2019年08月30日

今月(2019年8月)もっとも売れた本は『大家さんと僕 これから』σ(・・*)


今日のなぞなぞ
「2019年8月の月間ベストセラーは?」



8月30日(2019年)、「今月日本でもっとも売れた本」が発表されました。

去年(2018年)の年間ベストセラーは↓こちら。
(2018)今年の年間ベストセラー本20冊
先月(2019年7月)のランキングは↓こちら。
今月(2019年7月)もっとも売れた本は『もっと ざんねんないきもの事典』くコ:彡
最新のランキングは↓こちら。
カテゴリ:ベストセラー




 『大家さんと僕』続編が新着1位


出版取次会社の日本出版販売(日販)によると、
8月のベストセラーは、『大家さんと僕 これから』

お笑いユニット、カラテカの矢部太郎さんのコミックエッセイです。
第22回(2018年)の手塚治虫文化賞短編賞を受賞した『大家さんと僕』の続編。

先月1位だった『おもしろい! 進化のふしぎ もっとざんねんないきもの事典』は3位。

また今月は『わけあって絶滅しました。』の続編、『続 わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』が9位にニューエントリしています。

ざんねん&わけありな生き物ブームは続く♪


そしてそして。
春から夏にかけて激しく首位を争っていた、おしりとキリンの戦いの結果は……

『一切なりゆき 樹木希林のことば』が6位。
新作の『おしりたんてい ラッキーキャットは だれの てに!』は7位。
『おしりたんてい かいとうと ねらわれた はなよめ』が8位。

でした。

おしりとキリンの大いなる戦いも続く♪


総合部門の月間ベストセラートップ10は以下のとおり。

 2019年8月の月間ベストセラー 総合

(日販調べ。「全集」「文庫」「ゲーム攻略本」を除く総合ランキング。8月30日時点)

1位
『大家さんと僕 これから』矢部太郎
2位
『M 愛すべき人がいて』小松成美
3位
『おもしろい! 進化のふしぎ もっとざんねんないきもの事典』今泉忠明・監修
4位
『時間(とき)の花束 Bouquet du temps』三浦百惠
5位
『天気の子』新海誠
6位
『一切なりゆき 樹木希林のことば』樹木希林
7位
『おしりたんてい ラッキーキャットは だれの てに!』トロル
8位
『おしりたんてい かいとうと ねらわれた はなよめ』トロル
9位
『続 わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』今泉忠明、丸山貴史ほか
10位
『むらさきのスカートの女』今村夏子





 芥川賞受賞作が総合10位



7月に決まった芥川賞・直木賞の受賞作関連では、芥川賞の今村夏子さん『むらさきのスカートの女』が総合部門10位、フィクション部門2位でした。
また、直木賞受賞作の大島真寿美さん『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』がフィクション部門の10位にニューエントリしています。

4月に発表された「2019年本屋大賞」関連では、大賞に輝いた瀬尾まいこさん『そして、バトンは渡された』が、フィクション部門4位と先月と変わらず。

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第161回芥川龍之介賞候補作品

(受賞!)今村夏子『むらさきのスカートの女』「小説 TRIPPER (トリッパー) 2019年春号」に掲載)
高山羽根子『カム・ギャザー・ラウンド・ピープル』「すばる 2019年5月号」に掲載)
古市憲寿『百の夜は跳ねて』「新潮 2019年6月号」に掲載)
古川真人『ラッコの家』「文學界 2019年1月号」に掲載)
李琴峰『五つ数えれば三日月が』「文學界2019 年6月号」に掲載)

芥川龍之介賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/akutagawa/

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第161回直木三十五賞候補作品

朝倉かすみ『平場の月』
(受賞!)大島真寿美『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』
窪美澄『トリニティ』
澤田瞳子『落花』
原田マハ『美しき愚かものたちのタブロー』
柚木麻子『マジカルグランマ』

直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/naoki/

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2019年本屋大賞

大賞
瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』
2位
小野寺史宜『ひと』
3位
深緑野分『ベルリンは晴れているか』
4位
森見登美彦『熱帯』
5位
平野啓一郎『ある男』
6位
木皿泉『さざなみのよる』
7位
三浦しをん『愛なき世界』
8位
知念実希人『ひとつむぎの手』
9位
芦沢央『火のないところに煙は』
10位
伊坂幸太郎『フーガはユーガ』

翻訳小説部門

1位
アンソニー・ホロヴィッツ『カササギ殺人事件』
2位
トーン・テヘレン『きげんのいいリス』
3位
陸秋槎『元年春之祭』

本屋大賞
https://www.hontai.or.jp/

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 ビジネス書は『読みたいことを、書けばいい。』が4位に新着



ビジネス書部門では、田中泰延さんの『読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術』が4位に新着。
文章術の本がランクインするのはひさびさかも。
テレビ番組で取りあげられたことなどもあり、発売からひと足遅れてチャートに登場しました。

また今月は『学び効率が最大化するインプット大全』が5位にニューエントリ。
ロング&ベストセラー『学びを結果に変えるアウトプット大全』の樺沢紫苑さんの新刊です。


ビジネス書部門の月間ベストセラートップ10は以下のとおり。

 2019年8月の月間ベストセラー 単行本ビジネス
(日販調べ)

1位
『心。』稲盛和夫
2位
『Think clearly』ロルフ・ドベリ
3位
『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』ハンス・ロスリング
オーラ・ロスリングほか
4位
『読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術』田中泰延
5位
『学び効率が最大化するインプット大全』樺沢紫苑
6位
『メモの魔力 -The Magic of Memos-』前田裕二
7位
『学びを結果に変えるアウトプット大全』樺沢紫苑
8位
『一瞬で人生を変える お金の秘密 happy money』Ken Honda
9位
『捨て本』堀江貴文
10位
『新聞という病』門田隆将





 フィクションは道尾秀介『いけない』が5位



フィクション部門では、道尾秀介さんの新作ミステリ『いけない』が5位にニューエントリしています。
映像作品を凌駕するほど夢中になれる小説を、と意気込んで練りあげた短編連作。
あなたには、真実がみえるだろうか……。

道尾秀介さんは、このブログでもちょくちょく著作を取りあげています♪
行間にひそむ緻密なロジック。幻想的な世界観。情感たっぷりな文章表現。お気に入りの作家さんですv

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今月の1位は、歌手の浜崎あゆみさんの人生を描いた『M 愛すべき人がいて』
テレビドラマが放映中の『ノーサイド・ゲーム』は7位です。


フィクション部門の月間ベストセラートップ10は以下のとおり。

 2019年8月の月間ベストセラー 単行本フィクション
(日販調べ)

1位
『M 愛すべき人がいて』小松成美
2位
『むらさきのスカートの女』今村夏子
3位
『希望の糸』東野圭吾
4位
『夏の騎士』百田尚樹
5位
『いけない』道尾秀介
6位
『デスマーチからはじまる異世界狂想曲 17』愛七ひろ
7位
『ノーサイド・ゲーム』池井戸潤
8位
『ヴェールドマン仮説』西尾維新
9位
『てんげんつう』畠中恵
10位
『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』大島真寿美






日販のサイト(http://www.nippan.co.jp/)で各ジャンルのトップ10が確認できます。この記事では取りあげていない「ノンフィクション」「実用」「文庫」「ゲーム攻略本」などのランキングも。
ぜひ”一次情報”にもあたってみてくださいね。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


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【関連リンク】

日本出版販売株式会社
http://www.nippan.co.jp/
本屋大賞
https://www.hontai.or.jp/
芥川龍之介賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/akutagawa/
直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/naoki/





posted by akika at 22:59| ベストセラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月29日

あなたの盲点をあばく「叙述トリックミステリ」10冊


今日のなぞなぞ
「叙述トリック小説のおすすめベスト10は?」

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「叙述トリック」が仕掛けられたミステリ10冊をまとめました。


叙述トリックとは……

ある要素を意図的に”語らない”ことで読み手のミスリードをさそう、ミステリの手法です。

通常の物理トリックやアリバイ偽装などとは異なり、「プロット(構成)」や「文章そのもの」に仕掛けられる、小説ならではの方法ですが、映像作品やマンガでも叙述トリック的などんでん返しがみられることがあります(後述)。



人の脳は、足りない情報を勝手に補完する。
私たちは補完したことに気づかず、「すべて見えている」と思いこむ。
その視界には、ほんとうは「盲点」がある……。


日本の推理小説のなかから、
”面白さ”と”驚き度”を基準にセレクト。

あなたの先入観に狙いをさだめ、固定観念を撃ちぬく、
巧みなミステリ達をど〜ぞ〜♪


※ 犯人やトリック等、ネタバレには配慮していますが、叙述トリック小説は「叙述トリックが仕掛けられている」と事前に知ってしまうこと自体がネタバレともいえます。
この意味での”ネタバレ”を避けたい方は、じゅうぶんにご注意くださいね。※




 第10位


ある夏の日、ミチオは小学校の友人S君が首を吊って死んでいるのを目撃してしまう。
彼の”死体消失の謎”をめぐって、ミチオと妹とS君は調査をはじめる……。

……あれ。死んだはずのS君が調査に?
じつは、この物語には「生まれ変わり」があります。S君はクモの姿に転生して、喋ったり推理したりしている。
理を超えた世界が情感たっぷりに描かれる幻想的な小説。とはいえミステリとしての”ロジック”がおろそかにされているわけではないのでご安心を。

終盤は「これでもか!」というくらい固定観念をくつがえしまくる展開です。
夏の終わりに読みたい1冊♪

 第9位


元私立探偵の主人公はある日、地下鉄で自殺をしようとしていた女性を助ける。
およそ一週間後、フィットネス仲間から依頼されたのは……詐欺まがいの商品を売りつけ、保険金殺人にも関わっている可能性のある、悪徳な会社の調査だった。

叙述トリックとは別におおきなどんでん返しも仕掛けられています。二度驚かされる終盤はイッキ読み必至。
ひと昔前の本ですが現在にも通じる〇〇〇(ネタバレになってしまうので伏せ字><)の問題が描かれていて、社会派ミステリでもあります。

 第8位


孤島に集まった男女を襲う、不可解な失踪と殺人事件。
犯人当てでもトリック当てでもなく、史上初の「タイトル当て」小説です。

エロミス、いやバカミスといってもいいかも。でもえっちシーンすら周到な伏線になっている、本格的なミステリ。
これはなかなか気づけない。叙述トリックはいつも<思考の外>からやってくる不意打ちだ。

 第7位


函館にひっそりと建つ洋館。母が亡くなり、父も病におかされた。
「わたし」は、継母やその娘たちの、遺産相続をめぐる不穏な空気に巻きこまれていく……。

シンデレラを下敷きにした、情感たっぷりの継子譚です。
「独白」「手記」「手紙」の3つからなる構成。鋭いひとは早くに仕掛けを見抜けるかも?
宝石や絵画、ティアラ、水妖(ウンディーネ)など小道具や、文章の雰囲気がとても美しくて素敵な小説です。

 第6位


そのサイコ・キラーは、次々と女性たちを残虐に殺していく……。
犯行のシーンがけっこうエグいのでご注意を。凄惨な場面が多いけれど、怖いものみたさでページをめくる手がとまらなくなります。

周到にはりめぐらされたミスリードに、あなたは必ずだまされる。
叙述トリックの仕掛け自体に問題提起がふくまれているともいえる、本格&社会派ミステリです。

 第5位


主人公は「ハサミ男」。女性をターゲットに、猟奇的な殺人をくり返すシリアルキラーです。
ある日、ハサミ男は自分の手口を真似て殺された死体を発見してしまい……。

倒叙ミステリ(※)でありながら、殺人犯自身がべつの犯罪の調査をすることになる、奇妙な設定です。
雑学やユーモアたっぷりの文章がおいしいv

※ 犯人側の視点も含めて語られるミステリ。警察や探偵に追いつめられていくドキドキ感や、展開される駆け引きなどが魅力。「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」「DEATH NOTE」など名作の多いサブジャンルです。

 第4位


ロートレックの絵が飾られた洋館で、美しき女性たちが次々と銃殺されていく……。
とても重要な要素が伏せて語られています。わかってみるとびっくり。
叙述トリックはある意味では「アンフェア」な仕掛けともいえますが、本書は文章も構成も間取り図も、とことんフェアであろうとしています。

登場人物たちが個性的で、皮肉っぽい語り口が魅力。
なぞるように事件をふりかえっていく「第十七章 解」以降がとても丁寧ですv



……ところで、余談なのですが。
こうしてみると、”美しき女性たちがどんどん殺されていくミステリ”ってけっこう多いですね。
このへん、フェミニズム分析的になにか言えそう、と思ったところで、前に読んだ……


という本を想い出しました。
まるで”シリアルキラーにならないための心構え!”みたいなタイトルだけど、文芸評論です。
物語のなかの<女の子>には<下降>の力学がはたらく。物理的にも、社会的にも。
逆に、<男の子>には<上昇>するチカラがはたらく。

ちなみに女性が物理的に落下するミステリといえば……。


社長令嬢が、文字どおり塔から墜落するお話です。
これも叙述トリック。プロット・構成におおきな仕掛けがほどこされています。
以上、余談おわり!



 ランキング圏外


トップ3の前に、ランキング圏外から4作品を紹介。




大雪のなか、ある特急列車で起こった殺人事件の真相は……!?
漫画です。ですが、叙述トリックと呼んでかまわないミスリードが仕掛けられています。
鉄道ファンをニヤリとさせる描写がたっぷり。雰囲気がステキなミステリ。
小説ではなくコミックなので今回は圏外です。



以前の記事(最近読んだライトノベル10冊〜恋愛・ミステリ・異世界〜)で『6番線に春は来る。そして今日、君はいなくなる。』を紹介した、大澤めぐみさんのライトノベルです。
これといって特徴のない地味な梓には、「男あさりをしているらしい」というウワサが立っていて。彼女はまさにウワサどおりに……。

序盤に大どんでん返しがあります。この設定だとこんなミスリードが成り立つんだ、とハッとする。後半にも叙述トリック的な仕掛けがあります。
ジャンルじたいはミステリではないので圏外にさせていただきました。



6本(7本)の短編を収録。最初に「読者への挑戦状」として「叙述トリックが使われております」と宣言されます。
叙述トリックはたいてい”不意打ち”で驚かされることが多いけれど、本書はフェアに”出題”しているのがユニーク。
ひとつひとつの作品はとても短く、濃厚な読み応えという点ではどうしてもほかの長編に引けをとってしまう。なので圏外にさせていただきました。



映像化は不可能だったはずの同名の小説を、みごと映画として成立させてしまったすごい作品です。
映画ならではの”文法”を逆手にとった”叙述”トリックが仕掛けられています。
本ではなく映像作品なので圏外。まさかこんな方法があるとは……。



 第3位


第3位は、その『イニシエーション・ラブ』。
合コンの席で出逢った女の子に、僕はしだいに惹かれていき……。

男の子の気持ちを描いた上質な恋愛小説なのですが、最後の1ページ。ラブストーリーだったはずの物語がミステリに一変する。
「必ず二回読みたくなる」とのキャッチコピーのもと、たくさんの読者を夢中にさせた名作です。未読ならぜひ♪

 第2位


”憑き物”の血が流れる旧家が対立する、閉鎖的な田舎の村。
ここでは昔から”この世ならざるもの”が跋扈しているとしか思えないような怪事件が相次いでいて……。

神隠し。憑依。蛇神。案山子神。迷い家。
旧家の奇妙な家系図。入り組んだ村の地形。
すべてがおどろおろどしくて、濃厚な世界に飲みこまれてしまいそうなほど。

叙述トリックとして、類例の少ない大仕掛けがほどこされています。
本格ミステリと民俗学的な本格ホラーが融合したすごい作品。オススメですv

 第1位


孤島に集まったミステリマニアの面々。いわくつきの建築家がたてた「十角館」で、ひとりずつ順番に……。

抜群の読みやすさ。驚愕のトリック。心を惹きつけられる、面妖な雰囲気。
推理小説ファンはひとり残らず本書を読んでいるはず。そう断言してもいいくらい。
新本格(※)ムーブメントの嚆矢となった不朽の名作です。

※ 新本格ミステリ。1980〜90年代に日本でおこった新しいミステリの流れのこと。具体的な作風というよりは、以前の記事(【ロジック】新本格ミステリの名作100冊【プロット】)で紹介したような一連の作家たちを指していうニュアンスです。新本格推理小説。



 番外編


ベスト10のあとは、「番外編」としてキラリと光る名品をご紹介。
小説ではなく、叙述トリックにまつわるエッセイや評論をピックアップしました。



「叙述トリック試論」という我孫子武丸さんの文章が収録されています。
叙述トリックの定義論、フェア/アンフェアについての考察、創作にあたっての心構えも。
かっちりとした論考というよりは、ユーモアたっぷりのエッセイです。くすりと笑えて、タメになる♪
電子書籍版のみでリリースされている試論は↓こちら。

叙述トリック試論とか (e-NOVELS)
e-NOVELS (2017-02-08)
売り上げランキング: 126,127




まるまる1冊ミステリ作品の「叙述」について論じた、本格的な文芸評論です。
アクロイド殺し、二銭銅貨、達也が嗤う、殺人交叉点、十角館の殺人、イニシエーション・ラブ……。
芋づる式の読書案内にもなる本。ネタバレをいとわず古今東西のさまざまな作品について論じているので、気をつけてくださいね。

ミステリ以外の小説も取りあげています。たとえば、田山花袋『蒲団』のテクストの「言い落とし(レティサンス、黙話法)」を指摘する……など。
末尾には笠井潔さんと巽昌章さんと法月綸太郎さんの鼎談(途中、我孫子武丸さんも乱入)が収録されています。

叙述トリックは<語り>=<騙り>の操作が如実に意識されるスタイル。
以前の記事(【語り手】文学理論を学びたい人のための15冊【テクスト論】)で紹介したような文学理論に興味がある方も、とても面白く読める1冊です。



叙述トリックをテーマにした本ではありませんが、「第4章 ミステリーをより面白くする」で、折原一さんと我孫子武丸さんが叙述トリックの作り方を指導しています。
↑『十角館の殺人』の綾辻行人さんも寄稿しています。叙述トリックの鬼才が本書で語るのは……物理トリック指南。どうしてこうなった(笑)。

「ミステリ作家、勢ぞろい!」な43名が集結している豪華な1冊。
インタビューを読むようなつもりで楽しめます♪



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a

(冒頭の写真は箱根園水族館のホシエイです)

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