2018年08月31日

今月(2018年8月)もっとも売れた本は『ゼロトレ』

 
今日のなぞなぞ
「2018年8月の月間ベストセラーは?」



8月31日(2018年)、「今月日本でもっとも売れた本」が発表されました。
(日販調べの月間ベストセラー(総合・ビジネス・フィクション)を末尾の「付録」のコーナーにまとめます


去年(2017年)の年間ベストセラーは↓こちら。
(2017)今年もっとも売れた本〜2017年の年間ベストセラー(ニッパン調べ)

先月(2018年7月)のランキングは↓こちら。
【定点観測】今月もっとも売れた本〜2018年7月の月間ベストセラーは『乃木坂46写真集 乃木撮』VOL.01

最新のランキングは↓こちら。
カテゴリ:ベストセラー



※ この記事は毎月末に更新している、ベストセラー本の「定点観測」です。ある分野を定期的に観測することで、ちいさな変化にいち早く気づくことができる。これはジャーナリストの池上彰さんも推奨している、未来予測の方法です(『見通す力』)。

もちろん売れている本がすべて良書とは限らない。ベストセラーリストをまじまじと眺めながら、今の(今後の)”時代の空気”を一緒に感じてみましょ。というのが、このエントリの意図です。よかったら、何らかの「発見」を持ち帰っていってくださいねv





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『ゼロトレ』がトップ



出版取次会社の日本出版販売(日販)によると、
8月のベストセラーは、『ゼロトレ』

どの書店で平積みされているのをよく見かけます。
TV番組で紹介され火がついた話題のダイエット&運動方法、ゼロポジショントレーニング。
身体を本来あるべきシステムにもどすことで自然な健康をふたたび手にいれる……カイロプラクティックなどにも通じるダイエット本です。

著者の石村友見さんはヨガやミュージカルにも明るいんですって。
ヨガやダンスは痩せるよね。
ヨガで身体の軸を意識したり、ダンスで重心を高く保つのは、まさに内側からスタイルをよくしていく方法だ。ちゃんと筋肉もつくし。

しっかり効果があるはずなので、
購入した方は、サボらずにトレーニングを続けるよーに(笑)!


今月の2位は↓『おしりたんてい みはらしそうの かいじけん』です。おしりたんてい、強いね。



4月10日(2018年)に発表された「2018年本屋大賞」関連の作品は大賞を受賞した辻村深月さんの『かがみの孤城』がフィクション部門4位。
7月18日(2018年)に発表された「第159回芥川賞・直木賞」関連では、直木賞を受賞した島本理生さんの『ファーストラヴ』がフィクション部門の3位。芥川賞の高橋弘希さん『送り火』は同8位です。


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2018年本屋大賞ノミネート作品

大賞
『かがみの孤城』辻村深月
2位
『盤上の向日葵』柚月裕子
3位
『屍人荘の殺人』今村昌弘
4位
『たゆたえども沈まず』原田マハ
5位
『AX アックス』伊坂幸太郎
6位
『騙し絵の牙』塩田武士
7位
『星の子』今村夏子
8位
『崩れる脳を抱きしめて』知念実希人
9位
『百貨の魔法』村山早紀
10位
『キラキラ共和国』小川糸


翻訳小説部門

1位
『カラヴァル 深紅色の少女』
2位
『13.67』
3位
『その犬の歩むところ』


本屋大賞
http://www.hontai.or.jp/

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第159回芥川龍之介賞候補作品

古谷田奈月「無限の玄」「早稲田文学 2018年初夏号 」に掲載)
(受賞!)高橋弘希「送り火」「文學界 2018年5月号」に掲載)
北条裕子「美しい顔」(「群像 2018年6月号」に掲載)
町屋良平「しき」「文芸 2018年 夏号」に掲載
松尾スズキ「もう『はい』としか言えない」「文學界 2018年3月号」に掲載)


芥川龍之介賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/akutagawa/

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第159回直木三十五賞候補作品

上田早夕里『破滅の王』
木下昌輝『宇喜多の楽土』
窪美澄『じっと手を見る』
(受賞!)島本理生『ファーストラヴ』
本城雅人『傍流の記者』
湊かなえ『未来』


直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/naoki/

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ビジネス書は『世界の教養365』が2位




ビジネス書部門では『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』が上位をキープし続けています。今月は2位。

毎日すこしずつ読み進めることでアカデミックな雑学が身につく”教養本”。
教養本は、じつは今にはじまったジャンルではないので、既刊の本もたくさんあります。1日1ページでは物足りない方は、他のもがんがん読んじゃってください♪ ↓こういうのとか。



たくさんの分野を”つまみ食い”することで、深く掘りさげていきたいジャンルがみえてくる。
”教養本”はオススメです♪


関連記事:
高校レベルの基礎教養(文系)を身につけるための28冊
『資本論』を読み解くための8冊〜資本主義と”とりあえず”うまくつきあうために〜



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フィクションは『俺、つしま』がロングセラーなるか!?





フィクション部門では猫マンガの『俺、つしま』が7位です。
妙にリアルな猫さんコミックです。かわいくないところがかわいい。
なにげに3ヶ月連続でのエントリ。つしま、ロングセラーになっていくのか!?


1位は今月も『下町ロケット ゴースト』でした。

関連記事:
『下町ロケット』は少年ジャンプで漫画化されると思う
【徹夜本】半沢直樹・下町ロケットの進化形――池井戸潤『七つの会議』のサスペンス効果がすごい




電子書籍(Kindle)でリリースされている無料お試し版はこちら↓。





日販のサイト(http://www.nippan.co.jp/)で各ジャンルのトップ10が確認できます。この記事では取りあげていない「ノンフィクション部門」などのランキングも。


当ブログの記事(今年もっとも売れた本〜年間ベストセラーの調べ方)もあわせてご覧ください♪


それでは、


ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a


※ ↓付録の「〜位」の横の記号は、先月からの順位の変動をあらわします。
△ …… ランクアップ、= ……変わらず、▼ …… ランクダウン

【関連記事】

(2017)今年もっとも売れた本〜2017年の年間ベストセラー(ニッパン調べ)
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カテゴリ:ベストセラー
高校レベルの基礎教養(文系)を身につけるための28冊
『資本論』を読み解くための8冊〜資本主義と”とりあえず”うまくつきあうために〜
『下町ロケット』は少年ジャンプで漫画化されると思う
【徹夜本】半沢直樹・下町ロケットの進化形――池井戸潤『七つの会議』のサスペンス効果がすごい

【関連リンク】

日本出版販売株式会社
http://www.nippan.co.jp/
芥川龍之介賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/akutagawa/
直木三十五賞(公益財団法人日本文学振興会)
http://www.bunshun.co.jp/shinkoukai/award/naoki/
本屋大賞
http://www.hontai.or.jp/

【付録】


2018年8月の月間ベストセラー 総合


(日販調べ。「全集」「文庫」「ゲーム攻略本」を除く総合ランキング。8月31日時点)

1位 △

2位 △

3位 =

4位 ▼

5位 △

6位 ▼

7位 =

8位 △

9位 △

10位 △


2018年8月の月間ベストセラー 単行本ビジネス

(日販調べ)

1位 △
『スタンフォード式 疲れない体』
2位 ▼

3位 ▼

4位 ▼

5位 △

6位 ▼

7位 △

8位 △

9位 △

10位 ▼


2018年8月の月間ベストセラー 単行本フィクション

(日販調べ)

1位 =
『下町ロケット ゴースト』
2位 △

3位 △

4位 ▼

5位 △

6位 △

7位 ▼

8位 △

9位 ▼

10位 ▼
posted by akika at 17:43| Comment(0) | ベストセラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月19日

『資本論』を読み解くための8冊〜資本主義と”とりあえず”うまくつきあうために〜

 
今日のなぞなぞ
「マルクスの『資本論』を”いま”読み直すための8冊は?」



「『資本論』を読み解くための8冊」を↓「付録」にまとめました。

↓は、『希望の資本論』↑の末尾で「現代社会を生き抜く最強の武器 『資本論』を読み解くための8冊」としてあげられている本です。

本書は池上彰さんと佐藤優さんの対談本。
格差社会へをめぐる議論が盛りあがり、資本主義の限界があらわれはじめている現代。
おふたりは経済学の古典的名著であるカール・マルクスの『資本論』を読み直すことの有効性・必要性を強調していらっしゃいます。

佐藤優さんとトマ・ピケティ(※)の対談も収録されています。

※ フランスの経済学者。格差は拡大し続ける宿命にあることを論じた『21世紀の資本』は、世界じゅうでベストセラーになった。



文庫版↓もリリースされています♪




佐藤優さんはいいます。

資本主義はそう簡単に壊れない。簡単に壊れないんですが、このシステムには相当問題がある。それは人間をボロボロにする危険性がある。だからとりあえずうまくつきあっていかなければいけない。

「第6章 わたしと『資本論』」より


そのために。
いわば”生きる知恵”として、『資本論』をベースに世界をながめることが

自分が生きている社会を、相対化する力を与えてくれる

「第6章 わたしと『資本論』」より


と池上彰さんはいいます。


おふたりはとくに、マルクス経済学の一派である宇野(弘蔵)経済学を強くオススメしています。宇野経済学は、イデオロギー的に利用されがちなマル経(社会主義革命! とか)から思想を排除して、純粋な理論として把握しようとする原理論です。


☆★☆




えっとね。
あらためて、マルクスの『資本論』がどんな本なのかというと……。


資本家が労働力(労働資本)を搾取することで
資本主義が成り立つ



という理論ね。
要は、会社は社員に払う給料よりもおおきな売り上げをあげるから利益がでるわけで。
売り上げ―給料の差は、つまり労働資本の搾取だよね。

この搾取されたぶんがどこにいくかというと。
会社のオーナーだったり、株主だったり、融資してくれた銀行だったり、社債の債権者に分配されるわけだ。
つまり、もともとあるお金=「資本」が自己増殖してるだけなの。


乱暴すぎるまとめだよね^^;
もちろん、これだけじゃない。
これだけじゃないから、しっかり『資本論』自体と向きあわなければならないのだけど。
はじめから原典にあたるのかかなりの難易度です。なので、いろいろな手引書や関連本を読みこなすのが大切になってくる。

最初は入門書から♪
マンガ版↓なんかもリリースされています。






ではでは。

現代社会を生きるうえでの知のベースとなる
『資本論』を読み解くための8冊をど〜ぞ〜♪



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

あきか(@akika_a





【関連記事】

高校レベルの基礎教養(文系)を身につけるための28冊
この世界は狂っているんだから。適応できるのは頭のおかしい人なんです――佐藤優『インテリジェンス人生相談』より
最近読んだ「読書術」10冊

【付録】


『資本論』を読み解くための8冊



 1.



 2.



 3.



 4.



 5.



 6.

資本論研究〈第1〉商品・貨幣・資本 (1967年)

筑摩書房
売り上げランキング: 963,491

資本論研究〈第2〉剰余価値・蓄積 (1967年)

筑摩書房
売り上げランキング: 1,186,088

資本論研究〈第3〉資本の流通過程 (1967年)

筑摩書房
売り上げランキング: 979,164

資本論研究〈第4〉生産価格・利潤 (1968年)

筑摩書房
売り上げランキング: 1,060,835

資本論研究〈第5〉利子・地代 (1968年)

筑摩書房
売り上げランキング: 1,202,130


 7.



 8.











posted by akika at 14:27| Comment(0) | 10冊シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月17日

日本の財政破綻やハイパーインフレに備える3ステップ

 
今日のなぞなぞ
「もし国家が破産してインフレや円安が起こったらどうすればいい?」



今日紹介するのは、以前の記事(最近読んだ「金融を学べる」本10冊)でも取りあげた橘玲さんの著作。マネーリテラシーの本です。


もし日本の財政赤字がふくらみすぎて、国債(国の借金)の暴落あるいはデフォルト(債務不履行)が起こったとしたら。
私たちはいかに資産を守ればいいのだろうか?



本書はこれに対する答えを、とことん具体的に教えてくれます。

追記)
改訂をくわえた文庫版もリリースされています。→『国家破産はこわくない』 (講談社+α文庫)




……いや。
国家破綻とかハイパーインフレ(※)とか。さすがにないと私は思いますが。

※ 通貨の価値がさがり、物の値段が極端にあがっていくこと。

じっさい橘玲さんも、国債デフォルトまではさすがにありえないだろうというニュアンスです。
逆に、「国家破綻のシナリオ」を”営業ツール”にして、無知な高齢者などにリスクの高すぎる海外投資商品を売りつける金融マンをなじっています。日本の破綻リスクよりもおおきな信用リスクを負わせているじゃないか! と。
(トルコリラ建てでハイイールド債(ジャンク債)(※)を詰めあわせた商品(ファンド)とかがあるんですって……ひどいね)

※ 高利回りをうたったリスクの高い債権。ジャンクボンド。2007〜9年の金融危機をひきおこすきっかけとなったサブプライムローン債が有名。


とはいえ。
以前の記事(未来は予測なんてできないし、売れてる本が良い本とはかぎらない)でお話したとおり、ブラックスワン(※)は、誰もみたことがないからこそブラックスワンなのであり。ひとたび黒鳥が見つかれば、世界はひっくり返る。

※ 黒い白鳥のこと。金融市場などで、統計や経験則から予測できないものが突然に起こってしまうリスクのたとえとして使われる用語。


金融リテラシーはあってありすぎることはないので、
今日は橘玲さん流の「資産防衛術」を私的メモとしてシェアします♪







 3つのシナリオと「破滅」の3つのステージ



まず。
橘玲さんは、アベノミクスやそれにともなう日銀の大規模緩和がもたらす未来として、以下の3つの道を可能性としてあげています。



楽観シナリオ アベノミクスで日本経済は大復活する
悲観シナリオ 現在と同じデフレ不況がこれからも続く
破滅シナリオ 財政が破綻して経済的な大混乱が起こる

「第3章 普通預金は最強の金融商品」より



現在(2018年)がまだ「デフレ不況」なのかは、ひとによって意見が異なると思いますが、
(本書は2013年の本なので、円高デフレがまだ記憶に新しかったころです)
要はあの「失われた20年(※)」はまだ終わらないというのが「悲観シナリオ」だと読みかえてかまいません。

※ 1991年から長く続いた(続いている)日本経済の低迷期間のこと。


橘玲さんは、「破滅シナリオ」が起こったとき、
そこには3つのステージがあるだろうといいます。


第1ステージ 国債価格が下落して金利が上昇する
第2ステージ 円安とインフレが進行し、深刻な金融危機が起き、国家債務の膨張が止まらなくなる
最終ステージ(国家破産) 日本政府が国債のデフォルトを宣言し、IMFの管理下に入る
 
「第3章 普通預金は最強の金融商品」より



IMFは国際通貨基金(International Monetary Fund)のことです。
世界の金融の安定をめざす、国際的なビッグファンドね。マネー版の国連みたいなものかな(ざっくり)。



 第1ステージまでは普通預金でOK



橘玲さんはたとえ「破滅シナリオ」が起こっても、初期段階までは普通預金を持っているだけで資産防衛になる、と説きます。


「楽観シナリオ」の場合は、好況が続くのでそもそも防衛する必要がない。
「悲観シナリオ」なら、デフレ(物の値段が下がっていく)が進むので「円」はもっているだけで価値をあげていく。

「破滅シナリオ」でも、第1ステージでは、金利上昇と一時的に起こるであろう円高によって、「円での普通預金」にメリットがある。



いざ備えなくてはならないのは
「第2ステージ」に移ったときの円安やインフレ
に対してです。


 第2ステージで有効な3つの金融商品



財政破綻がもたらす経済現象として、橘玲さんは以下の3つをあげています。

国債価格の下落(金利の上昇)
円安
インフレ

「第4章 たった3つの金融商品で「国家破産」はこわくない」より



で。
「第2ステージ」で購入すべき3つの金融商品をズバリ断言しています。
その3つとは……。



【国債ベアファンド】
【外貨預金】
【物価連動国債ファンド】




順番に説明すると。

「国債ベアファンド」は国債(国の借金)が信頼を失うほど、逆に価格(基準価額)を上昇させる仕組みの投資信託です。証券会社とかでふつーに売ってます。

「外貨預金」は、ドルなど海外の通貨による預金です。銀行でも行なえますし、たとえばレバレッジをおさえたFX(外国為替証拠金取引)なんかでもおなじ意味を持つ投資行動ができます。

「物価連動国債ファンド」は、インフレ率に連動して価額が推移する仕組みの投資信託です。こちらはあまり流通していない、ちょっと手にはいりにくい金融商品です。



国債下落、円安、インフレに備える、まさにストレートな商品群ですね。
橘玲さんは金などのコモディティ(商品)への投資は、この文脈ではオススメしていません。
コモディティの値動きはこれら3つのリスクに対するヘッジ(備え)にはならないからです。




そしてさらに、「最終ステージ」まで進んだ場合。
日本という「国」が財政的に崩壊するとき、あなたにはなにができるのか?


 最終ステージでは「預金封鎖」も視野にいれる



最終ステージ(国家破産) 日本政府が国債のデフォルトを宣言し、IMFの管理下に入る


ここまで事態が進行したとき。
もはや日本の銀行や証券会社に置いてある資産はすべてなくなってしまうかもしれない。


「破滅シナリオ」が最終ステージに入ると、これまでの資産防衛戦略はほとんど無効になってしまいます。

「第4章 たった3つの金融商品で「国家破産」はこわくない」より




国債が債務不履行になってしまったら、たとえば「物価連動国債ファンド」の価値はゼロになってしまうし、
かりに「預金封鎖」が起これば銀行に預けている円や外貨もすべて差しおさえられてしまうかもしれない。


とんでもない未来だよね。
ないとは思うよ。ないとは思うけれど、そんな事態になっても資産を守れる2つの「究極の国家破産対策商品」があると橘玲さんはいいます。
その2つとは……。


【海外銀行の外貨預金】
【日本国債ベアETF】




もう、お金を海外に逃がせということですね。
順番に説明すると……。


「海外銀行の外貨預金」は、外国の信頼できる銀行(HSBCなど)で外貨を持っておけ、ということです。

「日本国債ベアETF」は、海外市場(ニューヨーク市場など)に上場されている、日本国債の価格とは反対の値動きをするETF(上場投資信託)です。もちろん円建てじゃないやつね。これをたとえばアメリカの証券会社で買っておけ、ということです。



 信じる/信じない、じゃない



なんというか、すごい未来だよね。
預金封鎖とか、現代の日本からみればいかにも前時代的な言葉だけど。

もしかしたら、ブラックスワンはあらわれるかもしれない。


信じるか信じないかは、アナタ次第です


……。


…………という話ではない
んだよね、べつに。
信じる/信じないじゃない。ひとによってはもっともらしく国家破綻シナリオを語る論者もいるけれど、本書はべつに「日本が崩壊するぞ〜」とあおっているわけではありません。

「そうなったときにどうするか」をしっかりと実践的に教えてくれる良書です。


かりに兆候があったとしても、第1ステージまでは普通預金が最強なんだから。
準備する時間はじゅうぶんにある。



財政破綻とかハイパーインフレとか関係なしに、
シンプルにマネーリテラシーの本として読んでかまわない。
為替やファンドについての注意点など、こまかいけれど役に立つ知識も満載です。

金融リテラシーは、あってありすぎることはないので
いくらでも読むのがいいと私は思っています。


橘玲さんは金融リテラシーについて実際的に語ってくれる、ほんとにいい作家さんだよね。
だけど、なんだか最近は、以前の記事(【新しい脳】進化心理学を学びたい人のための11冊【究極要因】)で紹介した『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』のような不安をあおるアジテーションな語りが多くて(↓『言ってはいけない』とかも)。

なんだか、好きなバンドがメジャーデビューして音楽性が変わってしまったときのようなさみしさを感じていたりもします(笑)。
あおらないとみんなちゃんと勉強してくれないから、みたいな意図があるのかな。進化論や進化心理学に強くコミットしているのはなにか理由があったりするんだろうか。

でも、アジテーション系の本も刺激的で面白いといえば面白いので
けっきょく好きな作家さんであることに変わりはないんだけどねv






そんなこんなで。
今日は



橘玲さんの『資産防衛マニュアル』っていう本が
オススメだよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。





ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪



あきか(@akika_a


【関連記事】

最近読んだ「金融を学べる」本10冊
未来は予測なんてできないし、売れてる本が良い本とはかぎらない
【新しい脳】進化心理学を学びたい人のための11冊【究極要因】
1行でわかる。なぜ円安になるのか〜円安だとどうなる?
最近読んだ仮想(暗号)通貨関連の本10冊
最近読んだ「投資力を鍛える」本10冊〜金融リテラシーをぐんと高めるために

【関連リンク】

DMM.com証券






posted by akika at 11:07| Comment(0) | 金融リテラシー・投資 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月14日

非二元(ノンデュアリティ)の本は「読んでも読まなくてもかまわない」?

 
今日のなぞなぞ
「読んだ後、”読まなくてもよかったんだ”と思える不思議な本は?」



↑なかなかカッコいい表紙だよねv
なんの予備知識もなくジャケットに惹かれて手に取ったのですが、びっくりするくらいの良書でした。

今日紹介するのは『意識は語る―ラメッシ・バルセカールとの対話』。ラメッシ・バルセカールの講義や対談をウェイン・リコーマンという方がまとめた本です。


このラメッシがどんなひとなのかというと。
ニサルガダッタ・マハラジに師事し覚醒した、元銀行マンです。

マハラジは、<存在>や<私>とは何なのかということをとことんまで突き詰めた、覚醒や悟り業界(!)の巨匠ね。
『アイ・アム・ザット 私は在る』という本が有名です。




お察しのとおり、『意識は語る―ラメッシ・バルセカールとの対話』は思想哲学系あるいはスピリチュアル系の本です。


この本が不思議なのは、読んだあとに

「ああ、これ、べつに読まなくてよかったんだ」

と思えてしまう
ことなのね。


もちろん、面白い本です。
知的刺激にあふれているしスリリングだし、ぜひぜひオススメしたい良書なんだけど。
にもかかわらず、「これ、べつに読まなくてもいいよな」と言えてしまう。


……。

どういうことなのか?





☆★☆



P1330587done.jpg


本書でラメッシはくり返します。


すべては意識である


と。



この本で語られているのはひたすら「非二元(Nonduality(ノンデュアリティ))」についてなのだけど。
この「非二元」をなんて説明したらいいのかな。難しい。

要はこの世界はたったひとつの”意識”みたいなものでできていて、
人間とか動植物とか物体が存在するようにみえる/感じるのは、あくまで見かけ上のことなのね。

ただ、ぜんぶが”意識”でできている……というふうにいうと、そこにも語弊があって。
ほんとは、とくになにかが”在る”わけでもないんだよね。
べつに”意識”なわけでもない。
便宜上”意識”と呼んでいるだけで、”あるがままのそれ”をどう呼んだって構わないし、呼ばなくたってかまわない。


まぁ、なんというか。言葉では説明できない世界観なの。

言葉というのは何かと何かを「分離」させる作用を持っているわけで。
言葉や概念を介在させたとたんに「私」と「私以外」は分断されてしまうし、
「在る」と「無い」も分離されてしまう。

でも、「非二元」が言っているのは「分離なんてどこにもないんだよ!」ということなので、
分離のないセカイを言葉で語ることじだいが壮大な矛盾なわけだ。

本書が語る「非二元」も、あくまで「非二元」という<概念>についてあれやこれや喋っているだけで、
実際の”あるがままの世界”とはあんまり関係がない。



んー。
伝わってるかな。

たとえば、目の前にリンゴがあるとするじゃん。
このひとつのリンゴと、リンゴでないものを分けているのは
<リンゴ>っていう言葉だったり概念だけだよね。

「ひとつのリンゴがある」って信じるからこそ、リンゴとそれ以外が分かたれているように感じるだけで。
ほんとはそこに分離はない。


虹の色が七色なのは、あの赤から紫のグラデーションを7つに区切っているから七色といっているだけで。
国や時代によっては虹は五色だったり二色だったりする。
ほんとは虹を七色に分ける必要なんてないし、虹と空を分断する必要もないし、虹と虹以外のものが分かれて存在してるわけではない。

<私>と<私以外>もそう。
<有>と<無>もいっしょ。



……そんなイメージかな。
私(全体性のなかで見かけ上「個人」として機能しているところの私)の言葉でざっくりというと、こんな感じ。



☆★☆



P1640214done.jpg


とにかく。
言葉で語ることには誤解がずっとつきまとうわけです。

本書が(……というか非二元の本全般が)面白いのは、
言葉で表現するのが無理ゲー(※)だってことに自覚的だからなんだよね。

※ 難しすぎてクリアできないゲーム



無理ゲーだって知りながらも、言葉を使ってワイワイ語り合っている。
何回コンティニューするんだよ! みたいな。



たとえばね。
本書の対話で、探究者(悟りを求めているひと)が質問するわけよ。


では私は、どうすればいいのでしょう?


と。


で、ラメッシはいう。



出た(笑)。みんないうんだよね、どうすればいい? って。そもそも「誰」が悟るっていうの? 悟ることのできる「人」なんてどこにいるんだよ? 何かをする誰もいないってゆってんじゃん。じゃあさ、帰ったら、今日聴いたことを全部わすれて日常にもどるのがいいんじゃない? ぜんぶ今ここにあるのに、何を探してんだよ君はw


みたいな。
……いえ、ラメッシがこのとおり言ったんじゃなくて、あくまで意訳です。
(ひどい意訳だけど、ニュアンス的にはこんな感じ)



もうね。
対話のラストのほうは「結局なにを言ってもやってもジョークでしかないよね」「そうだよね」……みたいな雰囲気に収束していく。


でね。
訳者のあとがきも、「壮大な茶番でしたね!」みたいなトーンなのよ(笑)。



なんというか。
この軽やかさ、私は(全体のなかでキャラクターとして現れているようにみえる「私」は)好きです♪




すごくステキな本なのだけど
「べつに読まなくてもいい」といえるのは、こういうことです。


なにか人生の役に立てようという本じゃない。
ただ、このセカイに対する描写です。
しかも、失敗した描写です。



☆★☆



P1630910done.jpg


だからね。
非二元についての本は『意識は語る』1冊だけ読めばじゅうぶんだし、なんなら1冊も読まなくたってじゅうぶんなわけよ。

でも、私は(全体的な”意識”の戯れのなかで物語として起こっているように錯覚されている私個人は……あぁ、めんどくさい(笑))”役に立たない読書”もぜんぜんオッケーだと思っているので、ほかにもいろいろ読んでみました。


いくつか紹介しますね。



トニー・パーソンズは「公然の秘密(The Open Secret)」という言葉を使って、このありのままの世界を表現しています。いわゆる<個人>のことは「夢」と表現していますね。本書も対談集なので、とても読みやすいです。冒頭の「存在」という詩が良い♪

ちなみにラメッシの『意識は語る』の方では、<個人>については「機能」という言葉がよく使われていました。



こちらはとくに悟り業界(!)のスターではない普通の人達がノンデュアリティについて語っている本です。いろいろな表現の仕方があって面白い。いわゆる覚醒をしたとしても、べつに何かが劇的に変わるわけではないんだよね。フツーの日常はフツーに続いていく。



日本のノンデュアリティ界では大和田菜穂さんがとくに有名です。全体性のことを「愛(love)」や「ライフ(life)」と表現していますね。<個人>のことは「ストーリー」と呼んでいることが多いです。

非二元は、言ってしまえばものすごく単純でシンプルな世界観なので、
大和田菜穂さんのストレートな伝え方が肌にあう人も多そう。




☆★☆




そんなこんなで、今日は『意識は語る―ラメッシ・バルセカールとの対話』および非二元(ノンデュアリティ)の紹介でした。

ノンデュアリティはヒンドゥー教の「アドヴァイタ(不二一元論)」や仏教の「空(くう)」とも近親性のあるワードだし、
流行りのマインドフルネスや、脳科学的な知見と関連づけて語ることも可能なので、


興味を持った方は、芋づる式にいろいろ読んでいくと面白いと思います♪


……とはいえ、ノンデュアリティ的には
そうやって色々調べたり読んだり語ったりするのはぜんぜん意味がない
のですが。
でも。読んじゃいけないわけでもないんだよね。

そもそもなにかをすべき/すべきではない、という教えじゃないんだから。

読みたかったら読めばいいし……というか
読みたい/読みたくないに関係なく、読んじゃったり読まないでいたりでいたりすることが「勝手に起こる」というニュアンスがノンデュアリティ的だ。


この底抜けの自由さがいいな、と私(見かけ上の……略)は思いました。




あとね。
たとえば、今あなたが何かに対して
ちょっとでも「苦しみ」を感じているとしたら、
これらの本で語られている「非二元」という<概念>が、もしかするとなんらかの癒しをもたらしてくれるかもしれない。

非二元を「観念的に」理解(誤読)して、メンタル面に利用することで、
なんらかの緩和がもたらされる可能性は大いにある
と思う。


あるいは。
あらゆる物事には何の意味も付随しない、と知ることが、
もっともらしい構造を紡いであなたを信じこませようとする物語(広告とかイデオロギーとか教義とか)を徹底的に相対化する力になりうるかもしれない。



それはぜんぜん本質的じゃないよ。
ぜんぜん本質的じゃないし、邪道っちゃ邪道だけど
(……そもそも私のこの主張自体が「もっともらしい物語」のひとつでしかないという自家撞着な!)

べつに(二元的世界のなかでの)実利的な使い方を否定する必要もないと私(……略)は思っています。
もちろんひたすら知的ゲームを楽しむ感じでひもといてもいい。
本はどう読んでも自由だ。




以上。


『意識は語る』っていう本が
面白くてオススメだよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆



というお話でした。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪



あきか(@akika_a


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posted by akika at 16:11| Comment(0) | 社会学・現代思想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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