2014年09月23日

パーソナリティ(障害)の10のカタチ

 
今日のなぞなぞ
「10個の心の形とは?」



今日紹介するのは、パーソナリティ(人格)障害の本。
著者の岡田さんは精神科医でもある作家さんです。


パーソナリティ障害とは、

その人が持つ偏った性格のために
社会生活を送る上でなんらかの不都合が生じている状態


のこと。


本書は、「境界性」「反社会性」など
パーソナリティ障害の10個の形を紹介。
また、具体例として実在の人物や映画などの登場人物を挙げ、
克服方法・接し方のコツを提案しています。



ある状態を「障害」と呼ぶかどうかは、
その人が置かれている社会状況により異なる。

……と私は思います。

国や時代が変われば
障害は障害でなくなり、逆に、障害でないものが障害と名指される。


なのでこの本は、
「障害」という言葉にとらわれなければ、
”性格傾向”の10のパターンとして読める。

(じっさい、本書の末には「パーソナリティ自己診断シート」が付録されているのですが、
ひとつも丸がつかない人なんていないよね……というチェックリストになっています)


今日は、この本をレジュメとして、
10個の”心のカタチ”をみていきましょ♪




 1 境界性パーソナリティ障害


ボーダーライン・パーソナリティという言葉で
耳にしたことがあるひとも多いかな。
”境界”は精神病レベルと神経症レベルのボーダーのこと。


端的には、
「最高に幸せ」と「不幸のどん底」をめまぐるしく往復する気分の不安定さ

が特徴なのですが、
いろいろな一面をもつ性格です。

おなじ人に対しても
理想化とこき下しの両極端を揺れ動く、不安定な対人関係。
自己破壊衝動。
慢性的な空虚感。
周囲が対処に困るような激しい怒り。
同一性障害や解離症状(自分が自分である確信を持てない状態)


など、あらゆる症例みせる傾向にあります。

本書では、具体例として
『17歳のカルテ』のスザンナが挙げられていました。

自殺未遂をして病院に収容された少女。
自分はこんなとこにいるべきじゃない……ともがきながら、
患者同士の友情にふれ、ふりまわされ、葛藤に揺れ動く。名作映画です。



境界性パーソナリティ障害に対する接し方のコツとしては、
一貫した態度を通すこと。

克服のポイントは、
白か黒かではなくグレーを選択し、人や物と「細く長くつながる」こと。


 2 自己愛性パーソナリティ障害


自分が賞賛に値する、特別な存在であると思っている

のが特徴。

自慢話を好み、他者を見下し、取り巻きを求める。
プライドは高いが非難に弱く、人に教わるのが苦手。
生活力が弱く、依存できる相手をつくったり、
自己愛が傷つくのを怖れ引きこもるケースも。


画家のサルバドール・ダリやデザイナーのココ・シャネル、
小説『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラが
具体例として挙げられていました。

関連記事:
【ココ】シャネルの生き方や性格がわかる本16冊【ガブリエル】
香水はあなたがキスしてほしいところに――『ココ・シャネル 女を磨く言葉』より





接し方のコツとしては、
望みどおりに、王様や天才のように扱うこと。
(自己愛を尊重することで、対等なコミュニケーションを取れるようになる)


克服のポイントは、
耳の痛いことを言う相手を大切にすること。



 3 演技性パーソナリティ障害


人々の注意を惹き、他者を魅了し続ける

のが特徴。

ウソをついても、みずからを貶めてでも、
自分が主人公である。
自分の言葉は、肉体は、挙動は、
常に相手をうっとりさせていなければならない。

自分がスポットライトを浴びた主役であることを証明し続けなければ気がすまない。
そんな性格です。

俳優のマーロン・ブランド、チャールズ・チャップリン、
↑で挙げたココ・シャネルも、
演技性パーソナリティの例として挙がっていました。




接し方のコツとしては、
嘘や演技にふりまわされず、背後にある寂しさに目を注ぐこと。

克服のポイントは、
ひとりで自分を見つめる時間を持つこと。


 4 反社会性パーソナリティ障害


良心の欠如、他者に対する搾取

が最大の特徴。

法規範から逸脱し、他者をだまし、
恋人でさえ自分のために利用する。
自他の安全を顧みない衝動性、攻撃性。
計画性や責任感の欠如。

アウトサイダーでいることに快感すらおぼえる、そんな性格です。

映画『復讐するは我にあり』の榎津が例として挙がっていました。



本書では言及されていないのですが、
↑の境界性パーソナリティで挙げた『17歳のカルテ』でも、
反社会性パーソナリティ障害と診断されたリサという女の子が出てきます。
また、名作映画『カッコーの巣の上で』のマクマーフィーもおそらく反社会性です。



接し方のコツとしては、
挑発に乗らず、冷静さを維持すること。

克服のポイントは、
危険を求める衝動を社会のなかで昇華させる方法、を探すこと。


 5 妄想性パーソナリティ障害


他人を心から信じることができない

のが特徴。

裏切られるかもしれない不安。
根拠のない猜疑心。
心を開けないがゆえの、秘密主義。
柔軟性の乏しさと、親密になった後の執着傾向。
期待外れな反応に対する過剰な怒りや逆襲。

本書では、政治家のスターリンやヒトラーが例として引かれていました。


接し方のコツとしては、
一定の距離を置き、相手にとって目立たない存在であり続けること。

克服のポイントは、
他人に勝ち支配するのではなく、許すこと。



 6 失調型パーソナリティ障害


ユニークな思考や直観、頭のなかでの対話など「頭で生きている」

のが特徴。
スキゾタイパル(失調型)という言葉で耳にしたことがある方もいるかもしれません。

マイペースで、周囲にあわせるのが苦手。
関係念慮(ほんらい関係ないものを自分に結びつける思考)。
魔術的思考への親和性。
特異な話し方や外見、行動。
親しい友人や信頼できる他者を持たない。
過度な社会不安や妄想的恐怖を伴うケースも。


本書では、オカルトに傾倒した心理学者ユングや
作家のヘルマン・ヘッセ、夏目漱石を挙げています。




接し方のコツとしては、
独創的な発想と現実とを橋渡しするコーディネーター役になる(を得る)こと。

克服のポイントは、
日常をおろそかにしないこと、人の気持ちに目を向けること。
引きこもること、あるいは逆に新しい環境に身を置くのも有効。



 7 シゾイドパーソナリティ障害


対人接触を求めない

のが特徴。

自己愛性や回避性パーソナリティが「ほんとうは他者を求めている」のに対し、
シゾイドは、なによりも孤独を求めているのがおおきな特徴だそうです。

清貧、質素な生活をし、
あらゆる欲がわずかしかなく、
他人の賞賛や批判にも無関心にみえる。
淡泊な感情、平板な情緒、よそよそしさ。
宗教的な霊性や芸術的感性を持っている人も多く、内面は意外と豊か。


哲学者のキルケゴールが挙げられていました。



接し方のコツとしては、
相手の聖域に土足で踏みこまないこと。

克服のポイントは、
無理に克服しようとせず、自分の道を極めること。


 8 回避性パーソナリティ障害


失敗すること、傷つくことを極度に怖れる

のが特徴。

自己評価の低さや自信のなさからくる、消極性。
挑戦の回避。
批判や拒絶を怖れるゆえの”食わず嫌い”の人生観。
好かれていると確信できなければ、他者と関係を持ちたいと思わない。


エリカ・ジョングの自伝小説『飛ぶのが怖い』
具体例として取りあげられています。



接し方のコツとしては、
否定的な言い方を避け、主体性を尊重すること。

克服のポイントは、
失敗を怖れないこと。動かねばならない状況に身を置くこと。


 9 依存性パーソナリティ障害


主体性を捨て、自分を他者に委ねている

のが特徴。

自分で決められない、自らなにかをはじめることが困難。
ひとりが苦手。
反対意見を言えず、相手に合わせてしまう。
孤独への恐怖。
周囲の状況にあわせて人生を決めてしまう。
自信を持っているようにみえる人に、利用されやすい。

ともに自己評価の低さがありますが、
回避性パーソナリティが対人接触を避けるのとは反対に、
依存性パーソナリティは、他人に必死にしがみつこうとします。


具体例としては、ちょっと意外だったのですが
名作映画『ギルバート・グレイプ』のギルバートが挙がっていました。
知的障害者の弟と過食症の母の介護に疲れ、押しつぶされそうになる青年。
ジョニー・デップが好演しています。

ギルバートの献身は家族愛や責任感の強さゆえだと思っていたのですが。
献身を口実にして、自らを縛っている……という本書の指摘に納得。

ちなみに依存性パーソナリティには「赤ん坊型」と「献身型」があるそうです。
ギルバートは後者。彼の母親は前者でしょう。



接し方のコツとしては、
自分で判断するよう仕向けること。

克服のポイントは、
自分の気持ちを口に出すようにすること。


 10 脅迫性パーソナリティ障害


責任と義務を大切にする

のが特徴。

完璧主義なところはあるけれど、
仕事や対人関係もきっちりしていて、
ぱっと見では”よくできた人”にみえる。

でも、完璧主義ゆえ、うつや心身症になりやすく、
規範や自分の基準を他人にも押しつけてしまうことも。
リラックスが苦手で、計画を立て常に何かしている。
アドリブも苦手で、行き当たりばったりは性にあわない。
道徳、倫理について融通が利かず、
プライベートを犠牲にしても仕事等に過剰に打ち込む。
努力が報われない状況では、強いストレスを受ける。
堅苦しさ、頑固さ、現状を変えたくないという気持ち。


本書ではとくに具体例は挙がっていなかったのですが、
たとえば漫画『DEATH NOTE』の魅上照というキャラクターが脅迫性パーソナリティっぽいです。
過剰なほどに正義を重んじる検事。
悪は例外なく制裁を受けるべきとの思考を持つ。
とても几帳面で、表情ひとつ変えないまま、決まった日課を規則的に繰り返す生活を送っています。



接し方のコツとしては、
互いの責任の範囲や役割分担を明確に決めること。

克服のポイントは、
上手に休めるようになること。過度に自分のせいにしない。他人におなじことを期待しない。




なお、以上のレビューは本書の引用ではなくて、
ほぼ私の言葉で書いています。
特徴、接し方のコツ、克服ポイントなどは

かなりざっくりと端折って意訳していますので

よければ直接本書にあたってくださいね。


ひとの”心の在り方”について具体的に考えるとき、
ゆっくりじっくり読みたい1冊。


良書ですv


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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タグ:心理学







 
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