2011年08月21日

節電ブームという「病」――”エコ格差”時代の幕開け


今日のなぞなぞ
「エコ格差とはなにか?」


節電してますか〜?


さいきん、私が取材に行くときは挨拶のように使っています、この言葉(笑)。
クールビズでなにか今年からはじめた新しい取組みはありますか、とか。

話題としてタイムリーだし、変わった試みがあればニュースバリューもあるので、記事にしやすいんです。
「これまでもずっと環境保全に取り組んでたよ」と返されるのは承知で💦、うかがってます(笑)



1."節電ブーム"はなにかがおかしい


世は"節電ブーム"ですね。


エアコンは28℃にして、扇風機を併用!
百貨店やホームセンターではクールビズ商品⛄が飛ぶように売れ。
電気屋では、店頭で扇風機が品切れしていた時期もあったとか。




でも、この夏の"節電ブーム"。

ちょっと、おかしいな。と感じていませんか??


家庭や企業がエアコンの使用をひかえた結果、
去年より熱中症患者が増え、亡くなった方々もいます。

オフィスが暑いせいで事務仕事の能率が著しく落ち。
外回りの営業マンは、どこへ行っても涼める場所がなくて倒れそう……。


(記者の実感としては、一部の会社はもう"節電しない"方向に動いている感じがありますが)


けっこうみんな、いろいろガマンして節電してる



もちろん、この電力不足は地震による災害です。
日本ぜんたいで協力して、危機を乗り越えようという姿勢は素敵だと思います。


でも。
震災のせいだけではない部分、もちょっとずづ報道されてきていますよね。

たとえば、

東京電力が他社が発電した電力を買おうとしないのがいけないんじゃないか、とか
これまで、原子力に依存してきた体質が悪い、と言うひともいます。


でもそんなふうな思想から、
「節電しない」というデモ行動(?)を行っている人々はあんまりいない

わけです。



電力消費をおさえることが、地球環境を守ることにもつながる。

というとっても"正義"な大義名分があるから。


なんとな〜く、
節電しないとことは、悪いことなんじゃないか

って、漠然と感じてません?

ムダに電力使ってしまったときに、罪悪感をおぼえたり、とか。




今回の記事では、

なんとな〜く、地球環境にやさしいものを選んでしまう人々の心理

を狙い撃ち(!)したいと思います。



2.エコブームの正体


そもそも昨今のエコブームはなんなのか。


経済の視点でみてみると、

それは、

「このままじゃ地球温暖化にはどめがかからない、世界で手をとりあってなんとかしようよ」

というものではありません。




長い目で将来をみると。
資源はじょじょに枯渇する。原油の値段がどんどんあがっていくのは確実。

石油の値段が上がっても対応できる社会にするため、
国策としてインフラ(電気や交通手段など)の省エネ化が進められているわけです。




ここで、よく考えてみると、
エコと資本主義とは、性格的に相性が悪い


資本主義社会は、語弊をおそれずざっくりと言ってしまえば

要らないものを買わせる社会

です。


穏便に言えば(笑)、"新たな価値の創造"ですね。
消費者が潜在的に欲しかったけど、これまでなかった商品(サービス)、が新しく生まれることで経済は成長していく。



一方、二酸化炭素削減に必要なのは、ムダな生産をしないこと。
紙やプラスチック、機械や電力も、なにかを作ればそこにCO2が発生する。


究極のエコは、原始時代の生活に戻ることかもしれません。
モンスターハンターみたいに(笑)狩猟して、肉を焼いて、自給自足生活をすれば原油の値段がどうなろうが関係ない。


でも、原始にもどるのはもうムリです。


なので、資本主義を継続するなかで、省エネ化を進めてエネルギー問題に対処しなくちゃならないわけです。


社会全体として、省エネ化に対する投資をしなくてはならない


それでは。

だれがそのエコ投資をするのか?



3.「エコ格差」時代の到来


エコカー、ソーラーパネル、省エネ家電、電気自動車、エコキュート、バイオ燃料、ソーラーバイク……


いろんなエコ商品があります。

これら多くに補助金制度がありますし、
日本銀行も環境関連ビジネスを"新成長分野"と位置付けて、戦略的に融資を支援しています。


ところで。
いくら補助金が出るとはいっても、
太陽光発電設備や電気自動車はまだまだ高いですよね💧。


資金に余裕のある個人や企業でないと、
なかなか導入できない
と思います。



エコ支援政策は、それによってメリットを受けられるひとはいいのだけど、
利益を享受出来ない人にとっては、ただの負担増になってしまう。

という話は以前の記事(「ノーリスク・ハイリターンの投資は選挙」)でも書きました。


たとえば↓↓こんな政策は……


電力会社に自家発電電力の買取りを義務づけ

 →売電していない家計は、「電力料金増」として負担する。

太陽光発電補助金

 →発電設備を導入できない家計が、「税金」として負担している。

エコポイント

 →家電を買い替えられない家計は、「税金」として負担した。

エコカー補助金

 →車を買い替える余裕がない家計は、「税金」として負担する。


という感じです。


(ちょっと話は変わりますが、現在、国の財政赤字による増税が言われています。
これからまた上がるかもしれない消費税やタバコ税は、どう考えても低所得者層に対する負担増ですよね^^;)




さて。

税金の重要な役割として、所得の再分配機能があります。
基本的には"持てる者"から"持たざる者"へ分配するのがこの機能のはずなのですが……


これまでお話してきたことを、再分配機能の観点でみてみると……


現在のエコ政策はすべて、
低所得者から奪い、高所得者に分配している。





それなのに、

自動車や発電システムなどをエコ対応させる余裕がない家計も、
がんばって節電するなど、環境にやさしい生活を送っている。


……これって、なにかに似ていませんか?


"郵政解散"と呼ばれた、小泉首相時代の総選挙です。

小泉首相が打ち出したのは、なにも郵政改革だけではなく、弱者を切り捨てる法律や税制の改正でもあったはず。
でも、低所得者層はみずからの首を絞めるような"小泉支持"という投票行動をとった。

(このへんに全体主義の兆候をみる方もいるようですが、その話はまたべつの機会に)



この”郵政選挙”は、現在のエコブームと相似形を描いています。



社会が”地球にやさしく”を目指せば目指すほど、格差が拡大してしまう。
それなのに、富裕層でない人たちも”エコ化”を支持してしまう。



このへんの問題を「エコ格差」と名付けたいと思います。

この言葉はたぶん私がオリジナルではないと思いますが。
社会が”エコ化”することによる格差の拡大、という概念はまだ広くは認識されていないようです。




地球環境にやさしく、というのはある意味正しいことなので(倫理的にも経済的にも)、
この「エコ格差」問題は、いっそう根が深いと思います。




エコをふりかざせば、
中見は弱者切り捨て政策だとしても、正しいように見えてしまう。


……そんな地盤ができあがりつつあるのかも、しれません。




あ、もちろん。
エコ対応している家計を批判しているわけではありませんよ🐱。

(私自身、グリーンピースを支持しているくらいなので、
地球にやさしい行為じたいは大賛成です。
チーム・マイナス6%にも賛同します♪)



ただ、今、
日本がどういう構造に向かっているのかおさえておきたいので、
実験的にこんな記事を書かせていただきました。




いま、あなたがしている節電。
それは、ほんとうにじぶんの意志でやっていること??



……そんなことを意識しながら、政治やメディアに操作されないように自分の視点でものを見ましょ🎵
というお話です。




このあいだ、ツイッターでも友達と話していたんですが。


節電しなければならない唯一の理由は、
東京電力のためでも政治のためでもエコのためでもなく、自分のライフスタイルのため。


それでいいんじゃないか、と思います。



あなたは、この夏の"節電ブーム"、どんなふうに捉えてらっしゃるでしょうか??


あきか(@akika_a


またまた長文ですみません^^;
おつきあい、ほんとうにありがとうございましたv


【関連記事】

節電ブーム、みんなの視点は?――朝日新聞社(WEBRONZA)からリンクをいただきました
ノーリスク・ハイリターンの投資は選挙
【私的メモ】事実より勘違いの方が広まりやすいという実例「地球温暖化をめぐる10の誤解」




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posted by akika at 16:11| Comment(2) | TrackBack(0) | コラム・レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本当に仕事で外に出てる人には可愛そうだなと感じます。

自分も1人暮らしなのでもともと節電はしていましたが、地震以降は“発電所が少なくても国民はやっていけるのだ。”という主張のために節電しています。

そのためには水も火もガスも電気の反動で極端に使用量が跳ね上がってはいけないとも思っています。

最近は東電や中電が“節電ブームで収入が落ちているので電気を使って欲しい”とこっそり言って回っているようです。うちの会社にも来ました。

↑これのおかげで最近は若干電気屋に対する意地のようなものも出てきましたねw
Posted by 通りすがりです at 2011年08月22日 00:17
通りすがりさん

私も。節電というよりは節約のため、もともと電気料金をおさえる生活をしてました。

発電所が少なくてもやっていけるのだという主張のため、っていうスタンスはとってもいいですねv 
節電する理由として、そんな考え方もアリですね♪

それにしても。
一生懸命節電を呼びかけている裏では、「電気を使ってくれ」って言って回っているところもあるなんて^^; 初耳です。
すごいネタありがとうございます(笑)

どうせいっちゅうねん! ってなりますよね。
電気屋に対する意地……よくわかる気がしますw

Posted by あきか at 2011年08月22日 17:32
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