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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