2012年09月20日

【ミステリ】読み始めたら止まらない徹夜本10冊【SF】

 
今日のなぞなぞ
「徹夜小説ベスト10は?」


赤レンガdone

「読み始めたら止まらない徹夜本10冊」をまとめました。
日本のミステリやSF小説のなかから、"読みやすさ"と"熱中度"を基準にセレクト。

読書の秋、眠れない夜にじっくりとど〜ぞ〜♪


 第10位


小説10冊と言っておきながら、1発目は漫画。「捕まえてみろ、殺してみろ」……何度読み返しても毎回夜を明かしてしまう、徹夜マンガの鉄板。絵もテキストも膨大な情報量なので、活字好きも満足。頭脳をフル回転させながら、ロジカルな心理戦に没頭せよ♪

 第9位


「このミステリがすごい!」の第1位に延々と輝き続けている、徹夜本の鉄壁ミステリ。"お金"の問題を扱う、社会派作品でもあります。誰もが認める、宮部みゆきさんの大傑作。

 第8位



「気をつけて、もう始まってるかもしれない」。アニメ化されて一気に読者が広がった、綾辻行人さんのホラーミステリ。田舎町の日常がひたひたと不穏な空気におかされていく……ゾクゾクしながらイッキ読み必至。

 第7位


引きこもりの兄は、なぜ自殺したのか? 答えを追い求めるうちに、ユキはひとの心の狂気へとさし迫っていく……。心理学や文化人類学、オカルト好きなら、これはハズせない。ベイトソンの影響なんかもみえる、ある意味とても学究的なエンターテイメント小説です。

 第6位


これは現実なのか、ゲームのなかの出来事なのか。ヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』のテストプレイヤーとして仮想世界にはいりこんだ2人の男女が、ある事件に巻きこまれていき……。ミステリユニット・岡嶋二人名義の、最後にして最高のSFミステリ。

 第5位



目覚めると、記憶をなくしていた。机の上には、書いた憶えのない、自分の筆跡の手紙が。単純な「時間旅行」ではない、「タイムリープ」という現象が彼女の身に起こっている……。タイムスリップものの面白さがギュっとつまった傑作♪ 青春小説ふうの恋愛要素もあって、きゅんきゅん。徹夜ライトノベルの定番ですv

 第4位


インターネット上で殺人推理ゲームを出題しあう、"頭狂人""044APD""aXe""ザンギャ君""伴道全教授"。彼らが話しているのは、"机上の空想"ではない。実際にその手を血に染めた、リアルの犯罪なのである……。無線LAN、ビデオチャット、SNS、動画サイト。いまもっとも新しい、IT時代のミステリといえば、この作品以外にない。本格ミステリ(後述)のおいしいところだけ詰めこんだ、濃厚なノンストップサスペンスです。

 ランキング圏外

トップ3の発表の前に、ランキング圏外から3冊紹介。


「ぼくは神様なんだ。猫殺しの犯人も知っているよ」。転校生の鈴木君は本当に神様なのか、それとも……。衝撃すぎるラスト。みんながどう解釈しているかを知りたくて、読後、私はネット上の書評を読みあさりました。読みやすさ・熱中度ともに満点なのですが、わりと短時間で読み終わってしまう長さなので圏外。とにかくバツグンに衝撃的なミステリです。


女の子たちは、ネット上で架空の物語を作るのにハマってしまう。 そして、虚構のはずの物語が、現実に侵食してゆき……。 ↑の『神様ゲーム』と並んで、知る人ぞ知る傑作ジュブナイルミステリ。こちらも短時間で読み終わってしまう分量なので、圏外にさせていただきました。

ガラスの仮面 1-24巻セット (白泉社文庫)
美内 すずえ
白泉社
売り上げランキング: 74376

演劇・お芝居を題材にした有名なマンガです。ストーリーの濃さ、描きだす人間像は、マンガというより"本格小説"と言ってしまいたいほど。多くのひとが「読み始めたら眠れなくなる」と声をそろえている徹夜本。でも、ミステリでもSFでもないので、今回は圏外です。


 第3位


あなたがもし、いまの記憶をもったまま、過去をやり直せるとしたら? でも、時間を遡る「リピート」の代償は、とても高くつくかもしれません……。タイムスリップSFの名作『リプレイ』+ミステリの名作『そして誰もいなくなった』的な作品。映画『バタフライエフェクト』が好きな人はハマります。時間旅行ものの傑作。分量も、読みごたえじゅうぶんです♪




 第2位


「宇宙を作ることはできるのか?」……究極の命題に、平凡な大学生と天才美少女が挑みます。物理学、宇宙論、相対性理論、量子論……科学の面白さと物語のエンターテイメント性がステキに結合を起こした、傑作SF。理系の知識がなくても、わかりやすくガンガン読んでいけるし、読めば自然と科学に詳しくなります。私は読後、いてもたってもいられなくなり、宇宙物理学の本を読みあさってしまいました(笑)。第3回小松左京賞受賞作。

 第1位


誰もが名作だと口をそろえる、ノワール(悪漢)ミステリの白眉。暗く、テーマもちょっと重たいけれど、イッキ読み必至。文章で直接書かれていない、いわゆる「テクストの空白」のなかで重要な物語が進行していく……不思議なからくりが仕掛けられています。映画やドラマでも有名な作品ですが、原作の方がミステリ的な意匠が強く面白い。そして、切ない。読み応え充分なボリュームで、堂々の1位です。徹夜覚悟!



追記)
同率1位でもう1冊。カルト宗教に家族を奪われた少年。大人になった彼が選んだ職業は……なんと、教祖! 復讐心や母への慕情をつのらせながら彼は、信者を利用して欲望を満たしはじめる。登場人物や団体それぞれの思惑がからみあい、物語は三すくみの様相へ。ノンストップな読書体験を約束する、ダークサイドサスペンスの鉄板!





追記)
同率一位にさらに一冊。未来の日本、人間はみな「呪術」をあやつる力を身につけ、動物たちは異形の進化をとげている。平和で牧歌的な世界のなかで「大人達が隠しているもの」とは……。伝奇でもありSFでもある、細部までつくりこまれた世界観がすごい、ファンタジー小説。



 番外編

ベスト10のあとは、「番外編」としてキラリと光る名品をご紹介。
今回は「本格ミステリ」(※)と呼ばれるジャンルの名作をランダムピックアップ的に紹介します。

マニアックなリストにならないように、とベスト10からほぼ外した本格ものですが、
じつは徹夜本ばかりのジャンル。
ハマれば、本格以外では物足りなくなるかも……。

※ 謎とその解決になによりも重きを置く、ミステリの王道的なジャンル。日本では80〜90年代に島田荘司さんや綾辻行人さんの作品が騎手となって「新本格ムーブメント」が起こった。





幻想的な雰囲気。濃厚な論理。私は綾辻行人さんのミステリが大好きなので、ほんとは全作品を挙げたいのだけど、ぐっとこらえてこの2作品。『十角館』は『そして誰もいなくなった』をオマージュした、デビュー作。『時計館』は傑作大長編です。



壮大なトリックに脱帽。すごいです。「斜め屋敷」の見取り図もついているので、奇怪なこの館に足を踏み入れたつもりで、ハラハラしながら読んでください♪ 島田荘司さんの作品では『占星術殺人事件』も有名ですが、トリックのすごさでは『斜め屋敷』がダントツです。





『スカイ・クロラ』でおなじみの、森博嗣さんのデビュー作。コンピュータやネットワークが構成の骨子となっている、ちょっと理系的な本格ミステリ。ウィットに富んだ会話も魅力。萌絵のキャラクターもかわいいです。



本格ホラーと本格ミステリを、かなり高いレベルで両立させてしまったすごい作品。フェル博士の「密室講義」(※)ならぬ、「首なし死体講義」があったりして面白いです。表紙もかっこいいね。

※ ジョン・ディクスン・カー『三つの棺』で探偵役のフェル博士が行っている、密室殺人トリックの分類講義。





「密室殺人の見本市や〜!!」と叫びたくなる。密室殺人・トリックのメジロ押し。もはや王国を超えて、パラダイス。密室の極楽浄土。密室すぎて、お腹いっぱい。夢いっぱい。あ、短編集じゃなくて、超長編です。ぶ厚すぎなので、3日くらい徹夜覚悟で(笑)。


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

あきか(@akika_a


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タグ:徹夜本







 
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posted by akika at 17:43| Comment(6) | TrackBack(0) | 10冊シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ツイッターで、お世話になっております。
次の文学フリマの原稿と
ニッケルイエローの原稿がひと段落したので
なにか本が読みたいなと思っていたところに
姉崎さんのミステリの書評が…!
思わず食いついてしまいました。(笑)

気になった本はいろいろありますが
特に『神様ゲーム』が気になったので
こんど読んでみたいなーと思います。

いつもブログを楽しませてもらっています。
姉崎さんもお体だけは大切に。
では、また!
Posted by 星野真奈美 at 2012年09月21日 19:58
星野真奈美さん

原稿、もう書き上がったんですね。
しかもふたつも!
早ーい。私はこれからです^^;

『神様ゲーム』すごいですよ!
読んだらいろいろ語りたくなるし、いろんな人にススメて、どう思ったか聴きたくなります(>_<)
結末をどうみるか……星野さんの感想もよかったら教えてくださいv
涼しくなってきたので、星野さんもお体に気をつけて。
新作楽しみにしています。
Posted by あきか at 2012年09月22日 06:28
コメントに対するお返事ありがとうございます。

『神様ゲーム』読みました!

結末がどうなるのか
予想しながら読んでみたのですが
ラストが予想外すぎて
!?ってなりました。(笑)

(以下少しネタバレ)

主人公の生い立ちから彼女の嗜好を推測したり
小さい体という描写があったからあそこに入れるのかなと
なんとかつじつまが合うように
いろいろ考えてみました。

それにしても
話がとても計算されて作られている
印象を持ちました。
もくじに対してもこだわるあの姿勢、大好きです。
あと、ラストの(ミステリの)常識破りなところが
とても新鮮で面白かったです。
主人公は小学生ですが
人間のいろんな側面が
生々しく描かれているのも
個人的にはツボでした。

とても刺激的で楽しい出会いでした!
姉崎さんの書評を読んでよかったです。
ありがとうございます。

では、また。
Posted by 星野真奈美 at 2012年10月22日 20:44
星野真奈美さん

問題ありすぎの問題作、読んでしまわれましたか〜。
!?ってなりますよね(笑)。
私もいろいろ考えました。
読むひとによって解釈がまったくわかれる作品ですよね。

麻耶雄嵩さんは(基本的には)本格ミステリのひとなので、
かっちりと計算された構成が美味しいです♪

私も、ファンタジーやメルヘンのなかに、ダークな部分や生々しさが描かれているとツボです。
その意味ではこの講談社ミステリーランドというレーベルは大好きでしてv
きっと星野さんのお口にあう作品も多いんじゃないかなーと思います。

「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」というコンセプトだけど、
”子供に読ませたくない子供向け作品”がメジロ押しですから(笑)。
ちょっと毛色が違うけど、島田荘司さんの『透明人間の納屋』とかも良かったですよ♪
Posted by あきか at 2012年10月24日 07:41
初めまして!コメント失礼します。

クラインの壺 リピート 読み終わりました! 両方ともすごく面白いですね!
一気に引き込まれました。
これから神様のパズルを読みますが、この10冊シリーズ続けて行って欲しいです。
主さんのオススメの小説は当たりばかりです!
Posted by ごんべえ at 2013年11月09日 00:37
ごんべえさん

はじめまして!
うれしいコメントありがとうございます♪
励みになります。
SF、お好きなんですねv

『神様のパズル』も面白いですよ〜。
知的に、ものすごく刺激されます。
10冊に絞るときに泣く泣く削っている本もたくさんあるので、
続けてこのシリーズの記事を書かせていただきます!
またいつでも遊びにいらしてくださいねv
Posted by あきか at 2013年11月09日 06:11
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