2020年03月31日

【大自然】地方・田舎が舞台の小説とマンガ10冊【因習】


今日のなぞなぞ
「田舎を描いた物語は?」

P1250681done.jpg

ゆたかな自然。
里山のスローライフ。
耳にやさしい方言。

そして。
よそものにはけっして知られてはいけない、おぞましい因習……!?


今日は最近読んだなかから「地方・田舎が舞台の本10冊」を紹介していきます。
前半は小説。後半はコミックです。

オシゴト小説からホラーまで、
日本の田舎を味わいつくす10冊をど〜ぞ♪



 大自然


高校を卒業したとたん、何も知らずに林業の現場に放りこまれてしまった主人公。
ひと癖あるキャラクター達と織りなす、東海地方の”神去村”の一年が描かれていきます。

林業のオシゴト、山のゆたかな自然や不思議な”神域”の世界が、臨場感たっぷりと描写されていて、一行一行がおいしい。
耳慣れない言葉もけっこう出てくるけれど、主人公の勇気も知らないことだらけなので、一緒になってこの世界を味わえますv

森はもっと静かなものだと思ってたけど、全然ちがった。いつもどこかで、葉が落ち茂みの揺れる音がする。梢は風でざわめき、「日暮れまで間がない」と鳥がせわしく鳴きかわす。鹿かなにかが、樹皮をかじる音まで聞こえる。遠くに小さな沢があるのがわかる。
 枯れ葉が積もった地面はふかふかだ。水と養分をたっぷり含んでいることが地下足袋ごしに伝わってくる。
 夢みたいな場所だった。
「二章 神去の神さま」より


こんな感じで、自然の描写がほんとにすごい。
地方の山村に行きたくなる……むしろ移住したくなる素敵な小説。オススメですv

↓映画化されています♪ WOOD JOB!

WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ DVDスタンダード・エディション
東宝 (2014-11-19)
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 山村


その続編です。
”夜話”というわけで、今回は林業のオシゴトではなく余暇のお話が中心。過疎の村の恋愛事情も描かれていきます♪

勇気は直紀さんを射とめることができるのか!
みきさんとヨキの夫婦仲はどうなる!?
村に伝わる、蛇神と人間の娘の恋とは……?

もちろん今作でも素敵な自然描写が味わえますv WOOD JOB!

 別荘地・山村


前半は貸別荘が並ぶリゾート地。後半は因習に満ちた村が舞台です。
「のぞきめ」と呼ばれる怪異の正体を追っていく、ミステリ的な味つけのホラー小説。
最初に、とんでもない”脅し”がはいります。

本書を読んでいる最中に――、
 普段は感じないような視線を、頻繁に覚えるようになった。
 誰かに見られている気がして辺りを見回すが、周りには誰もいない。
 有り得ない場所から何かに覗かれている、そんな気がして仕方がない。
 こういう感覚に囚われた場合は、一旦そこで本書を閉じることをお勧めしたい。
「序章」より


そう言われると、なんだかほんとうに視線を感じてきてしまう。
民俗学的な意匠たっぷりの、濃厚な本格怪談。
かなり怖いです……。

 限界集落


少年・淳は、ある渓流で白痴の少女を目にする。青年・裕は、謎めいたウワサを耳にし、ある地方の調査をはじめる。
ふたりは、閉鎖的な集落に残るおぞましい因習にたどりつく……。

こちらも民俗学的な意匠満載のミステリ。
フィールドワークと史料をもちいた「調査」がとても細かく描かれていてユニークです。

主人公の裕きゅんは大学院への進学を目指している学部生。
地誌や神社の由緒をさぐるために、図書館や地方の資料館で古文書を参照したり、漢文を翻刻したりするシーンが多々あります。
どんな資料をどのような手続きで参照していくのかが詳しく描写されていて、”リファレンス小説”と呼びたくなるほど。

タイトルの「まほり」の意味がわかったときにはぞっとします。
民俗学、歴史学、言語学……。文系の学生や院生にオススメしたい、学術的なエンターテイメント。

 漁師町


閲覧注意! 人間の”本能的な恐怖”に訴えかけてくる描写があります。
家出をした母を連れもどすため、主人公は北海道の漁師町へ足を踏みいれる。そこは、この世のものとは思えない不気味な場所だった……。

袋詰めの猫を大量に載せ、怪物を機動力に走るバス。
大量の脚をはやし、鳥や人間をおそう腸。
肉塊でできた船……。

魚やサビに満ちた田舎町の雰囲気もすごいし、匂いの描写なども醜悪。
全編グロテスク! な異形の小説です。

もしこの本が映画化されたら、とんでもないことになる。
「SAW」などのスプラッターや「ムカデ人間」みたいな悪趣味系が大丈夫なひとだけ読んでくださいね。
覚悟ができたら、どんなシーンがあっても読む手をとめるな……。

関連記事:
【禁忌】読んではいけない本10冊【超刺激】



☆★☆



ここからはコミック作品を。
小説とはまた違った魅力のある”田舎漫画”のセカイ♪
(リンクは1巻のみですが、レビューはシリーズ全体に対してのものです)

 離島


悩める書道家・半田清舟が暮らすことになったのは……九州の孤島。
島の子供たちにふりまわされながら自分と向いかいあっていく。
あったかくて笑顔になれる名作コミックです。五島列島の自然やスローライフ、方言が魅力的v

この壁を越えなきゃ
何も見えないぞ
「ACT.1 ばらかこどん」より


題材は書道ですが、半田の懊悩はあらゆるジャンルのクリエイターに通じるものがあります。
なにかをつくっている方にとてもオススメ。
(私信。アニメも良かったです♪)

半田の学生時代を描いたスピンオフ作品↓「はんだくん」もほっこりv


 過疎村


葬儀のため帰省した村ではじまった”怪異”。
太陽はふたつ昇り、あたりは霧につつまれ、蝿の頭には人の顔が。
はたして主人公たちは村から抜け出すことができるのか……。

土地の伝承などもからんだ怪異なのですが、謎解きというよりはホラーやスリラー寄り。ぞっとするシーンがたくさんあります。
亡くなったばあちゃんが動き出すシーン……怖すぎました><;

「ひぐらしのなく頃に」の竜騎士07さんが原作です。
「ひぐらし〜」のキャラクターの鷹野も重要な役割をもって登場しています。

 田舎町


鐘の音が鳴ったら外に出てはならない。
十年ぶりに帰ってきた故郷の夜は、冥奴様(メイドサマ)とよばれる化け物たちが跋扈するセカイだった……。

アクションシーンが多めなホラー&サスペンス。
夜に外へ出ちゃダメ……は定番といえば定番の設定だけど、やっぱり怖いです><;

 因習


山村、島、鉱山跡、廃村、寺院……。
本草学を専門とする学者・三神が、奇妙な習俗や信仰の残る土地を旅していきます。
青年誌の連載だからか、妙に色っぽいシーンが多かったりするのですが、歴史や民俗学等の考証が本格的でおもしろい。
地方の因習や土着信仰系のホラー・ミステリが好きなひとにはとてもオススメです♪

描かれる土地はそれぞれ個性的で、田舎ならではの美しさがあります。日本のどこかに本当に存在していそう。
話によってはファンタジー的な要素も。「蟲師」が好きな方もどうぞv

 目にみえない世界


ラストはその「蟲師」を。
主人公のギンコは世界にただよう”蟲”に対処することができる”蟲師”。
蟲がもたらす様々な事件を解決したりしなかったりする物語です。

蟲、はいわゆる虫とはちょっと異なる。みんなに見えるわけではなく、感じられるひともまったく気づかないひともいて……、精霊というかなんというか「気の流れ」みたいな存在として描かれています。

人は自然のなかで生きている。
絵にも物語にも静謐な時間が流れていて、おだやかな気持ちになれる不思議な作品。
名作ですv



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪

あきか(@akika_a

(冒頭の写真は八ヶ岳パーキングエリアです)

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2020年02月29日

精神世界の名著4冊


今日のなぞなぞ
「スピリチュアル系の定番本4冊は?」



「精神世界の名著4冊」をまとめました。
↓リストは以前の記事(神社がわかる本10冊)で紹介した『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』の「リュウ博士の精神世界名著リーディング」で、八木龍平さんがオススメしている4冊。
(短い紹介文はこのブログのオリジナルです)

八木龍平さんが「霊的エネルギーを読み取った」本として紹介されていますが、
スピリチュアルのジャンルを超えて、思想哲学や人生訓として読みごたえのあるものばかり。
さまざまな本でよく言及されている、鉄板ともいえるリストです。

世界はこれから、”心の時代””愛の時代”へと舵をきっていく。
……かもしれない。

新時代の基礎教養として。
あなたのなかの霊性を高める4冊をど〜ぞ♪



 1.アミ 小さな宇宙人


ボーイ・ミーツ・宇宙人。童話、児童文学ふうの物語です。
少年ペドロは宇宙人アミと出逢い、教わる。宇宙の基準からみれば、地球はまだ”愛の度数”がひくい、野蛮な星である、と……。

アミが語る「宇宙の基本法」の話がとても面白いです。
みなが愛に満ちていて、家族のようで。争わず、個人は何も所有しない。通貨もない世界。

「機械がほどんどやってしまうからね」
「じゃみんな、なにをするの?」
「人生を充実して生きることだよ。楽しんだり、はたらいたり、勉強したり、奉仕したり、たすけの必要な人を援助したり……」
「第9章 宇宙の基本法」より

「じっさいここはほんの少ししか仕事がない。重労働は機械やロボットがやってしまうし」
「第11章 科学が霊性を発見するとき」より


SFといえばSFなのですが、まるで未来予測のよう。人類が今後歩む道を描写しているようにも感じます。
さくらももこさんの挿絵もかわいくて、私もすごく好きな本です。
『星の王子さま』が好きなひとにもオススメv


関連記事:
最近読んだ「未来の社会・経済を予測する」本10冊
最近読んだ「未来を予測する」本10冊
ぜんぶAIが決めてくれる世界ってどう思う?〜人工知能社会での「選択」と「自由」を考える本10冊



↓続編も出ています。全3部作。



 2.ありがとうの神様


こちらも有名な1冊。
生きることや幸せについての本質をダイレクトに語る、「すべての悩みが解決する」本。
自己啓発や精神論が中心ですが、抽象的な話に終始しているわけではなく、アドバイスはとことん具体的。

・威張る、怒鳴る、怒るをなくせ。
・トイレのふたをしめろ。
・「おんくろだのう うんじゃくそわか」と唱えろ。


などなど。
3つめの謎の呪文は、トイレの神様(うすさま明王)のご利益を受けるための真言だそうです。意味はわからなくても、ただ唱えればいいv

小林正観さんのこの”ベストメッセージシリーズ”↓も3冊出ています。



 3.マンガでわかる「引き寄せ」の法則


「よく聴く言葉だけど、けっきょく”引き寄せの法則”ってなんなの!?」というひとにとてもオススメな本。
これ以上ないほどにシンプルに”引き寄せの法則”を教えてくれます。

八木龍平さんも……

引き寄せの法則の本はたくさんありますが、本書はもっともわかりやすく親しみやすいです。
『成功している人は、なぜ神社に行くのか?』 「第5章/人生を加速させる次元上昇を起こそう」より


と太鼓判を押す。
物語形式のマンガと文章での解説が半々ほど。
さらっと読めて、しかも「これ1冊で充分かも」と想えてしまうくらいの良書です。


関連記事:
【キラキラ】人生を変える「引き寄せ系」成功心理学本19冊【キラキラ】



ちなみに。
本書でも『アミ 小さな宇宙人』が出てきます。
著者の奥平亜美衣さんが「衝撃を受けた」本として紹介されています。


 4.アルケミスト


半飼いの少年は夢を追い、それまでの生活を捨ててエジプトを目指す……。
ダイナミックに展開していく物語にもひきこまれるし、真実をずばり示すような名言や名ゼリフも多い、素敵な本。

結局、人は自分の運命より、他人が羊飼いやパン屋をどう思うかという方が、もっと大切になってしまうのだ

幸福の秘密とは、世界のすべてのすばらしさを味わい、しかもスプーンの油のことを忘れないことだよ

何かを強く望めば宇宙のすべてが協力して実現するように助けてくれる


少年の”旅”は、人生そのものの縮図。
八木龍平さんも「この本を読んだら、もうスピリチュアルな学びは終わりにしてもいいくらい」と強く推薦しています。
いまこの瞬間も世界中で愛読者を生み続けている、ロング&ベストセラーです。



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪ 

あきか(@akika_a


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神社がわかる本10冊
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非二元(ノンデュアリティ)の本は「読んでも読まなくてもかまわない」?








posted by akika at 00:34| 10冊シリーズ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月31日

【お知らせ】恋愛&ミステリ「矢神・朝比奈」シリーズの表紙デザインをリニューアル


今日のなぞなぞ
「表紙が生まれ変わった本は?」


デザイン、勉強ちゅう。
今日は A.A.Publishing(私の個人レーベル) よりお知らせです。

このほど、恋愛&ミステリ「矢神・朝比奈」シリーズの表紙をリニューアルいたしました。


「矢神・朝比奈」シリーズとは……

私(姉崎あきか)が AmazonKindleストア でリリースしている電子書籍です。
『闇に走れば』 『アトカタモナイノ国』 『神様』 の3冊が上梓されています。
恋愛小説でもあるミステリ作品。結末の大どんでん返しが特徴です。


ではでは。
イメージチェンジした新たな表紙を……。


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ど〜ん。


うそです。

ほんとは↓こっち。









おなじモチーフを使って、シリーズの統一感をアップしました。
ちょうど読んでいた↓『巨匠に学ぶ配色の基本』をみながら試行錯誤。




ちょっと良くなったかな。
前のほうが伝わりやすかったかな。どうだろう。

ちなみに、以前のものはこんな感じ。




神様 「矢神・朝比奈」シリーズ
神様
posted with amazlet at 20.01.06
A.A.Publishing (2019-12-31)


『アトカタモナイノ国』はそのままです。
『アトカタ〜』の表紙に目をひかれるという感想をいただいたので(私信。ありがとうございます♪)モチーフやトーンを寄せました。

デザイン、むずかしい><
むずかしいけれど、シリーズをおおう”不思議な雰囲気”を訴求できた気もします。


1冊1冊は推理小説として合理的な解決をしているのですが。
シリーズを通してみると、ものすごく不条理な物語が”行間”にたちのぼってくる。

理をこえたセカイがある。
それが、「矢神・朝比奈」シリーズ。



☆★☆



以上、お知らせでした。
ひと足はやいですが、素敵な節分をお過ごしください♪

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ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a

(写真はうちの愛犬のマオです)

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posted by akika at 00:13| お知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年01月30日

神社がわかる本10冊


今日のなぞなぞ
「神社を知るための10冊は?」

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神社あるある。

・鈴とお賽銭、どっちが先か迷う。
・絵馬にかいてある他人の願いごとが気になる。
・なにかかがいる気がして後ろをふりかえるが、ナニモイナイ……。


今日は最近読んだなかから「神社がわかる本10冊」を紹介していきます。

今年もいっぱい
本読もうよぉ〜☆(*´∇`*)ミ☆


このブログがあなたの読書のきっかけになれば嬉しいかぎりです。
本年もよろしくお願いいたしますv


ちなみに。↑鈴とお賽銭の順序はとくに決まりはないようです。
(共通の決まりごとはないけれど、個々の神社が参拝の仕方を定めているケースはあります)

ルールがあるようでないのが神道のセカイ。
初詣に行ったとき、「?」とちょっとでもひっかかりをおぼえたなら、あらためて学んでみるのも一興かも。


入門書からディープなものまで、
神社がわかる10冊をど〜ぞ〜♪



 通して読むのも◎


定義、歴史、祭神、祭祀、社格、信仰形態、参拝、境内、社殿……。
ひととおりの知識が網羅されていて、”神社入門はこの本から”という1冊。
こまかい目次がついていて、調べたいときにひける事典のような使い方ができます。
ちょい厚めの新書。通して読むのも全然アリです。
情報の密度がとても濃く、知らないことだらけだった私は付箋まみれにしてしまいました><
手もとに置いておくのにオススメですv

 お寺も


神社とお寺にまつわる基本を、写真とイラストがいっぱいの読みやすい編集で教えてくれる良書です。
1〜2時間で読めて、かなり詳しくなれるすごい本。

建築様式や聖職者のオシゴト。神話やブッダの教え。美術や歴史まで。
さくっと読めるムックでありながら、知りたいことがぎゅっと凝縮されていてオススメ。
行っておきたい神社とお寺を具体的に紹介する↓続編も♪


 祭りや有名な神社の由緒も


参拝の作法から境内をみるときの知識まで、入門とうたいながらも詳しく網羅。
写真はありませんが、イラストが豊富です。
伊勢神宮、出雲大社、日吉大社、日光東照宮……著名な神社の祭神・由緒・歴史も解説しています。各地の有名なお祭りも。
情報量が豊富な1冊です♪

神社の入門書は、それぞれの本で取り扱っている情報がかなり異なる。
良いのを選ぼうとせず、いろいろ読んでみるのがいいかも。

 御朱印


全国のお寺や神社の御朱印を”鑑賞”する。
写真をメインに、カルチャー雑誌のような文章で寺社のセカイを案内してくれます。
御朱印帳をいれるカバーやポーチ、バッグのつくりかたも掲載。
印や文字の意味、参拝マナー等の解説もありますが、知識をふかめるというよりは、御朱印という”アート”を楽しむ本です♪

 神社検定テキスト


神社本庁が監修する神社検定(https://www.jinjakentei.jp/)のテキストです。
教科書らしく横書きで、大事な単語は赤い文字で印刷されています。

これまで挙げた本でも解説されている基本知識のほか、各地によくある神社(八幡さん、お稲荷さん、天神さん、熊野神社……)についての詳しい説明があります。
公式テキストだけあって情報量が膨大。続編↓は10冊以上出版されています。

神社検定公式テキスト2『神話のおへそ』
神社検定公式テキスト3『神社のいろは 続(つづき)』 (神社検定公式テキスト 3)
神社検定公式テキスト4『遷(せん)宮(ぐう)のつぼ』 (神社検定公式テキスト 4)
神社検定公式テキスト5『神社のいろは要語集 宗教編』 (神社検定公式テキスト―1級用)
神社検定公式テキストE『日本の祭り』 (神社検定公式テキスト 6)
神社検定公式テキストF『神社のいろは要語集 祭祀編』
神社検定公式テキストG『万葉集と神様』
神社検定公式テキスト9『神話のおへそ『古語拾遺』編』
神社検定公式テキスト10『神話のおへそ『日本書紀』編』
神社検定公式テキスト11神社のいろは特別編『伊勢神宮と、遷宮の「かたち」』 (神社検定公式テキスト 11)


問題集↓も!



☆★☆



ここからはちょっとディープに、祖霊や氏神など”地域のちいさな神社”に関する本をとりあげていきます。
神宮・大社などおおきな神社もありがたいけれど、地元にひっそりとたたずむお社にもナニカガイル……。

 氏神と氏子

柳田国男全集〈14〉 (ちくま文庫)
柳田 国男
筑摩書房
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「神樹篇」「祭日考」「山宮考」「氏神と氏子」を収録した柳田国男全集です。

「神樹篇」は、神の宿る、あるいは天との懸け橋になるような樹木について。神木や柱など神籬(ひもろぎ)全般。
「祭日考」は、祭りについてです。各地のお祭りがどの季節のどの日に行なわれるかを徹底考察し、氏神信仰の移りかわりをみていきます。
「山宮考」は、神域。神をまつる場所についての論文です。
「氏神と氏子」は、氏神や神社の起源や変遷について。地域の神だけでなく、家や氏族がまつる神様にも目を配っています。

どれも”祖霊信仰”にふかく関わるお話です。
以前の記事(【記紀神話】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(後編)【古神道】)で紹介した「古神道」にもつながるテーマ。

 氏神と鎮守


個別の神社の成り立ちや変遷をたんねんに見て、この国の神道をひもといていきます。
↑柳田国男もあつかっている祭りや、宮座など氏子の活動にまつわる研究などなど。
信仰の対象は、ローカルで素朴な自然への崇敬から、外来のものや武士たちが導入した”神々”へとうつり変わっていく。

「第四章 神と神社と民俗学と」では「柳田國男の氏神論」と「折口信夫の神道論」を概説。
民俗学の大家ふたりの研究が簡潔にまとまっていて、とても参考になります♪

 鎮守の森


以前の記事(じつは読書案内? 『神様』に出てくる民俗学の本と用語16コ)でも紹介した1冊です。
各地にぽっこりと林をかまえ、お社を胎内にいだく、鎮守の森。
本書は、文化と環境の両方の視点から鎮守の森を研究しています。

意味と意義。地域社会との関係。
植物の生態。地形のなかでどう”配置”されているか……まで。

滋賀県全域にわたるこまかい調査結果が収録されています。
概論もありますが、調査書の色あいが強いかな。鎮守の森をめぐる状況を詳しく知りたいひとにオススメです。

全国どこにでもあって、地域の産土神や氏神をまつることが多い神域。
森が社を守り、そして社も逆に森を守っている……という指摘にハッとしました。

 社叢学


こちらも鎮守の森関連。社叢、は寺社を囲うようにしげる森林のこと。
本書は、「社叢学会」という鎮守の森を学究的に調査研究する団体の出版物です。

歴史学、民俗学、植物学、文化人類学、都市計画学。

の5つの視点から鎮守の森をみた概論を収録しています。
↑で紹介した上田篤さんも、都市計画学の節と巻末の講演で登場しています。

社としてだけじゃなくて、森として。生態系の息づく場所としても意味がある。
参考文献が大量に掲載されています。”神と森”のテーマに興味がある方は芋づる式に、どうぞv

 ひとはなぜ神社にいくのか


ラストはちょっと毛色の異なる本を。
神社の神さまとご縁をふかめる方法を教えてくれます。
徳川家康や安倍晋三さんなど”天下を取った”人物がどこの神社に参拝したのか……など、ほかの本では見られない情報が多数。

でね。じつは本書はビジネス書の皮をかぶりながらも、内容はかなりスピリチュアルに寄っています。
マインドフルネス、ヒーリング、チャクラ、次元上昇、見えないネットワーク……。
以前の記事(非二元(ノンデュアリティ)の本は「読んでも読まなくてもかまわない」?)でお話しした「ノンデュアリティ」も出てきます。

著者は科学者で霊能者。
統計学も超能力も扱う、とてもユニークな神社本。面白いですv



ノーリスク・ハイリターンの投資は"読書"♪


あきか(@akika_a

(冒頭の写真はうちの愛犬、モモ・マオです)

【関連記事】

【記紀神話】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(後編)【古神道】
じつは読書案内? 『神様』に出てくる民俗学の本と用語16コ
非二元(ノンデュアリティ)の本は「読んでも読まなくてもかまわない」?
心の時代を生きるための本10冊
最近読んだ「幸せについて考える」本10冊〜三大幸福論を中心に〜

【関連リンク】

神社検定 - 神道文化検定 / 知ってますか?日本のこころ
https://www.jinjakentei.jp/






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2020年01月22日

じつは読書案内? 『神様』に出てくる民俗学の本と用語16コ


今日のなぞなぞ
「民俗学を知る本16冊は?」


神様 「矢神・朝比奈」シリーズ
神様
posted with amazlet at 20.01.30
A.A.Publishing (2019-12-31)


以前の記事(【神隠し】恋愛&伝奇ミステリ小説『神様』をリリースしました【鎮守の森】)で紹介した↑『神様』
じつは「読書案内」といえるほど、さまざまな民俗学の本に言及しています。
この分野の用語も多数、登場します。

物語の舞台となる美香櫛(みかくし)には、いろいろな土着信仰が根づいていて。
主人公のマナは、風変わりな習俗に驚きっぱなし。
なにも知らないマナに、まわりの人物がレクチャーするシーンがたくさんあります。

出てくる本や言葉は、民俗学入門としても最適なものばかり。
今日は『神様』にでてくる本と専門用語を紹介していきます。


〜固有名詞の説明〜

マナ : 本書の主人公、語り手。
先生 : 幼い頃からマナの面倒をみている家庭教師。
来須 : 先生の友人。この物語の”探偵役”となる人物です。
美香櫛 : 秋田県の僻村。先生の故郷。


ではでは。
民俗学を知る16冊をど〜ぞ〜♪


※ 引用は『神様』より。ネタバレを避けるため、どんなシーンで言及されているかをあいまいに濁しているものもあります。

 1.虫送り

「蛇ですか?」
「間違いじゃないけど、いちおう龍ね。今年もちゃんと虫追いをやったんだな」
「むしぼい?」
「いわゆる虫送り」
 いわゆると言われても、どちらも初耳だ。

マナと先生のかけあい。
美香櫛には虫送りの風習が残っていて、なまってムシボイと呼ばれています。

虫送りは豊作を祈願する行事。
藁などで人形や動物をかたどり、これを依り代(後述)として害をはらう呪術です。
以前の記事(【民話伝承】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(中編)【フォークロア】)で紹介した『イタコとオシラサマ』など、様々な民俗学の本で解説されています。




 2.形代、依り代

「龍でなく人形を形代としたり、幟ですませたり、地域によっていろんなバリエーションがある。形代を燃やすパターンも多い」
「かたしろ?」
「形代はわかる?」

その虫送りの解説シーン。
美香櫛ではアマリョウサマと呼ばれる藁の龍が”依り代”となっています。

形代(かたしろ)や依り代(よりしろ)は、目に見えないものを宿す媒体のこと。
よりしろは、柳田国男とならぶ民俗学の大家・折口信夫が提唱した概念です。
「国文学の発生」などでまとめられています。




 3.まれびと

「マレビト信仰というより、美香櫛ではしつけの一環として根づいている。僕も子供の頃はマレビトって言葉さえ知らなかったよ」

先生のせりふ。
美香櫛では”よそ者”を丁重にもてなす習慣があり、マナは子供達から大歓迎されます。

まれびと、も折口信夫が分析した概念。
”よそから来る異人”を来訪神とみなすのがマレビト信仰です。
おなじく「国文学の発生」等で考察されています。




 4.ナマハゲ

「ちなみに、ナマハゲも来訪神の一種な」
 美香櫛にナマハゲが来ることはないという。もっと西のほうの風習らしい。
「ナマハゲー」
「マナハゲー」

先生とマナと子供たちがドタバタするシーン(笑)。
美香櫛は秋田県にある字(という設定)です。

ナマハゲはご存じ異形の怪物、民俗神。
以前の記事(【奇習邪宗】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(前編)【民俗神】)で取りあげた『日本の神々』でも紹介されています。
ナマハゲファンの方は、以前の記事(幻想と異形の獣人写真集――シャルル・フレジェ『WILDER MANN (ワイルドマン)』)で紹介したシャルル・フレジェの写真集もどうぞv




Yokainoshima: Island of Monsters: Japanese Folk Rituals
Charles Freger
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 5.6.『春と修羅』、『鬼と鹿と宮沢賢治』

 誰かがひっそりと道を歩いている。どこかで鳥がぱりぱりと鳴いた。身体が冷たい。なのに顔は上気し、嫌な汗をかいている。のどが干からびそうなくらい熱い。
 誰か来る。

マナが「見てはいけないもの」に追いかけられるシーン。

作中で言及されているわけではありませんが、この一連の場面は宮沢賢治の「河原坊(山脚の黎明)」という詩へのオマージュです。
『春と修羅 第二集』に収録されています。
宮沢賢治の文学とフォークロワとの関係は、以前の記事(【民話伝承】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(中編)【フォークロア】)で紹介した『鬼と鹿と宮沢賢治』がとても詳しくてオススメですv






 7.『かくし念仏考』

「信者がなかなか口を割らないからまとまった研究はすくないが、高橋梵仙の『かくし念仏考』という本が有名だ」

中盤の謎解きシーン。

隠し念仏は、以前の記事(【奇習邪宗】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(前編)【民俗神】)でもお話した、浄土真宗系の念仏信仰。
けっしてよそ者には口外してはいけない、秘密主義の宗教です。
『かくし念仏考』はその研究書。


かくし念仏考〈第1〉 (1969年)
高橋 梵仙
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 8.9.『山の人生』、『現代民話考』

「神隠し譚の類例を知りたければ、柳田国男の『山の人生』や松谷みよ子の『現代民話考』をひもといてみるといい」

来須のせりふ。
美香櫛の神隠し伝承について考察するシーンです。

以前の記事(【民話伝承】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(中編)【フォークロア】)でも紹介した『山の人生』『現代民話考』では、神隠しにかぎらず様々なジャンルの民話・伝承を読むことができます。





 10.11.『全国神社名鑑』、『延喜式』

「ぜんぶの神社の名前を把握してるんですか」
「そんなわけないだろ。夢見る少女も度が過ぎるとただの白痴だぞ。『全国神社名鑑』で調べただけだよ」

「式内社でもないだろうね」
 平安時代に編纂された『延喜式』の神名帳に載っている神社のことを式内社というらしい。

マナと来須のかけあい。
美香櫛にある鎮守の森の神社について推理をめぐらすシーンです。

『全国神社名鑑』は全国の主要な神社が探せる、めっちゃ分厚い資料です。
『延喜式』の9巻と10巻は「延喜式神名帳」と呼ばれており、平安時代の神社の一覧が掲載されています。


全国神社名鑒 (1977年)
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全国神社名鑑刊行会史学センター





 12.玉依姫

「タマヨリヒメは特定の神の名であるとともに、神の依り憑となる女性全般をさします」

村の青年・ミモリのせりふ。

玉依姫(タマヨリヒメ)は古事記や日本書紀、風土記に登場する女神です。
以前の記事(【記紀神話】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(後編)【古神道】)で紹介した柳田国男の『妹の力』「玉依姫考」では、タマヨリヒメの”巫女”的な要素が考察されています。




 13.14.15.16.その他参考資料

主な参考文献

 小松和彦『神隠しと日本人』角川書店、平成十四年
 門屋光昭『隠し念仏』東京堂出版、平成元年
 上田篤編著『鎮守の森』鹿島出版会、平成十九年
 柳田国男『妹の力』角川学芸出版、平成二十五年
 秋田県教育委員会編『秋田のことば』無明舎出版、平成十二年

末尾の参考文献リストです。

『神隠しと日本人』は、神隠し譚の類型分析がとても面白い、民話研究の本。
『隠し念仏』は、隠し念仏の数少ないまとまった研究。
『鎮守の森』は、鎮守の森の現状を調査した1冊。
『妹の力』は↑でお話したとおり、柳田国男の代表作のひとつ。
『秋田のことば』は秋田弁辞典です。

関連記事:
【奇習邪宗】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(前編)【民俗神】
【民話伝承】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(中編)【フォークロア】
【記紀神話】日本の土着・民間信仰を知る本10冊(後編)【古神道】




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 番外編.


『神様』では民俗学以外の本にも言及している箇所があります。
番外編として、五つの場面をピックアップ。


 来須さんはいつも、先生と賢さを競いあっている。『二銭銅貨』の語り手と松村のような関係だという。

マナの独白。秘境の山村に向かって歩くシーンです。
「二銭銅貨」は江戸川乱歩の名作短編。
暗号解読やどんでん返しが魅力的な物語です。

「帰りの旅費を浮かす魂胆だとしたら、屋根裏から口のなかに毒薬を落とす」
 ユニークなおどし文句だ。

来須のせりふ。
マナは気づいていないようですが、こちらも江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」にひっかけた言いまわしです。

「二銭銅貨」と「屋根裏の散歩者」は、以前の記事(【絵本】クリスマスに恋人に贈りたくない本10冊【小説】じつは読書案内? 『狼ゲーム』に出てくる定番推理小説10冊)でも紹介した『江戸川乱歩傑作選』に収録されています。




「これを密室と呼んだらカーに叱られてしまう」
 外国人の知り合いがいるのだろうか。
「密室の講義、ね」

マナと来須のかけあい。
「密室講義」はカーの『三つの棺』のなかで展開されている、密室殺人のトリック分類した講義です。




「想像上の友達、ですか」
 ちいさい頃に読んだ『アンネの日記』を想い出し、私は言った。

「マナちゃん、思考をとめるな。王様は裸だと言える大人になれ」
 裸の王様。

どちらも中盤の謎解きシーンです。

『アンネの日記』はご存じアンネ・フランクの名著。
ナチスに追われる少女がつむぐ、魂の言葉たち。世界的なロング&ベストセラー。
『裸の王様』はアンデルセン童話ですv






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